Salicus Kammerchorワークショップ第7回|終了

昨日、Salicus Kammerchor主催のワークショップが終わりました。

毎回受講してくださる方は違うし、今回は特に初めての方がとても多かったにもかかわらず、少しずつ最終到達地点のレベルが上がっている感じがして、不思議ですがとても嬉しいです。

ここのところ、ルネサンスポリフォニーとバッハを午後の部に持ってきていて、当然バッハの方がよりテクニック的にシビアですし音楽が複雑なので、バッハの時はいつも未完成のまま終わるということが多いのですが、今回はかなり満足感が得られるレベルまで来たのではないでしょうか。

こちら最後の通しの動画です。

今回発声のセクションでは、トミーが仮声帯の開大と喉頭蓋のコントロールに関して特化してやってくれて、ほんとこれ効果的でした。

同時にこれで悩んでる声楽科の学生1億人くらいいるから、そういう人向けのプログラムを組むのもやっていきたいなと思いました。

ほんと今回の内容は1日通して、アマチュアだけでなく、プロやプロを目指す人にとっても物凄く役立つ内容だったと思います。

音大でグレゴリオ聖歌を必修科目にする目標の一歩として、企画考えていこうと思います。

その前に、もう少しサリクスに余裕が出てきたら、今回やったような内容をサリクスのメンバーに受けてもらえるようにしたいです。(もちろんメンバーにも講師にもギャラを払います)

それくらい内容がブラッシュアップされてきていて、その効果も実感してきているので、来年には実現できるようにしたいです。

こちら集合写真はラブではなくペスです。(Lだとしてもレヴァーテです)

こちらはヴィルガです。アチラに何かがあるわけではありません。


今回のワークショップは、グレゴリオ聖歌の歌唱法を記した古ネウマをヒントにバッハの声楽曲の演奏法を探る、そしてそのために必要となる発声のテクニックを知る、身につけるということがテーマでしたが、これはそのまま今度作る合唱団エレウシスのテーマでもあります。

興味のある方は是非一緒にやってみましょう。これだけのことができるアマチュア合唱団ってほんと夢ですよね。

しかし今回のワークショップは、このメンバーでこのまま合唱団やれちゃうんじゃない?ってくらい充実感ありました。

上の動画、当日集まって、バッハを歌い始めて約2時間の演奏とは思えません。

エレウシスについてはこちらをご覧ください。


さて、また明日からモテット全曲演奏会のリハです。

大曲に次ぐ大曲、真摯に地道におおらかに、向かい合っていきたいと思います。

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Salicus Kammerchor

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公演情報

次回は第5回定期演奏会

J. S. バッハのモテット全曲演奏会です!

http://www.salicuskammerchor.com/concert

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クラウドファンディングやってます!

J. S. バッハのモテット全曲演奏会に向けて皆様よりご支援を募ることとなりました。応援どうぞよろしくお願いいたします!

https://camp-fire.jp/projects/view/106446

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CD・DVD発売中!

Ensemble SalicusのレクチャーコンサートライブCD

昨年10月に開催されたLa Musica CollanaとのジョイントコンサートのライブCD

第2回定期演奏会のライブDVD

をウェブ販売しております!

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サリクス通信

サリクスの最新情報や、ここでしか読めない特集記事を配信しています。

http://www.salicuskammerchor.com/mail-magazine-1

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合唱団作ります!

Chor Eleusis

合唱団エレウシス

【団員募集!】

この度新しく合唱団を立ち上げることになりました。

バッハやヘンデルなど、主にバロック期の作品をレパートリーとする合唱団です。

ゆくゆくはメサイアやミサ曲ロ短調など大曲にも挑戦できるような合唱団を目指します。

2019年6月活動開始を目標に各パート団員を募集中です!

練習日時:毎週水曜日18:30-21:00

練習会場:江戸川区の公共施設

指導:櫻井元希

初回練習曲:

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ「イエス、我が喜び」 BWV 227

Johann Sebastian Bach “Jesu, meine Freude” BWV 227

団費:

4,000円/月(学生:3,000円、夫婦割:お二人で7,000円)

お申込み:

以下のフォームから、①お名前 ②パート ③電話番号 ④メールアドレス ⑤ご住所

をご記入の上お申し込みください。

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櫻井元希へのお仕事・レッスンのご依頼ご相談、チケットのお求め等は以下のフォームよりお気軽にお問い合わせください。

Salicus Kammerchor第5回定期演奏会|リハ開始

いよいよ今日からリハが始まりました。

私はというと先週親不知を抜いたところが化膿してしまって痛む上、口めっちゃ臭い。

その上炎症が喉に広がっちゃって喉パンパン。

という最悪のコンディションでしたが、J. S. バッハ練習したら免疫がアガリまくってもう治りました。(嘘ですまだ痛いです)

バッハが演奏できるってもう、これ以上の幸福はないです。ほんと、地球に生まれてよかった!って感じです。

ほんと、体調悪かったらバッハ演奏したらいいですよ。バッハセラピーとか始めようかな笑

通奏低音を含めると19人メンバーがいるので、なかなか全員揃ってのリハーサルというわけにはいきませんが、この5年で培った共通理解をもとにリハーサルを進めることができて、初日ですがほんとにすごくいい感じです。

自分もこの5年で変わったな。最初の頃は時間に追われてかなりピリピリしたリハーサルをやっちゃってたと思う。

今日はもう、歯は痛いけど、バッハ演奏できるなんてそれだけで嬉しいじゃんねえという超おおらかな気持ちでリハができました。

一生懸命練習して、私達らしい演奏ができるように努めてまいりますので、皆様ぜひ万難を排して演奏会にお越しいただければと思います。


今日のリハレポ、谷本くんが書いてくれました。
実は数少ない、第1回から皆勤賞のメンバーです。


Salicus Kammerchor第5回定期演奏会
​J. S. バッハのモテット全曲演奏会

【日時・会場】
2019年
5月8日(水)19:15開演(開場18:45)
豊洲シビックセンター ホール
チケット:https://tiget.net/events/45769

5月13日(月)19:15開演(開場18:45)
武蔵野市民文化会館 小ホール
チケット:https://tiget.net/events/45770

【曲目】
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ
Johann Sebastian Bach

「主に向かいて新しき歌を歌え」 BWV 225
“Singet dem Herrn ein neues Lied” BWV 225

「来給え、イエスよ、来給え」 BWV 229
“Komm, Jesu, komm” BWV 229

「恐れるな、我はともにあり」 BWV 228
“Fürchte dich nicht, ich bin bei dir” BWV 228

「諸国よ、主をほめ讃えよ」 BWV 230
“Lobet den Herrn, alle Heiden” BWV 230

「御霊は我らの弱きを強め給う」 BWV 226
“Der Geist hilft unser Schwachheit auf” BWV 226

「あなたを離さない、あなたが私を祝福してくれるまで」 BWV Anh. 159
“Ich lasse dich nicht, du segnest mich denn” BWV Anh. 159

「イエス、我が喜び」 BWV 227
“Jesu, meine Freude” BWV 227

【演奏】Salicus Kammerchor
【指揮】櫻井元希

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Salicus Kammerchor

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指導:櫻井元希

初回練習曲:

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ「イエス、我が喜び」 BWV 227

Johann Sebastian Bach “Jesu, meine Freude” BWV 227

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4,000円/月(学生:3,000円、夫婦割:お二人で7,000円)

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リフレクソロジーと中国武術

リフレクソロジー雑司が谷十音(とーん)に行ってきました。

フットリフレクソロジストの山崎絢子さんは、声楽家からオーケストラの事務局に勤められた後、南アフリカのドーガンインターナショナルの認定を受けたという異色のリフレクソロジスト。

南アフリカでは世界で唯一、リフレクソロジストが国家資格なんですって。

リフレクソロジーってそもそもreflex=「反射」を使った施術なんだそうで、足裏と身体のあちこちが繋がってるという東洋医学的なものなんですって。

なんかカタカナだから西洋的なもんだろうとか思ってた無知なわたし笑

ドーガンさんってデンマーク人で、南アフリカに結婚して移り住んで、そこでリフレクソロジーの学校を作って、リフレクソロジーを国家資格にまでしてしまった方なんだそうです。

すんごい骨のある方ですよね。

絢子さんの施術は、足のマッサージと聞いて真っ先に思い浮かべる芸人さんの悶え苦しむリアクション芸みたいのじゃなくて、ほとんど痛みを感じないソフトで丁寧なもので、だからどうしても時間がかかってしまうんだそうです。

1時間半も人の足揉み続けるってなかなかすごい仕事ですよね。だって足だけですよ。膝から下だけ。足ってそんな揉むとこあったっけ?って思いますが、意外と1時間半あっという間でした。

私の足って踝から先と踝から上で別人のようなんですって。

踝から先は好奇心旺盛で柔らかく吸収する感じで、踝から上は警戒心が強いんですって。

面白いですねー。

確かに好奇心は旺盛でいろんなことやってみたいタイプではあるんですけど、多分それは絢子さんもそうで、なんと今週末から始まるフォンスフローリス古楽院のルネサンス音楽入門の講座に申し込まれてるんですよね。

それもやっぱり本業の方に何かヒントがあるかもと思ってのことだそうです。

私もそういうスタンスで光岡先生の武学講習会に出てるので。

それで最近中国武術やってるんですよーって話になって、やっぱり東洋医学と中国武術はなんかほぼ重なってると思うんですけど、お互いの話がクロスオーバーして面白かったです。

「心包っていうのがありまして、それってそういう臓器があるんじゃないんですけど」「経絡ってありまして、これも解剖して取り出せるようなものではないんですけど」

ええ、ええ、よくわかります。そういうもんですよね。

それでも西洋医学との歩み寄りで、筋膜の構造から経絡を説明しようとする動きがあるんですって。

それってまさに来週末武学で行われる、光岡先生の左右表裏をシナジェティクス的に捉える的なことに直結してそう。

あとここ数年母が漢方にハマってて、そういう話も結構聞いてたからわかるってこともありました。

なんかやっぱり、身体って頭みたいな格下が理解できるような代物じゃないんですよね。

もう、一言、「神秘」。わかろうとするのもおこがましい笑

それでもみんな科学が大好きで、科学的っていう魔法の言葉に騙されまくってますよね。僕もそうですけど。科学大好き。

でも科学じゃわからんことがあるってちゃんと知ってないと、科学万能って思うことは、むしろ科学を裏切る非科学的立場になってしまうわけで。


reflex=「反射」ってことで、最近地下鉄ユーザーになって、新宿三丁目の乗り換えで交差する人の波の中で思ったのは、僕たち気づかないうちに、他人のちょっとしたイライラや、焦りや怒りみたいなものを、受け取ってしまってますね。

反射って文字通り跳ね返るってことでなくて、大脳を介さずに伝わるって方の意味で。

気づかずに伝えてしまってるし、受け取ってる。

今日アスリートに必要なのはアッパーでもダウナーでもなくニュートラルを作ることだって話もあったんですけど、そういう他人からほんと洪水のように流れてくる感情を伴った立体的な情報を浴びながら、それでもニュートラルでいれるっていうのは、都会で生きていく上で欠くことのできないスキルですよね。

かといって、それを拒絶するのではなくて、受け入れながら、それでも自分でいる、大丈夫やでって、自分にも他人にもそういうなんかもうそれは「気」ですけどそれをこうふーっと出していられる人になりたいなあと思うわけです。

それってまさに拓さんなんですよね。佐藤拓。あの人いるとほんともうなんとも言えない安心するんですよね。あ、今日大丈夫やわって思えるんです。

これ、もうアンサンブル能力と言って過言でないと思うのです。

一緒に歌ってて、安心する人、なんか不安になる人、なんか緊張する人、なんかいやーな感じになる人、いろいろいると思うんですよ。

そういうところも含めてアンサンブルしてるんですよね。

何があっても大丈夫さって、自分も、仲間も思えるような、最強のアンサンブルアビリティを持った最強のアンサンブルシンガーになりたいなと、思います。


絢子さん、実は最近サリクスの本番当日のスタッフをお願いしていまして、今度の第5回定期演奏会でもお世話になります。

一緒にスタッフをやっている妻曰く、絢子さんに任せとけばだいじ!完璧!だそうです。

5/8と13の演奏会では絢子さんに会いに、あ、ついでに私たちの演奏も聴いて行ってください笑

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4,000円/月(学生:3,000円、夫婦割:お二人で7,000円)

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Chor Eleusis 合唱団エレウシス

Chor Eleusis 合唱団エレウシス

すでにSNSの方では告知させていただきましたが、私櫻井元希、アマチュア合唱団を作ります。
ゼロから自分のこれまで学んできたことを活かせる団体を作りたいと思うようになりました。

古楽とは・・・

自虐ですけど、私って完全にクラシックのメインストリームからは落ちこぼれた存在だと思うんです。

なんていうか。まっとうな道を進んでないことは明らかですよね笑

もちろん私の仲間(だと思ってる)のハードコアとかノイズや前衛系のミュージシャンからすればクラシックという枠の中にいるだけですでに直球ど真ん中やんけって言われそうですが、こういう世界の中にいて、それをちょっと遠くから見てるってことが自分の強みなんだろうと思います。

私の専門はバロック以前の音楽、いわゆる「古楽」と言われるジャンルですが、このジャンルも少し前までは、いわゆる「モダン」の人から見ればひとつの流行りというか、あまり価値を置かれないジャンルだったと思うんです。

今でもそう思ってる「モダン」の人も大勢いると思いますが、ですが最近では無視できないひとつの「ジャンル」としてくらいは認識されているでしょうか。

でもそもそも「古楽」って「ジャンル」なんですかね。

単純な話、今より古い音楽という意味ではほとんど全ての音楽が「古楽」になってしまうと思うので。そういう意味で、古楽はジャンルにはなりえないと思うんです。

特定の時代や地域、ジャンルに縛られないものだと思うんですね。

じゃあ何かって言うと、その人が、その音楽に向かう姿勢のひとつが「古楽」だと思うんです。

いわゆる「古楽的アプローチ」っていう言い方がありますが、これ、「真摯に音楽をやる」って読み替えてはどうでしょう。そういう意味じゃないでしょうか。
そのために必要な努力をする。それだけ。

だからみんな「古楽」なんです。なにか特別なことをやってるんじゃなくて、ごくごくふつうのことなんです。


比較音楽学的実践

しかしまあ一般的には今でも「古楽」ってのはクラシックの中でも辺縁のいちジャンルくらいに捉えられていますよね。

それで自身はどうあれ、一般に古楽だと思われているジャンルの人たちってのがいて、私ってその中でもこうなんというか染まりきれてないっていうか、価値観を共有しているようでしてないっていうか。微妙な立ち位置にいると思うんです。

までもそれが私のひとつの特徴かなと思うんです。

深く掘るためには広く掘らなければならない。

っていう言葉があるんですけど、手で掘るならですね、ある程度掘ってしまったら広く掘らないと、掘った土を地上に運べなくなっちゃう。

あの、綺麗事だけで人間は語れないと言うか、綺麗事は綺麗事でいいんですけど、私はもうちょっと深いところにタッチしたいなあって思うんですよね。

デスメタルとかノイズボイスとか、そういう綺麗事じゃない人間の一面って、バッハの中にもあるんです。

バッハだって人間なんですから。

というわけで、なるべく多面的に物事を捉えたいなというのが最近の私で、その中で見えてくる普遍性ですよね、ああ、やっぱり同じ人間なんやなっていう共感を感じたい。

ここのところ音楽以外のことも含めいろいろ学ぶ機会があって、そこで考えたのは、私のやってることって比較音楽学なのかもしれないということ。

私の大好きな古東哲明という哲学の先生は専門が比較哲学なんだそうです。
確かに彼のやっていることっていうのは一つのことを、本当に幅広い角度から観るんです。それで誰にでもではないかもしれないけど誰かには絶対にわかる言い方で、もうローラー作戦ばりに数打つんですよね。
100人いたら100通りの言い方をする。そういうやり方で伝えようとする。
でも言い方が違うだけで、言いたいことはたったひとつ。

世界の音楽を見て回って結局日本の声明に行き当たった叔母がいるので、まあこれもDNAかしらとも思うんですが。

音楽って哲学であり人間なので、最終的には人間って何だ、これが人間だ。人間だ人間だって言うのが芸術なんだと思うんです。

Hermann PreyとかFrits Wunderlichとか聴いてるとそう思います。そう思いません?

https://www.youtube.com/watch?v=QHPqrbDF6YI
https://www.youtube.com/watch?v=e4SaCYgxze8

それで、いろんなところで学んできたことがここのところおぼろげに形になりつつあって、そういうことをゼロから一緒にやっていく仲間がほしいなあと思ったんです。

集まってくれるかほんとに不安ですけど、期待してます。


「エレウシス」

団体名の「エレウシス」について。

ちょっと一言で説明するのが難しくて、なんで一言で説明できる団体名にしなかったんだろうとすでに後悔し始めていますが、ものすごく簡単に言うと、「災い転じて福となす」みたいな意味です笑

ギリシャの都市の名前なんですけど、そこで行われていた密儀にあやかりました。仏教の行にも近いと思います。死の限界まで身体を追い込むことによって、生の至福の輝きを見出すというようなものであったそうです。(だからといって本番のために練習でしごきまくるということではないです笑。むしろ逆です。練習が楽しくないのに本番が楽しいわけないですから。)
そういう意味ではサリクスの第2回定期演奏会のテーマ「Melete Thanatou〜死が照らし出す生の輝き〜」と同じようなことです。

生きているうちは生きていることを忘れてる。生きながらにして生きていることを思い出させてくれるのが芸術じゃんね。
そう思いません?

昔「歌え!フィッシャーマン」っていう映画があって、そのラストシーンで、髭もまつげも眉毛も凍らせながらおじさん達(おじいさん達)が歌うってのがあったんです。

もうそれはそれは感動的で。ああ、こういう歌が歌いたいなあと。思いました。かならずしも、めちゃくちゃうまいというわけではないんですけどね。


練習日時:毎週水曜日18:30-21:00
練習会場:江戸川区の公共施設
指導:櫻井元希

初回練習曲:ヨハン・ゼバスティアン・バッハ「イエス、我が喜び」 BWV 227
Johann Sebastian Bach “Jesu, meine Freude” BWV 227

団費:4,000円/月(学生:3,000円、夫婦割:お二人で7,000円)

お申込み:
以下のメールアドレスに、①お名前 ②パート ③電話番号 ④メールアドレス ⑤ご住所
をご記入の上お申し込みください。 g.sakurai.office@gmail.com

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インプットな週末|BUGAKU→暗闇のボイトレ

インプットな週末|BUGAKU→暗闇のボイトレ

光岡英稔|BUGAKU講習会

今週末もなかなか濃い2日間でした。

土曜日、光岡英稔先生のBUGAKU講座に参加してきました。

1.2月は予定が合わず参加できなかったので、昨年12月以来3回目の参加でした。

武術の講座なのですが、ほんと変わってると思うのは、ほとんど動かないんですよね。特に今回は半分くらいは座ってたんじゃないでしょうか。

正座でおそらく1時間近く観法をやっていたような。とはいえ観法やってると時間の感覚がなくなるので、手がかりになるのは足のしびれ具合くらい笑

さらにあぐらで、しゃがんだ状態で、立ち上がった状態で1時間くらいやっりましたかね、、。

動きらしい動きがあったのは、シラットの型をやった時くらいで、ものの5分程度だったかと。

普通だったら「何が武術や金返せ」なのかもしれません笑

ところがこれで武術の講座が成り立ってしまう、成り立つどころかものすごく示唆に満ちていて発見に溢れているのが光岡英稔の光岡英稔たる所以。

今回私3回目の参加にして、成長を感じることができました。

今まではほんと「はっはっはっ!わからん!」

だったのですが、今回初めて「あ、それ、わかる」ってことがありました。

それは「亅観(かぎみ)」と先生の名付けられた観法の1つで、左右表裏と前後表裏の表から表、裏から裏へとL字のような感じで観る(「揃え観」、表から裏、裏から表を観るのは「まだら観」)というものだったのですが、確かに、表から表は観やすい。観やすいどころか自然とそっちに目がいくという感じで、実感としてそれがわかって感激しました。

わかっちゃったのが可笑しくって、爆笑してました一人で。


左右表裏や観法などについては以前のブログをご覧ください↓

その1https://wp.me/p7Ktcz-cpK

その2https://wp.me/p7Ktcz-dGh


今回理解が進んだのは、まず「気と血」について。

気は見えない、けどある。気は流れない。「気の流れ」という表現は一つの方便であり、正確ではない。気は偏ってある。その偏り方によって血(感覚世界)が変化する。

気は見えないけれど、見える血に影響を与える。しかし気が見えないがために、なぜ血(現象、効果)に変化が起きたのかにわかには理解できない。

気は見えないし、触れることもできないし、感じることもできないけれど、観法によってその偏り方を変えることができる。

気の偏り方が変わることによって、血が変わる。

ちょっと私勘違いしてたのは、観法って気を観ることではない。観法で観るのはあくまで「からだ」であるということのようです。だって気は見えないから。

っていうのも私の勘違いかもしれないので鵜呑みにしないでくださいね笑。これあくまで私の気づき、学びのメモですからね。本当に自分で理解したい人は光岡先生のとこ行ってくださいね。他人のブログなんか信用しちゃだめですよ笑


次に印象深かったのは、型について。

型って「観法」に対して「動法」といって、これも気の偏り方を変えて、血を変える効果があります。

で、この型を繰り返していると、型を通らなくても気の偏り方を変えることができる、というようなことのようなのですが、ただ型を反復してるだけで強くなるかと言うとそうでもない。

型の反復では浅瀬を泳ぐのは上手になるけど、深く潜れるようにはならない。という感じなんだそうです。


もう一つ「定位」と「不定位」について結構重要な学びがあったはずなのですが、、、、忘れました笑

定位ってのは例えば左右表裏と前後表裏が揃った状態で、これは安定して構造がしっかりする。不定位はその逆で安定しないのだけど、後退するときには不定位のほうが力を発揮する。

それでこれは前から関連があるんじゃないかと自分で思っているんですが、例えば横笛、フルートとか篠笛とか龍笛とかバーンスリーとか、これみんな右側に、右手が外側になるように構えるじゃないですか。これって右手のひらが前、左は手の甲が前になってて、これって不定位なんですね。

またヴァイオリンなどの弦楽器も左手の甲が前向いてて、右手のひらが前を向いている(下向いているのでわかりにくいですが)。

つまり楽器を弾くのって不定位の方がどうも都合がいいようだ。ってことなんです。

後退する時に不定位が力を発揮するといいましたが、後退って他の動物からするとかなり異常なことで、人間ほど上手に後退できる動物って他にいないんですって。確かに後ろ向きで疾走する馬、とか見たことないですよね。あるいは後ろ向きで飛ぶカラスとか。

そこで、楽器を弾く時に不定位がいいという話に戻るんですが、音楽もある意味動物が生き伸びるという文脈からはかなりかけ離れた異常な行為だと思うんですよね。

だから不定位の方が都合がいいのではないか。ということです。

そこでちょっと疑問に思ったのは、チェロとヴィオラ・ダ・ガンバの弓の持ち方、あるいはコントラバスの2種類の弓の持ち方です。

チェロの場合、手の甲が前に来るように弓を持ちますが、ガンバは逆です。手が下に来ている状態での表裏の関係については講座でやってないので、ちょっと自信ありませんが、多分甲が前なので定位だと思われます。対してガンバは不定位ということになるでしょう。

この二つの楽器のキャラクターの違いって、こういうところから来てるのかなあとぼんやり考えています。(コントラバスについては両方の持ち方があります)

両方弾く某S根さんとかにお話うかがってみたいなあ。


あ、そうそうそれから今回、光岡先生が出版された本の即売会とサイン会もございまして、わたくしもサインをいただいてしまいました。ありがたや~。


徳久ウィリアム|暗闇のボイトレ

日曜日はアラミレのリハーサルの後、蕨(!)のタタミスタジオに伺って、徳久さんの暗闇のボイトレに参加してきました。

完全な暗闇を体験できるスタジオ、タタミスタジオについては以前から「蕨といえばタタミ」的な感じで徳久さんから伺っていたのですが、蕨に住んでいた期間にはついに足を踏み入れることがありませんでした。

それが船堀に引っ越してきた途端に蕨のスタジオにお邪魔する機会が訪れるというのは、なんとも不思議な縁です。

暗闇って言っても多分今みなさんが想像されたような空間ではないと思います。ほんとのほんとに暗闇。真っ暗闇。エアコンも切ってエアコンが動作してる時についてるちっちゃい光すら消します。

真っ暗になってすぐに感じたのは足裏の感覚の変化です。

というか足裏の感覚しかない。って感じになります。入ってくる情報がそこだけ。もちろん聴覚の情報もあるんですが、そこはあまり変化しなかったように思います。触覚の方が大きな変化がありました。そしてそれは「今も」続いています。

今回私がお題として取り上げたのは、「普通の発声練習」と「インヘイル(吸い)のノイズヴォイス」です。それぞれに課題があるということと、常々私声の幅ってことに興味があって、色んな種類の声を即座に引き出しからパッと出して使えるようになりたいんですね。で、この二つの声の出し方は真反対の特徴を持ってるので、この二つが自在に扱えるようになればかなりそれに近づけるのではないかと思ったのです。

でまずビフォーですが、前のリハーサルの疲れもあって、普通の発声についてもめっちゃフリップするしそれをごまかすために仮声帯寄ってくしって感じでもう全然ダメ笑。ノイズの方も日常的に練習しているわけではないので、自分が思ったような声は全然出ない。またカットアップ的に音を出したいのですが、全然そうならない。その前にまず声帯にダメージがきすぎて、そのあと普通の声がでない。声帯が合わない。という状態でした。

アフターはどうなったかっていうともう音源あげちゃいます。恥を忍んで。

他の受講生の方の声も入っちゃっててごめんなさい。二つの声を交互に出しています。

これほんと自分でも驚くくらい破綻なく出来てる。あの、音程とか適当、とかそういうのはもちろんあるんですが、声のクオリティ的に眼目があるということでご容赦下さい笑。

まさかここまでできるとは思いませんでした。

インヘイルのノイズなんかやったら普通の声が出にくくなるのは当たり前だという先入観がありましたが、むしろ普通の声も最初より全然いい。滑らか。

いやなんかもう不思議としか言いようがないんですがもうアレ、神秘、人体の神秘。

ただまあ暗闇になった時に何が変わったかということはメモしておこうと思います。


①身体のポジションが変わった
暗闇になった時、見えないということによる影響が大きいと思っていたのですが、私の場合はむしろ逆で、見られていないということによる影響のほうがずっと大きかったです。なんというか自分の性分として、頑張ってる風に見せたくないというか、何気なくさり気なくやることを是としているようなところがあるということに気づきました。その無意識の自意識が、発声に適した身体の状態に入るの自然な働きを邪魔していたと思います。

②顔の表情が変わった
これも①と同じですが、無意識で状況に応じて顔を作ってました。それが暗闇で関係なくなってしまうと、本当に必要な筋肉しか動かさなくてよくなる。無駄がなくなった感じがしました。

③自宅で声出してるみたい
ふっと体感が降りてきたのは、自宅で声出してる状態です。なんか匂いとか空気感まで再現されて、ほんとに家で何気なく声出してる気分になりました。で、そういうときって身体が少し揺れてる。それも右側に。そういう気付きがありました。

④肌の感覚の違い
諸々終わって、明かりを徐々につけていった時に感じたことです。先程足裏の感覚が鋭くなると言いましたが、これってむしろ足裏以外の肌の感覚がなくなってるってことだったようです。明かりがついてまわりが見えるようになると、光を肌が感じている。また視線を肌が感じている。ヒリっとした感じ。この感覚の違いは結構大きい。
心理的なものも大きいとは思いますが、肌も光や視線を感じてる。それがパフォーマンスに影響を与えてる。


暗闇の時に感じた自分の身体の透明感、心の滑らかさ、またやってることに対する手応えのなさ、これを日常に持ち帰るのが今後の課題になると思います。

いずれにせよ、暗闇恐るべし。こんな体験は他ではできない。

薄明かりが付いてから動画を撮ってもらいました。
恥ずかしいのでここでは静止画をアップします。

こういう人生を刷新するような、それまでの自分には戻れなくなるような、世界や自分自身の見え方が変わるような、そういうチャンスって、多分探せばまだまだあるんだろうと思います。

臆せずチャレンジしていきたいです。

あ、ちなみに今回出したノイズヴォイスですが、私のレッスンでは今の所まだ取り入れてません。

興味のある方は専門家をご紹介いたします笑

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