小林道夫アカデミーin東京

小林道夫アカデミーin東京

今日は年に一度東京で行われる小林道夫先生の公開レッスンでした。

私はスタッフをやっていたのでほんとにちょこっとしか聴講出来ませんでしたが、いつにも増してエネルギッシュで濃いレッスンでした。

今回印象に残ったのは、体と音との関係についてです。

なんかやろうとするとき胸の方でやらずにお腹の方でやんなさい。上は開けっ放し。なにもいらない。

武術の考え方で、「頭は腰、肩は肘」というのがあるのですが、その感覚に近いと思いました。

なかなか出来ないんですよね。

体の中心からコードが生まれて指先へストンと落とす。

この後に「凄いスピードで」と付け加えられていました。結果として、なんというか体の芯のところと結びついた音になっていました。

腕が質量持ってると思わない方がいい。肘なんて存在しない。

やっぱり全身の繋がりを意識したような体の使い方を促しているように感じました。私の主観ですが。

ほんと、先生が何か仰ると、スイッチを押したように音が変わります。オルガンでいうと違うストップで弾いているかのような、それくらいの変化があります。

そういう、きっかけを与えるような言葉のチョイス、誰に何を言うとどうなるかという経験の蓄積が凄まじいです。

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レッスンは明日もあります。

聴講なんとびっくり破格の1000円ですので、時間のある方は迷わずムラマツホールへお越しください。

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東京都新宿区西新宿8-11-1 日東星野ビル 2F ムラマツホール

聴講料1日1000円

2/4(土)

13時 髙木康子Pf 高木聡Vn 大貫ひろしHr ブラームス/トリオ

14時 石坂淑恵Vn J. S. バッハ/無伴奏ソナタ第3番より、3.ラルゴ4.アレグロ アッサイ

15時 山根風仁Vc 白瀬元Pf シューマン/民謡風の5つの小品 Op.102

16時 水越 啓Ten 重岡麻衣Pf ベートーヴェン/An die Hoffnung, Op.94 及び 同題Op.32

17時頃終了予定
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Salicus Kammerchor第3回定期演奏会
『J. S. バッハのモテット全曲演奏シリーズvol. 3 〜詩編モテットと葬送モテット〜』
チケット発売中!
http://www.salicuskammerchor.com/concert
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Salicus Kammerchor主催第3回ワークショップ
参加者募集中!
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ご好評いただいておりますサリクスのワークショップです。毎回早い段階で応募上限に達しております。
お申込みはどうぞお早めにお願いいたします。
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ロ短調ミサ→ジョスカン→イザーク

ロ短調ミサ→ジョスカン→イザーク

今日は錦糸町のすみだトリフォニーホールでバッハのミサ曲ロ短調BWV232を演奏した後、アラミレのリハーサルという日でした。

最近ロ短調はあちこちで演奏されてますね。

私は合唱エキストラで伺ったのですが、テノールパートを通して歌ったのは初めてなのでした。

いやはや。テノールってほんと凄いですよ。バスと比べて消費カロリー3倍くらいじゃないでしょうか。

ダイエットしたい人はテノール歌えばいいと思う笑。私今日だけで2・3キロ痩せたんじゃないでしょうか笑

あとバッハの場合、報われない難しさがあって、こんなとこでこんな超難しい音型やってるの誰も気づかないだろうなー!と思われるところに命かけるの萌えます笑

でも気づかれないから間違ってもいいとかいうことではなく、間違えなかったら気づかれないんですね。間違えたら気づかれますので笑

ロ短調やるのは実は昨年のカンタータクラブ定期演奏会以来だったのですが、テノールを通して歌うことで、その時には全く気づけなかった細かい細かい面白さをいっぱい発見できて嬉しかったです。

やっぱりバッハ最高。ほんとに素晴らしい。

テノールのソリストは我が師、櫻田亮先生だったのですが、もう最高でした。背中から沢山のことを学ばせていただきました。

あと恐るべきはソプラノ2のソロを歌われた澤江さん。昨日青木洋也さん指揮のロ短調の本番があったそうで、2日続けて別の団体でロ短調の本番という超人的なスケジュールだったようです。


ロ短調終演後、半蔵門線錦糸町駅16:36発の電車に飛び乗り、ギリッギリ17:30のアラミレのリハーサルに間に合いました。

アラミレは今2/11のフォンスフローリス古楽院の発表会に向けてリハーサルしています。

曲目はジョスカンのStabat Mater、一般にはあまり知られていませんがほんとびっくりするくらい名曲です。

後半の3分割と2分割が目まぐるしく入れ替わりながら祈りの言葉を畳み掛けるところなど鼻血ものです。

ジョスカンってほんと天才だと思います。バッハ以前の作曲家の中で、彼ほどの閃きとインスピレーションを持ちえた作曲家はいないと思います。

底知れなさ、いつまでも理解しきれない未知の部分があるような気がする、という点で2人は共通しています。深遠です。

アラミレは9月の演奏会のためのリハも始めていて、今日はMissa comme femmeのキリエを譜読みしました。

イザークとジョスカンは同じ時代の作曲家なのですが、全然違います。対照的と言ってもいいかも知れません。

この2人のキャラクターの差を示すエピソードとして、フェラーラのエステ家の家臣が当主にこの2人を紹介した書簡がありました。

曰く「イザークは注文すればすぐ書いてくれるし人柄も良い。ジョスカンの方がいい曲を書くが、気が向いた時にしか書いてくれず、報酬も2倍近く要求する」のだそうです笑

当主はジョスカンを採用したそうです。

私はイザークとジョスカンは、確かに違うが、ジョスカンの方が優れている、と言うのはちょっと言い過ぎじゃないかなぁと思います。

2人とも違った意味で素晴らしいです。

今日リハーサルしたミサはほんとにシンプルで構造がわかりやすく、すっきり爽やかで、喉越し最高なビールのようです。

対してジョスカンはものすごーく渋みの強いが香りの奥深いワインとでも言いましょうか。ワインそんなに知らないですけど笑。

ちなみに僕はワインよりもビールの方が好きです。はい。誰も興味ないですねー( ̄∇ ̄)

9月の演奏会では、イザークのミサに、ジョスカンのスタバトも演奏予定ですので、2人の作曲家の違いをお楽しみいただける演奏会になろうかと思います。

日程が近づいてきましたらまた紹介しますが、こちらもお勧めの演奏会ですので、よろしければご来場くださいませm(_ _)m

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Salicus Kammerchor第3回定期演奏会

『J. S. バッハのモテット全曲演奏シリーズvol. 3 〜詩編モテットと葬送モテット〜』

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生涯忘れ得ぬ

生涯忘れ得ぬ

まだ昨日の余韻に浸っていますが新大久保なうです。

オルガン返しに来ました、が、渋滞にハマった運送車を待ってます。

今日は台風が大変ですね。

でもこれが昨日じゃなくてよかった。踊り子も止まってるし、帰りに大変な影響が出ていなことでしょう。


僕はとても忘れっぽいので、たいていのことは忘れてしまうのですが、昨日の演奏会は、おそらく生涯忘れ得ぬ演奏会になることと思います。

こんなに悔しい思いをしたのも初めて(多分、忘れてるかも)だし、なおかつ悔いが無いというのもなかなか不思議です。

1000回やってできなかったら2000回やればいいし、それでも出来なければやり方を変えればいい。

そんなことを思いました。僕はまだ1000回を少し超えたくらいのところまでしかいけてません。

まだやり方を見直すところまでいってない。

バリトンではそうやって何度も何度もやり方を見直して、それでもダメだったから諦めがついたんだと思います。

随分昔から、月に1回くらいは必ず「あなたテノールじゃないの?」って言われ続けていて、それが受け入れられなかったのは、まだ努力の可能性が残っていたからで、それをやり尽くすまではそれを試したかったんだと思います。

今思えば。

これだけやってダメなんだったんなら、ダメなんだろうと。

テノールとしては、まだやれることが山ほどあって、まだ僕が試せたのはほんのひと齧り。

ちょっとしたワクワク感あります。

まだまだたくさん、いろんなことが試せる。

それは指揮に関しても同じで、やっぱり、自分に可能性を感じることができるというのは、嬉しいことです。

ここらへんまでいければいいかな、じゃなくて、今は見えもしないぶっちぎりの高みをめがけて、やれることがたくさんある。

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溶けた建築

溶けた建築

4泊5日のサマーアカデミーが終了しました。

テノールデビュー戦の自分としては、テノールは1日にして成らず、というのを実感しました。

そしてテノールの人にはというのはこういう思いをして生きているのだなということが身に沁みました。


「音楽は溶けた建築だ」と言われることがあります。

今回のアカデミーではそのことを強く実感しました。

溶けた建築、というと、建築のように音楽を作ってしまいそうですが、多分ここで言わんとしてるのは、溶けた建築なんてものはない、溶けた建築は建築ではない、ということなんだと思います。

溶けなきゃ音楽じゃない、音楽は建築のように見えてしまったら音楽じゃない、そういうことなんだと思います。

楽譜は設計図かもしれないけど、音楽はその設計図通り作ったところで音楽にはならない。

音楽は楽譜には書けない。

今回再三言われたことです。わけってるつもりでも全然わかってない。

そうなっていなければ意味がない。

そしてそのことに関しては絶対に妥協しない。出来てなければ100回でも200回でもやる。

絶対にそのままにしない。そういう姿勢を見せつけられた5日間でした。

いつもそうなんですけど、道夫先生と時間を過ごすと、如何に自分が普段の生活の中で妥協しまくってるかということを思い知らされます。

妥協しないって本当に難しい。

僕たちは

時間に追われ過ぎてる。

三日目の個人レッスンで先生が「遺言」として仰られたことなのですが、

僕たちは時間とお金に追われ過ぎてる、忙しすぎる、だから音楽にそれが出ちゃう。でもそうじゃない世界もある、あぁ、こういう世界もあったんだよなぁ、そういうことを思い出させてあげるのが僕たちの仕事なんじゃないだろうか。

正確ではないですが、このようなことを仰られました。

音楽家はこの社会の只中にいてはならない、ということなんだと思います。

心を亡くしてはならない。

いつも、生に対して目を開いていなければならない。


終演後にお話を伺うことができたのですが、とても印象的な言葉を頂きました。

「君は、抱え込みすぎている」

ちょっと生き方を考え直さなければならないのかもしれません。

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下田 | 明日本番!

いやーメサイア難しいです。アリアも合唱も難しすぎる・・・。

第九にしてもメサイアにしてもなんでみんなほいほいこんな難しい曲やっちゃうんだろう。

もうちょっと作品に対して畏れみたいなものを抱いた方がいいと思う。

いやー、くったくたに疲れました。ブログなんか書いてる場合じゃないくらい疲れました笑

リハは18時までなのですが、会館が閉まる21時まで粘って練習しました。

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明日は大勝負です。衝撃のテノールデビュー戦です。

のるかそるか、、、。

今日はおとなしくサーキットトレーニングして寝ます。

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