昨日、バッハカンタータアンサンブルのゲネプロでカンタータ3曲を通した後、表参道のカフェにて、ノイズボイスデビューをしてきました。
(バッハカンタータアンサンブルの演奏会情報はコチラ)
Kentaro Takahashiさんの展覧会の中でのイベントの一つとして、徳久さんに依頼があり、ノイズボイスカラオケの一員として乗っけていただきました。
ノイズボイスカラオケについては、以前の記事で書いていますので詳しくはそちらを御覧ください。
ようはカラオケをかけながら、ノイズボイスをやるということなのですが、これがなかなか奥深い。
カラオケというのは私たちが何をやろうが関係なく淡々と流れ続けるわけなんですね。こちらのやってることに全く影響されない。
絶対不変の音楽に対する即興。
これはまさに絶対不可侵のグレゴリオ聖歌に対して即興で対旋律をつけることから始まった多声音楽の起源そのもの。
ちょっとこじつけっぽいですが、結構腑に落ちてます。
ポリフォニーはモノフォニーに対するカウンターカルチャー
— Genki Sakurai 櫻井元希 (@g_sakurai1031) October 28, 2018
と言えると思うのですが、ノイズボイスカラオケはカラオケと、「歌」というものに対するカウンターカルチャーなんだと思います。
まあゴタクはともかく、これねえ本当に楽しいんですよ。
やってみればわかります。
なぜ古楽を専門とする私がノイズをやるのか。
多分直感的にこれが自分の専門につながっていることがわかっていて、今はなかなか論理的には説明できないけれど、きっと10年後にはちゃんと説明できるんじゃないかな。
しかしね。いいんです。
楽しいからやる。やりたいからやる。
ただ、私がヴォクスマーナで歌っていたことと、少し関わりがあると思います。
ノイズでの即興ってある意味現代音楽のさきっぽにあるようなことだと思います。
バッハにしろジョスカンにしろ、彼らの音楽は、彼らの生きた時代にはキレッキレの現代音楽だったんですよね。
そしてその根っこには即興がある。
このことを忘れて古楽はできんのです。
古い音楽を相手にするときに、その音楽を「古い」と思ってしまったらその音楽の「芯」を見失ってしまうのです。
そういう意味で、古楽演奏家はキレッキレの現代音楽をやったほうがいいと思います。
いまここで生まれる自分でも予想のつかない音楽の流れに身を任せる感覚。
「与えられた楽譜から音楽を読み取って再現する」というだけの姿勢から生まれるものとは全く違うものが見えます。
またゴタクを並べました。
最近読んだ本の中に、
「深く掘るためには広く掘らなければならない」
というような一節がありました。
私がやってることってそういうことなのかなと思います。
掘り方はひとそれぞれなんでしょうけどね。
昨日の動画、徳久さんとのデュオです。
ご笑覧ください。
こちらは最後の曲で、徳久さんのソロに、3人でコーラスをつけています。
筑前琵琶奏者の守矢さんが撮ってくださいました。
さて、今週末はバッハカンタータアンサンブル。
オケも合唱もアマチュアで、バッハのカンタータ全曲演奏を遂行中の団体です。
半年に1回、3−4曲のカンタータを演奏し続けてきて、もう110曲くらい演奏しています。
今回は私が指揮します。
ソリストもいつものメンバーで、更に今回はフルートに同級生岩崎花保、オーボエにカンタータクラブの後輩倉澤唯子がオンステします。
ぜひご来場ください。
曲についてはコチラに少し詳しく書いています。
――・――・――・――・――
Salicus Kammerchor
――・――・――・――・――
公演情報
次回はEnsemble Salicusの演奏会です!
http://www.salicuskammerchor.com/concert
――・――・――・――・――
CD・DVD発売中!
昨年10月に開催されたLa Musica CollanaとのジョイントコンサートのライブCD
第2回定期演奏会のライブDVD
をウェブ販売しております!
http://www.salicuskammerchor.com/goods
――・――・――・――・――
サリクス通信
サリクスの最新情報や、ここでしか読めない特集記事を配信しています。
http://www.salicuskammerchor.com/mail-magazine-1
――・――・――・――・――
櫻井元希へのお仕事のご依頼、チケットのお求め等は以下のフォームよりお気軽にお問い合わせください。