9月というやつは

9月というやつは

先週末は、ちょっとここのところの私からすると忙しい週末でした。


金曜、10時半に家を出て、合唱団フォンス・フローリスのリハーサルのために私のローランドちゃんを旗の台から両国のリハ会場まで運びました。

この日はその後調布でチラシ挟みもしなくちゃいけなくて、600部のチラシを2部、そのうち1部はSalicus Kammerchorのサポート会員募集チラシだったので、A4二つ折り、つまり重量2倍なのですね。重さ計ってみたら12キロありました。ぎょえーーローランドのキーボードとほぼ同じ重さ・・。

それでそのチラシを手に旗の台にあるはずのキャリーカート(こういうやつ)が無い・・・。

チラシがなければなんとかギリ死ぬ気になれば背負って運べなくないのですが、12キロのチラシを手に12キロのローランドを背負って(あといつも持ってるでっかいリュックもあるよ)両国まで行くのはマジで極悪人が地獄の底で鬼にやらされるやつや・・・と思い、家主Kに連絡、車でホームセンターに連れて行ってもらい、おニューのキャリーカートを購入。

チラシとローランドをくくりつけようとするもダイゴサーーン!!(大誤算)ローランドとチラシを一緒にキャリーにくくりつけるのは無理でした。

仕方なくダンボールにまとめていたチラシをバラバラにし、ローランドのケースの隙間にちょっとずつ詰め込み、残りはいつも重荷を負わされて可愛そうな私のリュックに詰め込んで両国へ。

この日は暑い日でね・・・もうこの時点で滝汗で自分臭い臭い。

シャワー浴びてええ着替えてええ。と思いながら両国でローランドをおろし、チラシをまた詰替えキャリーに載せ、調布へ。

チラシはさみを終え、調布にユニクロあったらTシャツ買って着替えよう、とか思ってましたがユニクロ見当たらず、諦めてビショビショのまま両国へ(今思えばこれがまずかったのかも・・)。

夕方から合唱団のリハに加わりました。普段リハって疲れるもんだと思うんですが、この日はその前がハードすぎて、リハ後体力がリハ前より回復しているという稀有な体験をしました。

リハ後はまた旗の台にローランドを返しに行きました。トラブル無く運び終え、旗の台駅前のファミリーマートのビールコーナーへ直行。大井町線のホームで飲んだプレミアムモルツ〈秋〉香るエールのうまかったこと。


土曜、この日は結成から8年間お世話になった合唱団、ノヴァ・ヴォーチェの最後の公演。モーツァルトとミヒャエル・ハイドンを歌ってきました。

東京に来てすぐ、青木さんに誘っていただいて最初は合唱エキストラとしてお世話になりました。その後はアシスタントとして合唱指導に加わらせていただきましたが、練習が金曜ということで、私はカンタータクラブのリハがあり、夏休みや冬休みなど、ワンポイントで指導させていただくことが続きました。カンタータクラブを引退してからは月に1・2回、多いときは3・4回指導させていただくようになって、地道に地力を上げていくようなジリジリとした練習をやらせていただいて、はっきりいって演奏会に向けての効率的な練習とは言えなかったと思うし、なかなか進まない練習にひょっとすると不安を覚えられた方もいらっしゃったかもしれないけど、2年3年後に効果が出るような、そういう指導をしていきました。

それが、ノヴァ・ヴォーチェは今年限りということになって、とても残念だったけれど、これまで自分がお伝えしてきたことが、少しは役に立ったろうかと、思える演奏だったように思います。

最後の演奏会のあと、翌日の本番のためにみなとみらいから中目黒にフォンス・フローリスの通しリハに向かいました。雨が降っていました。

多分ですが、ノヴァ・ヴォーチェの打ち上げに出れなかったのは最後にして初めてだったんじゃないかな。

もう、ちょっと本番で燃え尽きてしまって、フォンスの方ではあまり歌えずご迷惑をおかけしました。

そのあたりからちょっとおかしいなと思っていたのですが、その夜ザッパーって喉に炎症がきまして、あ、これはあかん、明日目が覚めへんかもしれん、とか思いながら寝ると、翌朝には炎症は引いていました。


日曜、この日はフォンスの本番のあと、アラミレのリハーサルの予定でしたが、アラミレの方はお休みさせていただきました。申し訳ない。

痩せてる人って、風邪をひくとやたら心配されるので、というか心配されるだけならいいけど信頼を失いかねないので、おいそれと風邪もひけないんですが、やっぱりどんなに気をつけていてもダメなときはダメですね。

一応言い訳しておくと、風邪ひいたのは去年の4月、サリクスの本番以来です・・あの時は死ぬかと思った。ああ、言い訳がましい。

でも本番はトバすわけにいかないので、俺の情熱でウィルス燃やし尽くす気合で本番は歌いました。なんとか声は出ましたが、頭がグラグラしてて何箇所か間違えました。申し訳ない・・。

しかし今回の演奏会、今までで一番説得力のある演奏だったんではないでしょうか。

長年の積み重ねが実を結びつつあるなと実感しました。

めっちゃ声出てましたね、出過ぎなくらい笑。

今後はいかに繊細にコントロールしていくかという方向にシフトしていければと思っています。


というわけで各方面にご迷惑をおかけいたしましたが、もう大丈夫と思います。かなり回復してきました。

9月はアラミレの本番、原村での本番それからサリクスのサポート会員締切、10月のワークショップの準備と、めちゃくちゃ忙しいので、早く全快したいと思います。

さらに会員特典CD制作、昨年のEnsemble SalicusレクチャーコンサートのライブCD、それからロンT制作もあって目が回ってます。(嗚呼健嗣さんほんとこきつかってごめんなさい)


皆さんにお願いです。

Salicus Kammerchorはサポート会員様のご支援で活動が成立しています。特に来年は積年の夢であるCD制作を控え、この9月末締切の2018-19年シーズンの会員募集はいつにも増して重要なのです。

SNS等騒がしくなりますが、どうぞご容赦ください。また情報拡散にご協力いただけると本当に助かります。どうぞよろしくお願いいたします。

 

カペラ・カテドラル公演終演→ヴォクスマーナ公演明日

昨日、ヴォーカル・アンサンブル カペラ20周年記念演奏会1、カテドラル公演が終演致しました。

ご来場くださった皆様、誠にありがとうございました。

最高の環境のもと、少なくとも自分にとっては、やれることをすべてやれたと思います。終わってホッと一安心です。

今回後半にソリが4曲あって、そのうちの1曲は長大なアニュスのデュオで、かなりブドウ糖を消費するプログラムでした。

由比ガ浜公演では休憩中の糖分摂取が不十分だったようで、ミスが出たところもありましたが、カテドラル公演では反省を活かし、存分に糖分摂取を行い、ノーミスで演奏することが出来ました。

血糖値、大事。

物販も好評だったようで、マグカップもTシャツもほとんど売り切れたそうです。ありがたいことです。

(ちなみにサリクスもTシャツ売ってますのでご興味のある方はコチラをどうぞ。ステマ笑)

カペラは今度は10月3日、パレストリーナの超有名曲、教皇マルチェッロのミサを演奏します。なんと20年の歴史でパレストリーナを演奏するのは初めてだそうです!

なんというかこう、聴衆に媚びない頑なさみたいなものも感じますが笑、ついに解禁、といったところでしょうか。今回のメンバーに、青木洋也さん、谷本喜基くんを加えた豪華な編成で、またカテドラルで演奏させていただきます。

こちらもどうぞよろしくお願いいたします。

本番前のメンバーの様子↓

叙唱の練習をする研一郎とプログラムを朗読するトミー↑

それぞれのやり方で集中力を高めるメンバー↑


さて、ほっとする間もなく明日はヴォクスマーナの公演です。

今日最後のリハーサルを終えました。

↑今日のリハーサル会場近くの川

↑川沿いにあるためか、総コンクリートの神社

ヴォクスマーナもカペラ同様20周年、20年前というと私は若干10歳。失楽園、鉄道員、少年Hがベストセラー、ハイパーヨーヨーがヒットし、サッカー日本代表がジョホールバルの奇跡でワールドカップ出場を決めた年だそうです。

凄い。。20年って凄い。。。

今回は4曲全てにオンステします。全ステージオンステは通常の定期公演では初めてかもしれません。

ここでしか得ることの出来ないものを、感じ、考えられる機会になると思います。

チケットお申込みはぜひ私の方までお願いいたします。

 

ヴォクスマーナ第38回定期演奏会

2017年7月20日(木)19:00開演
東京文化会館小ホール

一般3,000円(当日3,500円)、大学生1,500円、高校生以下1,000円

山根明季子(b.1982)/ 水玉コレクションNo.15 (2012委嘱作品・再演)
横島 浩(b.1961)/ Interval Ⅱ「泣いてみたくなった ~“I felt like crying”」(2013委嘱作品・再演)
大胡 恵(b.1979)/ ずっと月がキレイ (委嘱新作・初演)
近藤 譲(b.1947)/ 嗟嘆(といき)(委嘱新作・初演)  詩:ステファンヌ・マラルメ 訳:上田敏
伊左治直(b.1968)/ 或る日の手紙(2013・アンコールピース7委嘱作品・再演)  詩:新美桂子

 

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Salicus Kammerchor

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公演情報更新しました!

次回公演は10月18日、Ensemble Salicusのデビューコンサートです!

http://www.salicuskammerchor.com/concert

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DVD発売中!

第2回定期演奏会のDVDをウェブ販売しております!

http://www.salicuskammerchor.com/goods

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サリクス通信に古楽演奏家 花井哲郎とヴォイスパフォーマー 徳久ウィリアムが登場!

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ノヴァ・ヴォーチェ第7回演奏会終演

本日、合唱指導に加わらせていただいている、ノヴァ・ヴォーチェの公演が終演いたしました。

ご来場くださった皆様、誠にありがとうございました。

ノヴァ・ヴォーチェは8年前の創団以来お手伝いさせていただいているのですが、今年はテノールパートを初めて一緒に歌わせていただきました。

昨年はメンデルスゾーン版のマタイ受難曲を演奏したりと、とてもおもしろい経験をさせていただいています。

この曲についてはこちらに記事を書いています→メンデルスゾーン版マタイ受難曲

今年の曲目はメンデルスゾーンの未完のオラトリオ「キリスト」と「賛歌」でした。ノヴァ・ヴォーチェはこれで「パウロ」「エリア」「キリスト」のメンデルスゾーンの3つのオラトリオを全て演奏しました。

今回はサリクスでも歌ってくれている小池くん、それから古楽科の後輩の小林さんがソリストに加わっていて、頼もしく演奏を聞かせていただきました。


メンデルスゾーンしばりは今年で一区切りで、来年はミヒャエル・ハイドンのレクイエムとモーツァルトの孤児院ミサを演奏することになっています。

急に古典派ですが、また一緒に勉強させていただく機会をいただきました。楽しみです。

写真は打ち上げ会場の扉に貼ってあった看板です。

メンバーの方が描かれたそうです。

素敵!

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メモリアルイヤー | イザーク&モンテヴェルディ

メモリアルイヤー | イザーク&モンテヴェルディ

今日はカペラで3月のモンテヴェルディ公演と、2/27のイザークの振替公演のリハでした。

「2人の共通点は?」

「せーの!」

「ゼクエンツ!!!」

はい。そうですね。2人とも大変なゼクエンツフェチです。

特に今回演奏する2曲のミサではその傾向が強いです。

イザークのミサ「カン・ジェ・オ・クール」モンテヴェルディ「イン・イッロ・テンポレ」

ゼクエンツの展覧会のような曲です。

しかしまぁほんとに2曲とも強烈に個性的です。


イザークはいつものメンバー8人と司祭役の渡辺研一郎の9人で演奏します。

以下のメンバーです。(今日は根岸さんはお休みでした)


いつも自分で写真を撮っているので自分が被写体になることがほぼないのですが、今日はかぶちゃんに撮ってもらいました。上手いなあさすが。

モンテヴェルディは6声なので、これに以下の3人が加わります。


(トミーの顔がいつにも増してデカく見えますが、遠近法です。念のため)

ただでさえ華やかなモンテヴェルディの音楽ですが、12人編成で更にきらびやかなサウンドとなっております。

アンセルモ、カテドラルと、どちらも非常ーーーーに素晴らしい音響の教会で演奏します。

今からとても楽しみです。



夜は古楽道場×計歌会で別のイザークのミサをリハーサルしました。

Missa”Virgo prudentissima ”

こちらは6声のミサです。今年はほんとにイザークいっぱい演奏します。カペラ2/27、サリクス4/22・27、アラミレ9/24、道場×計歌会11/23、それから古楽院でもイザークを取り上げます。

今までの人生の中でこんなにイザークばっかり演奏する年はなかったし、これからも多分こんな年はもう来ないでしょう。

何しろ没後500年ですから。

盛り上げていきますよー!これを機会にイザークの知名度をガッと上げていきましょう!

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Salicus Kammerchor第3回定期演奏会

『J. S. バッハのモテット全曲演奏シリーズvol. 3 〜詩編モテットと葬送モテット〜』

チケット発売中!

http://www.salicuskammerchor.com/concert

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Salicus Kammerchor主催第3回ワークショップ

参加者募集中!

http://www.salicuskammerchor.com/workshop

ご好評いただいておりますサリクスのワークショップです。毎回早い段階で応募上限に達しております。

お申込みはどうぞお早めにお願いいたします。

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イザークイヤー開幕に向けて

カペラのリハーサルが始まりました。

来年はイザークの没後500年のメモリアルイヤーで、世界各地でイザークフェスティバルが行われません。

行われるのは僕の心の中でだけです。

イザーク、好きなんですよねー。なぜか肌に合うんですよねー。

1月のカペラで演奏するミサは、イザークイヤーの開幕に相応しい素晴らしく奇想天外摩訶不思議出前迅速落書無用な曲です。

カペラは大体、初回のリハーサルで楽譜が配られて、初見大会が行われるのですが、これがあっし好きでがしてね。知らない音楽が楽譜からふわーっと溢れ出して、楽譜の謎を一つ一つ解きながら音にしていく、というのがえも言われぬ快感でありんす。

イザークって、職人気質で、言われた通りにちゃんと書いて、律儀できっちりしたイメージがありますが、意外とお茶目なところとか、いたずらっぽいところ、シュールなジワジワ系の味わいとかあったりします。

ミファーミファーミファミファーミファミファミファーみたいな、おいおいマジかよなんてシツコイんだ!とか

ゼクエンツといって同じ音形で順次上がっていったりするセクションをやたら長く続けたりして、あーっ恥ずかしい!とてつもなく恥ずかしい!恥ずかしいけどそれが気持ちいい!

という変態的な感覚をくすぐられる部分があったりします。

今回のミサはそんなイザークの面白さがここぞ、というところに現れていて、秀逸です。


例えば見た目で面白さが伝わるのは、


名付けて「ジッパーの音形」です。

img_4837

このように音符をくっつけて書くことを「リガトゥーラ」といいますが、リガトゥーラの元となったのは、グレゴリオ聖歌のネウマなんですね。

もしこれの元になったネウマを名前で呼ぶなら、「ポレクトゥスフレクススレスピヌスフレクススレスピヌスフレクススレスピヌス」ということになるのでしょう。最っ高に面白いですよね!

(この面白さがわかりたい方は、是非フォンスフローリス古楽院のグレゴリオ聖歌入門を受講下さい。詳細はコチラ

続きまして、


二度上がって四度下がる、を4回繰り返した末にオクターブ跳躍してロンガで順次進行!おもろい。


溢れ出す「谷」感。


あとこのミサにはカノンが沢山あります。カノンというのは現代ではカエルの歌みたいな、追いかけっこのことを言いますが、もともとは、演奏に際しての但し書き、あるいはモットーのようなものでした。

img_4833

例えばこれは”fuga in diapente pausando unum tempus”「五度下で、1テンプス(1ブレヴィス)休んでフーガ(追いかけること)せよ」


これは”fuga in diatesseront pausando unum tempus”「四度下で、1テンプス(1ブレヴィス分)休んでフーガ(追いかけること)せよ」


そしてこれは、”Qui me barritonare cupit in decimis intonabit”「10度の音程でバリトナーレすること」とでも訳すんでしょうか。ソプラノの10度下で、ずーっと平行でバスが歌います。これ、このミサのいっとう最後の部分、第2アーニュスです。これでこのミサおしまいです。

最早パンクですね、反骨精神すら感じます。

4度、5度のカノンはよく見ますが、10度で平行せよ、というのは初めて見ました。

オモロイやないか。イザークさん。

このミサの他に、イザークの代表作、コラーリス・コンスタンティヌスより固有唱を歌い、そこにない固有唱(GradualeとOffertorium)をグレゴリオ聖歌で歌います。そして最後に、モテットを1曲歌う予定です。

いやー楽しみですねーイザークイヤー!


演奏会詳細はコチラ

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演奏動画公開中!

Heinrich Schütz “Musikalische Exequien” op. 7 III. Canticum Simeonis / Salicus Kammerchor

Ensemble Salicus : Gregorian chant from “Proprium in ascensione Domini” / “Ordinarium missae I”

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主宰団体Salicus Kammerchorホームページはコチラ

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