2025年|謹賀新年

2025年|謹賀新年

皆様あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いいたします。

年始の演奏はじめは1月5日の蟹笛ライブでした。

蟹笛を人前でちゃんと演奏するのは初めてのことでしたので、この日のお客様は人類史上初めて蟹笛の生演奏を聴いた人となりました。

しかしライブは本当に難しかったです。

環境の変化で蟹笛にどういうことが起こるのか。蟹笛用に小さなドライヤーを買おうと思います。

あとマイキングですね。

音をちゃんと入れようと思うと息がどうしてもあたっちゃうんですよね。

ポップガード持っていけばよかったのかしら。

また機会があれば試してみようかと思います。

ともあれ蟹笛世界初演の機会をくださったジェヴァンニ=オノさんに感謝です。

来年また同じ企画をされるそうで、今度は蟹鍋付きでやろうという話になっているので、実現した際にはまたお知らせいたします。


今年のお正月は母がインフルエンザにかかりまして、うちの実家に帰れなかったので、ずっと妻の実家にお世話になっておりました。

うちの実家で食す予定だった蟹も妻の実家の方に送ってもらって食し、そのうちとりあえず3本だけを先行販売ということでライブに持っていきました。

1本100円で販売したのですが、前作も含め7−8本は売れたと思います。

興味を持っていただけてありがたいです。

そんなわけで毎年上げている私がポニーに乗る動画や薪割りの動画は今年はありません。

うちのポニーはこんなこです。

蟹笛歴2日の演奏です。

そう、蟹笛って去年の元旦に生まれたんですよね。

https://twitter.com/g_sakurai1031/status/1741769978553176329

これがその時の動画で、リツイ元を見ていただいたら分かる通り、蟹笛ってフジツボに影響されてやたんですよね。

いつか共演したいです。あとタカアシガニディジュリドゥの方とも共演したい。

生物楽器演奏会やりたいなあ。あとはキハーダとか、法螺貝とか。

その前にもっといろんな蟹が吹きたいな。

タラバとか、毛蟹とか、花咲蟹とか。

今画像見たらめっちゃトゲトゲしてて痛そう。


今週は10日に光岡先生の講座があります。

こちらは声と身体に関する講座で、私が最近言ってる「身体の古楽」の発想の元となっています。

やればやるほど、昔の音楽は昔の身体でやらないとできないですね。不可能。

現代人の身体のままやったらそれはそれは現代音楽にしかならんです。

ストイックに古楽を突き詰めるとそこに辿り着かざるを得ないと思います。

果てしない話ではありますが。

そうでなくとも、なんとなく現代社会嫌だな、生きづらいな、なんかおかしいんじゃないかな、っていう疑問のある方は是非お越しください。

いろいろ明らかになってスッキリする部分と、絶望が深まる部分と両方あると思います笑。

私のこれまでの人生の中で、自分が肯定されたな、お前間違ってないよって言われたなって思った経験が何回かありまして、1回目は広島大学の1年生の時に受講した哲学の授業で、古東哲明先生が開口一番に言った「皆さんご存知のように、生きている意味なんてネーのですが」という言葉です。

2回目は小林道夫先生に言われた「いいリハーサルをしてるね。信じて、続けなさい」です。

光岡先生は言葉を通してというか、稽古を通して、それを感じています。

「そうなんだよね。そういうことなんだよね」というのと、「ああ、自分の疑問の正体ってこれだったのか」というのが両方あります。毎回の稽古に。

でこういうこと言ってると思想とか哲学とか宗教みたいに思われるんですが、まあもちろんそれもあながち間違ってはないのですが、光岡先生の場合それを抽象度ゼロの現実の経験として提示してくれるというところが他にないところです。

もちろんそれも受け取り方次第ではあるのですが。

武術って生きるか死ぬかで、果てしなくシンプルなので、その現実性の前ではぐうの音も出ないんですよね。

定員まであと5名ほどですのでご予約はお早めに。

光岡英稔BUGAKUスピンオフ- 課外授業

「異なる身体観による言葉、声の変化を体感する会」第8弾

2025年1月10日(金)
時間:12:00-18:30(19時より懇親会)
会場:江戸川区内の施設(お申込み時お知らせいたします)

11:45 受付開始
12:00 講座開始
18:00 講座終了
18:30 質疑応答終了
19:00 懇親会(希望者のみ)

講師:光岡英稔

参加費:25,000円 定員:15名

お申し込み:https://forms.gle/CeCWHL3Bdx3Qfbmr9

お問い合わせ:g.sakurai.office@gmail.com(櫻井)


また今週土曜日は京都のヘクサコルドWSです。

ちなみに今年のヘクサコルドWSびらきは蟹笛ライブと同日午前に開催しました某広域指定合唱団のWSでした。はるこんでマショーをやるそうです。楽しみですね。

京都の講座は今回は第7旋法です。最も複雑な旋法です。

教会旋法の極北って感じ笑

西洋の旋法の音楽ってこういうこと!だ!っていう講座になると思います。(あかん。新幹線とらな。)

お申し込みはこちら↓


そして来週末は合唱団エレウシスの演奏会です。

2回目の演奏会になりますが、今回はドイツ3大Sの作品をメインに、前半はジョスカンのミサからデュエットのBenedictusを取り出して、グレゴリオ聖歌のSanctusとカップリングさせて演奏するというなかなか面白いことをやります。

こちらもぜひお越しください。

飢える

飢える

前も同じことを言ったことがあるような気がしますが、ここのところ深刻に音楽に飢えています。

何言ってんだと思われるでしょうが、音楽を生業としていても、音楽に出会えることは本当に稀です。

毎日いろんな現場でいろんな歌を歌って、音楽に溺れたような生活を送っているようにみえるでしょうが、私たちは渇いています。

よく年配の方々に

「昔は音楽といえばラジオくらいしかなかった、私たちは音楽に飢えていた、今は音楽が溢れている、恵まれた時代だ」

というようなことを言われますが、それは違うと思います。

溢れているのは音です。そこに音楽なんかありゃしません。

僕たちこそ、音楽に飢えています。

しかもそうと気付かずに。
恐ろしいですよね。悪夢のようです。

 

もうね、はっきり言って、本気で、全力で音楽に近づこうという気さえない人とは一緒に仕事したくないんですよね。


今週からサリクスの練習が始まります。

いい感じに超ハングリー期に突入したので、ぶつけてこようと思います。

当り散らさないように気をつけます笑


サリクスのコンサートは10/26と29、La Musica Collanaとのジョイントコンサートです。

バッハのカンタータ47番と138番をメインに、前半は、バッハのカンタータの背景となったような作品を集めてプログラムを構成しました。

こんな面白いプログラム他にないと思います。

前半のサリクス単独ステージは、バッハの時代のライプツィヒの礼拝の流れを模した(しかしそのままではない)プログラムになっています。

入祭唱モテット→キリエ・グローリア→コラール→説教→カンタータ

というのが礼拝の流れなのですが、説教以外はだいたいこの流れに沿っています。

入祭唱モテットはイザークのコラーリスコンスタンティヌスから三位一体節後第15主日のためのものを選びました。この主日はカンタータ138番が演奏された主日と同一です。

サリクスはグレゴリオ聖歌からバッハまでの流れを追うという選曲コンセプトがありますので、イザークが元にしたグレゴリオ聖歌も歌うことにしました(これはバッハの時代にはなされなかったことですが)。

そして前半の目玉はパレストリーナ作曲、バッハ編曲のミサ《シネ・ノミネ》です。この曲はバッハが演奏時に使ったであろうパート譜が残っていて、それによるとなんと通奏低音にチェンバロとオルガンとコントラバスが指定されています。

まずパレストリーナに通奏低音をつけるというのが驚きですが、それがバロック時代の習慣でした。

既にビクトリアの作品にも通奏低音を入れた形跡(バスに数字が振ってある)があるものもあるので、それ自体は不思議なことではありません。

しかしチェンバロとコントラバスが入っているというのはなかなか衝撃的です。

まぁせいぜいオルガンとチェロ、あるいはサクバットくらいのもんかと思っていたらその斜め上をいく楽器指定でした。

チェンバロとコントラバス入りのパレストリーナ、必聴です。

キリエ・グローリアのあとは4声体のコラールが歌われたそうなのですが、それだけだとつまらないので、シャインの宗教コンチェルトも加えました。

3人のソロと通奏低音という編成で、鮮やかに装飾されたコラール旋律が印象的です。

サリクス単独ステージの最後はハスラーの単純なコラールで締めます。

この2曲は、後半で演奏するカンタータ2曲に使用されたコラール「なぜ悲しむのか、我が心よ」です。

前半の後半はLa Musica Collanaの単独ステージです。ヴァイマール時代にバッハに多大なる影響を与えたヴィヴァルディのコンチェルト、そしてバッハのコンチェルトを演奏してもらいます。

バッハが作曲に使ったパレットの一つ一つの色について、その出自を明らかにするような演奏会になると思います。

ぜひぜひ演奏会に足をお運びください。

演奏会詳細はこちら↓

http://www.salicuskammerchor.com/#!concert/c2516


それから来シーズンのサリクスのサポート会員の締め切りが近づいてまいりました。

今月末が締め切りです。

まだ目標まで遠く及びません。

目標は定期会員様50名ですが、現段階で25名様のお申込みをいただいております。

この活動は本当になんとしてでも続けていきたいのです。しかし演奏会を満員にしたとしても赤字、というのが今の演奏会チケットの相場です。(5月の第2回定期演奏会も、東京公演は満員を超えるお客様においでいただきましたが、ン十万の赤字でした)

本当に皆様のお力無しには活動を継続することは不可能です。

(そこのところはこちらの記事もご参照いただけると嬉しいです→再びサポート会員募集のお願い!

皆様のご支援心よりお待ちしております。

会員になってくださった方には大変お得な特典もございます。

詳しくは以下のリンクをご覧ください。

http://www.salicuskammerchor.com/#!support/n8wnx

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櫻井元希へのお仕事のご依頼は以下のフォームよりお問い合わせください。