リハまみれ

このところリハが立て込んでおりまして、こちらの更新をご無沙汰してしまいました。

主にカペラとヴォクスマーナのリハです。この団体は両団体とも今年20周年。ほんと凄いです。

ヴォーカル・アンサンブル カペラ ホームページhttp://www.cappellajp.com/

ヴォクスマーナ ホームページhttp://vox-humana.wixsite.com/vox-humana


上の写真は、京浜東北線で朝ヴォクスマーナに向かう途中、ちょうど荒川の上で電車が止まっちゃったんですが、あまりに水面が美しかったので人目をはばからず撮りました。

怪我の功名です。


先週金曜はカンタータクラブに久しぶりに伺ってみると、演奏委員長も副演奏委員長も不在ということで、そういうことであればと、2年ぶりにカンタータクラブを指導させていただきました。

何が驚いたかって弦の人数。私がいた頃はリハにパートが揃っていればいい方で、各パート複数人揃っているのは本番だけ、みたいな状況でしたが、この日はファースト4人セカンド4人ヴィオラ3人とかそのくらいいました。ちゃんと数えてなかったから大体ですごめんなさい。

コンバスも3人いて、流石に3人同時に弾くことはなかったけど笑、交代で弾いてました。なんてこと笑

今カンタータクラブのグループラインは120人登録されてるそうです。空前絶後とはこのこと!去年の倍くらいいるん違います?

彼らの次の本番は8月12日の日光真光教会での演奏です。どうぞ応援よろしくお願いいたします。


土曜の午後はフォンスフローリス古楽院の講座でした。4回目でだんだんみなさんも計量記譜法に慣れてきたようです。日本で計量記譜を学べるところはそんなに多くないので、この講座はおすすめです。

こういう楽譜(クワイヤブックといいます)で歌います(この楽譜はアラミレで歌うミサですが)。


土曜の夜は師匠ことライプニツレコードの新村氏宅へ伺い、諸々の悪巧みをしました。拓さんも一緒に行ったので、やることが山のようにあったのに焼肉にも行ったので、結局幾つか仕事を積み残してしまいました。

が、この日作った動画は先日公開出来ましたので、よろしければご覧ください。

そしてちなみにこの曲をリハーサルしているときの模様がVR動画で公開されています。こちらも面白いのでご覧下さい。


日曜午後はバッハカンタータアンサンブルのリハでした。

この度の演奏会のためのリハとしては初めてのオケのリハーサルもやりました。4時間のリハ時間中前半2時間オケで後半2時間合唱だったのですが、オケも合唱もアマチュアで、それぞれにアシスタントがいて、何回かは合同でリハが必要で、それぞれのリハ内容ということまで考えるとなかなか複雑です。

こちらは11月26日の本番に向けてリハを積んでいっています。

よく考えたら計道会の本番は23日・・・結構大変だな・・ふふふ。

この日の夜は櫻田亮先生宅へレッスンに伺いました。先生お忙しくて日曜の夜にまでレッスンを入れなければならないなんて大変・・・。今回からマタイのエヴァンゲリストをみていただくことになりました。いつか歌わせて頂ける日がくるでしょうか。


月曜はヴォクスマーナ→カペラ→計道会でした。最近こういうパターンの日が多いです。先週の月曜もこのパターンでした。

ヴォクスマーナはもともと9時からリハをする珍しい団体(だいたい午前は10時始まりが多いでしょうか)なのですが、今回は特に午前のリハが多く、満員電車に揉まれることが増えました。

「時差ビズ」やっているそうですが、どうでしょうか?あんまり実感なかったです。12日の朝は少し少なかったかな。13日の朝とかは電車遅れていたのでめちゃ混んでましたね。

「時差ビズ」ホームページhttps://jisa-biz.tokyo/

↑立派なホームページだあ。お金かかってる。

ともあれほんと満員電車はたったひとりでも車両に人が少ないだけでもありがたいので、効果があるのであれば続けてほしいです。そろそろデータ公表されないのかな。

ヴォクスマーナですが、今回も演奏曲目は4曲、そのうち2曲は新作初演です。

第38回定期演奏会

2017年7月20日(木)19:00開演
東京文化会館小ホール

一般3,000円(当日3,500円)、大学生1,500円、高校生以下1,000円

近藤 譲(b.1947)/ 嗟嘆(といき)(委嘱新作・初演)  詩:ステファンヌ・マラルメ 訳:上田敏
大胡 恵(b.1979)/ ずっと月がキレイ (委嘱新作・初演)
山根明季子(b.1982)/ 水玉コレクションNo.15 (2012委嘱作品・再演)
横島 浩(b.1961)/ Interval Ⅱ「泣いてみたくなった ~“I felt like crying”」(2013委嘱作品・再演)
伊左治直(b.1968)/ 或る日の手紙(2013・アンコールピース7委嘱作品・再演)  詩:新美桂子

事情により私がヴォクスマーナに参加するのは今回で最後にことが濃厚なので、是非聞きに来ていただきたいです。

今回の曲の中では特に近藤譲さんの作品が個人的にツボです。めっちゃくちゃ難しいですが、これぞ近藤譲、近藤譲にしか書けない音、近藤譲ワールド炸裂してます。

前回歌わせていただいた薔薇の下のモテット同様構造ははっきりとしているし、ポリテキスト出ない分薔薇の下のモテット以上にシンプルで聴きやすいですが、演奏はめちゃめちゃシビアです。単純に音程が非常に難しい。自分の出す音で他のパートと半音でぶつかってない音を探すほうが難しいのではないかと思います。そのくらい四六時中どこかのパートと半音でせめぎ合っています。

間違いなく、ここでしか聴けない音、をお聞かせできます。


そしてカペラはジョスカンの聖母ミサとイザークのモテット。

両方共超ド級の名曲です。

ジョスカンのミサといえば(なぜか)パンジェリングワが代表作のように言われていますが、私個人としてはこの聖母ミサがジョスカンのミサの最高峰じゃないかなと思います。

宣伝をする時に、聞き所をお知らせするのは大事なことだと思いますが、この曲、聞き所は全部です笑。端から端まで凄い。素晴らしい。

ですがそれだと流石に手を抜いたっぽいので笑、特にクリステとグロリアのアーメンとオザンナを推しておきましょうか。

クリステは、もとの聖母ミサのグレゴリオ聖歌がこうなってるんですね。(クレフ消えちゃった。一番上の線にハ音記号です。)

なんというか、これほぼそのままなんです。この旋律を使ってバスとテノールが長大なカノンのデュエットをして、それと全く同じことをソプラノとアルトがデュエットして、それで最後申し訳程度に4声揃っておしまい。

ただこれだけ、申し訳ないけど現代的な意味での面白さは皆無です。展開とか、発展とか、そういうの一切ない。あるのは謙虚で瞑想的な祈りのみです。

現代の音楽愛好家がこれを聞くと、もはやこれは音楽なのだろうか、と判断に困るくらいのしろものです。でもそういう価値観じゃないんです。我々の音楽的価値観をぶっ壊してくれる、そんな凄い曲です。

あとの2つ、グロリアのアーメンとオザンナは、似た理由で凄いです。これはもうなんというか、カオス?各パートが一見拍もなにも無茶苦茶に歌っているように見えてすんでのところで音楽が成立している。物凄い危うさと緊張の中にどぎつい美しさがギラギラしてる。これはもう興奮の坩堝です。こっちのほうが私たちにはわかりやすく凄いです。

洗濯機が左右全くランダムに回っていて、かき回されている洗濯物の気持ちになります。今日はお洗濯日和ですね。。

そして最後に演奏する6声のイザークのモテット、これも当時からめちゃ有名だったそうで、超名曲です。6声といいながら演奏時間の3分の1くらいはデュエットです。

アカペラのデュエットって、歌ってみればわかりますが物凄い痺れます。ポリフォニーの最小単位で、もうなんというか髪の毛一本の隙間もないくらい繊細なんです。説明が難しすぎるのでもう聴きに来て!笑

あ、そうジョスカンの聖母ミサの第2アニュスもデュエットです。こちらは1曲まるごとデュエットです。長いです。血糖値上げていかないと脳内のエネルギーが切れた瞬間オシマイです。

こちらはそのリハーサルの模様。なぜこんな手の形になっているのか、えー、理由は不明です。(これかぶちゃんがとってくれたのですが、よく見たら右下にスノウの文字、なぜ?笑)

そうそう、これ私にとって結構大ニュースなんですが、私がカペラに入って初めて参加したCDが(ようやく←それは言わないお約束)発売になります!

この演奏会で先行発売になりますのでこちらも是非!

カペラ 結成20周年記念演奏会1 ジョスカン・デ・プレ 聖母のミサ

2017年
7月16日(日) 午後5時 カトリック由比ガ浜教会
7月18日(火) 午後7時15分 カトリック関口教会・東京カテドラル

 

グレゴリオ聖歌 Gregorian chant
 聖母被昇天のミサ固有唱
 Proprium missae de Assumptione Beatae Mariae Virginis

ジョスカン・デ・プレ Josquin des Prez (1450/55?-1521)
 ミサ《デ・ベアータ・ヴィルジネ》(聖母ミサ) Missa De beata virgine 
  「思い起こしてください、おとめである御母よ」 “Recordare, virgo mater”
  「めでたし いとも聖なるおとめ」 “Ave virgo sanctissima” 
 
ハインリヒ・イザーク Heinrich Isaac (ca. 1450/55-1517)
 「いとも聡明なおとめ」 “Virgo prudentissima”

superius: 花井尚美 安邨尚美 鏑木綾 田村幸代
contratenor/tenor: 望月裕央 及川豊 根岸一郎 富本泰成 渡辺研一郎
bassus: 櫻井元希 花井哲郎(Maestro di Cappella=音楽監督)

7月16日
前売:一般4,000円 ペア7,400円
当日:一般4,500円
学生:2,500円

7月18日
前売:一般4,500円 ペア8,400円
当日:一般5,000円
学生:2,500円


えー長くなってしまったので、今回はこれくらいにしておきます。

火曜は八咫烏のリハもあったりしたのですが、またいずれ書きます。

 

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Salicus Kammerchor

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公演情報更新しました!

次回公演は10月18日、Ensemble Salicusのデビューコンサートです!

http://www.salicuskammerchor.com/concert

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DVD発売中!

第2回定期演奏会のDVDをウェブ販売しております!

http://www.salicuskammerchor.com/goods

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サリクス通信に古楽演奏家 花井哲郎とヴォイスパフォーマー 徳久ウィリアムが登場!

http://www.salicuskammerchor.com/mail-magazine-1

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