きれいな字を書こう

私幼いころから書道を習っていて、結構長い間やったんですが、見事に甲斐なく字がものすごく汚いんですね。
しかしカペラやアラミレで使っているような、人の手で書かれた楽譜をそのまま使っている場合は、楽譜作成ソフトやなんかは使えないので、書き込みをする際は自分の手で書かなければなりなりません。

コワイヤブックには、几帳面に音符の下に歌詞が書いてあることはまれで、大抵は各セクションの始まりのところにその言葉が書いてあるか、あるいは楽譜の一番最初に一番最初の単語が書いてあるだけというのもあります。
ひどいのになると、パート名だけで歌詞なしとかもあります。
ですので、私たちが演奏する際は、どの音にどの言葉をあてはめるか、自分で考えなければなりません。

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コワイヤブックが書かれた当時、文字は美しくカリグラフィーで書かれました。カリグラフィーというのは西洋風書道のようなもので、時代や地方、書き手によってさまざまな字体で書かれました。

つまり普通のブロック体みたいな字で歌詞を書き込むと、結構浮いちゃって興ざめな感じなんですね。見た目って楽譜を使ううえで結構大事で、出版譜でも、紙質とか字体とか音符の玉の大きさとか五線の間隔なんかで、曲の印象が結構変わったりします。

というわけで、カリグラフィーを始めることにしました。

アラミレの皆さんがカリグラフィーペンを買ってくださいました。メンバーの中にカリグラフィーをやられている方がいらっしゃるので、テキストもお勧めいただきました。

昨日それで練習してみた結果がこれです!

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結構うまくないですか?笑

最初コピー用紙で練習していたのですが、インクがうまくつかなかったので、スケッチブックを使いました。そしたら途端にきれいに書けるように!

上手く書けると気持ちいです!僕の数少ない趣味になるやもしれません。


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僕の妻と結婚してください

今日は午前中時間がとれたので、h-moll Messeの自筆スコア、自筆パート譜、筆写スコアを製本しました。

今は便利な世の中で、こういうものはみんなネットで見れるんですね。バッハのオリジナル資料はここにまとまっています。
http://www.bachdigital.de/content/index.xml

出版譜も旧全集だったらみんなここにあがってます。
http://imslp.org/wiki/Category:Bach,_Johann_Sebastian

日光の公演では前半をやるので、ひとまず前半分だけで、この量でした。

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オリジナル資料には良くあることですが、こういう虫食いやシミが出来てしまうのはほんとに残念ですねーー。

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家で作業する時は大体録画したテレビ番組を見ながらやるのですが、今日見たのは、「僕の妻と結婚してください」という、NHKのドラマだったのですが、涙腺崩壊しました。木村多江にやられました。
余命半年を宣告された内村光良演じる夫が、それを妻(木村多江)に告げずに、自分が死んだ後のために、妻の再婚相手を探すという内容なのですが、木村多江の役名が「あやこ」なんですね(笑)。うちの妻は「あや」といいますもので。
木村多江がうどん屋でいつものうどんを頼むシーンでもう…嗚咽鼻水号泣でした。カレー吐くかと思いました。
いやー妻と一緒に見なくてよかったー。午後は1人ヴォイストレーニングのレッスンをしました。
2年間くらいみている生徒さんなのですが、ここ一か月ほどご無沙汰だったので、声を戻すのが大変でした。

しかし他人のヴォイストレーニングをすると、自分の体調や声が整います。自分がレッスンするように自分の練習も丁寧にできたらいいのですが・・・(笑)。

その後、今度は上野の印刷屋さんで、モダン譜のパート譜のコピーをしました。
これは自分の研究のためで、演奏者の使うものではありません、念のため。

これもまあなかなかの量でくたびれましたが、パート譜で見ると、コルノ・ダ・カッチャのパートというのは・・・・、ほんとにすごいパートですね。

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普段歌を歌っているとあまりオケのパート譜に触れる機会はないのですが、”bis zum Schluss : tacet”(最後までお休み)って、なんか切ないですね(笑)。

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カペラ・コントラポント【楽譜の問題】

今日は午後はカペラ、夜はコントラポントの練習でした。

コントラポントは6/22(月)

http://www.fonsfloris.com/c/

カペラは海の日7/20(月)

http://www.cappellajp.com/topics/index.html

にコンサートがあります。

それぞれの演奏会詳細はリンク先のホームページをご覧ください。

古楽を演奏する際は、多かれ少なかれ必ずぶつかる問題として、使用楽譜の問題があります。

一般に、演奏する作品が古くなればなるほど、つきまとう問題は増えるように思います。

例えば前回のブログに書いたドラランドなど盛期バロックの楽譜は、手書きで見にくいということはあっても、記譜法自体は現代の記譜法となんら変わりがないので、楽譜の読める方なら解読可能です。コントラポントは基本的にバロック時代の作品をレパートリーとしています。今はモンテヴェルディのヴェスプロですが、この曲の場合そういう問題でないところに問題があります(笑)。

ところが時代を遡ってカペラがレパートリーとしているルネサンス期あたりになりますと、かなり事情が変わってきます。

まずスコアがありません(笑)。この時代あったのは、パートブックとコワイヤブックと呼ばれるものです。

パートブックというのは、いわゆるパート譜状のものが、テノールならテノール、ソプラノならソプラノで1冊にまとまっているものです。

こんなかんじ

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これでも演奏できることはできるのですが、何しろ誰にも全体像が分からない状態(スコアがないので)でリハーサルをするのはかなり難しいです。

そこでカペラでは通常コワイヤブックを用いて演奏します。

これは1枚の大きな楽譜に、左上にソプラノ、左下にテノール、右上にアルト、右下にバスを記載した楽譜です。

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演奏者は全員、この1枚の大きな楽譜を見て歌います。スコアのように、同時に鳴っている音を瞬時に判別はできませんが、慣れてくると、どのパートが何をやっているか、なんとなーく分かるようになってきます。(もう7年くらいこの楽譜で演奏していますが、まだそんなレベルですみません)

ですので、全体を把握して歌う為には、かなりの割合で、「聴いて覚える」という作業に依らなければなりません。ここの所が、コワイヤブックで演奏する際のメリットであり、デメリットであると思います。

パートブックとコワイヤブックの説明にえれー文字数使ってしまった…。

この二種類がこの時代に存在した楽譜なのですが、曲によってはパートブックしか残っていないものもあります。

そんな時は、諦めてパートブックで演奏するか、パートブックをそのまま超拡大して無理やりコワイヤブック状にして使うということも考えられますが、一番快適なのは、パートブックを切り貼りして、捏造コワイヤブックを作るということです。

こんなかんじ

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今カペラでは、僕がこの作業を担当しているのですが、これ、意外と難しいんです。

しかもこの難しさって、なかなか伝わらないんです(笑)

難しさを説明するのが難しいんです(笑)

ちょっとその難題に挑戦してみましょう。

今回扱う曲は7声です。まず、A4を横に使ったパート譜が7つあります。Superius, Altus, Tenor, Bassus, Quintus, Sextus, Septimusです。パートによって休符多いパートもありますので、段の数はまちまちです。

それを、A3用紙に収まるように並べていきます。高度な空間処理能力が求められることがおわかりでしょう。
七つのパートをA3に入れるので、左側に4つのパート、右側に3つのパートです。とうぜん左はギッチギチ、右はスッカスカになります。ただし、一番下のパート(テノールかバス)には、ワープを使うことが許されていて、ワープ記号を書くと、同じ見開きの右から左、あるいは左から右にワープできます。

写真では、左下のテノールが、右下へワープ!

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ね!もう既に難しいでしょ!難しさが難しいでしょ!

1曲はもちろん1枚には収まらないので、曲の途中でページをまたがなければなりません。みんなが同じ楽譜を見ているのでめくるタイミングは同時でなければなりません。かなり頻繁にシンコペーションが起こっているので、同時にめくれるタイミングを見つけるのは結構手間です。

あとはクレフの問題。段の初めには必ず音部記号を付けなければならないのですが、A4横をA4縦に入れるわけですから段が倍くらいになります。つまりクレフも倍必要ということなので、クレフのために原本をコピーして、クレフのストックを作ります。それを新しくできた段の最初のところに、ずれないようにぴったり貼ります。万が一一段ずれてクレフを貼っちゃった場合大惨事!そのパートは3度ずれて歌っちゃいます!

あと、歌詞が必ずしも音符の真下に書いてあるとは限らないので、切って貼った時に、右の歌詞と左の歌詞ががっちゃんこするときがあります。そういう時はどっちかを諦めて、別のところに、しかもわかりやすいところに書き直さなければなりません。

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そういった作業の後、クストスを全部の段につけ直したら完成です。

はじめから綿密な計画のもと作業しているわけではないので、いつも出来はいびつで恥ずかしい仕上がりです。(泣)今度の演奏会では、そんな人知れぬ努力の賜物である楽譜を使用しています。

ちょっといびつな楽譜を見かけたら、そんな努力の跡を垣間見ていただけると嬉しいです(笑)。


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グラン・モテの系譜

いつもお世話になっている合唱団フォンス・フローリスが8月2日に演奏会を行います。

詳細は以下
http://www.fonsfloris.com/choeur/

曲目は、カンプラ、ドラランド、デュモン、モンドンヴィルのグラン・モテと、普段クラシックを生業としている人にとっても馴染みの薄い作曲家の作品ばかりですが、どの作品もほんとびっくりするくらい名曲です。

モンドンヴィルのDe profundisとかほんと凄いですよ。

今日は、この演奏会で使用する未出版の作品のパート譜づくりに一日を費やしました。

出版譜がないということは、手稿譜を見ながら練習しているという事です。アルトとテノールは音記号、バリトンはバリトン記号です。しかも歌詞は特に見づらい!

ほんと皆さん凄いです。
多分合唱はこのままこの楽譜で演奏しますが、ソリストの方と、器楽の方のために僕が楽譜を作ることになりました。

サリクスのために大枚はたいてフィナーレを購入したので、使う機会があることがあるのは嬉しいことなのですが、想像していた以上に楽譜の枚数が多い!曲が長い!流石グラン・モテ!
グランやわあ!

100ページ以上あるのですがまだ50ページくらいしか打ててません。
やべーブログ書いてる場合じゃねえ。。。。。

ということで、苦労して楽譜作ってますので、皆様是非演奏も聴きにいらしてください!

今日はこういう仕事もしてますよ!という紹介でした。


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