ヴォクスマーナ「武士は食わねど…」

今日も朝からヴォクスマーナのリハーサルでした。

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代表の初谷さんと小野さん

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テノールの清見さん。昨日お子さんが生まれたそうです。おめでとうございます!

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歌っているのは神谷さん。カンタータクラブの先輩でもあります。

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ヴォクスマーナってとにかくすっごい練習するんですね。
やっぱりってる曲が大変だからしょうがないといえばしょうがないんですけど。
(更にいえばオリジナル楽譜を使って演奏するカペラも沢山練習が必要です)
コスパの悪い商売です(笑)
ちょっと練習すればできて、しかも演奏効果の高い曲なんて他にいくらでもあるのに。なぜ茨の道を行くのでしょうか(笑)
まぁ、それだけの価値があるから、としか言いようがないですね。
ヴォクスマーナなんて、みんなノーギャラです。ボランティアです。それどころか交通費も出ません。
14回練習があって、本番合わせると15回分の往復交通費をメンバー一人一人が負担しています。
往復1000円だとしても15000円持ち出しです。
そして本番当日を除いて、練習時間50時間。本番の拘束時間は6時間程ですので、56時間。
その時間時給1000円のバイトに充てられたとしたら56000円です。
つまりヴォクスマーナやらずにバイトしてれば、マイナス15000円がプラス56000円になったわけなので、ヴォクスマーナをやることによる経済的損失は71000円ということになります。
貧乏音楽家にとってはナカナカの額です。
しかもそれが今回の場合14人分です。
でもみんな、それだけの損失を被っても補って余りある価値をそこに見出してるから、やるんですよね。
ヴォクスマーナの魅力、それはなにより最先端キレッキレの現代音楽をやってるということです。
生まれたての新曲を、まだ誰も聞いたことのない音楽を、自分たちの手で形にする。
やりがいは凄いです。
20年にわたる活動の中で、委嘱初演した作品なんと83作品。
信じられない数だと思いませんか?
その全てがホームページにまとまっています。
こういう活動をやっているプロの声楽アンサンブルは、日本には他にありません。
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武満徹がポップスかなんかの作曲家に、
「お前が舳先で水を切ってるから一等船室の俺たちがくつろげるんだ」
みたいなこと言われたらしいですけど、何その上から目線(笑)
武満でさえ50代まで翌月の生活費の心配をしていたそうです。
「何も買ってやれないから、今日から僕煙草やめるよ」
武満は対談集なんかも含め、著作の多い人で、遺した名言は数知れないんですが、その中で僕の一番好きな言葉です。
あと、
「夫婦喧嘩をしてるときには、楽譜をひとつも書けない」
も好き(笑)
そう、舳先で頑張ってる人は大抵貧乏です。
舳先にいるっていう矜持があるんで、武士は食わねど高楊枝でやってますけど、でも生活できなかったら活動できないんですよね。
歌なんか特に、体が資本ですから。
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なので、もしこのブログを見て下さっている方で、こういう活動を応援してもいいよ!って方がいらっしゃったら、是非【定期賛助会員】、【新曲委嘱活動支持会員】になっていただきたいのです。
クラシックの演奏団体の場合、チケット収入だけで活動を維持するのは事実上不可能です。
皆様のお力が必要です。
定期賛助会員は年度単位なので、今お申し込みいただいても特典は来年度からになってしまいますが、新曲委嘱活動支持会員は公演ごとなので、今お申し込みいただくと、7/29の公演のチケット、プログラム、新曲2曲の楽譜、録音が特典となります。
全ての作品が出版されるわけではないので、楽譜を入手する機会というのはなかなか貴重です。
ご自宅でヴォクスマーナの演奏を楽譜を見ながらお楽しみいただけます。
(どこが間違ったとかもよくわかると思います(笑)(冷汗))
どうぞよろしくお願いいたします!
【定期賛助会員】
年額 1年3公演分
■会費
年間 一口 ¥20,000
■特典
各公演のチケット1枚 (座席指定) を贈呈
各公演のプログラムにご芳名を掲載
各公演のプログラムを贈呈
各公演のCDを贈呈
【新曲委嘱活動支持会員】
各公演ごと
■会費
第35回 一口 ¥10,000
■特典
公演のチケット1枚 (座席指定) を贈呈
公演のプログラムにご芳名を掲載
公演のプログラムを贈呈
委嘱新作の楽譜を贈呈
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公演詳細はこちら
ヴォクスマーナ第35回定期演奏
創団20周年シリーズVol.1 未来を担う女性作曲家

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2016年7月29日(金)19:00開演 東京文化会館小ホー

渋谷由香(b.1981)
「黒い森から」 12声のための(委嘱新作・初演)  詩:佐峰 存

山根明季子(b.1982)
お名前コレクション No.02 (委嘱新作・初演)

小出稚子(b.1982)
春宵感懐 (2013委嘱作品・再演)  詩:中原中也

大熊夏織(b.1987)
空を泳ぐ(2015委嘱作品・再演)

指揮:西川竜太

チケット(全席自由)
一般:3,000円(当日3,500円)
学生:1,500円
高校生以下:1,000円

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デュファイ「スラファセパル」

今日はカペラのリハーサルでした。

今週は3回もカペラのリハーサルが入っています。
明日もあります。
今回演奏するスラファセですが、メンスーラが面白いです。
メンスーラに関しては、コチラの記事をどうぞ!
メンスーラって、簡単に言うと、長い音符と短い音符の関係が、1:2か、1:3かということを定めたものなんですね。
で、以下の図のように、
ロンガとブレヴィスの関係をモードゥス、
ブレヴィスとセミブレヴィスの関係をテンプス、
セミブレヴィスとミニマの関係をプロラツィオ、
といいます。
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このそれぞれが1:2になったり1:3になったりするわけです。

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件のスラファセ、この曲はプロラツィオはみんな不完全、すなわち1:2です。
そしてテンプスが完全(1:3)になったり不完全(1:2)になったりにするんです。
つまりメンスーラ記号としては2種類、CとOの2種類です。
ところが面白いのは、このどちらの時も、モードゥスは完全(1:3)なんです。
これ実は結構慣れないと難しくて、というか慣れても難しいんですけど(笑)、何しろロンガの長さが超多様なんです。
テンプスが完全のとき、基本的なロンガの長さはセミブレヴィス9個分です。
あー全部説明すると結構大変なんですけど、完全の時って、様々な条件によって不完全化するんですね。
不完全化というのは3だったのが2になるということです。
セミブレヴィス9個分だったロンガが、完全なブレヴィスに食われて不完全化すると、セミブレヴィス6個分になります。
(完全なブレヴィスというのはセミブレヴィス3個分なので)
そんでもって、モードゥスも完全でテンプスも完全なので、完全なブレヴィス(セミブレヴィス3個分)がセミブレヴィスに食われて不完全化すると、セミブレヴィス2個分になります。
あーごめんなさい。もう既にパニックですよね(笑)
でもこれが同時に起こることがあるんです。
つまり、、、
不完全化したロンガ(セミブレヴィス6個分)がセミブレヴィスに食われてセミブレヴィス5個分になるという。
名付けて「2段階食われ!」
更に、前後のセミブレヴィスから両方食われてセミブレヴィス4個分になる
「2段階食われの前食われ後食われ!」
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さて、ここまでは実は、時々見ます。
モードゥスペルフェクトゥステンプスインペルフェクトゥムプロラツィオミノル
ですね。
でも今回僕が初めて出会ったのは、
モードゥスペルフェクトゥステンプスペルフェクトゥムプロラツィオミノル
です。
つまり、3分割2分割2分割、です。
テンプスが完全なのに、モードゥスが不完全なんです。
これが慣れない!
テンプスが不完全だと油断するんですよねー。不完全の時は、完全の時のような、完全化、不完全化、とかないので。ブレヴィスは常にセミブレヴィス2個分。
だからまさかロンガが6拍って思わないんですよねー。
モードゥスが完全なので、食われない限りロンガはブレヴィス3つ分、すなわちセミブレヴィス6個分なのです。
でも大体の場合は食われてるので4拍なのですが、全曲中2回か3回、6拍の完全ロンガが出てくるんです。
これがややこしい。
で、何が言いたいのかということなんですが、こんな読譜上の問題が言いたいのではなくて(笑)
普段モードゥスインペルフェクトゥステンプスインペルフェクトゥムの時は、全てが2分割なので、「いちにーいちにー」という感じで音楽が進むのですが、モードゥスがペルフェクトゥスの今回は、「いちにーいちにーいちにー」というよりは、「いちとーにーとーさんとー」という、大きなロンガ単位で音楽が進むんですね。
これを感じると、音楽がまるで別物のように聞こえてくるのです。
今日それを体感して私は非常に感動しました。
これかー!
と思いました。
この感覚は他の曲ではなかなか味わえない感覚です。
聴いてくださる皆さまも、ロンガ単位の流れを感じていただけると思います。
たったこれだけのことを書く為に、超冗長な説明をしてしまいました(笑)
反省、、、やっぱり、メンスーラややこしいなー。
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「スラファセパル」~デュファイの名作ミサ曲
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7月17日(日)午後4時 カトリック由比ガ浜教会
7月18日(月・祝)午後4時 小原記念聖堂(淀橋教会)【完売しました】
7月19日(火)午後7時 小原記念聖堂(淀橋教会)
superius 花井尚美 安邨尚美
contratenor 青木洋也 望月裕央
tenor 及川豊 渡辺研一郎
bassus 櫻井元希 花井哲郎 Maestro di Cappella=音楽監督チケット料金:4月22日発売[全自由席]
※会員優先席あり※学生券は、学生証を提示のうえお求めください
17日 前売:一般4,000円 ペア6,800円 当日:一般4,500円 学生:2,500円
19日 前売:一般4,500円 ペア7,800円 当日:一般5,000円 学生:2,500円

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加藤登紀子「ピアフ物語」千秋楽

終わりました。

自分の音楽に対する向き合い方を考えさせられる舞台でした。
ほんと、登紀子さんの音楽に対する姿勢、素晴らしいです。
オーチャード初日が全体のツアーの4公演目で、今日が5公演目だったんですが、良いものを作るために本当に貪欲で、今日もガッツリ全体通しながら更に返し稽古もしてました。
13時開演で、バンドメンバーは10時には音出しを開始してました。
登紀子さんがいらっしゃったのが10:30くらい、そこから12時前までリハしてました。
そして、昨日のリハ、昨日の本番、今日のリハ、今日の本番と、確実に良くなっていってる。
驚異的です。
本番は気迫が凄まじくて、袖で涙を堪えるのに必死でした。というか泣いてました。
バンドメンバーとの一体感も今日の本番は格別で、1つの大きな生き物のようでした。
その一端を担えたかどうか。
まだまだ私たちは精進が足りません。
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打ち上げにはアコーディオンの桑山哲也さんの奥様、藤田朋子さんもいらっしゃってました。

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こちらは登紀子さんと八咫烏のショット。大津でけえ(笑)

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加藤登紀子「ピアフ物語」初日終演

1日目終わりました。

カーテンコールが一番緊張しました。慣れてないもので(笑)
オーチャードホールを1人で満員にするの凄いなぁ。
まさかオーチャードホールでマイク持って歌うとは思いもよりませんでした。
本番の加藤さんの気迫凄かったです。
胸がいっぱいで歌い出せないかと思いました。歌い出しましたが。
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お花も沢山来ていて、有名人からのものもいっぱいありました。
そして休み時間にとった写真でfacebookが謎のスライドショーを作ってくれました(笑)
今日の午後に撮った写真と動画をミックスしてくれているようですが、、、(笑)
そしてこの動画はtwitterにあげました。
素晴らしい才能(笑)脱帽です。
あしたも頑張ります!
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明日はおときさん

明日は加藤登紀子さんの「ピアフ物語」東京公演初日です。

八咫烏としてほんのちょっと歌わせていただきます。
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今までの地方公演は、5月に録音した音源での参加(?)でしたが、明日明後日はライブで歌います!
オーチャードホールでマイク付きで歌います。なんかソワソワするー!
僕らクラシックの歌手は、マイクで歌うことに慣れてません。
マイクを持つなんて、MCの時か、カラオケに行った時くらいです。
ほんと、素人同然です。
だからこの公演のためのレコーディングの時なんて、マイク持つの忘れちゃう人がいるくらいで、、、(笑)
角度とか、距離とか、正直よくわかりません。左手で持つのか右手で持つのかも迷います。
その点百戦錬磨のおときさんは凄かった。
歌も勿論凄いんですが、マイクの扱いもピカイチでした。
あ、先日の記者発表の際にそう思ったんですね。
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ブレスを吸うときどのくらいの距離感で、子音はこの位の距離でも入って、歌い終わりはこの位動かして、とかいうことが何から何まで完璧に見えました。
明日は短いリハーサルの中ですが、そこんところのコツも掴みたいなぁと思います。
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