Ensemble Salicus演奏会|今週末

Ensemble Salicus演奏会|今週末

先週末はヴォーカル・アンサンブル カペラの目黒区美術館でのミュージアムコンサートがありました。

ご来場くださいました皆様、まことにありがとうございました。

村上友晴さんのモノトーンの絵画の中で、グレゴリオ聖歌主体のミサを演奏しました。

通常唱はいつもはポリフォニーで演奏することが多いのですが、今回はそれも含めすべてグレゴリオ聖歌でした。ポリフォニーはデュファイの3声のモテット3曲で、それぞれ、オッフェルトリウムの代用、コムニオのあと、そして閉祭の歌として歌いました。

そして今回研一郎が出演できなかったので、私初めて司祭役をやりました。

私実はカペラの演奏会の中では研一郎のPater nosterが一番好きなんですが、それを今回自分がやりました。

やはりいつも見ている光景でも、自分でやるのは違いますね。次に何がくるのか、常に頭がフル回転で、大変素晴らしい経験になりました。


さて、今週末はいよいよEnsemble Salicusの演奏会です。

この演奏会でも私司祭役をやります。

演奏するのはアレクサンダー・アグリコラ、誰やねんって感じですよね。私もそうでした。

16世紀にはこの時代の作曲家としては5本の指に入ると言われていたのですが、現代ではあまり演奏されることがありません。

こういうことって結構あって、いつかアラミレで演奏したアダム・レナーとかヨハンネス・レジスとか、フランドルにはまだ知られざる巨匠が沢山います。

そしてなかなかわかりにくいですが、それぞれが本当に個性的です。それぞれの作曲家の癖、こだわるポイント、頻出させる好きな技法なんかがわかってくると、実に味わい深いです。

例えばルターは、ジョスカンを評して「音の主人」と言いました。音を意のままに操って天才的な音楽を繰り広げる様子をよく表現していると思います。

それに対してアグリコラは、言うなれば「音の料理人」笑、彼の作るスープの隠し味を誰も知りません。何が入ってるか全然わかないけどめっちゃうまい!って感じです。

あるいは違う言い方をすると、ジョスカンが宇宙の摂理を表現しようとしたのに対し、アグリコラはその宇宙に投げ出された人間の孤独を表現しようとしたって感じでしょうか。

「わかりやすい音楽」と言うと嘘になると思います。

この頃の音楽は、作曲家の自己表現ではないので、わかりやすい「感情」や「感覚」を表していないからです。

嬉しさ、苦しさ、怒り、喜び、悲しみ、痛い、気持ちいい、そういう音楽ではありません。

とも言えるし、それらすべてを表しているとも言えます。

もっと根本的な、生きることの尊さとか、世界がこうして在ることのありえなさを歌っているんだと思います。

そういうスタンスで、まっさらな気持ちで、体ごとその音楽に身を浸すと、本当に胸がいっぱいになります。

この音型は何を表しているんだろう、どういう感情なんだろう、そういうの全部取っ払うことができれば、こんなアッパー系なミサ曲はありません。圧倒的高揚感です笑。


それから今回はグレゴリオ聖歌の歌い方についてもアップデートを加えました。

といってもアポストロファのずり下げを、今まではその音からやっていたのを、その音に向かってやるというそれだけのことなのですが。

特殊ネウマについてはコチラをチェーーック!

いやほんとね、我ながら細かいと思いますよ。ほんのちょっとの違いなんです。多分何気なく聴いていたら全く気づかないと思います。

しかしですね、このほんのちょっとした違いが我々にとっては天地がひっくり返るほど本質的なことなんですよね。

わからなくていいんです。なんか違う、なんかいいなって思っていただけたなら、その影にこういう細かい絶対誰にも気づかれないような細部に対するこだわりがあるんです。

問題はこの細かな差、そのものではないんです。そういう細かな差が積み重なったもの全体を聴いた時に何を感じるか、何を感じさせたいかということなんです。

だから、私よく、ここをこうやってます、こんなにこだわってますって押しつけがましく言ってますが、その、そこを聴いてほしいわけではない。そんなクソどうでも良さそうなところにまでこだわり抜いて音楽に向き合ってますよってその情熱ね、それを感じてほしいなって思ってるわけです。

ってね。言わなくてもいいことまで言ってますが、結構誤解されてるようなので勢い余ってたまには言うことにします。笑

演奏会詳細はこちら↓

https://www.salicuskammerchor.com/concert

あ、アポストファってこれです。この赤丸のところ。

これは半袖Tシャツですが、今回ロンTも作りましたので、よかったら受付によってみてください。

さらに今回、去年のEnsemble Salicusのレクチャーコンサートを収録したライブCDも作りましたので、こちらも良ければ御覧ください。

物販について詳細はコチラ↓

https://www.salicuskammerchor.com/goods

 

 

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Salicus Kammerchor

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公演情報

次回はEnsemble Salicusの演奏会です!

http://www.salicuskammerchor.com/concert

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CD・DVD発売中!

Ensemble SalicusのレクチャーコンサートライブCD

昨年10月に開催されたLa Musica CollanaとのジョイントコンサートのライブCD

第2回定期演奏会のライブDVD

をウェブ販売しております!

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やりたいこと

今日から8月5日の第3回デュファイ祭のためのリハーサルがはじまりました。

カペラとして出演します。

デュファイめっちゃ面白いです。とんでもなく複雑で変化に富んでいて、時に相当トリッキーで意外性あってスリリングです。

なかなかまとまって演奏する機会というのもないので今回とても楽しみです。

超どうでもいいですが、今日生まれて初めて楽譜に丼(どんぶり)を発見したので御覧ください。

見てくださいどう見ても丼(どんぶり)。


今回私は基本的にはバスを歌いますが、バランスの関係でコントラテノール(アルト)も歌います。

あんまり普通のことではないかもしれませんが、自分としてはいろんなパートが歌えるようになりたいなあと思っているので、そういう意味でも楽しみです。

あ、それより圧倒的に凄いのは7月21日の八重桜×八咫烏のコンサートでトミーがやる、女声合唱のアルトと男声合唱のトップテナーと混声合唱のアルトとテナーを歌うってやつですね。八面六臂とはこのことか・・・。

私は男声合唱でトミーと一緒にトップ歌うのでぜひ聞きに来てくださいねーー。

チケットひょっとしたら売り切れちゃうかもしれないのでお早めにご予約ください。


最近加藤一二三先生の「鬼才伝説」を読んでるのですが(そのうち読書感想文書きます)、本当に凄いです。まえがきから鳥肌が止まりません。

全人類、全人類史上彼しか経験のしていないことがあって、そういう人の文章は実に力強く美しい。

彼の残した数々の記録の中でも、公式戦2505対局、1180敗は特に未来永劫破られることのない記録なのではないかと言われています。

14歳でプロデビューして(藤井聡太に破られるまで半世紀以上最年少記録を保持)以来77歳で引退するまで不戦敗が一つもないそうです。鉄人ですよ。63年間一度もですよ。

普通の人から見ればただの変人なのかもしれないけど、道を極めようと一心不乱な姿勢というのはもう、人の心を打ちますよ。

というわけで私がネクタイをちょーっと長めにしてるのはひふみんリスペクトってことですので笑


最近思うんですけど、世界中の誰もできないorやったことがないってのは、自分ができないorやらない理由にはならないんですよね。

音楽で言えば、だれも音楽の真髄、本当の音楽、音楽そのものにはたどり着いたことがないし、そんなことは不可能なのだからといって、それを求めないという理由にはならないんです。

将棋もそうで、天文学的な手のバリエーションを前に人間は全てを読むことはできないんですって。将棋を指すことは宇宙の真理へ至る道を追求することだと。

私達のやっていることとよく似ています。

誰もできないこと、やったことのないことを追い求めるのが私達のやってることなんですよね。

三十路にもなって何夢みたいなこと言ってんだって笑われそうですけど、(”But I’m not the only one”)現状維持の向上心のない年寄りにはなりたくねえなって思います。

「ネウマ的にJ. S. バッハを歌うという」のもその一つですが、最近は「バーバーショップのアンサンブルクォリティでポリフォニーを歌う」ってのを思ってます。

バーバーショップカルテットって、世界で最もアンサンブルに対して厳しい耳をもったジャンルなんじゃないかなと思います。

そういうクォリティでポリフォニー聴けたら最高だろうな。デュファイとかね。

Ensemble Salicusでは、グレゴリオ聖歌ももちろんだけど、そういうところも目指していきたいです。

こういうのあったらいいなあってのが世の中に無いんだったら、自分でやるしかないですよね。ワクワクします。

昔声楽の先生に、「君にできるかどうかわからないけど、僕にもできなかった」という最高に誠実で、体の奥底から熱いものが湧き出てくる素晴らしい御言葉をいただいたことがありました。

逆に言うと「僕にはできないけど、君にはできるかもしれない」ってことも言えますよね。

しかしまあ「僕にできないから君にできるわけない」と思ってる人の方が多いように思います。

そんなやつおらへんやろ、ちっちきちーってやつですね。

自分のモノサシで他人を計るのやめて欲しいですよね。

ホント。

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サリクス通信に加藤拓未、渡辺研一郎が登場!

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カペラ | 「ボッティチェリ展」 記念コンサート 終演

今日は東京都美術館でカペラの本番でした。

美術館で開催中のボッティチェリ展にちなんで、ボッティチェリと同時代の、メディチ家ゆかりの音楽ということで、デュファイやジョスカン、イザーク等を演奏しました。
どの曲もその背景にメディチ家に色んな意味で深い関わりがあり、その成り立ちやいわれが大変興味深く、花井先生流石の選曲だなぁという感じでした。
プログラムにはなかったのですが、急遽昨日演奏することが決まった曲もありました。
期せずして、その曲がこのコンサートの白眉となったのではないかと思います。
その曲の、曲名は不詳、作曲者も不詳です。
それはこの絵の中にある楽譜の音楽です。
{3F25237E-97EF-4D90-BB16-2330931E5AAE}

Filippino Lippi作の聖母子像です。

右下の2人の天使が持っているのがその楽譜です。
昨日のリハーサルが30分早く終わり、雑談のように、この楽譜の話題になり、音にできるのかなぁということで、その場で歌ってみました。
よく見てみると、画面中の楽譜は二箇所二重線で区切られており、それぞれ別のクレフが付けられていることから、3声の曲だということがわかりました。
歌詞は付いていなかったので、花井先生が、聖母関連ということで、Ave Regina caelorumの歌詞を割り振りました。それが昨日の夜のこと、PDFがメールで送られてきて、明日はこの歌詞で歌いましょうとのことでした。
その楽譜がこちら
{A9CDF70F-789B-455B-9066-44725B3BF23A}

譜面の最後に繰り返し記号が見えるので、同じ音楽で2節まで歌おうということで、楽譜が2つ貼り付けてあります。

上が1番、下が2番です。
ゲネプロもこの楽譜で歌いました。
ところがどっこい!
花井先生が閃いてしまいました。
この聖母の肩(?)に星が瞬いていることに!
そう、これは船乗りたちの航海を照らす海の星としての聖母を描いていたのです!
となると当てはめるべき歌詞はAve Regina caelorumではなくAve maris stella「めでたし海の星」でなければなりません。
これに気づいたのが本番1時間前。
大急ぎで譜面を書き換えて(所要時間約20分)、ある者は着替えながら、ある者は歯を磨きながらリハーサルしました。10分くらい。
それで本番を迎えたのですが、この曲を演奏する段になって気がつきました。書き換えた楽譜を控え室に置いてきたことに( ̄▽ ̄)
斉藤さんに控え室まで楽譜を取りに行ってもらうまでの間、長ーー目のMCが入りましたとさ。
肝心の演奏に関してですが、映像が公開される(かもしれない)のでそれをお待ちください。
公開されたらこのブログでも紹介しようと思います。
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