中嶋朋子がいざなう 音楽劇紀行|第一夜 → ラフォルジュルネ

表題の公演にカペラとして出演します。

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公演詳細

今日はその初リハーサルでした。
主催公演ではないので、詳しくはわからないのですが、中世の典礼劇から現代のミュージカルまでを、様々な歌手が歌い継いでいくというような趣向の演奏会のようです。
既に夜の公演が完売となり、急遽昼公演が追加となりました。
カペラはこの公演の最初の部分で、グレゴリオ聖歌と典礼劇、ジョスカンのVictime Paschali laudesを演奏します。
ちょっと演技が付くみたいです。
典礼劇は単旋律で、イエスの復活の一場面を演奏します。
ポリフォニーは最後のジョスカンだけで、それまでずっと単旋律ですので、ジョスカンのポリフォニーがより鮮やかに感動的に聴こえると思います。
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これと似たような感じで、単旋律中心の演奏を、実は5/3にラフォルジュルネでもやります。
公募枠なんだと思いますが、縁あって機会をいただくこととなりました。
今年のラフォルジュルネは自然や季節がテーマだそうで、季節といえば教会音楽的には教会暦がそれにあたると思います。
ということで季節のグレゴリオ聖歌を、シェフの気まぐれ風にはしないで、4人でがっちり硬派に歌います。
メンバーはいつもの人たち、富本泰成、渡辺研一郎、佐藤拓、そして私櫻井元希です。
地下の広場のようなところでやるそうで、マイクを使っての演奏だそうです。
本当は5/3のミサを歌おうと思ったのですが、あまりにマイナーだったので、有名なキリストの昇天ミサ(今年は5/5)をやることになりました(今日決まりました)。
2日違いですが、季節のグレゴには違いありません。えっへん
ラフォルジュルネでマイクで30分グレゴって、わくわくしますよね。
多分今までのラフォルジュルネでこれだけがっつりグレゴリオ聖歌が歌われたことはないんじゃないかなぁと思うので、どんな反応になるか、ちょっと楽しみです。
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生きてるうちは(恥ずかしいことを書きます)

今日はバッハカンタータアンサンブルの練習でした。

今回BWV67をやるのですが、これは実はかなり思い出深い曲でして…。
忘れもしない5年前、日本人なら忘れることの出来ない5年前、ちょうど今頃、この曲を準備していました。
カンタータクラブは、4月と5月に同じ曲目で、新入生歓迎演奏会を行うのですが、その時に選曲されていたのがこの曲とBWV45でした。
45・67って、覚えやすいでしょ?
四月から新体制で、僕は部長と副演奏委員長をかけもちしていました。
震災があったのは、はりきって春合宿を準備していた矢先のことでした。
僕は妻と広島に逃げ、合宿は中止、入学式も四月新歓も中止になりました。
もう2度とカンタータクラブのメンバーと一緒に演奏することはないだろうと覚悟していました。
でも、それからきっと人生で最も長い1ヶ月間を過ごした後、なんとかみんなで力を合わせて5月新歓の開催にこぎつけました。
この時ほど、仲間と音楽が出来ることの有り難さを感じたことはありません。
不思議な体験でした。
音楽が出来るという、至ってシンプルな、自分たちには身近すぎてごく当たり前のことが、奇跡のような、目も眩むような輝きを放つ稀有な出来事なんだと体感しました。
随分春めいた街の空気を吸いながら、BWV67を譜読みしていたら、ふとあの時の息詰まる1ヶ月間、あの時の幸福な演奏を思い出し、胸がいっぱいになりました。
生きてるうちは、生きてることを忘れてる。
震災みたいな、まったくリアルに、死をまざまざと見せつけられるような出来事が、ネガフィルムがポジを映し出すように、それを思い出させてくれました。
そしてまさに、そのことをテーマとした演奏会が5月にあります。
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サリクスは今回バッハの、追悼式、葬儀用に書かれたであろうモテットを演奏します。

また、シュッツの大作、「音楽による葬儀」にも挑戦致します。
あの時、理不尽に失われていった、本当に沢山の命を想いながら演奏します。
そしてそのことが僕らにありありと映し出してくれた命の輝きを、感じることが出来ると思います。
死を歌うことは、生を想うこと
そんな演奏会になると思います。
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カペラ | 「ボッティチェリ展」 記念コンサート 終演

今日は東京都美術館でカペラの本番でした。

美術館で開催中のボッティチェリ展にちなんで、ボッティチェリと同時代の、メディチ家ゆかりの音楽ということで、デュファイやジョスカン、イザーク等を演奏しました。
どの曲もその背景にメディチ家に色んな意味で深い関わりがあり、その成り立ちやいわれが大変興味深く、花井先生流石の選曲だなぁという感じでした。
プログラムにはなかったのですが、急遽昨日演奏することが決まった曲もありました。
期せずして、その曲がこのコンサートの白眉となったのではないかと思います。
その曲の、曲名は不詳、作曲者も不詳です。
それはこの絵の中にある楽譜の音楽です。
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Filippino Lippi作の聖母子像です。

右下の2人の天使が持っているのがその楽譜です。
昨日のリハーサルが30分早く終わり、雑談のように、この楽譜の話題になり、音にできるのかなぁということで、その場で歌ってみました。
よく見てみると、画面中の楽譜は二箇所二重線で区切られており、それぞれ別のクレフが付けられていることから、3声の曲だということがわかりました。
歌詞は付いていなかったので、花井先生が、聖母関連ということで、Ave Regina caelorumの歌詞を割り振りました。それが昨日の夜のこと、PDFがメールで送られてきて、明日はこの歌詞で歌いましょうとのことでした。
その楽譜がこちら
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譜面の最後に繰り返し記号が見えるので、同じ音楽で2節まで歌おうということで、楽譜が2つ貼り付けてあります。

上が1番、下が2番です。
ゲネプロもこの楽譜で歌いました。
ところがどっこい!
花井先生が閃いてしまいました。
この聖母の肩(?)に星が瞬いていることに!
そう、これは船乗りたちの航海を照らす海の星としての聖母を描いていたのです!
となると当てはめるべき歌詞はAve Regina caelorumではなくAve maris stella「めでたし海の星」でなければなりません。
これに気づいたのが本番1時間前。
大急ぎで譜面を書き換えて(所要時間約20分)、ある者は着替えながら、ある者は歯を磨きながらリハーサルしました。10分くらい。
それで本番を迎えたのですが、この曲を演奏する段になって気がつきました。書き換えた楽譜を控え室に置いてきたことに( ̄▽ ̄)
斉藤さんに控え室まで楽譜を取りに行ってもらうまでの間、長ーー目のMCが入りましたとさ。
肝心の演奏に関してですが、映像が公開される(かもしれない)のでそれをお待ちください。
公開されたらこのブログでも紹介しようと思います。
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