ヴォクスマーナ第37回定期演奏会終演

ヴォクスマーナ第37回定期演奏会終演

昨日、ヴォクスマーナ第37回定期演奏会が終演いたしました。

ご来場下さいました皆様、誠にありがとうございました。

(上の写真は神谷さんが撮ったものを使わせていただきました)


今回のヴォクスマーナはほんとにヘヴィ級で、ヘヴィなものが好きな私は結構萌えてました。

本番ではいつになく西川さんが燃えに燃えていて、萌えました。モエモエ。

終演後伊左治さんとホーメイ(や倍音S)の話をしたり、打ち上げでは川上さんとデスメタルの話をしたり、北爪さんにプリペアド口琴ラボの動画を紹介したり、なんだか満喫しました笑



現代音楽では、作曲家ごと、あるいは作品ごとに異なった様式がある、という話を前ココでしましたが、作曲家という同じ職業でも、ほんとに興味のベクトルが全然違うんだなということがわかって面白かったです。

そういえば藤井さんはテクノがお好きなのだそうです。

皆さんから刺激を受けて、大変有意義な飲み会でございました。

ありがとうございました。

ヴォクスマーナの次回の公演は、

Hakuju Hall主催 大萩康司プロデュース

ギターと声 vol.3

です。


この公演私は降り番ですが、すんごい面白そうな(そして大変そうな)曲をやるみたいなので、ぜひご来場下さいませ。

私が出演するのは7月20日にあります、第38回定期演奏会です。

またしてもカペラの時期と被っております笑

近藤譲さんの新曲、とても楽しみです。以前委嘱した作品、「薔薇の下のモテット」が最高に素晴らしかったので。そしてこの曲は8月に録音します。

今年は本当に活動が盛りだくさんのヴォクスマーナにどうぞこれからもご注目下さいませm(_ _)m


↑二次会です。

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Salicus Kammerchor主催第3回ワークショップ
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ご好評いただいておりますサリクスのワークショップです。応募上限まであと7人です。
お申込みはどうぞお早めにお願いいたします。

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櫻井元希へのお仕事のご依頼、チケットのお求め等は以下のフォームよりお気軽にお問い合わせください。

時代・地域・様式(雑感)

時代・地域・様式(雑感)

今日は朝ヴォクスマーナ、昼カペラでした。

作曲家藤井健介さんの立会いのもと先週あたりに出来たばかりの曲を歌い、かたやカペラでは没後500年のイザークと生誕450年のモンテヴェルディを歌う。

こんな贅沢なことができるのは今生きている我々だけですよね。


私たちのもっているレパートリー

グレゴリオ聖歌が記譜されたのが10世紀ごろと言われてますので、私のレパートリーは約1100年間の作品ということになります。

それに対し、例えばイザークの生きた時代は今から500年前ですから、グレゴリオ聖歌から数えてレパートリーは600年分と言えるでしょうか。

単純に考えて我々の約半分です。

もちろんイザークの時代にどれだけ広範囲に過去の作品を演奏していたかはっきりとはわかりませんが、まぁほぼ同時代の作品とグレゴリオ聖歌、というか感じだったでしょう。

つまり歌い分けなければならない様式はグレゴリオ聖歌とポリフォニーという二本立て、この二つさえうまく演奏できればよかったのだと思います。

あれやこれやといろんな様式のものを歌わなければならない私たちとは違い、この二つに専念していた当時の人たちの演奏、さぞかし素晴らしかったんだろうなぁ。


サリクスの場合

例えばサリクスのレパートリーで言えば、グレゴリオ聖歌からバッハまでですので約800年間です。それもイタリア・フランス・フランドル・イングランド・ドイツと様々な地域のものを歌いますので、その歌い分けの大変さときたらもう。

ラテン語の発音一つとっても発狂的に複雑です(今回はイタリア式・フランス式・イギリス式を用います)。

まだ今回は扱う言語がラテン語とドイツ語の二ヶ国語だけなのでマシな方です。

これに音律、旋法感、調性感、和声感、編成、通奏低音との関係などが複雑に絡み合って、ほんとなんでこんな大変なことになっちゃったんだろうというくらいこれらの歌い分けは絶望的に困難です。

その多様な様式が混じり合った末にできた音楽としてバッハを捉える、というところに面白みを感じてもらえればと思っているので、是非ともこの困難は乗り越えなければならないのですが。

というわけでバロックまでの音楽でさえこれだけ様々な様式に対する感受性というか、知恵と技術のストックみたいなものが必要なわけですが、いわんや現代をや、というわけです。


現代音楽の様式感

現代の音楽ってほんとに多様で、作曲家一人一人に様式があり、もはや個人の様式を作ることが作曲家にとって課せられた義務のようになっていて、しかも人によっては曲ごとに全く違った様式を用いたりしてきます。

例えば今回ヴォクスマーナで演奏する川上統さんがそうで、前回ヴォクスマーナで演奏した海藻大聖堂は今回演奏する怪獣とは全く違う語法で書かれています。「怪獣」は「海藻大聖堂」にあった様々なな要素のうちの一つに拘って、純化させたような印象があります。あくまで語法について言えば、ですが。テーマはもちろん全然違います。

僕が普段演奏しているバロックまでの音楽はその点、同じ地域、同じ時代では、大体同じ様式の中で音楽を書いているので、時代と地域を限定してしまえばある程度一つのやり方で演奏できます。

その中に、たまにバッハみたいな飛び抜けて変な人がいたりして、ビックリするような音楽を書くけれど、まるっきり別の様式で書いているわけではないんです。同じ様式の中で、これだけ強烈な個性を炸裂させることがむしろ凄いというか。

現代とは根本的に作曲に対する態度が違うんですね。

現代音楽を演奏する場合、まずはその作品の様式(価値観と言った方がいいかもしれません)を体にインストールしなければなりません。スマホにアプリを入れるようなもんでしょうか笑

一つのアプリで沢山の作曲家の作品が演奏できる古楽に対して、一つのアプリにつき一人の作曲家、あるいは一つの作品しか演奏できないのが現代音楽、という感じでしょうか。

このアプリの数を増やすこと、またたまにアップデートすること、そして必要な時にすぐ起動できるようにすることも演奏家の仕事の一つといえると思います。

これって日々自分の価値観をぶっ壊して再構築するようなもんなんですよね。

 


カペラの場合(イザークとモンテヴェルディ)

今日のカペラのリハはイザークとモンテヴェルディでしたが、この二人、見た目同じような書き方で書いてるように見えて、全然違います。

どのくらい違うかというと、茶そばとロリポップぐらい違います(どっちがどっちかは深く考えないでください)

具体的にいうと、外面的な違いだけでも、

【イザーク】

時代と場所:15世紀フランドル

ラテン語の発音:フランス式

音律:(基本的に)ピタゴラス音律

編成:4声
【モンテヴェルディ】

時代と場所:17世紀イタリア

ラテン語の発音:イタリア式

音律:ミーントーン

編成:6声

という違いがあります。

私の場合、イザークのモード(アプリ)はすぐ引き出せるんですが、モンテヴェルディの方が大変難しい。というのもイザークのモードはジョスカンのモードに非常によく似ているので、同じモードをマイナーチェンジすればいい感じなんですね。

それに対してモンテヴェルディの方はというと、マドリガーレやヴェスプロのような新しいタイプの音楽は度々演奏しているのではいはいこのモードねって引き出せるんですが、モンテヴェルディのいわゆるプリマプラティカ(バロック期にできた新しい技法に対して古い技法のことをこう呼びました)はなんというかこう、わかるところも、あるけど、んー、これは、ほんとのとこ、どうなってんの?!て感じです笑笑

正直すぎますね笑

本番までにはアプリ完成させますんで笑


まとめ♡

ダラダラとすみません。

とりとめがないかんじになっちゃいましたが、実はほんとに言いたいのは、この、様式によるモードのチェンジっていうのは、何も演奏家に限った話ではないということです。

聴き手にも、その音楽を聴くにあたって、それにふさわしいモード、というものがあると思うんです。

モード、というのは体と心の状態をいうと思うんですが、その音楽の価値観を自分のものに出来ているかどうかで、聞こえ方は物凄く変わります。

カツ丼食いてえなぁって思ってたら口がカツ丼になるじゃないですか。その口でシュークリーム食べても微妙でしょう?

ロマン派の交響詩を聞く耳でグレゴリオ聖歌を聴いたらやっぱり微妙だと思うんです。

で、その価値観、モードを培うには、実際に歌ってみる、演奏してみるのが一番の近道だと思います。

その当時の人がどういう生活をしていて、どういう価値観をもって、何を考えて生きていたのかを勉強する、というのもいいと思いますが、とりあえず歌ってみる、というのが早いと思うんですね。

そんなわけでフォンスフローリス古楽院でそれができますよってのが今日の結論です笑笑笑

結局それかい!?という突っ込みがきそうですが笑

私はこれを知って人生変わりました。

「俺は今まで一体歌の何を学んでいたんだコンチクショウ」と思いました。

あなたも人生変えてみませんか?!(☆∀☆)キラキラ

(アヤシイ宗教ではありません)


フォンスフローリス古楽院2017年東京講座

詳細は以下のリンクよりご覧ください。

http://www.fonsfloris.com/k/2017tokyo.html

◆春期集中講座

Gs|初めてのグレゴリオ聖歌

Rs|初めてのルネサンス音楽

S|ソルミゼーション入門
Ms|初めての中世音楽

◆入門講座(通年)

Gn|グレゴリオ聖歌入門

Rn|ルネサンス音楽入門

◆歌唱実践講座(通年)

G|グレゴリオ聖歌演奏法

M|中世の音楽

トロープスとオルガヌムを歌う

R1|ルネサンス1 イザークのミサ曲

R2|ルネサンス2 イザークのモテット
◆発声講座

V|合唱のための発声法
◆音楽史講義

L|ルネサンス音楽の曙

FB|フランス・バロックの舞踏

 

◆夏期合宿

◆専門家のための特別講座

計歌会

FF古楽道場

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私の担当する講座は【ルネサンス音楽入門】です。

Rn ルネサンス音楽入門

講師 花井哲郎、櫻井元希

全10回と発表会土13:30-16:00
4月8日 5月6日 6月3日 7月8日 9月9日
10月14日 11月11日 12月16日
1月13日 2月10日

一般:35,000円
学生:20,000円

ルネサンス音楽を、当時の楽譜で使われていた白色計量記譜法で歌う、初心者のための入門講座です。合唱団などでルネサンスの音楽は歌ったことはあるが、オリジナルの楽譜は使ったことのない方、古い音楽のア・カペラのアンサンブルは初めての方など歓迎です。ハインリヒ・イザーク Heinrich Isaac のモテットを教材として学びます。歌唱・合唱などの経験のある方ならどなたでも受講できます。


 

あ、あとサリクス主催のワークショップでもグレゴリオ聖歌とルネサンス・ポリフォニーが学べます。

古楽院の方は日程が合わないという方、また1回ちょっと試したいという方はこちらも是非どうぞ。

定員まであと8名ですので、お申込みはお早めにお願いいたします。

Salicus Kammerchor主催ワークショップ第3回

グレゴリオ聖歌とルネサンス・ポリフォニー

〜古ネウマをポリフォニー演奏に生かす〜

講師:櫻井元希(Salicus Kammerchor主宰)
渡辺研一郎

サポート歌手:鏑木綾、金成佳枝

日時:2017年4月9日(日)10-17時

会場:えびらホール(東急池上線・大井町線 旗の台駅東口より徒歩6分。プライベートホールのため、詳しい場所はお申込み後のお知らせとなりますことをご了承ください。)

詳細はこちらのリンクよりどうぞ!

http://www.salicuskammerchor.com/workshop

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Salicus Kammerchor第3回定期演奏会

『J. S. バッハのモテット全曲演奏シリーズvol. 3 〜詩編モテットと葬送モテット〜』

チケット発売中!

http://www.salicuskammerchor.com/concert

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櫻井元希へのお仕事のご依頼、チケットのお求め等は以下のフォームよりお気軽にお問い合わせください。

Hiroshima→Tokyo

Hiroshima→Tokyo

昨日広島での本番を終え、今日東京に帰ってきました。

みんなに「史はどうしとるんかー?」「史ちゃん元気ねえ?」ともれなく聞かれるので、今度帰る時は一緒に連れて帰らなあかんなと思いました。

あ、そうそう、私が妻と出会ったのも合唱団そらなのです。

私がそらに入ったのが13の時、そらには17年分の恩があるのです。恩返しのつもりで歌いに帰るのですが、いつも恩を上乗せされて、あるいは借りを増やしに帰る思いです。

今回もそらにはテノールソロを歌う機会をいただいて、いつになったらほんとうの意味で恩を返せるのかなあと遠い目・・・。

あ、でもひとつだけ胸を張って自分の手柄と言えるのは、野間ちゃんをそらに紹介したことです。

初めて紹介したときからそらにはバッチリフィットしたようですが、その頃よりも遥かに彼女は実力をつけて、もうほんとに素晴らしい。なぜか私が誇らしげ笑

音楽の良し悪しを決める基準ってとっても難しいんですが、私が今まで聞いたもののなかでしっくりきたのが2つあります。

一つは作曲家の湯浅譲二先生が仰っていた、

「品があるかどうか」

もう一つはTokyo Voiz Choirのメンバーで、占星術師でもある方の仰っていた、

「気合いがあるかどうか」

です。

湯浅先生は、混沌としていて価値基準のはっきりしない現代曲の作品についての文脈でのお言葉だったので、こと演奏については、後者の「気合いがあるかどうか」というのが私にとっての大きな基準になっています。もちろんそれだけではないですが、私の物差しの8割強はこの尺度によっていると思います。

で、野間ちゃんの歌には「気合い」があります。他にも何人か、私が気合いを感じる歌手はいますが、実はそれほど多くありません。

いま身近でぱっと思いつくのは一人しかいませんが、きっと忘れてるだけで数人はいると思います。


さて、打ち上げでしこたま飲んで今朝飛行機で東京に戻りました。

↑打ち上げにて

そして13時からヴォクスマーナのリハに出て、夜はカンタータクラブOB会の役員会です。

なんだか急に日常です。


ヴォクスマーナは今3月の定期演奏会に向けてリハーサルしています。

前回の伊左治定期は比較的全曲聴きやすい作品でしたが、今回は「通常営業」です笑

最先端の合唱作品に興味のある方は、ぜひ演奏会に足をお運びください。

第37回定期演奏会 (創団20周年シリーズVol.3 未来を担う男性作曲家)
2017年3月5日(日)14:30開演
東京文化会館小ホール

一般3,000円(当日3,500円)、大学生1,500円、高校生以下1,000円

川上 統(b.1979)/ 怪獣 (委嘱新作・初演)
藤井健介(b.1979)/「Sèlèh II」 ヴォーカルアンサンブルのための(委嘱新作・初演)
近江典彦(b.1984)/「Khon-mXahuvona」 pour vocal ensemble (2014委嘱作品・再演)
北爪裕道(b.1987)/「Multiplex」 for 12 voices (2013委嘱作品・再演)

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Salicus Kammerchor第3回定期演奏会

『J. S. バッハのモテット全曲演奏シリーズvol. 3 〜詩編モテットと葬送モテット〜』

チケット発売中!

http://www.salicuskammerchor.com/concert

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Salicus Kammerchor主催第3回ワークショップ

参加者募集中!

http://www.salicuskammerchor.com/workshop

ご好評いただいておりますサリクスのワークショップです。毎回早い段階で応募上限に達しております。

お申込みはどうぞお早めにお願いいたします。

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櫻井元希へのお仕事のご依頼、チケットのお求め等は以下のフォームよりお気軽にお問い合わせください。