ラ・リュー|カリグラフィーコレクション

ラ・リュー|カリグラフィーコレクション

ピエール・ド・ラ・リュー没後500年メモリアルイヤー

今年2017年はハインリヒ・イザークの没後500年でしたが、来年2018年はピエール・ド・ラリューの没後500年です。

アラミレもカペラもメモリアルイヤーに向けてラ・リューの作品のリハーサルに入っています。

直近の演奏会は1月7・8・9日のカペラのニューイヤーコンサートです。


イニシャルのカリグラフィー

それで、音楽には直接関係ないんですが、今回使う写本、Jena12写本のイニシャルに用いられているカリグラフィーがあまりに美しいので、今回はそれを紹介したいと思います。

クワイヤブックでは左上にスペリウス(ソプラノ)、右上にコントラテノール(アルト)、左下にテノール、右下にバスが書かれますが、それぞれのパートの最初のところには、頭文字が飾り文字で書かれることがあります。

これはアラミレで演奏するミサ ロム・アルメですが、最初のページにはこんなに豪華に飾り文字が書かれるんです。

でも多くの場合、ページをめくるごとにイニシャルがだんだん適当になっていったり、単にResiduum(続き)と書かれたり、途中で書くの諦めちゃって(笑)空白だったりということがあるんです。

ところがカペラで演奏するミサ アヴェ・マリアの収められたJena12写本では徹底的に、そしてかなり工夫の凝らされたイニシャルが全てのページに書かれてるんです。なんと該当パートがお休みのページでさえも!(5線は空なのにテノールのTだけがしっかりと書かれています笑)

孤高の存在感を放ってますね。ジワります。

ちなみに冒頭ページは、きっとあまりに美しかったためか、破り取られてしまっていて、右ページしか残っていません。

カラフルですよねえ。この左ページがどうなっていたのかは妄想することしか出来ません。


スペリウスのカリグラフィー

4声にそれぞれイニシャルがついているのですが、実際に歌詞の最初の文字が書かれるのはスペリウス(ソプラノ)のパートだけで、他のパートはパート名が書かれます。

以下がこのミサのスペリウスパートのイニシャルです。

素晴らしいですよね。本当に。その上個性的。特にEt in terraのEのキリトリ線みたいな破線とか、SanctusのSのトサカみたいなのとか、他では見たことないです。曲線を、これだけ密な間隔で、くっついたり離れたりせずに書くのは至難の技なんです。線もなめらかですしね。

あとSanctusのSにもありますが、Qui tollisのQの内側にある5本の線もなにげに凄いです。彫刻刀で削ったみたいですよね。


バスのカリグラフィー

以上がスペリウスで、そのセクションのテキストの頭文字が書かれていますが、他のパートは各パートのパート名が書かれます。

すなわち、スペリウスはいろんな文字が書けますが、他のパートは、バスならBの文字ばっかり山のように書かなければならないということです。

さあご覧ください、Bばっかり10パターンも!

一つとして同じものがない!スバラシイ。。。先程の削りカス調のは6番と9番に見られますね。みなさまどれがお好みですか?

僕は4番です。7とか10もいいですよねえええ。えへへえへへ。

僕の密かな夢は、老後、リアル羊皮紙を使って最初から最後まで自分の手でクワイヤブックを作ることです。

その時のためにお気に入りのカリグラフィーのお手本をコレクションしておくのです。げへげへ。


ヴォクスマーナのCD

さて、趣味の話はこれくらいにして。

今日は八咫烏のリハだったのですが、そこでM井さんからヴォクスマーナのCDを受け取ることが出来ました。

以下の2点なのですが、アマゾンでも買えるようです。

近藤譲:合唱作品集

故入野義朗生誕95年記念コンサート 12音技法のマイルストーン

二つ目のCDは去年行われた演奏会からライブCDです。

自分が参加した録音が発売されると嬉しいですねえ。

今年は私が参加したものとしては初めてのカペラのCDも出ましたからねえ。嬉しいですねえ。

ジョスカン・デ・プレ:ミサ曲全集 第6集 「歌謡ミサ」

あ、そうそうサリクスのライブCDも発売してますのでこちらもお願いしますね!

こちらは売れると直接的にサリクスの収入になるのでジカに嬉しいです(切実)。

Salicus Kammerchor×La Musica Collana ジョイントコンサート​ ライブCD

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Salicus Kammerchor

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公演情報

次回定期公演は2018年5月の第4回定期演奏会です!

http://www.salicuskammerchor.com/concert

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CD・DVD発売中!

昨年10月に開催されたLa Musica CollanaとのジョイントコンサートのライブCD

第2回定期演奏会のライブDVD

をウェブ販売しております!

http://www.salicuskammerchor.com/goods

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メルマガ新企画!

サリクス通信に声明パフォーマー 桜井真樹子、合唱指揮者 柳嶋耕太が登場!

http://www.salicuskammerchor.com/mail-magazine-1

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櫻井元希へのお仕事のご依頼、チケットのお求め等は以下のフォームよりお気軽にお問い合わせください。

この一週間

先週から火水木金土日月と、金沢さん、松井さん、谷本くんの4人は毎日会っていました笑

2つの案件がたまたま重なって、毎日リハや本番や録音があったためです。


一つ目は、いつもお世話になっているY生田さんの結婚20周年記念パーティでした。ご招待いただき、お祝いの演奏をさせていただきました。

(写真を出してしまうならイニシャルトークの意味はないというツッコミは甘んじて受け入れます。さあ、つっこみなさい!)

Y生田さんはこの1年ほどボイトレを受講していただいてるのですが、メキメキ上達して、立派にオペラのアリアや重唱を8曲も歌い切りました。

エネルギーがすんごいです。ボイトレも通常1回1時間なのですが、毎回2時間ぶっ続けで、その上GWには集中して2時間を3回もレッスン受講されて、ほんと凄いです。

結婚30周年記念ではぜひオペラを1本やりましょうという話がありましたが、ほんと、やりかねないなと思いました笑。


そしてもう一つはとあるCDの録音(まだ情報を公にできないため詳細は伏せます)でした。

先週リハーサルをつめて行って、今日録音してきました。会場に到着するまで気づかなかったのですが、5年前くらいにジャパンチェンバークワイヤで録音をした会場と同じところでした笑。

その時は真冬で大雪が降っていたので、道すがら気づかなかったのも無理はないということにしておきましょう。

年末あたり発売が開始されるそうなので、お楽しみに!

情報公開出来るようになり次第またお知らせいたします。


さて、今週はこれで一息つける感じなのですが来週からは合宿ラッシュです。

来週2泊3日のアラミレ合宿で長野県へ、再来週は広島でシグナス・ヴォーカルオクテットのセカンドCDの録音、からの続けて静岡県下田で小林道夫先生のサマーアカデミーです。

毎年のことですが、埼玉の一番暑い時期を避けられてラッキー・・・

 

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Salicus Kammerchor

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公演情報更新しました!

次回公演は10月18日、Ensemble Salicusのデビューコンサートです!

http://www.salicuskammerchor.com/concert

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DVD発売中!

第2回定期演奏会のDVDをウェブ販売しております!

http://www.salicuskammerchor.com/goods

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メルマガ会員募集中!

サリクス通信に古楽演奏家 花井哲郎とヴォイスパフォーマー 徳久ウィリアムが登場!

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ヴォクスマーナ第37回定期演奏会 明後日

ヴォクスマーナ第37回定期演奏会 明後日

今日は朝サリクス、昼ヴォクスマーナでした。

サリクスはバスのパート練でしたが、もう、安定の、史上最強のバスだと思います。

松井さんは今回実は初サリクスですが、流石の対応能力です。柔軟性の高さにビビります。

演奏会の詳細はコチラ→http://www.salicuskammerchor.com/concert

 


その松井さんと一緒に移動し(富士そばを掻き込んで)午後のヴォクスマーナのリハに向かいました。

ヴォクスマーナはいよいよ明後日本番です。今日は本番前最後のリハーサルでした。


全部通すとやっぱりしんどい!すんごいエネルギー必要です。

青児さんいわくヴォクスマーナ史上最もしんどいプログラムじゃないか、とのことです。

とにかく吸い取られます。どの曲も、作品そのものの持つの引力が凄い。


私が乗るのは近江典彦さんの「Khon-mXahuvona」以外の3作品です。

今日は近江さんの作品も聴きましたが、ヴォクスマーナであんまり聞かないタイプの曲だなぁと思いました。複雑で音程難しくて大変そうだけど、聴いてる分にはノリが良くて爽やかで理知的でsooo cooooool!な曲だと思いました(個人の感想です)

近江さんと指揮の西川さんとの対談動画がアップされています。


藤井健介さんの「Sèlèh II」は楽譜が来た時は、男声の音数(おとかず)が少なすぎてぶったまげましたが、やっているうちに、そして藤井さんのお話を聞き、インタビュー動画をみたりしているうちに、その世界にガッと入り込めるようになりました。

今日聞いたガムランの、大きい曲をやる時に、その前奏・後奏として演奏する「パテタン」をイメージして作ったというお話も実に興味深かったなぁ。

インタビュー動画はコチラです。


北爪裕道さんの「Multiplex」は兎に角自分としてはどれだけえげつないノイズを発することができるか、ということがテーマで、徳久門下としては大変やりがいのある作品です。

瞬間に全細胞をその音に反応・反射させて、全細胞を反応・反射させて音を持続させ、全細胞を反応・反射させて音を切る、の繰り返し、みたいな曲です。

徹底的に人間的な要素を排して、まるで機械のようにノイズを生成するという書き方で書かれていますが、人間的な部分を排除しようとすればするほど、それでもなお滲む人間らしさ、デジタルになりきることによってデジタルに抗っているような、そんな作品だと思います(個人の感想です)。

「人間だ!人間なんだー!」という叫びのように、僕には聞こえます。(ちなみにVox humanaというのはラテン語で「人の声」を意味します)

僕は「生きてることを思い出させてくれるものでなければ、それは芸術とはいえない」と思ってますが、この作品はそこんところ、ビシビシ感じさせてくれます。

この曲に関しては前にも記事を書きましたのでこちらもどうぞご参照ください。

「ノイズ カットアップ | ヴォクスマーナ」http://wp.me/p7Ktcz-Hq


川上統さんの「怪獣」は、チラシデザインのインスピレーションとなった作品ですが、多分タイトルから想像される感じとは違うと思います。

人間の中の怪物、というか、もっと精神的で抽象的な、人間の中にあって、あるのはみーんな知ってるけど見てしまうととても生きてはいけないから見ないようにしてる部分、というか。テキストはある意味直接的だけど、必ずしもそのテキスト自体に意味があるわけではなくて、そのテキストを通して見える地獄絵図、というか。そんな作品です(あくまで個人の感想です)

ちょっと飛躍しますが、僕がデスメタルが好きなのは「それも人間だ」と思うからです。「直視したくないものを、直視しようぜ。目をそむけていたら、ほんとのところはわかんないぜ」って。言葉にすると恥ずかしいけどそう思います。

この作品はそういう観点から、とても好みです笑

川上さんのインタビュー動画はこちらです。


演奏者も作曲家も、音楽に挑んでいる、食らいついていってる、そういうことが感じられる演奏会になると思います。

皆様ぜひ明後日日曜日、文化会館までお越しくださいませ。

チケットはぜひとも私からお求めください!(切実)


ヴォクスマーナ第37回定期演奏会 (創団20周年シリーズVol.3 未来を担う男性作曲家)

3月5日(日)14:30開演 東京文化会館小ホール

一般3,000円(当日3,500円)、大学生1,500円、高校生以下1,000円

 

川上 統(b.1979)/ 怪獣 (委嘱新作・初演)

藤井健介(b.1979)/ 「Sèlèh II」 ヴォーカルアンサンブルのための(委嘱新作・初演)

近江典彦(b.1984)/「Khon-mXahuvona」 pour vocal ensemble (2014委嘱作品・再演)

北爪裕道(b.1987)/ 「Multiplex」 for 12 voices (2013委嘱作品・再演)

 

指揮:西川竜太

演奏:ヴォクスマーナ

ソプラノ:稲村麻衣子/花嶋千香代/日野祐希

アルト:入澤希誉/神谷美貴子/高橋陽子

テノール:金沢青児/清見卓/櫻井元希/初谷敬史

バス:小野慶介/松井永太郎

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Salicus Kammerchor第3回定期演奏会

『J. S. バッハのモテット全曲演奏シリーズvol. 3 〜詩編モテットと葬送モテット〜』

チケット発売中!

http://www.salicuskammerchor.com/concert

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Salicus Kammerchor主催第3回ワークショップ

参加者募集中!

http://www.salicuskammerchor.com/workshop

ご好評いただいておりますサリクスのワークショップです。毎回早い段階で応募上限に達しております。

お申込みはどうぞお早めにお願いいたします。

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明日八咫烏本番!

明日八咫烏本番!

明日・明後日は男声アンサンブル 八咫烏の2nd concertです。

今回から八咫烏は以下のメンバーになり、私はセカンドテナー(2曲はトップも!)を歌います。

 

Top Tenor

佐藤拓

富本泰成

 

Second Tenor

大貫 浩史

櫻井 元希

 

Baritone

大津 康平

谷本 喜基

 

Bass

西久保 孝弘

松井 永太郎

 

メンバーみんなアンサンブルを愛し、向上心があって変革を恐れない素晴らしいメンバーが集まっています。

全員声楽家ですが、とても声楽家とは思えない音がしています。もちろんいい意味で。

 

東京公演は残りわずかですが、千葉公演はまだまだ残席ございます。

当日突然予定が空いても大丈夫です!

また、東京公演のチケットの半券をご提示いただくと、千葉公演のチケットが2000円引きのなんとビックリ1000円でご購入できます!

是非この機会をご利用いただければと思います。


♪男声アンサンブル八咫烏 2nd concert!♪
★《東京公演》★

2017年1月14日(土) 18:45開場 19:15開演

台東区生涯学習センター ミレニアムホール

https://www.facebook.com/events/217856145338609/

☆《千葉公演》☆

2017年1月15日(日) 18:30開場 19:00開演

千葉市生涯学習センター ホール

https://www.facebook.com/events/1862703663945288/

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【プログラム】

1st 湯山昭「河童のうた」全曲

2nd 《レーヴィ・マデトヤ作品集》

Valkeat kaupungit(白みゆく街)

De profundis(深き淵より)

ほか

3rd 《ドイツロマン派作品集》

マルシュナー/ Das Testament(遺言)

シューマン / Die Minnesänger(ミンネゼンガー)

シューベルト / Grab und Mond(墓と月)

メンデルスゾーン / Liebe und Wein(愛と酒)

シュトラウス / Vor den Türen(戸口にて)

ほか

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【チケット代金】

一般前売:3,000円 当日3,500円

学生前売:2,000円 当日 2,500円

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【チケットお申し込み先】

《1/14東京公演》

https://mintike.sakura.ne.jp/form?i=23&c=daf06c4d

《1/15千葉公演》

https://mintike.sakura.ne.jp/form?i=24&c=f89f4d4b

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【SNS】

ぜひ、フォロー・いいね!よろしくお願いいたします!

Twitter:http://twitter.com/yatagarasu8v

Facebook:https://www.facebook.com/yatagarasu8v

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【お問い合わせ】

yatagarasu.vocalensemble@gmail.com


そしてもう一つ大きなお知らせです。4月に行われます、Salicus Kammerchorの第3回定期演奏会ですが、明日の八咫烏の公演からチラシの配布を開始します。

チラシデザインはいつもお世話になっております吉田健嗣さんです!

また同時にチケットも販売開始となりますので、こちらもどうぞよろしくお願いいたします。

チケットの入手方法は以下のリンクよりご確認ください。

http://www.salicuskammerchor.com/concert

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演奏動画公開中!

Heinrich Schütz “Musikalische Exequien” op. 7 III. Canticum Simeonis / Salicus Kammerchor

Ensemble Salicus : Gregorian chant from “Proprium in ascensione Domini” / “Ordinarium missae I”

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主宰団体Salicus Kammerchorホームページはコチラ

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