私の為に死んで下さい

本日のカンタータ練習における、副演奏委員長の発言です。

Kyrie eleisonと呼びかけることは、つまりそういうことなのだと。
それ言われちゃうとね、ざっくりとした練習になっちゃいますね。細かいテクニカルなこととは全然違う次元の話なので。
でも、それが無いと何も始まらないので、取り繕うような練習をするよりはるかに実りのある練習になると思います。
順序というか、目的と手段をはき違えないことはとても大事なことです。
根幹をしかと見据え、枝葉を枝葉として捉えること。
テクニックは音楽の為にあるのであってその逆は有り得ないのです。
そういう意味で、日本の音楽教育は根本からひどい勘違いをしていると思います。
そしてそれは音楽に限ったことではないと思います。
目的の前に手段を与えて何になるでしょう。テクニックの為に身につけたテクニックは、表現の邪魔になるだけです。
僕が何年もかけて身につけたテクニックは、脱ぎ去らなければならないうわべのテクニックでした。
それは今や音楽から自由を奪う枷となっています。
それらが無駄だったとは言いません。良い反面教師でした。
自分が何の為に音楽をしているのか、考えた事もない人が多いように思います。

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サリクスの今後

先日第一回演奏会を終えた、Salicus Kammerchorですが、次回公演は来年5月を予定しています。

今日は母校にてその選曲の下調べをしてきました。
なんだかんだ言って選曲超楽しいです(笑)。

今後の大まかな展開妄想ですが、
第一回でSinget dem Herrnを演奏しましたので、
次回はFuerchte dich nichtとKomm, Jesuを中心としたプログラム、
第三回はLobet dem HerrnとDer Geist hilft、
第四回でJesu meine Freudeを演奏し、
第五回でバッハのモテット、全曲演奏会をしようと思っています(あくまで妄想です)。

という訳で、今日はFuerchte dich nichtとKomm, Jesuを中心としたプログラムを考えるべく、資料集めをしてまいりました。
この2曲は追悼式で演奏されたのではないかと考えられているので(確証はありませんが)、それにちなんで、「死、葬儀、追悼式」にまつわるプログラムにしようかと思っています(まだ妄想段階です)。

前回の演奏会で打ち出したこの団体のコンセプト「グレゴリオ聖歌からバッハを捉えなおす」はそのままですが、曲のテーマが全然違いますので、前回の演奏会とはずいぶん趣の異なったものになると思います。ご期待ください。

死にまつわる音楽作品、という視点で選曲していると、ハインリヒ・シュッツという人にはこのテーマに即した作品が数多くあることに気づかされました。
まずはロイス=ゲーラ伯ハインリヒ2世の葬儀のために書かれた「音楽による葬儀 Musicalische Exequien」があります。これはブラームスのドイツレクイエムのさきがけとも言える大作で、全て演奏すると30分ほどかかります。
https://www.youtube.com/watch?v=_Gd1DqDUC2U

他に、彼の近しい人物の死に際して作曲されたモテットが複数残っています。その中にはヨハン・ヘルマン・シャインが死の間際にシュッツに依頼した、「それは確かな信頼Das ist je gewisslich wahr」も含まれています。

あまりネタバレしても後々つまらないので、今回はこのくらいにしておきます。

今後のサリクスにご期待ください!


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八咫烏【何言ってんだお前、の話】

藝大の同期のトミーに誘われて、男声アンサンブルの団体に所属しています。
八咫烏はヤタガラスと読みます。日本神話に出てくる3本足のカラスだそうです。

詳しくはウィキペディア先生を参照
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AB%E5%92%AB%E7%83%8F

こんな感じ

勘のいい方はお気づきでしょう。そうです。これです。

八咫烏は、純正調を学んだトミーが、それを男声合唱で実践するために集めたトミー含め8人で構成されています。メンバーが八人なので八咫烏です。

メンバーがほんとに猛者ぞろいで、何にもしなくても凄い音がするのですが、がっちり純正にコントロールできた時の音はなかなか他では得ることのできない響がしています。

まあ男8人が集まっていればだいたい想像のつくと思いますが、下ネタしか話しません。ほんと男ってしょうもないですよね。今日もメンバーのどうしょうもない性癖について真剣に話し合っていました。その結果メンバーの内二人は意見が一致しましたが他のメンバーからは、「何言ってんだお前」状態でした。

スゴイ楽です。女性の皆さん、男は凄い遠慮して生きているんですよ。下ネタ言いたいのすんごい我慢してるんですよ!ほっといたら会話のほとんどは下ネタになるところを我慢して我慢して1割くらいに抑えているのです!

どうでもいいですね。すみません。

何言ってんだ俺。。。


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カペラ・コントラポント【楽譜の問題】

今日は午後はカペラ、夜はコントラポントの練習でした。

コントラポントは6/22(月)

http://www.fonsfloris.com/c/

カペラは海の日7/20(月)

http://www.cappellajp.com/topics/index.html

にコンサートがあります。

それぞれの演奏会詳細はリンク先のホームページをご覧ください。

古楽を演奏する際は、多かれ少なかれ必ずぶつかる問題として、使用楽譜の問題があります。

一般に、演奏する作品が古くなればなるほど、つきまとう問題は増えるように思います。

例えば前回のブログに書いたドラランドなど盛期バロックの楽譜は、手書きで見にくいということはあっても、記譜法自体は現代の記譜法となんら変わりがないので、楽譜の読める方なら解読可能です。コントラポントは基本的にバロック時代の作品をレパートリーとしています。今はモンテヴェルディのヴェスプロですが、この曲の場合そういう問題でないところに問題があります(笑)。

ところが時代を遡ってカペラがレパートリーとしているルネサンス期あたりになりますと、かなり事情が変わってきます。

まずスコアがありません(笑)。この時代あったのは、パートブックとコワイヤブックと呼ばれるものです。

パートブックというのは、いわゆるパート譜状のものが、テノールならテノール、ソプラノならソプラノで1冊にまとまっているものです。

こんなかんじ

{EFC9DE1C-58C1-46AD-81D2-F29870681222:01}

これでも演奏できることはできるのですが、何しろ誰にも全体像が分からない状態(スコアがないので)でリハーサルをするのはかなり難しいです。

そこでカペラでは通常コワイヤブックを用いて演奏します。

これは1枚の大きな楽譜に、左上にソプラノ、左下にテノール、右上にアルト、右下にバスを記載した楽譜です。

{DC34DC16-B1C1-472C-9502-A31069F7C25C:01}

演奏者は全員、この1枚の大きな楽譜を見て歌います。スコアのように、同時に鳴っている音を瞬時に判別はできませんが、慣れてくると、どのパートが何をやっているか、なんとなーく分かるようになってきます。(もう7年くらいこの楽譜で演奏していますが、まだそんなレベルですみません)

ですので、全体を把握して歌う為には、かなりの割合で、「聴いて覚える」という作業に依らなければなりません。ここの所が、コワイヤブックで演奏する際のメリットであり、デメリットであると思います。

パートブックとコワイヤブックの説明にえれー文字数使ってしまった…。

この二種類がこの時代に存在した楽譜なのですが、曲によってはパートブックしか残っていないものもあります。

そんな時は、諦めてパートブックで演奏するか、パートブックをそのまま超拡大して無理やりコワイヤブック状にして使うということも考えられますが、一番快適なのは、パートブックを切り貼りして、捏造コワイヤブックを作るということです。

こんなかんじ

{40B308E0-C2EF-42B6-BAA5-DA35CDE37394:01}

今カペラでは、僕がこの作業を担当しているのですが、これ、意外と難しいんです。

しかもこの難しさって、なかなか伝わらないんです(笑)

難しさを説明するのが難しいんです(笑)

ちょっとその難題に挑戦してみましょう。

今回扱う曲は7声です。まず、A4を横に使ったパート譜が7つあります。Superius, Altus, Tenor, Bassus, Quintus, Sextus, Septimusです。パートによって休符多いパートもありますので、段の数はまちまちです。

それを、A3用紙に収まるように並べていきます。高度な空間処理能力が求められることがおわかりでしょう。
七つのパートをA3に入れるので、左側に4つのパート、右側に3つのパートです。とうぜん左はギッチギチ、右はスッカスカになります。ただし、一番下のパート(テノールかバス)には、ワープを使うことが許されていて、ワープ記号を書くと、同じ見開きの右から左、あるいは左から右にワープできます。

写真では、左下のテノールが、右下へワープ!

{185E01DB-043D-4217-99A8-4D8C0E135684:01}

ね!もう既に難しいでしょ!難しさが難しいでしょ!

1曲はもちろん1枚には収まらないので、曲の途中でページをまたがなければなりません。みんなが同じ楽譜を見ているのでめくるタイミングは同時でなければなりません。かなり頻繁にシンコペーションが起こっているので、同時にめくれるタイミングを見つけるのは結構手間です。

あとはクレフの問題。段の初めには必ず音部記号を付けなければならないのですが、A4横をA4縦に入れるわけですから段が倍くらいになります。つまりクレフも倍必要ということなので、クレフのために原本をコピーして、クレフのストックを作ります。それを新しくできた段の最初のところに、ずれないようにぴったり貼ります。万が一一段ずれてクレフを貼っちゃった場合大惨事!そのパートは3度ずれて歌っちゃいます!

あと、歌詞が必ずしも音符の真下に書いてあるとは限らないので、切って貼った時に、右の歌詞と左の歌詞ががっちゃんこするときがあります。そういう時はどっちかを諦めて、別のところに、しかもわかりやすいところに書き直さなければなりません。

{592E261D-5C66-47A7-834F-B7984B48B374:01}

そういった作業の後、クストスを全部の段につけ直したら完成です。

はじめから綿密な計画のもと作業しているわけではないので、いつも出来はいびつで恥ずかしい仕上がりです。(泣)今度の演奏会では、そんな人知れぬ努力の賜物である楽譜を使用しています。

ちょっといびつな楽譜を見かけたら、そんな努力の跡を垣間見ていただけると嬉しいです(笑)。


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グラン・モテの系譜

いつもお世話になっている合唱団フォンス・フローリスが8月2日に演奏会を行います。

詳細は以下
http://www.fonsfloris.com/choeur/

曲目は、カンプラ、ドラランド、デュモン、モンドンヴィルのグラン・モテと、普段クラシックを生業としている人にとっても馴染みの薄い作曲家の作品ばかりですが、どの作品もほんとびっくりするくらい名曲です。

モンドンヴィルのDe profundisとかほんと凄いですよ。
https://www.youtube.com/watch?v=gtXBqXCZXv4

今日は、この演奏会で使用する未出版の作品のパート譜づくりに一日を費やしました。

出版譜がないということは、手稿譜を見ながら練習しているという事です。アルトとテノールは音記号、バリトンはバリトン記号です。しかも歌詞は特に見づらい!

ほんと皆さん凄いです。
多分合唱はこのままこの楽譜で演奏しますが、ソリストの方と、器楽の方のために僕が楽譜を作ることになりました。

サリクスのために大枚はたいてフィナーレを購入したので、使う機会があることがあるのは嬉しいことなのですが、想像していた以上に楽譜の枚数が多い!曲が長い!流石グラン・モテ!
グランやわあ!

100ページ以上あるのですがまだ50ページくらいしか打ててません。
やべーブログ書いてる場合じゃねえ。。。。。

ということで、苦労して楽譜作ってますので、皆様是非演奏も聴きにいらしてください!

今日はこういう仕事もしてますよ!という紹介でした。


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