ヴェスプロ!

いよいよ明日から、金曜だけ空けて毎日!
コントラポント、ヴェスプロのリハーサルです!

音楽史上の金字塔!モンテヴェルディのヴェスプロです。

以下のリンクでは、花井先生がバッハのロ短調ミサと比較しながら解説しています。
http://fonsfloris.exblog.jp/24258611/
史上、バッハのロ短調ミサに並び立つような音楽作品は存在しませんが、バッハ以前で、それに比肩しうるような作品といえば、この曲をおいて他にはないのではないでしょうか。

メンバー皆ですが、花井先生もいつにも増して気合いが入っています。
花井先生自身が、積極的に各メディアに働きかけて宣伝を行っているところからもそれは伺えます。
以下はインターネットラジオのOttavaでのインタビューです。
http://www.ottava.jp/mall/contraponto.html

またyoutubeでは、コルネットの笠原さんとの対談が公開されています。
パート1 http://youtu.be/MTqCqxkufGI
パート2https://youtu.be/9q0pVARo8Y4
笠原さんと上野さんのコルネットの演奏も少し聴けますので、どうぞお楽しみください^ ^

東京カテドラル聖マリア大聖堂で聴く「聖母マリアの祈り」、悠久の歴史に燦然と輝く空前の傑作をお聴き逃しなく!

指揮:花井哲郎

独唱:
ソプラノ 花井尚美
テノール 櫻田亮
バス   春日保人

器楽:
ヴァイオリン 小野萬里 丹沢広樹
ヴィオローネ 西澤央子
コルネット  上野訓子 笠原雅仁 細川大介
トロンボーン 宮下宣子 大内邦靖 三田博基
フルート/リコーダー 前田りり子 菅沼起一
リュート   金子浩 上田朝子
ハープ    伊藤美恵
オルガン   上尾直毅

声楽アンサンブル:コントラポント合唱隊
鏑木綾 神山直子 田村幸代
金沢青児 佐藤拓 渡辺研一郎 富本泰成
沼田臣矢 櫻井元希 松井永太郎

前売券取扱:
東京文化会館チケットサービス 03-5685-0650 ※セブン-イレブンでの引取可能
東京古典楽器センター 03-3952-5515
野上書店(目白駅前・店頭直接販売のみ)
スペース・セント・ポール(東京カテドラル内) 03-5981-9009
サンパウロ(「四谷」駅前)03-3357-8642

前売:一般5,000円 ペア9,000円
当日:一般5,500円
前売、当日とも:学生2,500円

――マエストロ花井哲郎より直前メッセージ――

多くの人々の深い祈りから、長い伝統の中で形作られてきた、聖母の晩課という典礼。
その音楽的な頂点をなすのが、モンテヴェルディのこの作品です。
グレゴリオ聖歌、初期バロック特有の独唱、重唱、器楽のソナタ、そして劇的な詩編、多くの要素が一体となって、聴きどころ満載の一つの世界が作り上げられます。
ベテラン独唱者と気鋭の若手歌手によるアンサンブル、名手たちによる器楽陣、作品の持ち味を最高に生かしてくれる東京カテドラルという聖堂。
今回のコントラポントによる演奏は、この作品の素晴らしさを存分に味わっていただけるものになると確信しています。
皆さんのご来場をお待ちしています!


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カペラ・コントラポント【楽譜の問題】

今日は午後はカペラ、夜はコントラポントの練習でした。

コントラポントは6/22(月)

http://www.fonsfloris.com/c/

カペラは海の日7/20(月)

http://www.cappellajp.com/topics/index.html

にコンサートがあります。

それぞれの演奏会詳細はリンク先のホームページをご覧ください。

古楽を演奏する際は、多かれ少なかれ必ずぶつかる問題として、使用楽譜の問題があります。

一般に、演奏する作品が古くなればなるほど、つきまとう問題は増えるように思います。

例えば前回のブログに書いたドラランドなど盛期バロックの楽譜は、手書きで見にくいということはあっても、記譜法自体は現代の記譜法となんら変わりがないので、楽譜の読める方なら解読可能です。コントラポントは基本的にバロック時代の作品をレパートリーとしています。今はモンテヴェルディのヴェスプロですが、この曲の場合そういう問題でないところに問題があります(笑)。

ところが時代を遡ってカペラがレパートリーとしているルネサンス期あたりになりますと、かなり事情が変わってきます。

まずスコアがありません(笑)。この時代あったのは、パートブックとコワイヤブックと呼ばれるものです。

パートブックというのは、いわゆるパート譜状のものが、テノールならテノール、ソプラノならソプラノで1冊にまとまっているものです。

こんなかんじ

{EFC9DE1C-58C1-46AD-81D2-F29870681222:01}

これでも演奏できることはできるのですが、何しろ誰にも全体像が分からない状態(スコアがないので)でリハーサルをするのはかなり難しいです。

そこでカペラでは通常コワイヤブックを用いて演奏します。

これは1枚の大きな楽譜に、左上にソプラノ、左下にテノール、右上にアルト、右下にバスを記載した楽譜です。

{DC34DC16-B1C1-472C-9502-A31069F7C25C:01}

演奏者は全員、この1枚の大きな楽譜を見て歌います。スコアのように、同時に鳴っている音を瞬時に判別はできませんが、慣れてくると、どのパートが何をやっているか、なんとなーく分かるようになってきます。(もう7年くらいこの楽譜で演奏していますが、まだそんなレベルですみません)

ですので、全体を把握して歌う為には、かなりの割合で、「聴いて覚える」という作業に依らなければなりません。ここの所が、コワイヤブックで演奏する際のメリットであり、デメリットであると思います。

パートブックとコワイヤブックの説明にえれー文字数使ってしまった…。

この二種類がこの時代に存在した楽譜なのですが、曲によってはパートブックしか残っていないものもあります。

そんな時は、諦めてパートブックで演奏するか、パートブックをそのまま超拡大して無理やりコワイヤブック状にして使うということも考えられますが、一番快適なのは、パートブックを切り貼りして、捏造コワイヤブックを作るということです。

こんなかんじ

{40B308E0-C2EF-42B6-BAA5-DA35CDE37394:01}

今カペラでは、僕がこの作業を担当しているのですが、これ、意外と難しいんです。

しかもこの難しさって、なかなか伝わらないんです(笑)

難しさを説明するのが難しいんです(笑)

ちょっとその難題に挑戦してみましょう。

今回扱う曲は7声です。まず、A4を横に使ったパート譜が7つあります。Superius, Altus, Tenor, Bassus, Quintus, Sextus, Septimusです。パートによって休符多いパートもありますので、段の数はまちまちです。

それを、A3用紙に収まるように並べていきます。高度な空間処理能力が求められることがおわかりでしょう。
七つのパートをA3に入れるので、左側に4つのパート、右側に3つのパートです。とうぜん左はギッチギチ、右はスッカスカになります。ただし、一番下のパート(テノールかバス)には、ワープを使うことが許されていて、ワープ記号を書くと、同じ見開きの右から左、あるいは左から右にワープできます。

写真では、左下のテノールが、右下へワープ!

{185E01DB-043D-4217-99A8-4D8C0E135684:01}

ね!もう既に難しいでしょ!難しさが難しいでしょ!

1曲はもちろん1枚には収まらないので、曲の途中でページをまたがなければなりません。みんなが同じ楽譜を見ているのでめくるタイミングは同時でなければなりません。かなり頻繁にシンコペーションが起こっているので、同時にめくれるタイミングを見つけるのは結構手間です。

あとはクレフの問題。段の初めには必ず音部記号を付けなければならないのですが、A4横をA4縦に入れるわけですから段が倍くらいになります。つまりクレフも倍必要ということなので、クレフのために原本をコピーして、クレフのストックを作ります。それを新しくできた段の最初のところに、ずれないようにぴったり貼ります。万が一一段ずれてクレフを貼っちゃった場合大惨事!そのパートは3度ずれて歌っちゃいます!

あと、歌詞が必ずしも音符の真下に書いてあるとは限らないので、切って貼った時に、右の歌詞と左の歌詞ががっちゃんこするときがあります。そういう時はどっちかを諦めて、別のところに、しかもわかりやすいところに書き直さなければなりません。

{592E261D-5C66-47A7-834F-B7984B48B374:01}

そういった作業の後、クストスを全部の段につけ直したら完成です。

はじめから綿密な計画のもと作業しているわけではないので、いつも出来はいびつで恥ずかしい仕上がりです。(泣)今度の演奏会では、そんな人知れぬ努力の賜物である楽譜を使用しています。

ちょっといびつな楽譜を見かけたら、そんな努力の跡を垣間見ていただけると嬉しいです(笑)。


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