これまでの自分

シグナスヴォーカルオクテット、大分公演終演致しました。

この公演は、先日広島で行ったレコーディングしたCDの発売記念演奏会だったわけですが、これを機会にこれまで自分が参加した録音について振り返りたいと思いました。
昔の録音を紹介するのはとっても恥ずかしいですが…。
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1.『心に響くカトリックの聖歌 明治期から昭和初期まで』
広島で児童合唱をやっていた頃、実はCDの録音に参加したことがありました。
ほとんど記憶にないですが(笑)
エリザベト音楽大学付属音楽園プエリ・カンタンテスとして歌っています。
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2.『Laulaula / Let there be singing』
時系列として次にくるのはラウラウラだと思います。
アカペラヴォーカルカルテットです。ラウはバスク語で4、ラウラはフィンランド語で歌を意味します。
このCDはミニアルバムで、ラッススや、ノルウェーの民謡、ノルドクヴィストのクリスマスソングなどを歌っています。
まだ在庫いくつかありますので、ご入用の方は私までご連絡ください。
1000円です。
らうらうらのフェイスブックページ
3.『高田三郎:混声合唱のための典礼聖歌 主の祈り』
次はきっと典礼聖歌ですね。
エリザベトシンガーズのメンバーとして歌っています。
これは第一弾の『主の祈り』です。
前半には女声合唱「雅楽の旋法による」も収録されています。この作品は年前にエリザベト音楽大学の女声合唱団によって初演されたそうで、そのような縁もあってのことだそうです。
髙田三郎の典礼聖歌は、素直ですっと心に入ってくる、それでいて細部まで非常に考え抜かれた作品でどの曲も内容が豊かで一人ひとりの祈りとして感じられます。

キリスト教徒でなくとも、祈る対象が様々であっても、「祈る」ってことはこういうことだよなぁと感じさせてくれます。

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4『高田三郎:混声合唱のための典礼聖歌II 聖週間の典礼』
3番の続編、今度は聖週間の典礼聖歌です。
厳しい内容の続くCDですが、録音もかなりシビアでした。特に田尻さんお疲れ様でした(笑)
とではソロも歌っています。
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5.『コントラポント/ああ、大いなる神秘』
最近何かとお騒がせ?なコントラポントです。これは昨年作成したクリスマスのミニアルバムです。グレゴリオ聖歌とパレストリーナで、”O magnum mysterium”と”Hodie Christus natus est”を歌っています。
こちらもミニアルバムで1000円です。6.『コントラポントのヴェスプロ』
10周年を記念してモンテヴェルディのヴェスプロを、東京カテドラル聖マリア大聖堂で演奏しました。このアルバムはその演奏会のライブ録音、抜粋版です。
詳細
完全版のハイレゾ版はコチラからダウンロードできます。ハイレゾってデータが重すぎてCDにはできないんですね。演奏者にはデータでハイレゾ版が配られたのですがメディアはDVDでした(非売品です)。

7.『聖母賛歌~祈りの系譜』
そしてこちらが先日録音したシグナスヴォーカルオクテットのデビューCDです!

世代と国境をまたいだ聖母賛歌を集めたアルバムです。

◆H. Isaac(ca.1450-1517)/ Introitus “De Nativitate Mariae”
 ハインリヒ・イザーク:〈聖母の御誕生の祝日のための入祭唱〉
◆T. L. de Victoria(1548 – 1611)/ Kyrie et Gloria (Missa “Ave Regina caelorum”)
 トマス・ルイス・デ・ビクトリア:ミサ「めでたし天の女王」より〈キリエとグローリア〉
◆Anton B.H.Verheij(1874-1924)/ Salve Regina
 アントン B.H.ヴェルヘイ:〈元后あわれみの母〉
◆Damijan Močnik(1967- )/ Regina caeli
 ダミヤン・モチュニク:〈天の元后〉
◆Jurijus Kalcas(1956- )/ Alma redemptoris mater
 ユリユス・カルツァス:〈救い主のうるわしき母〉
◆Charles V.Stanford(1852-1924)/ Magnificat Op.164

 チャールズ V.スタンフォード:〈マニフィカト〉

私にご連絡いただければ手売りもできますが、年内であれば、以下の注文フォームから送料無料にて受付できます!
注文フォーム

8.
そして番外編!
私のカペラ初参加CDが、きっともうすぐ!できるはずです!
楽しみだな――。
過去のカペラのCDはコチラからご覧になれます。

買ってね!

――・――・――・――・――
櫻井元希へのお仕事のご依頼は以下のメールアドレスまで。
g.sakurai.office@gmail.com
発声・歌唱指導、合唱指導等承っています。
――・――・――・――・――
主宰団体Salicus Kammerchorのホームページ
http://salicuskammerchor.wix.com/main

秋は好きだけど苦手

わたくし秋生まれで、秋凄く好きなんです。

果物も好きだし、さんまも好きだし。

でも何年か前から11月頃体調が悪くなることが続きまして、秋は苦手な季節になってしまいました。

秋は演奏会シーズンの始まりでもありますね。
忙しくしていると苦手な秋も過ぎ去るのが早いように思います。

―-・――・――・――・――
今週末は日曜日にバッハの演奏会があります。
バッハカンタータアンサンブルは、合唱もオーケストラもアマチュアで、バッハのカンタータ全曲演奏を進めている団体で、もうすでに120曲近く演奏しています。
骨太な団体です。

詳しくはコチラ

―-・――・――・――・――
翌週11/3の文化の日は、オケゲムのレクイエムを歌います。

古楽道場は、声楽家、器楽演奏家などが、花井哲郎氏のもとに集まって、グレゴリオ聖歌やルネサンスポリフォニーを勉強している集まりで、僕は学部の1年からいるので、今年で7年目になります。
私、かぶちゃん、とみー、けんぼーなんかは、この集まりからカペラの演奏会に出るようになりました。
またコントラポント合唱隊も、この中から多数選ばれています。

今年はオケゲムに挑戦中なのですが、これがまた難しい!
どのくらい難しいかといえば、大抵の現代曲より難しいです。

何が難しいか。

まずはこのメンスーラ地獄をご覧いただこう・・・。

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お分かりいただけただろうか。

いやーわかんないですよね。普通。

あ、凄くわかりやすくいうと、あのトミーが、あのトミーが笑っちゃって歌えなくなるくらい、2時間のリハ後には真っ白な灰になるくらい難しいです。

このセミミニマにしかみえない音符がミニマのコロルだと初見で判別つく人がいるだろうか・・・。
いや、未だかつていただろうか・・・。

まさに地獄。

この練習番号2番からのコントラはほんとに超絶かっこいいのでこれだけでも聴く価値ありです。

この度はまた、オケゲムの前に、グレゴリオ聖歌でもレクイエムを歌います。一通り最初から最後まで全部歌います。

つまり、まさかのレクイエム二回し!さぞかし安らかに眠っていただけることでしょう!

―ー・――・――・――・――

来週日曜日はシグナスで大分に行きます。
先日広島で録音したデビューCDをひっさげての公演です。
CDは10/31に納品予定ですので、是非買ってください!
他では聞けないサウンドになってると思います。

ヴェスプロ終演

昨日東京カテドラル聖マリア大聖堂にて、コントラポントのヴェスプロ公演が終演しました。
天候にも恵まれ、満員のお客様に見守られながら演奏できましたことを本当に嬉しく思います。

午後に全体を録音してから、夜に本番でしたので、実質2公演プラスアルファな感じでしたが、演奏者も花井先生もほんとすごいスタミナで驚きました。僕はもうクタクタなうです。
疲れをひきずらないように気を付けたいです。

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この公演で印象的だったのはやはり櫻田亮先生の歌でした。
いわゆる古楽をレパートリーとするテノール歌手の中で、僕が世界で一番好きな歌手と共演できたことは僕にとって物凄く大きな経験でした。

圧倒的な実力を目の当たりにして、他の演奏者もどんどん変わっていくのを感じました。自分を含め若い演奏者も、実力以上のものが出て、数日のリハーサルで自分の限界をどんどん突破していったようでした。

小林道夫先生がいつもおっしゃっている、
「(音を)精神の力で支えなさい」
ということをまさに体現している歌でした。

音量とか音色とかというものを超えたものがそこにはありました。

あのレベルに早く達したいと強く思いました。


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バリアフリー!!

サリクスのために大枚はたいて購入したローランドのc200、電子オルガンですが、活躍しております。

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うちの狭い玄関が占領されているぜ。

靴が入らないぜ。
明日まで、4日連続でリハーサルで使います。
一昨日、昨日、そして明日はコントラポントで、そして今日はカンタータクラブで使用しました。c200についてはこちら
http://www.roland.co.jp/products/c-200/これのいいところは、ピッチが変えられて、音律が変えられて、結構いい音がするところです。

悪いところは・・・・重いところと値段が高いところですね(笑)

ちなみにこれの先代を花井先生がお持ちなのですが、それからさらに重量が1キロ増えて、一回り大きくなりました。
先代からの変更点は、僕にとって大きいのは使える音律が変わったという事です。

先代は、
平均律
ピタゴラス
ミーントーン
キルンベルガー
ヴェルクマイスター
の5種類が使えました。

それが、c200ではそれが、
平均律
ミーントーン
キルンベルガー
ヴェルクマイスター
ヴァロッティ
が使えるのです。

お気づきでしょうか・・・

1つ減って、1つ増えていることに・・・。

なんということでしょう!増やしてくれりゃあいいのに!

まあ鍵盤でピタゴラスなんて使いませんもんねえ。

しかしサリクスなどでは、使うんです。ピタゴラス・・・。
もちろん鍵盤と一緒に演奏するわけではないですが、練習時のガイドとして凄く役にたったろうになあ。

あ。音律についてはここに少し書きました。
http://salicuskammerchor.wix.com/main#!音律について/c177u/55704ca20cf24a19837c7a85

逆にキルンベルガーとかヴェルクマイスターとか使わねえんだよなあ。
鍵盤音楽では使われることもあるようですが、アンサンブルでは使わないんですよね。

もし5つ僕が使える音律を選ぶとしたら、
ピタゴラス
ミーントーン
純正律(多少問題あり)
ヤング
ヴァロッティ

でしょうか。あ。平均律ねえや。うん。いらないね。6つ目を挙げるとしたら、1/8とかかなあ。

そう!このブログのタイトルは、「バリアフリー!!」でした!
この13キロある楽器を毎日カートに載せて、雨の中を歩いていると、街のちょっとした段差なんかがほんと気になります。

逆にコンビニとかの入り口が段差がなかったりすると、「ビバ!バリアフリー!!」ってなります。

また、これは半分以上想像ですが、ベビーカーを押しているお母さんの気持ちもこんな感じかなあと思ったりします。

そう思うと、ベビーカーに自然と目が行くようになって、それに対する通行人の視線にも注意が向くようになりました。
そうすると、今まで気づかなかったのですが、結構多くの人が、ベビーカーを凝視してます。それも迷惑そうな目で・・・。
おばちゃんなんかもよく見てますが、それはベビーカーではなくて、乗っているお子さんを見ています。
迷惑そうに睨んでいるのはサラリーマン風の男性に多いと思います。

ああ、都会で子育てするというのはこういうことなのかあ、と思うと同時に、都会で五体満足で息してる人間なんてそうはいないのだなあということを考えます。

みんな裂けた脇腹から飛び出た内臓を引き摺りながら歩いているようです。
あ、そういう風に見えるという事です。

そういうことを忘れさせてくれるのは音楽しかありませんね。
生きているうちは生きていることなんか忘れていますものね。
生きながらにして生きていることを思い出させてくれるのが藝術の素晴らしい力ですね。

みんなコントラポント聴きに来ればいいんだ・・・。そうだそうだ・・・。
http://ameblo.jp/carcass1031/entry-12039717298.html


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カントゥスフィルムス!

今日はヴェスプロのリハーサルでした。

本番の情報はきのう書きましたのでそちらをご参照ください。
http://ameblo.jp/carcass1031/entry-12039717298.html

今回僕はカントゥス・フィルムス(定旋律)を歌うことが多いのですが、非常にやりがいのある反面なかなかにきつい役回りです。

なにしろ音価が長い上、定旋律が詩編唱の旋律なので、動きが少なく同音連打が多いのです。それだけに聴き取りやすく、間違えたら一発でばれます(笑)。
しかも本番では立ち位置を定旋律部隊だけ離す可能性があり、そうなったらますますアンサンブルは難しくなり、冷や汗をかきまくることとなるでしょう。
カテドラルでは立ち位置を客席から離すと、細かいディティールが曖昧になる反面、音が天井をまわって、天から降ってくるような神々しい音色となり、定旋律の絶対的な支配感といいますか、より高次のものであるという印象をもたせる効果が期待できます。

動きが少なく、音を長く保っていなければいけないカントゥス・フィルムスですが、このパートを歌う醍醐味は、まさにそこにあります。作品が、定旋律をもとに多声に作曲されているので、自分が自転の軸になったような、あるいは自分が地球を回しているようなそんな気分で、音楽を動かすことが出来るのです。曲の進行、表情・内容、展開を自分が支配しているような感覚です。

ポリフォニーの音楽は、そもそも単声で歌われていた聖歌(テノール)の上(コントラ・テノール・アルゥス→テノールに対して高いという意味、現在はアルトと呼ばれる)と、下(コントラ・テノール・バッスス→テノールに対して低いという意味、現在のバス)さらにアルトゥスの上に、「より高い」を意味するスペリウス(現在のソプラノ)を加えることで現在のようなフォーマットとなりました。

ですので、まだモンテヴェルディの作品ではテノールに定旋律があるんですね。もとの聖歌を歌うパートをテノール(保つ)と定義したわけなので。

あれ?ちょっと待てよ?僕バリトンちゃうかったっけ?

まあ細かいことは気にしないの。

それが次第に旋律を聴き取りやすいソプラノに定旋律を置くようになって、例えばバッハのコラールカンタータなどは、ほとんどの場合定旋律のコラールはソプラノにあります。

ですのでバッハばっかり演奏する団体のソプラノはわりと頻繁に定旋律を担当していて、選曲に際しては、コラールカンタータばかりにならないように気を使ったりします。

いやー今回は、ソプラノさんの気持ちがわかりましたねーーー(笑)

それにしても、詩編唱という極めて単純な旋律(旋律というのもはばかられるほどおんなじ音ばっかり)を定旋律として、これほどまでに色彩豊かで変化に富んだ音楽を作り上げたモンテヴェルディのインスピレーションと作曲技法には驚かされます。
詩編唱というのはおそらく定旋律としてはもっとも制約の多い旋律ではないでしょうか。
それが逆に自身の作曲技法を示す上で格好の材料であったとも考えられます。

いやーすごいです。ほんと、すごいです。


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