※この記事における「ヤバい」はいわゆるポジティブな意味での「ヤバい」であり、伝統的正統的な意味においての「ヤバい」ではないことをお断りしておきます。
ヤバいです!!!!!
ヤバすぎます!!!!
これはもう!ヤバいです!!!!
アラミレ で9月に演奏するラリューのミサロムアルメ、練習すればするほどヤバいです!!!
まずはわかりやすいところから。
ラリューといえばカノンなのですが、第2アニュスはなんと4声のメンスーラカノンです。
メンスーラカノンとは、複数のパートが同じ1つの楽譜を見ながら、それぞれ違うメンスーラで歌う、つまりは違うスピードで歌うということで成立してしまうスタイルのことです。
ミサロムアルメの第2アニュスの楽譜は以下の通り。
楽譜は1つしかありませんが、4声の曲です。ソプラノは上から3番目のCに棒、アルトは一番上の◯、テノールは一番下のCに棒に3、バスは上から二番目のCのメンスーラで歌います。
ソプラノのパートを基準にすると、バスは1/2、アルトは1/3、テノールは3/2のスピードとなります。
それで、クレフ(音部記号)ですが、書いてないですが、♭の位置が(ヘクサコルドで言うと)ファなので、それをもとに推理すると、ソプラノはテノール記号のオクターブ上、アルトは低バス記号(ヘ音記号が一番上の線になります)のオクターブ上、テノールはテノール記号、バスは低バス記号となります。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9F%B3%E9%83%A8%E8%A8%98%E5%8F%B7
それだけ聞くと、まあなんかそれなりになんとかなりそうな気がするじゃないですか。
僕もそう思ってました。
ところがラリューはそれほど甘くなかった、、。
これを現代譜に起こしたものが以下です。
テノールのパート、エグい。
現代譜だととにかく全部3連符で書くことになるのですがこのシンコペーション、付点の複雑さよ、、。
特にソプラノとの関係がすんごいシビアです。
でね。まあでもこのくらいだったら現代音楽に慣れている人にとってはお茶の子さいさいで初見で歌うでしょう。
ところがですよ。これクワイヤブックで歌うんですよ。しかもフランドルの様式の中でうねうね歌うんですよね。
パキパキのリズムでは歌えない。
これはね。ヤバい。
最高にヤバい。
どれだけヤバいかっていうと、ヤバすぎてミディ作っちゃうくらいヤバい。
こちら↓
ぜひ聴いてみて下さい。ゾクゾクします。
で、ここまでがわかりやすい方。
もっとヤバいのはクレドです。クレドはヤバいです。もうただの傑作です。凄すぎます。
メンスーラカノンはないですが、同じような2連符と3連符が拮抗するような箇所が随所に散りばめられていて(まとまってではなく所々にあるのがミソ!)、これが意外とテキストを際立たせる効果もあるのです。
普通は2分割のセクションと3分割のセクションというのははっきり分かれていて、4声が揃って切り替わるのですが、この曲の場合、まずソプラノのが3分割になって、2拍遅れてバス、4拍遅れてテノール、アルトは変わらないとかそういうことが起こってもう最高に複雑。
このリズムのヒリヒリ感がたまりません。
全体としてはテノールに定旋律のロムアルメが来ることが多いのですが、この定旋律もリズム的に相当工夫されていて、拡大縮小自由自在でテノールだけ見ると5拍子になっちゃってるとことかあります↓
こちら↓はリガトゥーラで3拍子っぽくなっているところ。
白眉は最後のセクション。預言者についてテキストが及ぶ部分では突然tuttiで同じリズムでホモフォニックに喋り、死者の復活の場面では3声の一拍遅れのカノン(カノンの技法の中ではカノンのスパンが短ければ短いほど高度とされています)からのフォーブルドン(3声が4度と3度の関係で平行進行する技法)!からの3分割に流れ込んで4声のポリフォニーでアーメン!
激ヤバです。このあたりは楽譜の見た目でも言葉でも伝わりきらないと思うのでぜひ演奏を聴いてほしいです。
演奏会詳細はコチラ→http://www.geocities.jp/alamirejp/concert.html
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Salicus Kammerchor
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公演情報
次回定期公演は2018年5月の第4回定期演奏会です!
http://www.salicuskammerchor.com/concert
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CD・DVD発売中!
昨年10月に開催されたLa Musica CollanaとのジョイントコンサートのライブCD
第2回定期演奏会のライブDVD
をウェブ販売しております!
http://www.salicuskammerchor.com/goods
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メルマガ企画第3弾進行中!
サリクス通信に声明パフォーマー 桜井真樹子、合唱指揮者 柳嶋耕太が登場!
http://www.salicuskammerchor.com/mail-magazine-1
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