トム・ウェイシ2024

来週4月18日(木)の夜に、またトムウェイシのライブがあります。

今回で3回目です。

発端はコロナ禍でわたしが突然ひらめいてトム・ウェイツの声でシューマンを歌った録音をウィリアムさんに送ったことでした。

これがなんというか自分で言うのもなんなんですが、非常に新しいというか、シューマンの別の顔が見えたというか、なんか意外と良くてですね、それでトム・ウェイツの声でいろいろ歌ったら面白いんじゃないかということで企画が立ちあがりました。

岡野さんのピアノと一緒にやって面白そうな曲を探す中で、せっかく二人トム・ウェイツがいることだしということもあってたどり着いたのが「クラス合唱」で、前回はアンジェラ・アキの「手紙」を歌いました。

激渋のガナリ声で「十五の僕」っていう歌詞を歌うのが最高でご好評いただきました。

今回は「マイバラード」と「COSMOS」を歌うのですが、クラス合唱って意外と難しくて、世代によって全然こうハマるかどうかいろいろあるみたいですね。

わたしの世代ではこの2曲はTHEクラス合唱って感じで超有名だと思っているのですが、皆様いかがでしょうか。

もしリクエストがありましたらお教えください。次回以降取り上げられるかもしれません。

それで今回トム・ウェイツのオリジナル曲を2曲歌うのですが、改めて対訳を作ってみました。

そもそも私あまり英語が得意でない上、スラングとか映画の引用とかそもそも詩的すぎる表現とかで非常に難しかったですが、非常にグッときました。のでシェアさせてください。


Well, she’s up against the register
With an apron and a spatula
With yesterday’s deliveries
And the tickets for the bachelors
She’s a moving violation
From her conk down to her shoes
But it’s just an invitation to the blues

And you feel just like Cagney
Looks like Rita Hayworth
At the counter of the Schwab’s Drugstore
You wonder if she might be single
She’s a loner, likes to mingle
Got to be patient and pick up a clue

She says, how you gonna likem?
Over medium or scrambled?
Anyways the only way
Be careful not to gamble
On a guy with a suitcase
And a ticket gettin out of here
In a tired bus station
And an old pair of shoes
‘Cause it ain’t nothin but an invitation to the blues

But you can’t take your eyes off her
Get another cup of java
It’s just the way she pours it for you
Jokin’ with the customers
Mercy mercy, Mr. Percy
There ain’t nothin’ back in Jersey
But a broken down jalopy
Of a man I left behind
And a dream that I was chasin’
And a battle with the booze
And an open invitation to the blues

But she’s had a sugar daddy
And a candy apple Caddy
A bank account and everything
Accustomed to the finer things
He probably left her for a socialite
And he didn’t love her ‘cept at night
And then he’s drunk and never
Even told her that he cared
So they took the registration
The car keys and her shoes
And left her with an invitation to the blues

But there’s a Continental Trailways leaving
Local bus tonight, good evening
You can have my seat
I’m stickin’ ‘round here for awhile
Get me a room at the Squire
The fillin’ station’s hirin’
And I can eat here every night
What the hell have I got to lose
Got a crazy sensation
Go or stay, and I gotta choose
And I’ll accept your invitation to the blues

彼女はレジに立つ
エプロン姿で、ヘラと
昨日の出前と
独り身のためのチケットを持つ。
彼女は動くよこしま
頭のてっぺんから爪先まで
そいつはただのブルースへの招待状。

あんたがキャグニーで
彼女はリタ・ヘイワースみたいだ
シュワブ・ドラッグストアのカウンターで。
彼女は独りだろうかと勘ぐるが
彼女ははぐれ者、人混みに紛れたがる
執念深く手がかりを掴め。

彼女は言う「気に入った?」
「ミディアム?スクランブル?」
とにかくただひとつ、
ギャンブルには気をつけることだ
スーツケースの男と
ここを出るためのチケット
くたびれたバス停の
古びた靴
ブルースへの招待状でしかない。

それでもあんたは彼女から目が離せない
コーヒーをもう一杯
彼女は注いでくれる
別の客と笑い合いながら
「やめてパーシーさん
ジャージーに戻っても何もない
そこにあるのは残していった男の
壊れたボロ車と
追いかけた夢、
飲み比べ、
封の開いた、ブルースへの招待状だけ。」

彼女にはパパがいて
リンゴ飴のキャディーもいる
銀行口座から何から
高級品には慣れてる
そいつは社交界のために彼女を捨てた
愛しているのは夜だけだった
酔ってしまえば
彼女を気にかけてるとさえ言わない
それでやつらは彼女から
登録証も車のキーも靴も取り上げ
ブルースへの招待状だけを残して彼女を捨てた。

大陸鉄道は行っちまって
今夜は地元のバスにこんばんは
俺の席をどうぞ
まだここらへんにいるから
地主さん部屋を貸してくれ
ガソリンスタンドで雇ってくれ
ここで毎晩食ってれば
俺はそれでいい
いかれた気分だ
行くか残るかはもう決めた、
あんたのブルースへの招待状を受け取るよ。


最後の段落の前に長い間奏が入るんですが、ここ一番絶望的なとこで、この間奏、ちょっと終わりそうなんですよね。

で終わるのかな?って思ったら最後の段落が始まる。それで少し救われるんですよね。

演出がニクい。

もう1曲は第1回からずっと歌ってるTom Traubert’s Blues、多分彼の一番有名な曲です。


1.
Wasted and wounded,
it ain’t what the moon did
I got what I paid for now
See ya tomorrow,
hey Frank can I borrow
A couple of bucks from you

To go waltzing Matilda, waltzing Matilda,
you’ll go waltzing Matilda with me

2.
I’m an innocent victim
of a blinded alley
And I’m tired of all these soldiers here
No one speaks English,
and everything’s broken
And my Stacys are soaking wet

To go waltzing Matilda, waltzing Matilda,
you’ll go waltzing Matilda with me

3.
Now the dogs are barking
And the taxicabs parking
A lot they can do for me
I begged you to stab me
You tore my shirt open
And I’m down on my knees tonight
Old Bushmills I staggered
You buried the dagger
Your silhouette window light

To go waltzing Matilda, waltzing Matilda,
you’ll go waltzing Matilda with me

4.
Now I’ve lost my St. Christopher
Now that I’ve kissed her
And the one-armed bandit knows
And the maverick Chinaman,
and the cold-blooded signs
And the girls down by the strip tease shows go

Waltzing Matilda, waltzing Matilda,
you’ll go waltzing Matilda with me

5.
No, I don’t want your sympathy
The fugitives say
that the streets aren’t for dreaming now
Manslaughter dragnets
and the ghosts that sell memories
They want a piece of the action anyhow

Go waltzing Matilda, waltzing Matilda,
you’ll go waltzing Matilda with me

6.
And you can ask any sailor
And the keys from the jailer
And the old men in wheelchairs know
That Matilda’s the defendant,
she killed about a hundred
And she follows wherever you may go

Waltzing Matilda, waltzing Matilda,
you’ll go waltzing Matilda with me

7.
And it’s a battered old suitcase
To a hotel someplace
And a wound that will never heal
No prima donna, the perfume is on
An old shirt that is stained with blood and whiskey

And goodnight to the street sweepers
The night watchman flame keepers
And goodnight Matilda, too


荒れ果てて傷を負ったが
月がやったわけじゃない
やっと支払ったものが手に入った
また明日、
よおフランク
いくらか借りていいか

旅に出るんだ、
お前も来るかい

真っ暗な通りの
無垢の犠牲者
ここの兵隊さんたちにはうんざりだ
だれも英語を喋らない
なにもかも壊れてる
ステイシーたちはびしょ濡れだ

旅に出よう、
お前も来るか

犬が吠えてる
タクシーは停まってる
なんとかしてくれ
頼むから殺してくれ
俺のシャツを引き裂いて
今夜俺は跪くよ
俺はオールドブッシュミルでふらふらで
あんたは短剣を埋める
窓明かりに映るあんたの影

旅に出よう
あんたも来るか

俺の聖クリストファーは殉教した
キスしてやろう
片腕の盗人は知ってる
異端の中国人、
冷酷な兆候
ストリップ小屋をすり抜けて少女達は

旅に出る、
あんたもどうだ

いいやあんたに共感したくないと
逃亡者は言う
この通りに夢なんかない、
殺人の捜査網
記憶を売る幽霊
やつらはなんとか事を起こそうとしてる

旅に出よう
あんたはどうする

船乗りに聞いてみろ
牢屋の鍵
車椅子のじいさんは知ってる
寝袋は容疑者だ
大勢殺してきたからな
あんたがどこへ行こうがついて行く

旅に出よう
あんたも行くだろ

ボコボコのスーツケース
どっかのホテル
癒えることのない傷
香水をつけたプリマドンナはいない
血とウィスキーで汚れた古いシャツ

お掃除の人、おやすみ、
火の番をする人も、
寝袋も、おやすみ。


なんか調べるとWaltzingというのは放浪するという意味で、Matildaは寝袋の擬人化なんだそうです。

放浪者にとって寝袋はどこに行くにも離れない相棒なんですね。

サビに使われているのはオーストラリアの第2の国歌とも言われている曲なのだそうです。

これを我々は二人のトム・ウェイツでアンサンブルします。

面白いのでぜひ聴きに来てください。

ご予約・詳細↓
https://www.reservestock.jp/events/906876


昨日リハをやったのですが、この写真、コバさんと私似すぎですよね。

メガネのまるさまで似てる。

コバさんと私は誕生日が1日違いなので、似てるのもしょうがないですね?

コバさんは1曲マイバラードで参加してくださいます。

楽譜通り3声歌える!

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