Ensemble XENOS第2回演奏会|終演

Ensemble XENOS第2回演奏会|終演

昨日、Ensemble XENOS第2回定期演奏会が終演いたしました。

このような社会情勢のなか、ご来場くださいました皆様、誠にありがとうございました。

前回の演奏会ではテノールを歌いまして、今回バスということで、田尻さんが加わってどういうアンサンブルになるか、正直全くの未知数でした。

新しいアンサンブルになったような感覚で、海斗くんが歌ってたところを歌う、しかも前回とほぼ同じプログラムでということで、何度も海斗くんが憑依して、結構大変でした。

よく、特に古楽のジャンルでは、毎回違うようにやろうというようなことを言うのですが、実際はなかなかそうはならない。

何度も何度も何度も繰り返し練習するので、本当に毎回違うようにやろうと思ったら一体手札を何枚用意しておけばいいのか、そしてその手札を出し合うことが音楽なのか、という感じもします。

今回のクセノスのリハはマジで毎回違う感じになってて、それもどうなのかという思いもありましたが、結局プローベというのはそういうものなのだと思います。

本番ではそのどれかが出る。身体が反応して勝手にどれかが出る。プローベでやってないことはまあ出ない。(出ることもあるけど)

つまり身体にいろんなパターンを経験させることによって、咄嗟の反応でその場の最適解を導けるように整える。

それがプローベなんだと思います。

本番の稽古はできない。これは武術と一緒ですね。殺し合いに練習はない。

全然段取り通りならないんですよね。ここはこうしましょうって一応決めてるんですけど。必然的にそうなるのは全然いいんですけど、必然性がないのに段取りに従ってしまうとあっという間に音楽から離れてしまう。

もう、とにかく必然性なんですよね。

それさえあれば何やったってもう、でちゃったものはしょうがないと言える。だってやむにやまれず出た声なんだから。誰も責めることはできない。


前日のリハーサル音源を当日聴きながら会場に向かったのですが、そこで思いもよらぬことがありました。

基本自分の反省のために聞いてるので、自分の声を主に聞いてるんですが、最後のMarenzioの曲で、1箇所鳥肌が立ったんですよね。

誰?なにそれどうやってんの??っていう歌でした。

不意打ちで電車の中で凄い顔をしてしまいました。

よもや自分にそんなことが起ころうとは。

今まで自分の録音聴いて、良いと思ったこと一度もなかったので。

いつも30点以下の演奏だなあと思ってたので、まさかこんなことが起きようとは思いませんでした。

もう本当に泣けました。今まで辞めないで良かったなと。今まで、諦めずに続けてきた自分を抱きしめてあげたい。本当に辛かったので。歌うことも、自分の録音を聴くのも。

結局その歌は本番では出てこなかったんですけど、少なくともそれを再現しようとしなかったことは自分としてはおっけーかなと思ってます。


本番では、Merceの最後の方、Io moroのところで自分が笑ってることに気づいて、こいつサイコパスやなと思いました。笑

今回MCを最小限にしたというのも、なるべく早く終わろう(飲食店じゃないけど20時くらいには終わろう)ということだったのですが、緊張感が持続して、こういう演奏会だと良いなと思いました。

曲の配置もなかなか絶妙で、流れを持った配置になっていたので、間があくよりかえって演奏としても良くなったのではないかと思います。


今回の演奏は後日音源販売、動画配信を行う予定です。

Baseのショップから買えるようにいたしますので、チェックしていただければと思います。28日に販売開始予定です。

Base
https://xenos.thebase.in/

各種SNS、それからYou Tubeチャンネルも今日作りました。

フォローいただけると嬉しいです。

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ちょっと蛇足ですけど、今回告知に使った動画は私が作りました。

これはまだEnsemble XENOSのYou Tubeチャンネル作ってなかったので、私の個人アカウントから上がってます笑

そしてこれ。初めてマルチカム編集しました。

いやーもう音で同期とるとかいうのがもうハイテクすぎて感動しました笑

色の調整がいまいちうまくいってないし、そんなにアングルも変えてるわけでもなく大した編集ではないけど、最初にグループ名がドーンって出るとことか結構気に入ってます笑

あとさらに蛇足ですけど、今回みちこさんのアイデアで、お見送りのご挨拶の代わりに、ボイスレコーダーにメンバーの声を録音して再生するということをやってみました。

大体最近の演奏会って、演奏会後挨拶を遠慮してるので、こうしてただちょっとだけ顔を合わす時間を設けるというだけで、何かが確実に違うと思いました。

馬鹿げてるけど、それも私たちらしくていい。

私の挨拶ラインナップはこちら笑↓

Ensemble XENOS “Vanitas”|終演

一昨日になりますが、Ensemble XENOS第1回演奏会”Vanitas”、満員のお客様に見守られて、終演いたしました。

ご来場くださいました皆様、誠にありがとうございました。

photo by Junko Tomiyama

大森福興教会満員になったことなかったので、響きの変わり方に驚きましたが、それよりそれに動じない共演者に驚きました。さすがです。百戦錬磨とはこのことよ。

コントラポントでヴェスプロをやったとき、櫻田先生がテノールで、同じテノールのトミーや金沢さんが影響を受けまくってレベルがぐっと引き上がったのを目の当たりにしましたが、今回美千子さんと共演できて、私たちみんな引き上げられたと思います。少なくとも私は。自分の持っている今できる限界まで出せたと思います。

狂気と理性の狭間といいますか、この2つ、どちらをとるかということではく、どちらもとりに行く。貪欲に、妥協なく、実直に。

photo by Junko Tomiyama

しかし久しぶりに味わいました、このプレッシャー。なんとも形容しがたい、無理してる感じ。

運営もほとんど自分でやってたので、チケット管理とか、お客さんとのやり取りとか、当日の会計とか、慣れたこととはいえ、今回の歌の方のシビアさとの合わせ技でかなりこたえました。

それで昨日も今日も朝からだったので、ブログの更新が遅れてしまったのでした。まだキャリーケース片付いてないです笑

photo by Junko Tomiyama

けどほんとに沢山お客様に来ていただけてよかった。

満員なんていつぶりだろう。

多分サリクスの第2回定期演奏会のルーテル市ヶ谷公演以来じゃなかな。

やっぱり興行として成立しないと続けられないので。

今回沢山のお客様に来ていただけたので、次回の計画も進められそうです。皆様のおかげです。本当にありがとうございます!一回きりになっちゃったらやだなあと思ってたんですよね。凄く。

やっぱりアンサンブルなので、続けないとできないことってのがほんとにあるんですよね。

今回美千子さんにも言われましたが、僕とトミーってもう10年位一緒に歌ってるんですね。学部の頃から数えると。しかもかなり頻繁に一緒に歌ってる。

そうするともう合わせる必要がないんです。せえのってのが要らない。お互いノーモーションでファって出たらそれで合う。そりゃ合わないこともありますが、合わなくてもストレスにならないんですよね。あ、合わなかったなってだけで。

なかなかそれって難しいことだと思うんです。合わなかったら、やべ、合わなかった。どうしよ。自分が悪かったかな。って通常は思うんですよね。

それで今回私とトミーが両端で歌うことになったんです。

photo by Junko Tomiyama

でも今回自分テクニック的にも音楽的にもまだまだだなってことがいっぱいありました。いっぱい気づかせてもらいました。

いやね。ほんとテクニックなんてクソどうでもいいですってふうに歌うのには、クソほどテクニックがいるんですよ。

呆れるほどの精度を持ってないと、できないんです。それ。

自分はまだリスクを犯せるレベルにまで達してない。

そう思いました。

ということで、少しでも他のところで貢献しようというところがあって、解説も今回私が書かせてもらいましたが、なかなか好評だったようで良かったです。

photo by Junko Tomiyama

アンサンブルの本番はあと9月にアラミレ、10月カペラ、11月もカペラ、12月頭に中世音楽のアンサンブル、12月末にはEnsemble Salicus、来年1月カペラ、2月にはemulsionが決まっています。

ガツガツレベルアップしていきます。
明日はemulsionのリハだ!譜読みします!

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Salicus Kammerchor

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演奏会情報

次回演奏会は

12月19日のEnsemble Salicus第2回演奏会です!

https://www.salicuskammerchor.com/concert

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CD・DVD発売中!

第3回定期演奏会のライブDVD

をウェブ販売開始しました!

http://www.salicuskammerchor.com/goods

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サリクス通信

サリクスの最新情報や、ここでしか読めない特集記事を配信しています。

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櫻井元希へのお仕事・レッスンのご依頼ご相談、チケットのお求め等は以下のフォームよりお気軽にお問い合わせください。

Ensemble XENOS|”Vanitas”

来週月曜日本番のEnsemble XENOSは、フランス在住のソプラノ歌手、高橋美千子さんにお誘いいただいて結成したアンサンブルです。

昨年の年明けにカペラの演奏会にお越しいただいた時に、何かやりたいですねえというお話をいただき、その秋頃だったか某ワークショップで再開し、本決まりになりました。

そこからメンバーを集めて、今年10月ころ演奏会できたらいいねえみたいな話をしていたらメンバーの予定が合わなすぎて、結局7月に演奏会をやることに。

準備期間が短く、ギリギリまでどうなることかと思いましたがなんとか演奏会にこぎつけそうです。

クセノスというのは私の好きな言葉の一つで、ギリシャ語で「異邦人」という意味です。

これは西洋から見れば外国人である私たちのことでもあり、社会から見ればカタギの道を外れた私たちのことでもあり、ひとりで生まれ、生き、死んでいく私たちのことでもあります。

疎外感や孤独感、私たちにとって大きなテーマだと思いますが、そこから生まれるのが哲学であり芸術なのだと思います。

そして今回の演奏テーマは”Vanitas”、ラテン語で「空」という意味です。そらじゃないです。色即是空の「くう」です。

これって東洋の考え方かと思っちゃいますけどそうではないんですね。

旧約聖書の「伝道の書」第1章第2節には

Vanitas vanitatum omnia vanitas.
「空の空。すべては空」

とあります。

この世のよしなしごとは儚いですよ、煙を追うようなものですよって話です。

そしてこのVanitasをテーマとした芸術作品が16-17世紀には沢山作られました。

まさにこの時代のこの空気感、「空」の空気感を体現しているのがジェズアルドを筆頭としたイタリアの作曲家たちのマドリガーレです。

もう死ぬ死ぬ死ぬ死ぬゆうとります。

この演奏会、moro「死ぬ」morte「死」という単語が50回くらい出てくると思います。

生きることが「生」とは限らない
死ぬことが「死」とは限らない

そこまで言いますか?ってほど、死が身近で、リアルです。

不倫した妻を情夫ともども殺害したジェズアルドにとってはまさに「愛と死」は妄想でなく、現実のものだったんです。

この殺人事件は当時の貴族の慣例に習ったものであったそうですが、現代の我々にどれほどこの感覚がリアルに感じられるでしょうか。

でも、誰の中にもありますよね。こういう要素。
だから共感できるんですよね。


人間の綺麗事じゃないところを表現したい。
人間にはいろんな側面があるんだってこと、それをひっくるめて人間なんだということを言いたい。
私、そういう思いはいつもあって、だからこそいろんな音楽が好きで、いろいろ聞くし、いろいろやるんです。

ある一面だけ捉えて、ほら、これが人間でしょ?って言われても、まあ、そういう面もあるよねって、そのくらいに思っちゃう。

こういう面もあるけど、けどこういう面もあるよね、それも人間だよね、それが人間だよねって、そう言ってる音楽が私は好きです。

ジェズアルドってそうなんです。マレンツィオってそうなんです。ルッツァスキってそうなんです。(個人の見解です。体感には個人差があります)

でもそういう音楽だと自分が思っても、アンサンブルなので、自分がやりたいと思ったことがいつもできるわけではありません。それができない環境がほとんどです。

自分のテクニックが追いついていないということももちろんあるけれど、それ以上に、リスクを犯してまでそういうことに挑戦しようと思わせてくれる場所が、なかなかないんですね。

今回はリハから思いっきりぶつかっていけるメンバーとアンサンブルを組むことができました。

どーんとぶつかって、それを受け止めてくれる度量のあるメンバーです。

と同時に、本番何が起こるかわからない、スリリングで危険なメンバーとも言えると思います。笑

望むところですよね。

小林道夫先生の言葉でベスト5に入るお気に入りの言葉があります。

「崩壊寸前で楽しみましょう」

なんとか崩壊しませんように・・・・汗


Ensemble XENOS 第1回演奏会
Vanitas《空》
〜イタリアルネサンスの不協和的情感〜

日時:2019年7月8日(月)19:00開演(18:30開場)
会場:大森福興教会
チケット料金:
一般4,000円(当日4,500円)
学生2,500円(当日3,000円)

出演:
高橋美千子/佐藤裕希恵/富本泰成/櫻井元希/青木海斗

曲目:
カルロ・ジェズアルド Carlo Gesualdo(1566?-1613)
●”S’io non miro, non moro”「もし見ないでいいなら、私は死なないでしょう」
●”Mille volte il di moro”「日に千回も私は死んでいるのに」 
●”Moro, lasso al mio duolo”「ああ、苦しみの中で息絶えよう」 
●”Deh come invan sospiro”「ああ、なんて虚しいため息」
●”Tribulationem et dolorem”「恐怖と悲しみのどん底に突き落とされた」

ルカ・マレンツィオ Luca Marenzio (1553/54-1599)
●”Care lagrime mie”「私の愛しい涙」 
●”Dolorosi martir”「悶えるほどの苦しみ 抉られるほどの苦難」 
●”Basciami mille volte”「薔薇のように柔らかいあなたの唇で」 
●”E questo il legno”「これが聖なる血のついた木なのか? 」

クラウディオ・モンテヴェルディ Claudio Monteverdi(1567-1643)
●”Piagne e sospira”「その女は泣き ため息をつく」
●”Si ch’io vorrei morire”「ああ 死んでしまいたい」

ポンポニオ・ネンナ Pomponio Nenna(ca.1550/55-1613)
●”Sospir baci e parole”「ため息と口づけと言葉」

ベネデット・パッラヴィチーノ Benedetto Pallavicino(1551-1601)
●”O dolorosa sorte”「ああ 苦悩の定め」

チケットお申込み:tiget.net/events/51150

シグナスとクセノス

今週末、そして再来週頭にヴォーカルアンサンブルの本番が続きます。

The Cygnus Vocal Octet 
2nd CD 発売記念ミニコンサート in 東京

一つは今週末、シグナス・ヴォーカル・オクテットの初の東京公演です。

今までずっと東京の皆様に聴いていただきたいと思っていたグループです。今回やっと念願が叶いました。

シグナスはジャパンユースクワイヤ出身のメンバー8人で結成した8人8声のアカペラグループです。

私は18の頃からジャパンユースに参加させていただいていたので、メンバーの多くとはその頃からの付き合いです。

顔を合わせるたびに!え?げんきくんもう30?衝撃!歳取るわけだわーー的な会話をしてて、ほんと親戚の集まりみたいです笑

(私以外の)メンバーの人柄がほんとに良くて、集まるのがいつも楽しみな仲間です。

メンバーが全国に散らばっているので、集まれるのは年に数回、そこで集中してリハーサルし、公演やレコーディングをしています。

今回の演奏会は2nd CD発売記念ということで、CD収録曲を中心に演奏いたします。

2nd CDジャケット

先日のリハーサルの時の録音にスライドショーをつけました。
最後結構オチがついてるつもりなのでぜひ御覧ください。

The Cygnus Vocal Octet
2nd CD 発売記念ミニコンサート in 東京

日時:6月30日(日)15:30開演(15:00開場)
会場:大森福興教会(JR大森駅西口徒歩5分)
チケット料金:3000円(学生1500円)

ご予約(当日精算)はコチラから↓
https://tiget.net/events/57632

シグナス・ヴォーカル・オクテット公式HP↓
https://cygnus-octet.com/


Ensemble XENOS 第1回演奏会
Vanitas《空》
〜イタリアルネサンスの不協和的情感〜

もう一つは再来週頭、クセノスの演奏会です。

国内メンバーで数回リハーサルをしてきましたが、いよいよ美千子さまが帰国され、5人全員でのリハーサルが始まりました。

もうほんとにレベルが高くってモチベ上がりまくりです。
こんなにダイレクトに自分のやりたいことをぶつけられる環境なかなかありません。

やっていいんだああ!って感じ笑

今日のリハの最後の方はテンション上がりすぎていろんなものを犠牲にしながらハジケまくってました。
本番はいろんなものをあんまり犠牲にしないようにしながらハジケたいと思います。

こちらもリハの動画をちょっとだけ。
もう冒頭の短2度のサウンドだけで白飯3杯はいけますね!

Ensemble XENOS 第1回演奏会
Vanitas《空》
〜イタリアルネサンスの不協和的情感〜

日時:2019年7月8日(月)19:00開演(18:30開場)
会場:大森福興教会
チケットお申込み:tiget.net/events/51150


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CD・DVD発売中!

第3回定期演奏会のライブDVD

をウェブ販売開始しました!

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