秋になれば

秋になれば

木の葉こ落ちて
どじょっこだの ふなっこだの
船っこ来たなと思うべな


秋ですね。

今日妻は広島から来た友達とミニーマウス風赤白水玉模様のスカート(友人作)をはいてディズニーランドに行きました。5時起きで。

楽しそうで大変良いですねえ。

温かい眼差しで送り出しました。笑


9月末はサポート会員募集で、10月はEnsemble Salicusレクチャーコンサートで忙しくしておりましたが、秋といえばもう一つ、そう助成金のシーズンなんですね。

未だ一円ももらえておりませんが、今年も不屈の精神で申請を出します!

それで助成金を出すのに過去の実績というのをまとめていたのですが、これがなかなか感慨深い・・・。

2015度(助成金は年度区切っているため私たちの設けているシーズンとはずれています。これがまたややこしい笑)は第1回定期演奏会のみで赤字、サポート会員募集を開始。

2016年度は第2回定期演奏会とジョイントコンサートもやってしまったためかなりの赤字、しかしサポート会員さまの応援のお陰で年度としては赤字回避。

2017年度つまり今年は第3回定期演奏会とEnsemble Salicusですが、なんと先日のEnsemble Salicusの演奏会がサリクス史上初の黒字を叩き出した為、その分録音準備金に回せそう。

3年で、赤字→トントン→黒字となりました。皆様のおかげです。本当に感謝感激でございます。

サポート会員収入も2015年529,000円→2016年610,000円→2017年816,000円と本当に順調に増えていっています。ありがたい限りです。

もちろんまだこれだけで録音が出来るわけではないのですが、来年度と再来年度の助成金が取れればかなり可能性は高くなります。おそらくそれだけで録音経費まかなえます。

なので今年は是が非でも助成金獲得したいところなのです・・・。

もちろん取らぬ狸のなんとやらですので、取れなかった場合ももちろん考えなくてはなりません。その場合は録音のためのクラウドファンディングをやることになります。

ともあれ、皆様のお力添えのお陰で徐々にSalicus Kammerchorの活動が軌道に乗りつつあります。本当に有難うございます!


さて、秋といえば普通に演奏会シーズンでもありますね。

私も例に漏れずいろいろやります。


その1

旧閑谷学校ライトアップイベント

シグナス・ヴォーカル・オクテット ミニコンサート

日時:11月4日(土)18:30

会場:旧閑谷学校(岡山県)国宝の講堂前

詳細リンク:https://goo.gl/hKDyXq

うわ。

これもう来週なのか!笑

準備しないと!

シグナスは来年春あたり2ndアルバムが出ます。

現代北欧の作品を集めたアルバムです。

買ってねー。


その2

NHK交響楽団 第1871回 定期公演 Cプログラム
プロコフィエフ(スタセヴィチ編)
オラトリオ「イワン雷帝」作品116

 日時:11月17日(金) 19時開演

     11月18日(土)15時開演
会場:NHKホール 

詳細リンク:

http://www.nhkso.or.jp/concert/concert_detail.php?id=691

ジャパンユースクワイヤの先輩 にお誘いいただいて、東京混声合唱団のエキストラとして初めて乗らせて頂きます。
芸大時代何故か2年も履修していたロシア語がようやく役に立つ時が来ました。(今までほぼ役に立ってない、なんでとったんだか・・・)

 ところがですね、楽譜が届いてびっくり。

 こういう状態なんですね。これ貸し譜なのですが、前の方の書込みが入ってるわけです。カタカナで頑張ってる!

上から、ロシア語で1番2番、カタカナで1番2番、英語で(!)1番2番とあるのですが、ロシア語の原語が印刷潰れちゃって見にくいのでその下に自分で大きく書き直したものが一番下です。

貸し譜じゃなければ英語を修正ペンで全消ししてそこに自分で大きくペンで書き込むのですが貸し譜なので書込みは鉛筆のみ。

そして次の人が必要かもしれないから前の人が書いたカタカナも消すのが忍びないためそのまま。

結果上のような大混乱に笑。段が変わるたびに目が泳ぐ泳ぐ!!笑

幸いもともと映画音楽ということもあってそれほど曲として難しくないしそれほど分量もないのでなんとかなりそうです。


その3

計歌会&FF古楽道場 合同発表会
イザークのミサ《いとも聡明なおとめ》

 

日時:
2017年11月23日(木祝)16:00開演(15:30開場)

会場:
大森福興教会

曲目:
グレゴリオ聖歌 聖母被昇天のミサ固有唱
Gregorian chant, Proprium missae de Assumptione Beatae Mariae Virginis

ハインリヒ・イザーク ミサ《いとも聡明なおとめ》
Heinrich Isaac (1450/55?-1517), Missa Virgo prudentissima

詳細リンク:https://www.facebook.com/events/1702450366474237

器楽のそうそうたるメンバーが歌います!それだけでも面白い!

そして入場無料です!おトク!でもカンパしてね!

私はこれでイザークイヤー今年、イザーク歌い納めです。6声のすんばらしいミサです。おすすめです!


その4

バッハカンタータアンサンブル第44回演奏会

 

日時:11月26日(日)

会場:神田キリスト教会

曲目:

J. S. バッハ

カンタータ第98番・第190番

マニフィカト(初稿)BWV243a

詳細リンク:

http://bachkantate.web.fc2.com/nr44.html

花井先生の代打で振らせていただくことになりました。

オケも合唱もアマチュアでカンタータ全曲演奏を遂行中の気合いの入った団体です。

マニフィカト手強いですが頑張ってます!

満員になる可能性があるので、チケットはお早めに!


11月までの演奏会をご紹介させていただきました。

我ながらバラエティーに富んでいるな。うむ。

また詳しくは追ってご紹介させていただこうと思いますが、皆様芸術の秋、演奏会へどうぞ足をお運びください!

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Salicus Kammerchor

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公演情報

次回公演は2018年5月の第4回定期演奏会です!

http://www.salicuskammerchor.com/concert

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DVD発売中!

第2回定期演奏会のDVDをウェブ販売しております!

http://www.salicuskammerchor.com/goods

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メルマガ会員募集中!

サリクス通信に古楽演奏家 花井哲郎とヴォイスパフォーマー 徳久ウィリアムが登場!

http://www.salicuskammerchor.com/mail-magazine-1

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櫻井元希へのお仕事のご依頼、チケットのお求め等は以下のフォームよりお気軽にお問い合わせください。

秋の諸々

シャツ1枚だともう寒いですね。

ジャケット着る季節になりました。

いよいよ秋の演奏会シーズンです。


まず1番近いのはSalicus Kammerchorのワークショップです。

Salicus Kammerchor主催ワークショップ第4回

グレゴリオ聖歌とJ. S. バッハのモテット

〜古ネウマをJ. S. バッハの声楽曲演奏に生かす〜

日時:2017年9月16日(土)10-17時

会場:えびらホール

今回サリクスのワークショップとしては初めてバッハのモテットを取り上げます。

私たちがどのようにバッハの声楽曲に対してアプローチしているかを知っていただける機会にもなろうかと思います。

バッハは来年の5月に定期演奏会で演奏するJesu, meine Freudeを、グレゴリオ聖歌は10/18のEnsemble Salicusの演奏会で演奏するものを取り上げます。

20名定員のうち現在15名様にお申込みいただいております。

残り5枠ですので、お申込みはお早めに!

詳細→http://www.salicuskammerchor.com/workshop



今月末には、ヴォーカル・アンサンブル アラミレの演奏会もございます。

Vocal Ensemble Alamire 第10回演奏会

2017年9月24日(日)

開場16:00 / 開演16:30

大森福興教会

リハーサルは佳境に入り、イザーク、ジョスカンの真髄に挑んでおります。

イザークの超個性的な音楽、ジョスカンの突出した天才ぶりをお楽しみいただけると思います。

グレゴリオ聖歌も、15世紀頃新作されたと考えられる大変興味深いものを歌いますので是非お越しくださいませm(_ _)m

詳細→http://www.geocities.jp/alamirejp/concert.html


9月の演奏会はこれで終わりですが、9月末には毎年恒例の重要なイベントがあります。

Salicus Kammerchor定期会員の募集締め切り

です。

これは大変重要です。今後のSalicus Kammerchorを占う一大イベントです。

私たち、夢も希望もありますが、お金だけはありません。本当にありません。

団体の成長には時間がかかりますが、お金がなければ続けることもできません。チャレンジすらできないんです。

皆様どうか応援よろしくお願いいたします!

詳細→http://www.salicuskammerchor.com/support





そして10月頭にはヴォーカル・アンサンブル カペラの定期公演があります。

カペラ 結成20周年記念演奏会2

パレストリーナ 教皇マルチェルスのミサ

2017年10月3日(火) 午後7時15分 東京カテドラル聖マリア教会(カトリック関口教会)

今回なんとなんとなんとカペラがパレストリーナを歌います。20年の歴史の中で初めてだそうです。

それもルネサンス音楽の中で最も有名な作品、教皇マルチェリスのミサです。

6声の大編成ですので谷本くんも加えた豪華な布陣!カペラで谷本くんと一緒に歌うのは初めてなので、これも楽しみです。

今日からリハが始まりましたがとっても新鮮でした。気持ちいいいいーーーー感じです。みんな幸せになれます。

詳細→http://www.cappellajp.com/concert/index.html#cappella01


そして10月はもう1つ、Ensemble Salicusのデビューコンサートがあります。

Ensemble Salicusレクチャー・コンサート
グレゴリオ聖歌とフランドル・ポリフォニー
〜単旋律聖歌の魅力とそれに育まれた多声音楽〜

グレゴリオ聖歌を中心とした我ながらチャレンジングな選曲!果たしてこの選曲でお客さん来ていただけるのか?!笑

おそらく聴きに来てくださった方々のグレゴリオ聖歌のイメージが、多少なりとも変わる演奏会になろうかと思います。

グレゴリオ聖歌の魅力をたっぷりお伝えできればと思っています。

詳細→http://www.salicuskammerchor.com/concert


11月も演奏会が2つあります。

1つは計道会(計歌会とFF古楽道場の合同)の発表会です。

計歌会& FF 古楽道場 合同発表会 

イザークのミサ《いとも聡明なおとめ》

11/23(木祝)16時開演

大森福興教会

この演奏会でもイザークを歌います。6声のなかなか演奏機会はないがとんでもなく感動的なミサです。

なんとなんと入場無料ですので是非お越しくださいm(_ _)m


11月は演奏会が、続きます。

バッハカンタータアンサンブル第44回演奏会

11/26(日)17時開演

神田キリスト教会

普段花井先生が振られている団体なのですが、今回先生のスケジュールがどうしても合わないということで、私が代わりに振ることになりました。

曲目はカンタータ190番と98番、そしてマニフィカト初稿!

震えます。

詳細→http://bachkantate.web.fc2.com/nr44.html


季節の変わり目、皆様におかれましても風邪など召されぬようお気をつけてお過ごしくださいませ。

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Salicus Kammerchor

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J. S. バッハ作曲/マニフィカト初稿BWV243a

このところ、バッハのマニフィカトの初稿BWV243aを譜読みしています。

11月26日のバッハ・カンタータ・アンサンブルに向けての準備です。この度花井先生のご都合がつかず、不肖私が指揮をすることになりました。

アラミレの初回のとき(ヨハンネス・レジスをやりました)もそうでしたが、なんでこういきなりこんなデカイ曲があたってしまうのでしょうか。その上初期稿というヤヤコシイほうで笑

ソリストにはいつも一緒にやってくれてる、金成さん、輿石さん、トミー、小池くんにお願いしているので、それもまた楽しみです。


簡単に改定稿との違いを・・・

1.記譜された調

よく演奏される改訂稿BWV243はD-Durですが、初期稿BWV243aはEs-Durです。

通常トランペットはC管かD管なので、D-Durというのはとても自然なのですが、Es-Durとはどういうことなのでしょうか。おそらく通常のカンマートーンよりも低いピッチで演奏したのでしょう。

トランペットは、Es管で記譜されています。通常より半音高いEs管のトランペットが使われたのか、あるいはオーボエのピッチが通常より半音低かったのか、後者の方がありそうですかね。(↓冒頭部分。他のパートはEs-Durの調号だが、トランペットはC-Durで書かれている)

オルガンのパート譜が残っていればわかりやすいのですが(D-Durで記譜されていれば後者であることがわかる)パート譜が残されていたないので、はっきりしません。

コープマンは後者の解釈で、a’=392で演奏しています(通常のカンマートーンa’=415より半音低いピッチ)。

この辺のピッチのことについてはほんとややこしいですよね。頭こんがらがります。

2.挿入曲

よく知られている12曲のマニフィカト(ルカ1章46-55節)に4曲短い曲(ドイツ語による曲が2曲、ラテン語による曲が2曲)が挿入されています。

これらはバッハの前任者のトーマスカントルであるヨハン・クーナウのクリスマス・カンタータから歌詞を取りました。そしてこのクーナウのカンタータは、彼のC-Durのマニフィカトに挿入するために作られたのだそうです。

この説のもと演奏したものがやはりコープマンの演奏であります。

先程の動画と同じ演奏会のようです。

そしてこの4曲は曲順には記譜されず、最後にまとめて4曲書かれていて、マニフィカトのスコアの方には挿入曲の曲名だけ載せるという方法で演奏順を示しています。

(下部に、「ここでコラール『天高くより私は来る』が続く」Alhier folget der Choral Vom Himel hoch da kom ich herと書かれています)

おそらくこの4曲はマニフィカト本体とは別の場所で、少人数によって演奏されたのだろうと考えられています。

3.使用楽器

改訂稿BWV243はトランペット×3、ティンパニ、フラウト・トラヴェルソ×2、オーボエ×2、ヴァイオリン×2、ヴィオラ、通奏低音という楽器編成ですが、初稿ではフラウト・トラヴェルソ(フルート)が無く、5曲目にだけフラウト・ドルチェ(リコーダー)が使われています。

リコーダーを徐々に使わなくなって代わりにフルートを使うようになったというのは一般的な時代的特徴で、それにバッハがフィットさせたという感じですね。初稿で5曲目だけリコーダーが使われているというのは、オーボエ奏者が持ち替えで吹いたのでしょう。こういった持ち替えもこの時代は当たり前でした。


とまあこのあたりのことまでは知っていたのですが、まじまじと楽譜を見比べたことはなかったので、マニフィカト本体の方は移調されているだけで大体おんなじなのかなあと思ってましたが、全然違いました笑

結構衝撃的でした。

例えばQuia respexitのオーボエの出だしが付点になってたり、Deposuitの最初のヴァイオリン・ヴィオラユニゾンのところがオクターブ下がってるとか、Esurientesの通低がピチカートじゃないとか、まあこのへんは書かなかっただけで演奏ではそうしていた可能性もありますが。あとこれも書き損じかもしれませんが、Suscepitのトランペットの最後のロングトーン、最後2小節でタイが切れてるんですね。さすがにこんだけ息持たんだろっていうバッハの優しさでしょうか笑(改定稿ではオーボエ2本になっているのでブレスの心配はない)

中でも一番衝撃的だったのは終曲の冒頭、tuttiのGlo000ria!のあとでバスから順番に3連符のメリスマで上がっていくところ、改訂稿では通低がずっとAの音を伸ばしているんですが、初稿ではなんとお休みなんです。つまりバスが入ってくるところ、無音で、そこから3小節アカペラ!ぎゃふん!

こちら改訂稿↓

これが初稿ではこう!↓

いやーたまげました。

他にも色んな発見があったのですが、もう書くの疲れてきたので機会があったらまた書きます。Suscepitのオブリガートのラッパの音数とかも面白いのですが。

また、演奏会ぜひおいでくださいませ。11月26日です。

 

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Salicus Kammerchor

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公演情報更新しました!

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