12月6日光岡先生の韓氏意拳講座に行ってきました。
BUGAKUの方の講座にこれまで3回ほど参加させていただき、その後も日程をフォローしていたのですが、土日でなかなか参加できず、今回の意拳の講座は金曜ということで空いていたので参加してきました。
以下講座のメモです。私の解釈、記憶違いなどあると思います。文責は私にあります。
自然体とは
この日メインで学んだのは、自然体とはどういう状態のことをいうのかということでした。
三つの自然体
①構造的自然体
②感覚的自然体
③感覚以前の自然体
①構造的自然体
これはいわゆる物理的な意味での自然ということで、意識下に置きやすく、論理だてしやすく、数量で測れ、認識を共有しやすく概念化しやすい。
試し稽古で、手を横に広げてみるということをやってみました。ただただ横に広げるだけなのですが、ずっとやってると手がだるくなってきます。
「もしこれが自然体なのだとしたら苦痛は生じないはずでは」
そしてこの構造が強いかどうか上から力を加えることで確かめます。
その形をキープしているだけで限界なので、この構造が強いわけがありません。
すぐへにゃってします。
そこで今度は光岡先生が形を直してくださるのですが、そうするとその前よりもその形をキープできます。
肘の角度、手首の角度、指の伸び具合。
それで、それがなぜかということなのですが、「中立点」というのがキーワードになるようです。
中立点とは、その腕の形における肘の可動域の中間ということのようです。
②感覚的自然体
「感覚」は自然なのか?
感覚があること自体は自然。
「不自然」を感じるという感覚もある。
「不自然」な感じはどういうときに生まれるのか。
・慣れていないことをしたとき。
・痛み、苦しみがあるとき。
・力みがあるとき。
・余計なことを考えちゃうとき。
例えば痛みや苦しみが「不自然」だとするなら、出産は不自然なのか。
力みはなぜ生まれるのか。
↑
「怖れ」が力みを生む。
↑
「怖れ」は「未知」から生まれる
しかし未知だらけであった子どものころ、私たちは今より怖れていたか。
未知に対して、怖れる気持ちと、わくわく楽しみに思う気持ち、この差はどこから生まれるのか。
既知が増えると怖れが増える。
③感覚以前の自然体
站椿八式のうち最初の三つをやりました。
挙式 抱式 捧式
手を挙げて(挙式)、おろして引き寄せて左足を少し開いて(抱式)、また少しおろして掌を上に向けて少し挙げる(捧式)。
とまあこれだけのことなのですが、これを一つ5分かけてやるんだそうです。
これまで駒井先生の本見ながらやってましたが、一つ30秒もやってなかったな。5分って結構ですよ。
インド古典声楽の練習法で、ロングトーンを正座で合掌で(ここは観法を同時にやるようアレンジしました)1時間ってやつをやった時よりもきついかもしれない。
手を挙げるだけで5分。
果てしない。
インド古典声楽の場合、息をするより自然に声が出るまでやるっていうある意味目標みたいなものがあるから出来る感じがするんですけど、んー手を挙げるというのはつまりその、難しい・・(思考停止)。
それで站椿の動きをしている間中自然体であり続けるということは、構造的にはそれぞれの瞬間に中立点を通り続けるということです。
これは一つの真実。
しかしDeeper truth、より深くそれを見ていくと、つまり瞬間瞬間中立点を通るということを常に意識しながらは戦えない(ということだと解釈しています)
別の方法で、構造的自然体を結果として得ることのできる方法、それが感覚以前の自然体ということなのだと思います。
このあたりが以前BUGAKUで教わったこととつながってきます。
その時のレポートはこちらにまとめています↓
1回目
2回目
3回目
つまり「精」とか「気」とか「神」の世界。
この3つの中でも「気」は「精」と「神」の両方の側面を持った中立的なものなのだそうです。
それで左右観から気の身体観を知るということをやりました。
左は横気(水平観)軽さ、開き、広がり、浮き
右は縦気(垂直観)重み、閉じ、まとまり、沈み
という特徴があるそうです。
これも試し稽古によって実感を伴って学べるので説得力があります。
左右観について、BUGAKUでは定位、不定位を学んで、楽器を演奏するときの構えについて考えるところがありました。
つまり、ヴァイオリンも、チェロも、フルートも、右掌が前、左掌が後ろになる不定位の状態なんです。(そのあたりのことは3回目のレポートに書いてます)
それで、そのことと今回の縦気横気を重ね合わせるとさらに合点がいく。
ヴァイオリンって右手に弓を持って、右手を沈ませるようにして弾きますよね。反対に左手は楽器を持ち上げるようにする。
また縦型の木管楽器が右手が下であるということも関係があるようです(韓氏意拳東京講座の世話役の方がオーボエ経験者で、そのようなことを仰っていました)
そして基本的にクラシックの楽器の場合、左利きの人も右利きの人も同じように楽器を構えます。
左右観には利き手の左右は関係ないので、左右観と楽器の構えの関係について説得力があるように感じます。
さらには指揮についても、基本的に左利きの人でも右手メインで振ります。
縦気の右手で振るというのは合点がいきます。
さて歌の場合は・・・・・・・・。
見た目に現れないからわかりづらいですよねえ。
ただきっとうまく歌に取り入れる方法があると思うので、試し稽古を続けたいと思います。
さて、今回の講座はここまでで時間切れでした。(後半は私の妄想ですが)
引き続き時間を作って講座を受けていきたいと思います。
いずれがちっと歌と結びつく日を信じて。
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Salicus Kammerchor
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演奏会情報
次回演奏会は
12月19日のEnsemble Salicus第2回演奏会です!
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