こんにちは
今日わたし、久しぶりに歩きました。
ほんと家から出なくて、出るときは走りに行くか、自転車でスーパーに行くかだったので、気づいたら多分2週間くらい歩いてなかった気がします。
今、歩いてみたら足の関節という関節がバラバラになってて笑いました。
で試しに走ってみたんですけど、そうするとバチィって身体がまとまるんですよね。
走ることと歩くことってこんなに違うんですね。
まあまあそこそこ運動はしてると思ってましたが、走るだけじゃなく歩くこともしなきゃならないと思いました。
驚きました。ほんと。
さて、前回のブログで書きましたドイツの友達の話なのですが、もう一つ印象的だったことがあったのですが前回書くのを忘れていました。
電話で彼、「こういう状況になって何かポジティブに捉えられることあった?」て聞いて、私「うん。ないね。」ってその時わりと即答したんですね。
でその言葉が心の片隅にあって、翌日か翌々日か、あったんですよ。ポジティブに捉えられることが。
その時のツイートがこれです。
いやあ。これが引き寄せってやつなんでしょうか。
実際驚きましたね。こんなに多重録音の練習効果が高いとは。
やっぱり他人よりも自分の耳が自分に一番厳しいんですよね。
他人は感じたままを言わないけど、自分は自分に罵詈雑言浴びせられますしね。
これまでもたいていのリハーサルは録音して後で聞きなおすようにはしてたんですが、自分の声だけにこんなに長時間向き合うってことはなかったですからね。
リハーサル録音の場合はある程度時間がたってから、たいていは電車の中で聞いてて、その場では声出せないですけど、多重録音やってると、歌った直後にすぐ聴いて、発声体感と実際の音響の誤差を確認してその場でその誤差を埋めるということができるんですね。
でそれを何度も何度も繰り返す。そりゃあ上手くもなるわと思います。
自分の足りない部分がわかって、そこを埋めればまあまあ聴けるくらいのことはできるということがわかってきたし。これは小さな光かもしれない。
自分の下手さに打ちのめされて、けどそれをリカバーするチャンスがある。
ある意味理想的な練習なのではないだろうか。
あとは編集ですね。
歌った後ズレとかなんかを編集で手直ししたり、音響効果を加えていろんな音響で聞いたりできるんですけど、その過程にまた学びが大きい。
視覚的に波形が見えたり、何セント音が高い低いというのがわかるし、どういう倍音が出てるかもわかる。
そうすると自分の声の特性とか歌い癖、音程の取り方なんかが見えてくる。
それもすべてのパートを自分でやってるので、音域ごとにできること、できないこと、特徴ってのが実践を通してわかってくる。
実はそういう機会ってないですよね。僕も普段いろんなパートを歌ってますが、今日はアルト、今日はバス、とか、午前はテノールで午後はバスとかそういうことはあっても、バス歌って10秒後テノールでまた10秒後アルトでまた10秒後ソプラノでまた10秒後バスとかそういうことはないですもんね。笑
発声練習ではかなり広い音域を練習しますが、やはりこれは型であって実戦ではない。
他にもいろんなことがわかりました。今タリスの40声のモテットを多重録音してるんですが、私の担当はバリトン7・8とバス1-8の10声なんです。
これ音域がほぼ同じでそれが10声分それぞれ10分あるので、ほんとに1日中おんなじ音域をずーっと歌ってる感じになるんです。
これね。発声のバランスを崩しました。ちょっと高いほう練習してからまたバスに戻るというようなことをやった方がうまくいく。
つまりソプラノからバスまで全部歌ってる時の方がうまく歌えていて、ずーっとバス歌ってる時の方がうまくいかない。
そういうこともわかってきました。
以上自分自分の多重録音の実践を通して得たことですが、これはこういう状況が生んだポジティブと捉えられることです。
更に、ここまでは自分の練習としての多重録音ですが、もう一つ、合唱団の練習としての多重録音も、以上のことに加えてメリットがあると思います。
今合唱団で使ってるのはsoundtrapというサービスなのですが、これ作った人に僕は一生足を向けて寝れないくらいお世話になってます。笑
もうほんとに素晴らしい。ありがとう。超ありがとう。感謝。超感謝。
それで合唱団としてのメリットなのですが、これ自主練がはかどるみたいです。
普段対面練習だけ行っている状況だと、なかなか自主練ってやらないですよね。もちろんやってる人もいると思います。でもお仕事されてる方の多くはかなり難しいですよね。週に30分でも合唱の練習の時間作るの。
それも一人でそもそも練習できるという人とそうでない人がいますし、やっぱり合唱の個人練習にモチベーションがわかないという人も多いと思います。(これは指導者の大きな課題でもあります。いかにしてメンバーの個人練のモチベーションを上げるか)
soundtrapに私が仮歌を入れておけば、読譜力に難ありの方でも一緒に歌うことができます。いわゆる耳コピですが、ある意味グレゴリオ聖歌の練習としてはオーセンティック!(しかし読譜力向上の課題は未解決のまま。。。)
あとsoundtrapって参加者が更新するとメールが飛ぶんですね。それで、あ、今○○さんやってんだなーというのがわかる。
こっちとしてはヨシヨシって安心するし、メンバー同士だと、あ、私もやんなきゃな、とか、ちょっとした焦りを感じることもあると思います。
鬼のようにsoundtrapで自主練してる人と、全然やってない人とで実力差が開いていけば、soundtrapで自主練すれば、うまくなるんだということの証明にもなる。
そう。だから今私が思っているのは、私が上手くなることが、多重録音の練習効果を証明することになるんだということ。
それもモチベーションになってます。絶対うまくなってやるんだと。私が上手くなれば、みんな多重録音で練習しようという気になるでしょう?
あの糞みてえな歌しか歌ってなかった櫻井が最近結構聞けるらしいよ。どうやら多重録音をやってるそうな。え?多重録音ってそんなにいいの?私も試してみようかしら。みたいな笑
それで、ここ2か月くらいの自分の成長の証を残すために一つ、コラールを歌ってみました。1パート2人ずつのオレ。オルガン8フィートのオレ、16フィートのオレ、コラール旋律をオルガンで弾くオレ。です。
まだソプラノは糞下手くそだし、バスも全然ダメなんですけど笑、それでも2か月前のオレからは飛躍的に上手くなってます。
また1か月後くらいに、メルクマールとして残していけたらいいなと思います。多重録音の練習効果を知るためのビフォーアフターですね。
この曲は今合唱団エレウシスでやってる曲で、この録音はそのままsoundtrapにアップして練習に使います。
それで最後に、この多重録音を使った企画を二つ、紹介したいと思います。
一つは今週末、サリクスの第6回定期演奏会をやる予定だった5/22に行うEnsemble Salicusのライブ配信です。
多重録音で作った作品を発表し、4人でzoomでトークします。
トーク&ライブみたいな雰囲気になれば。
録音はなかなかの出来になったと思います。この状況でしか生まれない作品を、残しておく必要があると思うんですよね。
というのはこの方法ということではなくて、この状況の私たちの心気体の状態でしかできないことがあるということです。
必ずしも、順風満帆の時の演奏が、いい演奏とは限らないですよね。
詳細こちらです↓
もう一つ。多重録音を利用したアマチュア参加企画を立てました。
タリスの40声のモテットSpem in alium、なかなか演奏機会がなくて、私もいつかやりたいなあと思っていたのですが、多重録音なら可能だし、僕みたいにこの曲にあこがれを持ってるアマチュアの方にも参加してもらえれば、この時期にしかできない面白い録音作品が出来上がるのではないかと思いました。
この楽譜笑えますよね。縦長すぎだろ笑
募集3日ですでにソプラノは当初の予定の1.5倍の12人の方にお申込みいただいておりまして、驚いておりますが、ひとまずソプラノも含め募集を継続し、ほかのパートの集まり具合も見ながらどういう編成で作品作りをするか検討したいと思います。
パートバランスなんかも、結構どうにでもできるというところもまた多重録音の強み。フレキシブルに対応していきたいと思います。
まだ男声の方のお申し込みが少ないですが、この曲男声のパートの方が多いので(女声16パート、男声24パート)、奮ってご参加いただければと思います。
リアルで演奏することがますます難しい40声のモテット。これは千載一遇のチャンスかもしれません。
曲としては非常に壮大ですが、一つ一つのパートそれぞれはそんなに難しいことはありません。音域的にも、音の動きにしても。
全く臆することはないです。ぜひ一緒に作り上げましょう!
詳細こちらです↓