オペラ・ブッファ「狂おしき真夏の一日」

オペラ・ブッファ「狂おしき真夏の一日」

昨日、ナマコ研究家の一橋さんよりチケットをお譲りいただいて(1万5千円のS席!ヒョー!)、林真理子台本、三枝成彰作曲、秋元康演出のオペラ・ブッファ「狂おしき真夏の一日」の千秋楽を見に行きました。

まずナマコのことですが、一橋さんとの衝撃的な出会いについては以下に記事を書いていますのでご覧ください。

ナマコとスイカとシューマンと


会場に入るとまずサイリウムの腕輪を渡されて、腕に巻いてください。演出の一部ですとのこと。

いきなり秋元康感出してきたなと思いましたが、ロビーに飾られているお花がまた凄かった。

AKBからお花が来るのはうなずけるとしても・・・

まさかこんなところでこの人の名前を見るとは思わなかった。

その他著名人や一流企業などからロビーを埋め尽くすくらいのお花が来ていました。

お花が来るような演奏会に来たのは初めて、あ、いや加藤登紀子さんのコンサートには来てましたががあれは楽屋でしたか。その時は私も出演する側でしたしね。うん初めてだと思います。

2300人キャパの東京文化会館大ホールは満席で当日券も出ないという状況で、ほんとスケールの違いをまざまざと見せつけられました。

1階席には有名人や政治家や音楽家の姿もちらほら。

いやーほんと別世界の出来事でしたねえ。


1000円の分厚いパンフレットを購入すると、更にビックリ。

す、、すごい広告の量だ・・・。

北とぴあのオペラの時も思いましたが、オペラの世界ってこういう協賛企業を集めるやり手の営業マンが絶対必要不可欠ですね。

広告だけでなく、GMO、木下グループ、NTT、ハウス食品、明治安田生命、富士通、ダイキン、トヨタなど16社の社長から顔写真入りのメッセージが!

もうクラクラしますね・・・。

そして最後のページには元総理の小泉純一郎氏の名前も・・・。

なんだかわかりませんが圧倒的な敗北感を味わいました笑


オペラ自体は、3時間半に渡る大作で、終わる頃にはへとへとになりましたが、演奏している方はもっとクタクタだったことでしょう。

カンタータクラブの先輩、カウンターテナーの村松 稔之さんが出演されていて、他の錚々たるキャストに引けを取らない素晴らしい歌唱を披露されていました。そしてなにより役柄がぴったりすぎて、あて書きなんじゃないかと思わせるほどでした。

オケには同級生も乗っていたようで、皆様本当にお疲れ様でした。5日で4公演で3時間半の演目ってほんと凄いです。

そして六本木男声合唱団が出演されていたのでこの方のお名前も・・。

歌い手の皆様本当に素晴らしかったですが、特にジョン・健・ヌッツォさんの、人一倍厳しい音域を歌っているにも関わらず全ての音域で母音も子音も聞き取れるという空前絶後のテクニックと、小林沙羅さんのクラシックの女性歌手には珍しいTAのしっかり入った中音域から低音域には感銘を受けました。

それにしても三枝オペラ、いつもそうなのだそうですが、音域高すぎ笑、全てのキャストの音域がギリッギリでした。こんな音書いたらあかんやろって音がジャンジャン出てきました。

パンフは1幕後の休憩に買いに行ったのですが、それまで私がテノールだと思っていた役柄は、バリトンでした笑

ジョン・健・ヌッツォさんの役は完全にオートコントルの音域でした。

オートコントルについてはこちら↓

稲葉浩志、もはやHaute – contreなんじゃないか説


会場でなんと村松さんからチケット(2万5千円のSS席!ヒョエー!)をいただいたというかぶちゃんに偶然遭遇し、ビール飲んで帰りました。

いやー、ほんと、オペラって凄い・・・

オペラと言えば、今年も北とぴあのオペラに乗せて頂けることになりました。

演目はグルックのオルフェオ、モンテヴェルディイヤーの今年に敢えてのグルックというなかなかパンクな企画です。

よろしければ是非!


あ、そうそう、全然関係ないですが、最近とても嬉しいことがありました。

この1年位レッスンを見させてもらっている楽理科のこが、カンタータクラブの定期演奏会のソリストオーディションに受かりました。

副科でこのオーディションを突破するのは、私の知る限り当時作曲科だった金沢青児さん以来なので大変嬉しいです。快挙です。

ちなみに私自身はこのオーディションに受かったことはありません!わははははは!

2月18日が本番だそうなので、皆様是非応援して下さい!

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Salicus Kammerchor

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公演情報

次回公演は2018年5月の第4回定期演奏会です!

http://www.salicuskammerchor.com/concert

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DVD発売中!

第2回定期演奏会のDVDをウェブ販売しております!

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サリクス通信に古楽演奏家 花井哲郎とヴォイスパフォーマー 徳久ウィリアムが登場!

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ヴォクスマーナ第37回定期演奏会 明後日

ヴォクスマーナ第37回定期演奏会 明後日

今日は朝サリクス、昼ヴォクスマーナでした。

サリクスはバスのパート練でしたが、もう、安定の、史上最強のバスだと思います。

松井さんは今回実は初サリクスですが、流石の対応能力です。柔軟性の高さにビビります。

演奏会の詳細はコチラ→http://www.salicuskammerchor.com/concert

 


その松井さんと一緒に移動し(富士そばを掻き込んで)午後のヴォクスマーナのリハに向かいました。

ヴォクスマーナはいよいよ明後日本番です。今日は本番前最後のリハーサルでした。


全部通すとやっぱりしんどい!すんごいエネルギー必要です。

青児さんいわくヴォクスマーナ史上最もしんどいプログラムじゃないか、とのことです。

とにかく吸い取られます。どの曲も、作品そのものの持つの引力が凄い。


私が乗るのは近江典彦さんの「Khon-mXahuvona」以外の3作品です。

今日は近江さんの作品も聴きましたが、ヴォクスマーナであんまり聞かないタイプの曲だなぁと思いました。複雑で音程難しくて大変そうだけど、聴いてる分にはノリが良くて爽やかで理知的でsooo cooooool!な曲だと思いました(個人の感想です)

近江さんと指揮の西川さんとの対談動画がアップされています。


藤井健介さんの「Sèlèh II」は楽譜が来た時は、男声の音数(おとかず)が少なすぎてぶったまげましたが、やっているうちに、そして藤井さんのお話を聞き、インタビュー動画をみたりしているうちに、その世界にガッと入り込めるようになりました。

今日聞いたガムランの、大きい曲をやる時に、その前奏・後奏として演奏する「パテタン」をイメージして作ったというお話も実に興味深かったなぁ。

インタビュー動画はコチラです。


北爪裕道さんの「Multiplex」は兎に角自分としてはどれだけえげつないノイズを発することができるか、ということがテーマで、徳久門下としては大変やりがいのある作品です。

瞬間に全細胞をその音に反応・反射させて、全細胞を反応・反射させて音を持続させ、全細胞を反応・反射させて音を切る、の繰り返し、みたいな曲です。

徹底的に人間的な要素を排して、まるで機械のようにノイズを生成するという書き方で書かれていますが、人間的な部分を排除しようとすればするほど、それでもなお滲む人間らしさ、デジタルになりきることによってデジタルに抗っているような、そんな作品だと思います(個人の感想です)。

「人間だ!人間なんだー!」という叫びのように、僕には聞こえます。(ちなみにVox humanaというのはラテン語で「人の声」を意味します)

僕は「生きてることを思い出させてくれるものでなければ、それは芸術とはいえない」と思ってますが、この作品はそこんところ、ビシビシ感じさせてくれます。

この曲に関しては前にも記事を書きましたのでこちらもどうぞご参照ください。

「ノイズ カットアップ | ヴォクスマーナ」http://wp.me/p7Ktcz-Hq


川上統さんの「怪獣」は、チラシデザインのインスピレーションとなった作品ですが、多分タイトルから想像される感じとは違うと思います。

人間の中の怪物、というか、もっと精神的で抽象的な、人間の中にあって、あるのはみーんな知ってるけど見てしまうととても生きてはいけないから見ないようにしてる部分、というか。テキストはある意味直接的だけど、必ずしもそのテキスト自体に意味があるわけではなくて、そのテキストを通して見える地獄絵図、というか。そんな作品です(あくまで個人の感想です)

ちょっと飛躍しますが、僕がデスメタルが好きなのは「それも人間だ」と思うからです。「直視したくないものを、直視しようぜ。目をそむけていたら、ほんとのところはわかんないぜ」って。言葉にすると恥ずかしいけどそう思います。

この作品はそういう観点から、とても好みです笑

川上さんのインタビュー動画はこちらです。


演奏者も作曲家も、音楽に挑んでいる、食らいついていってる、そういうことが感じられる演奏会になると思います。

皆様ぜひ明後日日曜日、文化会館までお越しくださいませ。

チケットはぜひとも私からお求めください!(切実)


ヴォクスマーナ第37回定期演奏会 (創団20周年シリーズVol.3 未来を担う男性作曲家)

3月5日(日)14:30開演 東京文化会館小ホール

一般3,000円(当日3,500円)、大学生1,500円、高校生以下1,000円

 

川上 統(b.1979)/ 怪獣 (委嘱新作・初演)

藤井健介(b.1979)/ 「Sèlèh II」 ヴォーカルアンサンブルのための(委嘱新作・初演)

近江典彦(b.1984)/「Khon-mXahuvona」 pour vocal ensemble (2014委嘱作品・再演)

北爪裕道(b.1987)/ 「Multiplex」 for 12 voices (2013委嘱作品・再演)

 

指揮:西川竜太

演奏:ヴォクスマーナ

ソプラノ:稲村麻衣子/花嶋千香代/日野祐希

アルト:入澤希誉/神谷美貴子/高橋陽子

テノール:金沢青児/清見卓/櫻井元希/初谷敬史

バス:小野慶介/松井永太郎

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Salicus Kammerchor第3回定期演奏会

『J. S. バッハのモテット全曲演奏シリーズvol. 3 〜詩編モテットと葬送モテット〜』

チケット発売中!

http://www.salicuskammerchor.com/concert

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Salicus Kammerchor主催第3回ワークショップ

参加者募集中!

http://www.salicuskammerchor.com/workshop

ご好評いただいておりますサリクスのワークショップです。毎回早い段階で応募上限に達しております。

お申込みはどうぞお早めにお願いいたします。

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