デュファイ「スラファセパル」

今日はカペラのリハーサルでした。

今週は3回もカペラのリハーサルが入っています。
明日もあります。
今回演奏するスラファセですが、メンスーラが面白いです。
メンスーラに関しては、コチラの記事をどうぞ!
メンスーラって、簡単に言うと、長い音符と短い音符の関係が、1:2か、1:3かということを定めたものなんですね。
で、以下の図のように、
ロンガとブレヴィスの関係をモードゥス、
ブレヴィスとセミブレヴィスの関係をテンプス、
セミブレヴィスとミニマの関係をプロラツィオ、
といいます。
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このそれぞれが1:2になったり1:3になったりするわけです。

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件のスラファセ、この曲はプロラツィオはみんな不完全、すなわち1:2です。
そしてテンプスが完全(1:3)になったり不完全(1:2)になったりにするんです。
つまりメンスーラ記号としては2種類、CとOの2種類です。
ところが面白いのは、このどちらの時も、モードゥスは完全(1:3)なんです。
これ実は結構慣れないと難しくて、というか慣れても難しいんですけど(笑)、何しろロンガの長さが超多様なんです。
テンプスが完全のとき、基本的なロンガの長さはセミブレヴィス9個分です。
あー全部説明すると結構大変なんですけど、完全の時って、様々な条件によって不完全化するんですね。
不完全化というのは3だったのが2になるということです。
セミブレヴィス9個分だったロンガが、完全なブレヴィスに食われて不完全化すると、セミブレヴィス6個分になります。
(完全なブレヴィスというのはセミブレヴィス3個分なので)
そんでもって、モードゥスも完全でテンプスも完全なので、完全なブレヴィス(セミブレヴィス3個分)がセミブレヴィスに食われて不完全化すると、セミブレヴィス2個分になります。
あーごめんなさい。もう既にパニックですよね(笑)
でもこれが同時に起こることがあるんです。
つまり、、、
不完全化したロンガ(セミブレヴィス6個分)がセミブレヴィスに食われてセミブレヴィス5個分になるという。
名付けて「2段階食われ!」
更に、前後のセミブレヴィスから両方食われてセミブレヴィス4個分になる
「2段階食われの前食われ後食われ!」
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さて、ここまでは実は、時々見ます。
モードゥスペルフェクトゥステンプスインペルフェクトゥムプロラツィオミノル
ですね。
でも今回僕が初めて出会ったのは、
モードゥスペルフェクトゥステンプスペルフェクトゥムプロラツィオミノル
です。
つまり、3分割2分割2分割、です。
テンプスが完全なのに、モードゥスが不完全なんです。
これが慣れない!
テンプスが不完全だと油断するんですよねー。不完全の時は、完全の時のような、完全化、不完全化、とかないので。ブレヴィスは常にセミブレヴィス2個分。
だからまさかロンガが6拍って思わないんですよねー。
モードゥスが完全なので、食われない限りロンガはブレヴィス3つ分、すなわちセミブレヴィス6個分なのです。
でも大体の場合は食われてるので4拍なのですが、全曲中2回か3回、6拍の完全ロンガが出てくるんです。
これがややこしい。
で、何が言いたいのかということなんですが、こんな読譜上の問題が言いたいのではなくて(笑)
普段モードゥスインペルフェクトゥステンプスインペルフェクトゥムの時は、全てが2分割なので、「いちにーいちにー」という感じで音楽が進むのですが、モードゥスがペルフェクトゥスの今回は、「いちにーいちにーいちにー」というよりは、「いちとーにーとーさんとー」という、大きなロンガ単位で音楽が進むんですね。
これを感じると、音楽がまるで別物のように聞こえてくるのです。
今日それを体感して私は非常に感動しました。
これかー!
と思いました。
この感覚は他の曲ではなかなか味わえない感覚です。
聴いてくださる皆さまも、ロンガ単位の流れを感じていただけると思います。
たったこれだけのことを書く為に、超冗長な説明をしてしまいました(笑)
反省、、、やっぱり、メンスーラややこしいなー。
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「スラファセパル」~デュファイの名作ミサ曲
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7月17日(日)午後4時 カトリック由比ガ浜教会
7月18日(月・祝)午後4時 小原記念聖堂(淀橋教会)【完売しました】
7月19日(火)午後7時 小原記念聖堂(淀橋教会)
superius 花井尚美 安邨尚美
contratenor 青木洋也 望月裕央
tenor 及川豊 渡辺研一郎
bassus 櫻井元希 花井哲郎 Maestro di Cappella=音楽監督チケット料金:4月22日発売[全自由席]
※会員優先席あり※学生券は、学生証を提示のうえお求めください
17日 前売:一般4,000円 ペア6,800円 当日:一般4,500円 学生:2,500円
19日 前売:一般4,500円 ペア7,800円 当日:一般5,000円 学生:2,500円

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加藤登紀子「ピアフ物語」千秋楽

終わりました。

自分の音楽に対する向き合い方を考えさせられる舞台でした。
ほんと、登紀子さんの音楽に対する姿勢、素晴らしいです。
オーチャード初日が全体のツアーの4公演目で、今日が5公演目だったんですが、良いものを作るために本当に貪欲で、今日もガッツリ全体通しながら更に返し稽古もしてました。
13時開演で、バンドメンバーは10時には音出しを開始してました。
登紀子さんがいらっしゃったのが10:30くらい、そこから12時前までリハしてました。
そして、昨日のリハ、昨日の本番、今日のリハ、今日の本番と、確実に良くなっていってる。
驚異的です。
本番は気迫が凄まじくて、袖で涙を堪えるのに必死でした。というか泣いてました。
バンドメンバーとの一体感も今日の本番は格別で、1つの大きな生き物のようでした。
その一端を担えたかどうか。
まだまだ私たちは精進が足りません。
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打ち上げにはアコーディオンの桑山哲也さんの奥様、藤田朋子さんもいらっしゃってました。

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こちらは登紀子さんと八咫烏のショット。大津でけえ(笑)

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加藤登紀子「ピアフ物語」初日終演

1日目終わりました。

カーテンコールが一番緊張しました。慣れてないもので(笑)
オーチャードホールを1人で満員にするの凄いなぁ。
まさかオーチャードホールでマイク持って歌うとは思いもよりませんでした。
本番の加藤さんの気迫凄かったです。
胸がいっぱいで歌い出せないかと思いました。歌い出しましたが。
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お花も沢山来ていて、有名人からのものもいっぱいありました。
そして休み時間にとった写真でfacebookが謎のスライドショーを作ってくれました(笑)
今日の午後に撮った写真と動画をミックスしてくれているようですが、、、(笑)
そしてこの動画はtwitterにあげました。
素晴らしい才能(笑)脱帽です。
あしたも頑張ります!
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明日はおときさん

明日は加藤登紀子さんの「ピアフ物語」東京公演初日です。

八咫烏としてほんのちょっと歌わせていただきます。
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今までの地方公演は、5月に録音した音源での参加(?)でしたが、明日明後日はライブで歌います!
オーチャードホールでマイク付きで歌います。なんかソワソワするー!
僕らクラシックの歌手は、マイクで歌うことに慣れてません。
マイクを持つなんて、MCの時か、カラオケに行った時くらいです。
ほんと、素人同然です。
だからこの公演のためのレコーディングの時なんて、マイク持つの忘れちゃう人がいるくらいで、、、(笑)
角度とか、距離とか、正直よくわかりません。左手で持つのか右手で持つのかも迷います。
その点百戦錬磨のおときさんは凄かった。
歌も勿論凄いんですが、マイクの扱いもピカイチでした。
あ、先日の記者発表の際にそう思ったんですね。
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ブレスを吸うときどのくらいの距離感で、子音はこの位の距離でも入って、歌い終わりはこの位動かして、とかいうことが何から何まで完璧に見えました。
明日は短いリハーサルの中ですが、そこんところのコツも掴みたいなぁと思います。
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古東哲明「ハイデガー=存在神秘の哲学」

気まぐれ本の紹介第2弾です。

またしても古東先生の本です。
またかよって思わないで下さい(笑)
あなたが今まで強く影響を受けた書籍を5冊紹介しなさいといわれたら、5冊全部古東先生の本になっちゃう。そのくらい好きなんです。
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古東哲明「ハイデガー=存在神秘の哲学」
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ハイデガーってなんか超難解って感じしますよね。
煙に巻かれるっていうか、わかるやらわからないやらーんーやっぱわかんねー、って感じですよね。
私は古東先生を通じてハイデガーを知ったので、そうは思わなかったんですが、それじゃあいっちょ原典にあたってみますか、と思ってハイデガー読んだ印象はそんな感じでした。
また、古東先生以外のハイデガーについて書かれた本も、ちんぷんかんぷんでした。
ちんぷんかんぷんというか、まぁわかるけど、ツマラン、みたいな感じでした。
それが古東先生にかかると不思議なんですよね。ハイデガーが踊りだすみたいな感じで、水を得た魚のように生き生きと実感を持って迫ってくるっていうか。
書き出しからしてこうです。
  どれだけの時間、ぼくたちは今日、この世の光景をみつめたろうか。
  ぬけるような青空に、どれだけ深くみほれたか。地べたの存在を、どれだけ感じとっただろう。他者がそこにいる。その〈いる〉というそのことを、どれほど身近に感じたか。のみならず、こうしていま地球上に生きているご自身の存在を、どれだけ間近に感じたろうか。三日月の切っ先に視線を飛ばしたか。セミしぐれに身を浸したか。ビルが路上に落とす影の存在に、目をひらいたろうか。
ね?面白そうでしょ?この本。
難しそうな感じが全くしないでしょ?
古東先生の言葉って、実感のない言葉がひとつもないんです。
なんかこう、知的な遊びしてる酔いみたいなのとか、説明のために骨抜きになった虚しい言葉、みたいなのがないんです。
ひとりよがりがないんです。
意思と情熱に満ちてるんです。(当たり前だけど、心から出た声しか、心には届かないんです)
猿でもわかるように書いてくれてるんです。
しかもいろんな猿に伝わるように書いてくれてるんです。
ある思想を理解するためには、理解する側の変容が必要だって、言ってるけど、実はその変容のために、伝える側が変容して語ってくれているんです。
こう言ったらわかる?いや、こう言った方がわかる人もいるよね。あるいはこれならどう?この例だったらピンとくる?
って。
伝えたいことはいたってシンプル。いつも同じ。
生きてる意味なんてネー。
むしろだからこそスゲー。
です。
もちろんそこから派生する素敵なことも多少ありますけど。ほとんどこれに尽きると思います。
生を実感して生きる、存在に目を開いて在る。
そのためのレシピのような、そんな本です。
800円ですって、やっす!
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目次紹介
プロローグ この世と出会い直すために
第1章 生の実感
(存在を問うとはどういうことか/この世の旅人/門をぬけて)
第2章 道ー存在解読のメチエ
(道としての哲学/変容回路の構造/深きねむりから深きめざめへ)
第3章 世界劇場
(世界に夢中/ダブルなわたし/舞台はめぐる/時の秘密)
第4章 存在神秘の証明
(在りて無き世/底は底なし/滅びの中の生成/世界無常/反転のロジック)
第5章 惑星帝国の歩き方
(遠くばかり見ていた/治せない病/ニヒリズムの解剖学/ほほえみのファシズム/近さを生きる技法)
エピローグ  最期の光景
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