今年のアラミレ

  • 今年のアラミレは9/22(木祝)です。

今日チラシが出来上がってきました。

昨年からアラミレは、アダム・レナーという、まぁ普通に生きていれば出会うことの無いだろう作曲家の聖母ミサに取り組んでいます。

生没年はca.1485-ca.1520、若くして亡くなった作曲家のようです。

生年としてはポストジョスカン世代とも言えますが、没年がジョスカンとほぼ同年ですから作曲した時期としてはジョスカンと同世代と言っていいと思います。

作風は、、、なんというか、斬新です。

ミサの各部分ごとの作風が全然違って、変幻自在というか、これほんとに同じ人が書いたの?って思います。

前もブログに書いたと思いますが、何しろグロリアが7枚でクレドが4枚です。(見開きの枚数です)

普通はグロリア4枚、クレド6枚くらいでしょうか(個人の感想です)

とにかくグロリアが長すぎる。感覚としては、いつもの3倍くらいです。

対してクレドは、え、短か!って感じです。

ほとんどシラビックに書かれていて、音符の数に対して言葉が多すぎるため、省略しまくってます(笑)

{A2E65A27-82A7-4635-822E-CB492925A088}

うーむこれはひどい。

1段目

Genitum, non factum, consubstantialem Patri:per quem omnia facta 

2段目

sunt.Qui propter nos homines, et propter nostram salutem descendit de cae(lis.)

なんですけど俄かには読めませんよね。

こんな感じの譜づらなんですけど、曲はもう、ほんと、ただの名曲です。

なんならこのクレドが全曲の白眉と言って差し支えないほどです。

短いのに名曲!コスパ!

あと謎なことに、Sanctusの途中、Pleni sunt caeliのセクションだけ5声になります。

意味はわかるんです、Pleniって満ちるって意味なんですね、だから声部も増える。

でもほんとにここだけなんですよ。

お、5声になった!と胸をときめかすのも束の間、ものの40秒ほどで、元の4声に戻ります。

 

謎深まる、、、。

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演奏会は例によって典礼形式です。

ただ今回は固有唱の一部をポリフォニーで歌います。

固有唱とは、日替わりメニューみたいなもので、日によって唱える典礼文が変わるんですね。

それに対して通常唱は毎日毎日来る日も来る日も同じテキストです。カレーとか、ラーメンみたいなもんですね。

お。これは結構いい例えかも。

フルコース

例えるなら、、、

前菜(日替わり)

スープ(毎日一緒)

魚料理(毎日一緒)

肉料理(日替わり)

ソルベ(日替わり)

ローストの肉料理(毎日一緒)

生野菜(日替わり)

甘味(毎日一緒)

果物(毎日一緒)

飲み物(日替わり)

みたいな!こ、これはわかりやすい! こんな感じで Introitus(固有唱) Kyrie(通常唱) Gloria(通常唱) Graduale(固有唱) Alleluja(固有唱) Credo(通常唱) Offertorium(固有唱) Sanctus(通常唱) Agnus(通常唱) Communio(固有唱) となるんですね(朗読は省いてます) か、数までぴったりだー! まぁ、毎日フルコース食べないし、毎日同じ魚料理とかありえないんで、全然うまいこと言えてませんけどね。でも伝わった気がする!ミサの仕組み!

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で、何が言いたいかというと、この日替わりメニューたる固有唱の部分を、いつもはグレゴリオ聖歌で歌うんですが、今回はその前菜と飲み物の部分をポリフォニーで歌うのです。 それもアノニマス(作者不詳)の。 これは先ほどのレナーのミサが収められた写本、 (D-Jena, MS 33)に収録されたものです。 そしてそれ以外の固有唱はグレゴリオ聖歌で歌うので、まとめるとこうなります。

Introitus(固有唱)アノニマス Kyrie(通常唱)レナー Gloria(通常唱)レナー Graduale(固有唱)グレゴリオ聖歌 Alleluja(固有唱)グレゴリオ聖歌 Credo(通常唱)レナー Offertorium(固有唱)グレゴリオ聖歌 Sanctus(通常唱)レナー Agnus(通常唱)レナー Communio(固有唱)アノニマス

なかなか美しいプログラムではありませんか。あ、そうそうプログラムの最後にイザークのTota pulchra esも歌います。

https://youtu.be/zqpXLTJDsWg

レナーはどうやらイザークと関わりがあったそうで、そのこともあって最後にイザークで締めることになりました。

ところでみなさん。これまでさも自分でプログラムを構成したような書き方をしてきましたが、お察しの通り(?)このプログラムを構成したのは渡辺研一郎です。

これまでは選曲はほぼ全て花井先生が行っていましたが、最近はその業務を弟子に譲るようになり、今回初めて、全てのプログラムを渡辺君が構成しました。

その意味でもこの演奏会はアラミレにとってターニングポイントになりそうです。

さあ、こんな凄いプログラムの演奏会が、なんとなんと2000円なのだから驚きだ!こいつあ聴きに行かない手はないね!

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演奏動画はコチラ
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g.sakurai.office@gmail.com

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