ジョイントコンサートにご来場くださった皆様、本当にありがとうございました。
ここ1ヶ月ほど朝起きて頭の中が無音ということはなかったのですが、今朝は久しぶりに無音でした。
でも、あ、今日無音だなぁと思ったら、47番のバスアリアが流れだしました。
今回、ほとんど身内のようなものとはいえ、プロのオケを相手に指揮をするということ自体初めてでしたし、プロの団体どうしのジョイントコンサートというのも初めてだったので、音楽、運営両面で大変でした。
本当に鍛えられました。
ここまで追い込まれることも初めてで、しかも相手にしているオケは自分の団体ではないので、どれくらいやろうと思っていることをやってくれるかもわからないし、言い方も凄く難しかったです。
底力みたいなものがまだ自分には足りないと思いました。意地と負けん気だけで押し通していては、本当にはうまくいかない。心から協力はしてもらえない。そう思いました。
あと、まぁこれは言うまでもないですが、指揮のテクニックを早急にモノにしなくてはいけない。まだ自分の思うように手が動きません。
ただ今回、サリクス単独のステージが25分程しかなかったので、1曲1曲を結構細かく練習できました。
今まで決してできなかったことが、ところどころ出来そうだったり、出来たりしたところがあって、そう意味で収穫はあったと思います。
ネウマ的に歌うと、一言にいっても、そこには普通に考えられている声楽のテクニックとは違う発想と、違う発声が必要で、それをモノにするよりも、それまでの発想、発声を破壊するということの方が、歌い手にとっては難しいのだと思います。
僕には初めからプライドというか、自分が今までやってきたことに対する自信みたいなものがなかったので、新しい価値観に対応するのがそれほど抵抗なくできたのかもしれません。
ある価値観の中で評価されてしまうと、それとは違う価値観を受け入れるのが難しいのかも。
僕はそもそもそういう世界では評価されなかったから。未練がなかったんだと思います。
でも思うに、普段に価値観を破断していくことを、成長っていうんじゃないかな。
自分がやっていることが、いつも、根本的に間違ってるのかもしれないということを頭の片隅に置き続けて、そのことに対する扉をいつも開いておく。
それで、自分を変えることに努力を惜しまないという態度が、音楽やるに必要だよなぁ、などと思いました。
僕がやっていることも、明日には僕自身が否定しているかもしれません。
いつも自分が正しいと思っている人は、変わらないし、変わらないというのは、つまんないですよね。
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Heinrich Schütz “Musikalische Exequien” op. 7 III. Canticum Simeonis / Salicus Kammerchor
Ensemble Salicus : Gregorian chant from “Proprium in ascensione Domini” / “Ordinarium missae I”
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