ヴォクスマーナ第34回定期演奏会終演

昨日ヴォクスマーナ第34回定期演奏会が終演致しました。

お越し下さった皆様、誠にありがとうございました。

(写真はちかよさんのフェイスブックから拝借いたしました)

今回のプログラムは、なんというか直球勝負な曲ばかりで、小道具一切なし、ただひたすらにアカペラの12声の作品で、非常にストイックであったと思います。

どの曲も難易度もさることながら、みっちりとすべての瞬間に妥協のない、集中力のすり減る素晴らしい作品だったと思います。

私はのっていませんでしたが、
山本裕之(b.1967)/ 水の音
はほんとにキチガイ(最大の賛辞)な曲で、「うわーまじかーーおわーーーやばっ、えーーー」っていう展開が連続する作品でした。
テキストは分解されていたものの、良く知られた芭蕉の句でしたので、今全体のどのあたりにいるのかが良くわかって、それによって構成を感じる手掛かりになり、ある意味では聴きやすい作品でした。

近藤 譲 (b.1947)/ 「薔薇の下のモテット」12人の声のための
は、震災の年にヴォクスマーナが委嘱初演した作品で、私がヴォクスマーナで演奏した作品の中でも5本の指に入る好きな曲です。
(ちなみに1位はクセナキスの「夜」です。)
https://www.youtube.com/watch?v=jESS3gP1GGE
薔薇の下のモテットは、超複雑ですが、構造は分かりやすく「ハミングのセクションと、歌詞をポリテクスト(同時に別の歌詞を歌う)の部分とに分かれていて、それを2回繰り返す」というものであったので、これも聴きやすかったのではないかと思います。
大体ハミングで和音を重ねるというのは手抜きっぽい感じになっちゃうんですが、これだけただのハミングの和音進行に意味を感じられる作品もないと思います。

渡辺俊哉(b.1974)/ 「影法師」12声のための
渡辺さんは、広大でお世話になった徳永崇先生のお仲間だそうで(終演後に知りました)、現在藝大の和声の先生をやっていて、後輩(日野ちゃん)が授業をとっていたそうです。
作品は非常に繊細で、なんというか、本当に書いてあることを全部正確に音にしないと、何が何だか分からなくなっちゃう系の作品でした。少しでも乱れがあると、あっという間に意味の連関が断ち切られてしまって、ただの音の連続になってしまうと感じました。
ほんと、この曲が一番消耗しました。繊細過ぎて、ワレモノ注意的な、取扱い注意的な、天地無用的な作品でした。
ふーーっ、疲れた!
そうそう、この曲のテキスト、谷川俊太郎の「影法師」素晴らしいテキストでした。ほんと、無駄な文字が一文字もない、文字で空間がピタッととまるような完全さを思わされました。さすが、脱帽。

木下正道(b.1969)/ 「中心 / 記念すべき谺」ヴォーカルアンサンブルのための
木下さんの作品は7月の「書物との絆II」に引き続き2回目でしたが、相当パワーアップしてる感じでした。
というのも、本人が仰っていたのですが、より長く、より難しく、をひとつの目標とされたそうで、それはそれは長く、そして難しい作品でした。
おそらく聞いていた方にはわりと耳に心地よい作品だったと思いますが、演奏している方は血を吐く思いでした(笑)

そしてアンコールピース
伊左治直(b.1968)/ 雪
いつもながらあったかいけどでも緩みの無い、筋の通った作品だと思いました。
ちょっと前衛音楽に対するアンチっていうか、逆の反骨精神みたいなものを感じるというか、このご時世、しかもヴォクスマーナのような超前衛音楽の団体に、調性音楽を書くという事自体がかなり挑戦的だと思います。
でも、音楽ってある種、人間ってこういうとこあるよね?ていうのを切り取った一側面という風にも捉えることが出来ると思うんですけど、だから前衛っていうのがあり得ると思うんですけど、つまり新しい価値観を提示するというか、こういう面も人間にはあるじゃない?っていう問いかけだと思うんです。
ただ、そういう面だけじゃないよね?こういう面も相変わらずあるよね?っていうのが伊佐治さんの曲だと思うんです。ほんとに勝手な僕個人の解釈ですが(笑)

伊佐治さんのアンコールピース、今回で1ダースだそうです。それら全てを再演する演奏会が10月12日にあります。こちらも要チェックです。

――・――・――・――

僕は普段古楽をやっていますが、古楽といわれる音楽だって、その当時は前衛だったんです。

それで、いわゆる古楽的アプローチというのは、
「僕らの側からじゃなくて、その当時の作曲家、演奏家、聴衆にとってその音楽がどういうものだったのかっていうとこから音楽を捉えようぜ」
って言う事だと思うんですけど、それってまさにヴォクスマーナが新作を初演する態度と同じだと思うんです。

今回も5人の作曲家の方々と2回ずつ、共にリハーサルをするという幸運に恵まれました。

例えばバッハ、彼はほとんど常に自作自演してましたので、まさに作曲家と演奏家とのリアルタイムでの共同作業だったわけです。

事情はヴォクスマーナと一緒ですね。

それで今回も、ここはピアノって書いてあるけど少し大きめで、とか、テンポこのくらいだけどもっと遅い方がいいか、いや、テンポって言うか雰囲気がもうちょいcom motoで、とかそういう話をしながら作り上げていったわけですが、当然そういうやりとりがバッハと演奏者の間でもあったはずなんですね。
それが例え書き留められていなかったとしても、いや、書き留められていないことの方が圧倒的に多いと思いますが、そういったちょっとしたニュアンスの変更があったはずなんです。

そのやりとりを想像しながらリハーサルしていくことが、いわゆる古楽といわれるジャンルの音楽を演奏する醍醐味でもあるんです。

パート譜に、あるパートにはadagio、あるパートにはlento、あるパートにはa battutaなどと書かれている場合があります。それはそのパートの人が書き込んだという事もありますし、そのパートの人の傾向を読んで、バッハがあらかじめ書いたという事もあります。
面白いですよね。

「こいつ走るからmolto adagioってかいとこ」っとか思われてるわけです。

それを鵜呑みにして、通低だけmolto adagioで!ほかのパートはただのadagio!ってことにはならないですよね。and so onなわけです。

長くなりましたが、そんなわけで、僕が古楽と現代音楽をやってるのはあながち筋が通ってないわけでもないんだよ、という弁明でした。

いや、ほんと、すごいことですよ。作曲家が生きて目の前にいるということは。
「何度バッハが生きてたらなー、ちょっと電話して聞けるのになー」
と思ったことか。
ほんと、こういう仕事ができるのはあり得ないくらい贅沢なことです。

お客さんにとってもそうですよ。
考えてもみてください。
コンサートでバッハが自分の曲解説してるんですよ!
「この曲はねーー構想に4か月かかったんですよ、実際書いたのは10日だったんですけどね。ハハハ。」
とかね。
ほんと、凄いですよね。

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俺の明日はどっちだ

バッハカンタータアンサンブルで2時間合唱指導し、2時間アルトを歌い、ヴォクスマーナで2時間バスを歌った1日でした。

俺の明日はどっちだ?
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そう、私はテノール、アイアムテノール、言い聞かせてないと忘れそうだわ♡
ーー・ーー・ーー
ヴォクスマーナの演奏会が迫っております。(と同時にサリクスのサポート会員募集の締切も迫っております)
今回はラジオ(?)で放送されるということもあり、いつにも増してシビアな練習が続いております。
今回もいい曲揃ってます。
特に近藤譲氏の薔薇の下のモテットは超いい曲です。
この曲は再演ということもあって、かなり精度も高く、かなりいい演奏になるとおもいます。
この先いつ聴けるかわからない曲ばかりです。
この機会をお見逃しなく!
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カンタータクラブの後輩、日野ちゃんはこの度ヴォクスマーナデビューです!

素晴らしく頑張ってます!僕なんかより余程向いてます!

第34回定期演奏会

2016年3月31日(木)19:00開演

東京文化会館小ホール

山本裕之(b.1967)/ 水の音(2006委嘱作品・再演)

Text:松尾芭蕉

近藤 譲 (b.1947)/ 「薔薇の下のモテット」12人の声のための(2011委嘱作品・再演)

詩:蒲原有明

渡辺俊哉(b.1974)/ 「影法師」12声のための(委嘱新作・初演)  

詩:谷川俊太郎

木下正道(b.1969)/ 「中心 / 記念すべき谺」ヴォーカルアンサンブルのための委嘱新作・初演)

詩:エドモン・ジャベス

伊左治直(b.1968)/ 雪(アンコールピース12委嘱新作・初演)

詩:新美桂子

ーー・ーー・ーー
(´-`).。oO(それにしても、古楽にしろ現代音楽にしろ、私が好きなジャンルの演奏会にはどうしてこんなに人が集まらないのでしょう…
(´-`).。oO(そして人の集まる演奏会でやっているようなことに、どうしてこんなにも興味が持てないのでしょうか…
(´-`).。oO(さらに、古楽も現代音楽も手間がかかりすぎる!準備に滅茶苦茶時間かかるんだよなぁ…
ほんと、コスパ悪すぎ(=゚ω゚)ノ
今回もノーギャラだぜ!いえあ!
俺の明日はどっちだ?!
└┌(。°з ┐ )┘三└( ┌ ε°。)┐┘
人生ばんざい!
(σ・ω・)σ  youtu.be/L2Fh8OABX94
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最後のお願い!


ほんとしつこくてすみません。
こちらでもお知らせさせて下さい。

主宰団体のサリクス・カンマーコアSalicus Kammerchorのサポート会員募集の締め切りが近づいております。

目標50名様のうち、現在まだ15名様です!ひゃーー!
締切まであと9日!ひゃーーー!

サポート会員は一口1万円で、会員特典として、

1.定期公演へのご招待(自由席ですが、最前列中央に会員限定のお席をご用意いたします)。
2.年に一回、その年に行われた演奏会よりハイライトCD(非売品)を贈呈。
3.リハーサル見学。
4.プログラムへの芳名記載。
をご用意しています。
また、サリクス主催のイベント、ワークショップ等に割引料金にてご参加いただけます。
直近では4月のワークショップは、一般料金のなんと4千円引きとなっております(こちらの申し込みは締め切りました)
次回ワークショップは9月か10月に企画予定です。

募集要項詳細はコチラ

また、サリクスがサポート会員を募集する理由、演奏団体の厳しいフトコロ事情について、ブログ記事にも書いております。コチラも是非ご覧ください。

コチラの記事にも書きましたが、サリクスは、
J. S. バッハのモテット全曲演奏会と、全曲録音
を目標に活動しております!

この目標を達成するためには、皆様のご協力が不可欠です。
活動を継続できるかどうかは、ここにかかっていると言っても過言ではありません。

昨年の定期演奏会での演奏動画です。どうぞ一度演奏を聴いてみてください。
H. Isaac / “Benedic, anima mea, Domino”

私たちの活動を応援したい!演奏を聴いてみたい!一緒に夢を見たい!と思ってくださる方は、ぜひ以下のメールアドレスよりお申し込みください。

salicus.office@gmail.com(星野)

どうぞよろしくお願いいたします!!

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生きてるうちは(恥ずかしいことを書きます)

今日はバッハカンタータアンサンブルの練習でした。

今回BWV67をやるのですが、これは実はかなり思い出深い曲でして…。
忘れもしない5年前、日本人なら忘れることの出来ない5年前、ちょうど今頃、この曲を準備していました。
カンタータクラブは、4月と5月に同じ曲目で、新入生歓迎演奏会を行うのですが、その時に選曲されていたのがこの曲とBWV45でした。
45・67って、覚えやすいでしょ?
四月から新体制で、僕は部長と副演奏委員長をかけもちしていました。
震災があったのは、はりきって春合宿を準備していた矢先のことでした。
僕は妻と広島に逃げ、合宿は中止、入学式も四月新歓も中止になりました。
もう2度とカンタータクラブのメンバーと一緒に演奏することはないだろうと覚悟していました。
でも、それからきっと人生で最も長い1ヶ月間を過ごした後、なんとかみんなで力を合わせて5月新歓の開催にこぎつけました。
この時ほど、仲間と音楽が出来ることの有り難さを感じたことはありません。
不思議な体験でした。
音楽が出来るという、至ってシンプルな、自分たちには身近すぎてごく当たり前のことが、奇跡のような、目も眩むような輝きを放つ稀有な出来事なんだと体感しました。
随分春めいた街の空気を吸いながら、BWV67を譜読みしていたら、ふとあの時の息詰まる1ヶ月間、あの時の幸福な演奏を思い出し、胸がいっぱいになりました。
生きてるうちは、生きてることを忘れてる。
震災みたいな、まったくリアルに、死をまざまざと見せつけられるような出来事が、ネガフィルムがポジを映し出すように、それを思い出させてくれました。
そしてまさに、そのことをテーマとした演奏会が5月にあります。
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サリクスは今回バッハの、追悼式、葬儀用に書かれたであろうモテットを演奏します。

また、シュッツの大作、「音楽による葬儀」にも挑戦致します。
あの時、理不尽に失われていった、本当に沢山の命を想いながら演奏します。
そしてそのことが僕らにありありと映し出してくれた命の輝きを、感じることが出来ると思います。
死を歌うことは、生を想うこと
そんな演奏会になると思います。
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ノヴァヴォーチェ メンデルスゾーン版マタイ終演

終わりました。

ご来場下さった方々、誠にありがとうございました。
来場者数は1100を超えていたそうで、ほんと凄いです。
ほとんど満員近くに見えました。
ありがたいことです。
いやーーー、やっぱりオケが大きいと疲労度も大きい気がします。
全部モダン楽器での、und siehe da!(天幕が破けるところ)は凄かった。壮絶。ほんとに雷みたいだった。
何しろ前も書きましたが5弦ベースが4本!合計20弦!(笑)
チェロは6本で、ファゴットも入り、それが全部モダンでffなんだもの。
凄いよ。
いやーでも面白かったなー。突っ込み所満載!何でそうなった!?っていうところから、うんうん、そうだよねって思えるところまで。メンデルスゾーンの解釈がとても面白かった。
こういう風にロマン派の時代にバッハが受容されていたったのだなぁと思って感慨深かったです。
あと、久しぶりにクラリネットを見ました。わりと何年も見てなかった気がします。
あ、あと、チェロからエンドピンが出てたらギョッとするようになりました。
ーー・ーー・ーー
さて、明日から元の畑に戻ります。
メンデルスゾーンがあって、2日プティヴィオロンをお休みしてしまったのが申し訳ないですが、明日明後日、全力を尽くします。
折角カテドラルでソロを歌わせていただくのだから!
きばっちゃいますよー( ´ ▽ ` )ノ
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