生きてるうちは(恥ずかしいことを書きます)

今日はバッハカンタータアンサンブルの練習でした。

今回BWV67をやるのですが、これは実はかなり思い出深い曲でして…。
忘れもしない5年前、日本人なら忘れることの出来ない5年前、ちょうど今頃、この曲を準備していました。
カンタータクラブは、4月と5月に同じ曲目で、新入生歓迎演奏会を行うのですが、その時に選曲されていたのがこの曲とBWV45でした。
45・67って、覚えやすいでしょ?
四月から新体制で、僕は部長と副演奏委員長をかけもちしていました。
震災があったのは、はりきって春合宿を準備していた矢先のことでした。
僕は妻と広島に逃げ、合宿は中止、入学式も四月新歓も中止になりました。
もう2度とカンタータクラブのメンバーと一緒に演奏することはないだろうと覚悟していました。
でも、それからきっと人生で最も長い1ヶ月間を過ごした後、なんとかみんなで力を合わせて5月新歓の開催にこぎつけました。
この時ほど、仲間と音楽が出来ることの有り難さを感じたことはありません。
不思議な体験でした。
音楽が出来るという、至ってシンプルな、自分たちには身近すぎてごく当たり前のことが、奇跡のような、目も眩むような輝きを放つ稀有な出来事なんだと体感しました。
随分春めいた街の空気を吸いながら、BWV67を譜読みしていたら、ふとあの時の息詰まる1ヶ月間、あの時の幸福な演奏を思い出し、胸がいっぱいになりました。
生きてるうちは、生きてることを忘れてる。
震災みたいな、まったくリアルに、死をまざまざと見せつけられるような出来事が、ネガフィルムがポジを映し出すように、それを思い出させてくれました。
そしてまさに、そのことをテーマとした演奏会が5月にあります。
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サリクスは今回バッハの、追悼式、葬儀用に書かれたであろうモテットを演奏します。

また、シュッツの大作、「音楽による葬儀」にも挑戦致します。
あの時、理不尽に失われていった、本当に沢山の命を想いながら演奏します。
そしてそのことが僕らにありありと映し出してくれた命の輝きを、感じることが出来ると思います。
死を歌うことは、生を想うこと
そんな演奏会になると思います。
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