Ensemble Scandicusコンサート|天衣無縫

いよいよEnsemble Scandicusのコンサートが来週に迫ってまいりました。

この企画は普段グレゴリオ聖歌とルネサンス・ポリフォニーしか歌ってない4人組が、歌曲歌っちゃおうという企画です。

サティ、髙田三郎、シューマンと歌って最後にデュファイとオケゲムとビュノワを歌います。

一応声楽科は出ているものの普段普通のクラシックほとんど歌わないメンバーが、今の自分たちだからこそ歌える歌を歌います。

私なんかもう最近はもうなんの遠慮もなくアンチクラシックを謳っておりますし、ピアノ伴奏でソロの歌を歌うなんて事自体多分学部卒業して以来初めてです。

もうクラシックという文化に辟易してしまいまして、シューマンとか実はかなりシンパシーあるのですが、これまで歌ってきませんでした。

この企画は祐天寺から研一郎と電車で移動してる時に思いついたのですが、彼のピアノだったら出来るなって思ったんです。

というのも彼の弾くピアノはピアノにしてピアノに非ず。

ピアニストには決して出せない音を出します。

もうなんの音かわかんない。

なんでピアニストには出来ないかというと、ピアニストってピアノが好きなんですよね。だからピアノの音しかしない。

私もクラシックが嫌いなので、思想が近いんですよね。

そんなわけで演奏会タイトルを「天衣無縫」としました。

ある価値観の枠の中で、そこからはみ出ないように作られたなにかではないものが出てくるといいなと思っております。

歌詞は辛そうなのに歌は偉そうだったり、悲しいはずなのに威圧的だったり、絶叫してるのにノイズがひとつも入ってないとか、そういうの、変じゃないですか?

お昼の部はほぼ完売ですが、夜の部はまだ大丈夫です。

なんか歌曲っていまいちピンとこない。という方にオススメです。

https://tiget.net/events/193887

Salicus Kammerchor第7回定期演奏会|終演

Salicus Kammerchor第7回定期演奏会|終演

一昨日になりますが、Salicus Kammerchor第7回定期演奏会が終演いたしました。

お越しくださいました皆様、誠にありがとうございました。

昨日は17時まで寝ていて流石に夜寝れませんでした。笑

今回の公演では定期では初めて世俗曲を1曲取り入れ、また後半は器楽を入れるということを試みましたが、どちらも功を奏したように思います。


世俗曲を歌ったのは拓さんと研一郎でしたが、1回目のリハで拓さんに「Ogheモード」でお願いしますとリクエストしました。

Ogheというのはサルデーニャのテノーレスという男声合唱でのリードパートのパート名で、「コエダイr合唱団」では拓さんはいつもこのパートを歌っています。

リハの回数を重ねる度にOghe度が増していって、本番はもうOgheよりOgheでした。

研一郎もそれに追随するように凄い歌になっていきました。


また今回ヴァイオリンを弾いてくれた丸山韶は古楽科の同期でまあよく一緒にやってるんですが、これがまたよく歌う、よく喋るヴァイオリンなんですね。ほんとに四六時中歌い、何事か喋ってる。

こんなヴァイオリニストは世界広しと言えど彼以外に他にいないのですが、だからこそ誰も評価できないのでしょうか。たまに彼がオケでヴィオラを弾いているのを見たりしますが、意味が分かりません。

まあオケとしてはダメなのかもしれない。彼のヴァイオリンは他の誰とも違うから。次元が。

なのですが、私がカンタータクラブで指揮をしていた時にずっとヴァイオリンを弾いていたのが彼だったので、私にとってのヴァイオリンのスタンダードが彼になってしまったんですね。

それは本当に良くない。笑

今回歌のメンバーにとっては凄くいい刺激になったと思います。

実は今回の我々の目標は「無茶苦茶歌いまくる」だったのですが、過去の私たちよりはそれに近づけたのではないかと思います。

本当にインド古典声楽を習い始めてからというもの、「歌」に対するハードルが爆上がりしてしまいまして、それはそれでリハーサルがいつもより辛口になったりして、その上「古楽の終焉」(オススメ!)という本のおかげ(?)で口が悪くなってまして笑、メンバーには申し訳ないところもありました。

しかし、今回のコンサートを通じてSalicus Kammerchorが次のレベルに踏み込んだのは間違いないと思います。

特に前半プログラムのグレゴリオ聖歌とポリフォニーは手応えがありました。いやこんなふうに演奏できる団体は他にありませんよマジで。みんなほんとに凄い。

今回諸々の事情が許さずライブ配信はできませんでしが、後日録画配信をすることにしました。

6月4日プレミア公開、アーカイブは2週間です。

遠方の方も、そうでない方も、ぜひご利用ください。

https://ja.twitcasting.tv/salicus_kc/shopcart/158332


そしてこのライブ配信の当日ですが、昼間に公演があります。

叔母の新作能「菖蒲冠」に出演します。

https://www.mari-pla.me/makiko-ayamekohuhuri

この日は昼は「菖蒲冠」、夜はSalicus Kammerchorのライブ配信でお楽しみください。

この公演に関して叔母と動画を撮りました。

ちょっと長いですが、この公演の面白さがわかりやすく語られていると思いますので、ぜひご覧ください。


更に、まだオープンになってませんが、6月21日には徳久ウィリアムさんとトム・ウェイツを歌うライブをやることになりました。

私はトム・ウェイツのsmall changeのアルバムから数曲と、シューマンの歌曲をトム・ウェイツの声で歌います。徳久さんはトム・ウェイツの声を使ったオリジナルソングを歌われる予定です。

こういう感じです。

そして7月3日はコエダイr合唱団の演奏会。

今回はまた凄い盛りだくさんのプログラムになりそう。こちらはメンバー絶賛募集中です。お気軽に見学にいらしてください。

https://note.com/voiz/n/n714b1710c95b?fbclid=IwAR19-tbKamNmuWdXZwZlH7AiKZWvlI2dV8T7A_BijjkRKzkdznsRhTOvD5k

7月にはカペラの演奏会もあって、8月頭はエマルシオンと、カンタータクラブ創立50周年演奏会があったりとなかなかの集中ぶりですが、それぞれ魅力的な演奏会ですので、ぜひチェックしてください。

第3回リモートアンサリライブ

コロナ対策で始めたリモートアンサリライブ、初回は5月、4人でやりました。

2回目は7月で6人でした。第3回は9月で8人です。

このまま順調に行けば11月には10人、、、1月には0人、、、になるわけではないですね。

が、この次はいよいよ通奏低音を入れてSalicus Kammerchorとしてライブできればいいなあと思っております。

その前に11月のカンタータ公演をどのような形で開催するかを検討してお知らせしなければなりませんね。

演奏会についてはもう常に難しい判断を迫られます。

その点リモートアンサリライブは、この企画自体での感染リスクは極めて低いので準備がしやすいです。

とは言っても演奏会同様大変は大変ですけどね。

でも開催できるとわかっているものの準備は楽しいです。

今回披露する予定の曲は5曲です。


①グレゴリオ聖歌 主の昇天の祝日のミサ固有唱より拝領唱「主に向かいて賛美の歌を歌え」
②グレゴリオ聖歌 ミサ通常唱第1番より「アニュス・デイ」

グレゴリオ聖歌は前回から引き続き主の昇天の祝日のミサからです。

今回で例の動画から続く主の昇天のミサがすべてグレゴリオ聖歌だけで完結します。

そういうパッケージ作ってもいいかもな。うむ。検討します。


③ギョーム・デュファイ「めでたし乙女」

今回のポリフォニーはすべて聖母マリアのモテットです。時代順にデュファイから。3声の美しいモテットです。鏑木・渡辺・櫻井の3人で演奏しました。

本当にデュファイって凄すぎて、私この人宇宙人だったんじゃないかと思ってるんですけど笑

仮歌作るのに4日かかりました。「仮歌」にですよ。しかも3声の曲なのに。いや、単純に声部の少ない順に録り始めたんですけど、いやはやこんなに大変だとは思わなかった。

あまりに大変だったので、仮歌紹介動画とか作ろうかなあ。全曲は流さないで、曲紹介も兼ねて。

間違いなくこれまでで一番の難曲です。普通に歌っても難しいです、多重録音としては最高難度の曲ではないでしょうか。


④クローダン・ド・セルミジ「天の元后」

セルミジは第1回リモートアンサリライブでも取り上げたのですが、最近ハマってます。歴史的にいまいち評価されてないのはなぜだろう。

パレストリーナに匹敵するか上回るほどのポピュラリティがあると思います。

素直に、まっさらで聴いて美しい。

「あなたのハートにド直球」な作曲家だと思います。

間違いないですね。これは。

5声の作品で、中須・富本・佐藤・谷本・松井の5人で演奏します。


⑤トマス・ルイス・デ・ビクトリア「アヴェ・マリア」

最後は8人全員で8声の作品を演奏します。

ビクトリアの8声のアヴェ・マリアです。ビクトリアのアヴェ・マリアとしては4声のものが有名で、合唱コンクールなどにも取り上げられていましたが、どうやらあちらは偽作のようですね。

偽作問題については、いつも思うんですが、有名な作曲家の名前がついていたことによってその作品が後世に残ったわけですので、その曲が好きな人にとっては万々歳ですよね。

誰が作ったかということで作品そのものの価値はなんら変わらないので。

8声の方のアヴェ・マリアは典型的な二重合唱の様式で書かれています。

重厚にして均整のとれた美しさというか、基本的には他のルネサンスの宗教作品同様宇宙の摂理をあらわしたものだと思うのですが、その建前の隙間からにじみ出る人間味みたいなものがビクトリアの魅力かなと思います。

どうしようもなく滲んじゃってるんですよね。人間が。

これもやはり、当たり前ですが声部が多いので、仮歌づくりは大変でした。4声の作品と比べて単純に手間は2倍です。

最近暑いですよね。エアコンつけなかったら30分くらいで命の危険を感じますが、録音するときってエアコンのノイズが入っちゃうから切るんです。

設定温度21度とかでキンキンに冷やしてからスイッチ切って、汗ダラダラ流しながら録音してまたエアコンつけて、またキンキンに冷やしてから録音する。みたいなことを何十回と繰り返して録音しました。

いや、真夏の宅録って過酷。多分真冬も過酷なんだろうなああ。

でも多分夏のほうが辛いですよね。のび太くんも言っていましたが、冬は服を着れば温かいけど、夏は裸になっても暑いですからね。

演奏も激アツになってますので、どうぞお楽しみに。


第3回 “Remote” Ensemble Salicus Live〈過去最大編成のアンサリ〉

Salicus KammerchorのYou Tubeチャンネルでのライブ配信です↓

https://www.youtube.com/channel/UCeWlQtnOnETy6Q2uZUVq4jA

日時:9月4日(金)20時開始

曲目:
グレゴリオ聖歌 主の昇天の祝日のミサ固有唱より拝領唱「主に向かいて賛美の歌を歌え」
グレゴリオ聖歌 ミサ通常唱第1番より「アニュス・デイ」
ギョーム・デュファイ「めでたし乙女」※鏑木・渡辺・櫻井
クローダン・ド・セルミジ「天の元后」※中須・富本・佐藤・谷本・松井
トマス・ルイス・デ・ビクトリア「アヴェ・マリア」

出演:Ensemble Salicus
鏑木綾 中須美喜 渡辺研一郎 佐藤拓 富本泰成 櫻井元希 谷本喜基 松井永太郎

シャイトのレクチャーコンサート【延期】

Facebook、Twitterのほうではすでに告知させていただきましたが、2月29日似予定しておりましたシャイトのレクチャーコンサートが延期になりました。

こういう状況なので仕方ないとは思うのですが、ちょっとガクッと来ております。

大学主催のイベントということでいかにもそういうことになりそうだなと覚悟はしておりましたが、やはりこれまでの準備のことを思うと切ないものがあります。

しかし中止ではなく延期ということで、これまでの準備が全く無駄になるわけではないと信じて切り替えて行こうと思います。

昨日はこのコンサートのためのリハの予定でしたが、それもなくなってしまったので、市川のイタリアンに行ってきました。

前にエマルシオンのメンバーとも行ったお店で、それはもうめちゃ美味しかったです笑

こういうときは美味しいもの食べるに限りますね。


さて、演奏会がひとつとんでしまいましたので、次の私の演奏会は叔母との企画となります。

私の作曲する部分は7割方できているのですが、あともう少し!できたら楽譜を清書して練習します。

今回私が作曲するのは、
詩篇23の日本語訳のグレゴリオ聖歌風
如来唄の「色」の部分をラテン語訳したものをグレゴリオ聖歌風に
「講式」にラテン語の何かしらの単語でドローン
「中唄」をラテン語訳してもとの声明と合うようにグレゴリオ聖歌風に
となっております。

あまりにも大変すぎるのでもう二度と開催されないかもしれません。
この機会に是非!!

これは個人の企画なので、よほどのことがない限り予定通り開催すると思います。

シャイトはもともと無料のイベントですし、こちらの企画は予約制で事前にチケットを売るということをしていないのでまだいいのですが、もし5月のサリクスが中止や延期ということになると想像を絶する事態になると思います。

あまり想像したくないですが、想定しておかなければと思っています。

会場が使えなくなったりすることもあるかもしれないので。

こういうことが続くと我々演奏家は生きていけないです。

ネット配信でカンパを募るとか、音源を売るとかいうことを真剣に考えなければならないかもしれません。

とりあえず演奏会が結構中止や延期になっててオーディエンスとしてもがっかりな事があると思うので、この機会にサリクスのJ. S. バッハのモテットのCDはいかがですか?笑

https://salicus.thebase.in/

またYouTubeに昨年のEnsemble Salicusの動画も上げましたので、この機会に是非!

感染の心配なく音楽を楽しんでください!笑

グレゴもあるよ!


ということで、こういう状況ですが、美味しいもの食べて、よく寝て、演奏会が心配であれば、動画とかCDとかで音楽聴いて、心穏やかに、しかし逞しく過ごしていこうではありませんか。

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Salicus Kammerchor

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J. S. バッハのモテット全曲録音CD完成!

ウェブ販売を行っております!

https://salicus.thebase.in/

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演奏会情報

次回演奏会は

https://www.salicuskammerchor.com/concert

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サリクス通信

サリクスの最新情報や、ここでしか読めない特集記事を配信しています。

http://www.salicuskammerchor.com/mail-magazine-1

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櫻井元希へのお仕事・レッスンのご依頼ご相談、チケットのお求め等は以下のフォームよりお気軽にお問い合わせください。

サリクスCD編集

ここのところめっきりブログ更新が滞っております。

というのもブログアプリの調子が悪く、書いたブログが消えて絶望していたのと、


というところまで下書きに保存して10日以上放置するようなありさまで、サリクスのCD編集に追われておりました。

おかげさまで昨日でほぼ完成いたしました。

あとは発注用データを作って、ジャケットデザインを校正して発注です。

良くも悪くもライブCDのようなCDになったと思います。

多くの方に聴いていただけるように、これからディストリビュートの方をまたがんばっていきます。

それからクラウドファンディング特典の製作も着々と進んでいます。

ライブCDはまもなく発注、記念冊子も校正がほぼ終わりそう。メイキングショートムービーだけもうちょっとかかりそうです。何しろ作ってる人が録音エンジニアも兼ねておりますもので。。

そうそう。昨日最終仕上げの編集に伺いましたところ、新村氏から誕生日プレゼントをもらいました。

私あまりゲームはやらない方ですが、中学校の頃ゲームセンターにあったMETAL SLUGというゲームが好きで、よくやってたんです。(西条プラザで)

で、最近のゲームセンターというやつはアーケードゲームが全然なくて、あってもメタスラ置いてるとこなんかほとんど皆無なんです。

っていうような話をしてたらこれをくれました。メタスラ以外にも全部で40タイトルもネオジオのゲームが入ってるんです。

もう廃人まっしぐらですね。

テレビにもつなげるし、コントローラーつないだら2Pもできるので、うちに遊びにお越しの際には遊びましょう。


しばらく更新をさぼっていたので、お知らせしなければならないことが山ほどあるのですが、全部書くと日付をまたいでしまうので、ひとつだけ。

Ensemble Salicusの演奏会が12月19日にあります。

ずいぶん先のような気がしますが、すでにリハーサルは始まっています。

今回の企画は、
ミサ《ロム・アルメ》 〜種々の作曲家による〜
です。

ジョスカンの作品にミサ《ロム・アルメ》~種々の音高による~というのがあるんですが、これをもじりました。

ミサの各楽章ごとにそれぞれ別の作曲家のミサ曲から演奏します。

だいたい全て15世紀の間に作曲された作品で、かなり近い年代に作曲されたと考えられるものも複数ありますが、それぞれ驚くほど個性的です。

しかもどれもめちゃめちゃいい曲です。

なにしろ古今東西のミサ《ロム・アルメ》からのいいとこどりですから、それはそれは名曲選。我ながら素晴らしいプログラムだ!

そして個性的でありながらロム・アルメという一つの定旋律によって全体が統一されている。

つまり多様でありながら一貫性がある。なんて素晴らしいプログラムだ!(2回目)

先日の初回リハーサル、ひとまずすべてざっと歌ってみたのですが、とてもいい!これだけ自画自賛する櫻井も珍しい!笑

大森教会ひょっとするとひょっとして満員にならないとも限らないので、予約だけでも下記のリンクからお早めにどうぞ!

https://tiget.net/events/66378

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Salicus Kammerchor

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演奏会情報

次回演奏会は

12月19日のEnsemble Salicus第2回演奏会です!

https://www.salicuskammerchor.com/concert

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CD・DVD発売中!

第3回定期演奏会のライブDVD

をウェブ販売開始しました!

http://www.salicuskammerchor.com/goods

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サリクス通信

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