シュトゥットガルト室内合唱団

神奈川県立音楽堂に聴きに行きました。

{0622D21D-8CF0-4D54-B2AC-633A3E396DF4:01}

このホールは僕が初めて関東で演奏会に来たホールで、その時はうちの伯母、櫻井真樹子が、一柳慧や野村万作らと新作演劇を企画したもので、こんなアヴァンギャルドな企画でこれだけ人が入るのかー東京すげー(神奈川だけど)と思ったのでした。

伯母については以下のサイトを参照
さて、シュトゥットガルトですが、期待した通りの音がしてました。
とても心地よく、いつまでも聴いていられるような音響でした。
ベルニウスの指揮は意外ととっ散らかっていて、よくこれでアンサンブルが成り立つなぁと感心し、非常に好感が持てました。
演奏以上に印象に残ったのは、聴きに来ていたお客さんでした。
ひと席も残ってないんじゃないかというような満員だったのですが、同じ声楽アンサンブルの演奏会なのに、私たちの演奏会の客層とはまるで違うのです。
知り合いに全然会わないし、若者は多いし。
古楽もこういう人たちを取り込んでいかないとなぁと思いました。
合唱界ではルネサンスものといえば、合唱団の基礎力を向上させる為の教材のように捉えられています。
つまり鍵盤弾きがバッハのインベンションを弾かされてバッハを嫌いになるようなものです。
ブラームスとシューベルト、武満徹と三善晃の差のように、ラインベルガーとイザークを感じてくれるように、活動していかなければならないんだと思います。
ロマン派以降は楽しむもの、バロック以前はお勉強するもの、こういうイメージを払拭するだけの、楽しめる古楽演奏をしていきたいです。


主宰団体Saclicus Kammerchorのホームページはコチラ

演奏動画はコチラ

特典充実!

2016-17年シーズンサポート会員募集中!

――・――・――・――・――

櫻井元希へのお仕事のご依頼は以下のフォームよりお問い合わせください。

発声・歌唱指導、合唱指導等承っています。

詳細はコチラをごらんください。

h-Moll!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

カンタータクラブでは今年度の定期演奏会でなんとミサ曲ロ短調を全曲演奏する。

{C6FBC48F-ECF5-4DCF-A201-004573F8267E:01}
口にするだに恐ろしいが、決まってしまったものは仕方がない。

 


 


この、あらゆる音楽作品の中で最も偉大な遺産に挑むことができるのは、本当に有難いことなのだが、相応の危機感と覚悟を持って事に当たらなければならない。

 


 


だがしかし!メンバーが足りない!いるメンバーが来ない!

ということで毎週の練習に頭を悩ませている。先週などは、オーボエ×2、ファゴット×2、ヴィオラ×1というナンジャソラー!な編成であった。

 


 


そんなわけで今朝こんな夢を見た。

 


 


練習に行ったらなんと弦が10人くらいいて(そもそもそんなに分母がいない)、ラッパも3人揃っていたのだ(そもそもそんなに分母がいない)。

意気揚々と楽譜を開いて練習を始めようとするのだが、どれだけ楽譜をめくっても、見覚えのないドイツ語テキストの曲ばかりで練習すべき曲が全く見つからない。

 


 


まさかと思って表紙を見るとそこには、

「聖霊降臨祭オラトリオ」

 


 


……。

 


 


 


ナンジャソラーーーー!

 


 


 


というわけで、夢に出るほどカンタータクラブでは部員を求めております!

芸大生諸君!

やろうぜ!h-Moll!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

主宰団体Saclicus Kammerchorのホームページはコチラ

演奏動画はコチラ

特典充実!

2016-17年シーズンサポート会員募集中!

――・――・――・――・――

櫻井元希へのお仕事のご依頼は以下のフォームよりお問い合わせください。

発声・歌唱指導、合唱指導等承っています。

詳細はコチラをごらんください。

サリクス

さて、ブログを再開するに当たって真っ先に書かなければならないことがある。

先日5/25に、僕が主催するSalicus Kammerchorの旗揚げ公演があった。
{FA4AEBDA-D34C-4F8F-8EEC-1F6818A2D946:01}
{6CE830E9-A583-4D8F-8254-8047B46E9768:01}
グレゴリオ聖歌の歌唱法をバッハの演奏に活かそうという大それたコンセプトで始めた団体だ。
どういうことかという具体的説明はサリクスのFacebookページに、演奏会当日プログラムの一部をアップしているのでそちらをご覧になっていただきたい。
何しろ主催公演というものが初めてだったものだから、予算をたてるところから、会場をとることから、メンバー集めからプログラム構成やら楽譜の準備やらなんやらかんやらで、本当にすんごい大変だった。
生来の忘れっぽさを発揮して何一つタスクを覚えていられない僕を助けてくれたスタッフのH野さんには感謝が尽きない。
ほんとに僕は抜けまくってるポンコツなので、メンバーにも沢山迷惑を掛けた。
曲も差し替えがあったし、リハが始まってから楽譜が使い物にならないことが発覚したり、なんか中途半端な終わり方だなーと思ってた曲にSecunda parsがあったりもうしっちゃかめっちゃか。
だから今回何より自分を信用しないということを学んだと思う。
予算の見立ても甘く、大赤字を出して、妻にも多大なる心の負担をかけた。
こういう活動は食えないってことはわかってるつもりだったが、それでもこれ程までとは思わなかった。また、赤字を出すことで主催者がどういう精神状態になるのかということもわかった。
使う者と使われる者、両者の気持ちがわかることで、きっとこれから仕事の仕方が変わってくるだろう。
親の心子知らず
閑話休題
僕はこの団体の試みが世界初の試みだと思っているし、この団体は世界で唯一のコンセプトを持った団体だと思っている。違ったら教えてください。
だから赤字を出しても続けなきゃいけないのだけれど、毎年この赤字ではどうにもならない。その為に今真面目にバイトを探そうと思っている。何かいいバイトをご存知の方は教えてください。
さて、演奏に関してだが、それはそれは惨憺たるものだった。何しろ事故が多すぎる。縦も横もメッタメタにズレまくっていたし、本当に聞き苦しい限りであったと思う。
それは僕の指揮とリハーサルが悪かったからで、メンバーには何の責任もない。
でも、僕はそれでもいい演奏会だったと心から思っている。
{C45254F0-DAB8-4838-8F6C-0CC414599741:01}
いい演奏とは何か。
僕はこの世に善悪が存在しないように、はっきり言って音楽にいいも悪いもないと思っている。
あるのは、「音楽か、音」だと思う。だから音楽があればいい演奏だし、それがなければただの音を聞いたなぁというそれだけの感想になるのだと思う。
音は道具になりうる、でも音楽はそうじゃない。モノが所有モードに属するのに対し、モノの存在が所有モードに属さないように。つまり音と音楽の関係は、オンティッシュとオントロギッシュの関係に似ている。
そういう意味で、オンティッシュな発想から言えば僕たちの演奏はズタズタだったが、オントロギッシュな発想から言えば、捨てたもんじゃなかったと思う。
理屈っぽくなってしまったが、早い話が「音程も何もかもグチャグチャでも、最高に感動的な演奏もあるし、音程も何もかも完璧でもなんにも感じない演奏もある」ということだ。
「綺麗だった」は音楽家に対する最大級の侮蔑の言葉だ。
小林道夫の名言に、
「崩壊寸前で楽しみましょう」
というものがある。
僕はそれをリハーサルで引用してみんなをステージに送り出したら、みんなはまるでその通りの演奏をしてくれた。
笑い話のようだが、こんな誇らしいことはない。
コンサートに関わって下さった全ての皆様に御礼が言いたい。
御礼はこちらにも書いたので、こちらもご覧になっていただきたい。
終演後、お客様に「感動して涙が出た」と言われた。
これって実は宗教音楽の演奏会ではあまり耳にしない言葉ではないだろうか。
僕は本当に嬉しい。
{533A493D-6769-4A95-8B0C-9D1A94AB6DEA:01}

終演後の楽屋にて


主宰団体Saclicus Kammerchorのホームページはコチラ

演奏動画はコチラ

特典充実!

2016-17年シーズンサポート会員募集中!

――・――・――・――・――

櫻井元希へのお仕事のご依頼は以下のフォームよりお問い合わせください。

発声・歌唱指導、合唱指導等承っています。

詳細はコチラをごらんください。

再開!

このブログには、下書き機能というのがあって、下書きを保存出来ます。それがいいのか悪いのか、考えがまとまらなかったりすると、保存してそのままになっちゃうんですよね。

そうやって公開されることなく下書きのままになってる文章がいくつかあって、これじゃ日記じゃん!って感じです。
でも公開しないとブログになんないので、考えがまとまらなくても公開することにします。

ブログ再開します!


主宰団体Saclicus Kammerchorのホームページはコチラ

演奏動画はコチラ

特典充実!

2016-17年シーズンサポート会員募集中!

――・――・――・――・――

櫻井元希へのお仕事のご依頼は以下のフォームよりお問い合わせください。

発声・歌唱指導、合唱指導等承っています。

詳細はコチラをごらんください。

カペラ

僕の所属している、ヴォーカル・アンサンブル カペラが、演奏動画を公開しました。

演奏しているのは、グレゴリオ聖歌のSalve Regeinaと、

それをもとにしたジョスカンの4声のSalve Reginaです。

どちらも、5/1の演奏会のリハーサル時間を利用してほぼ一発撮りで撮ったので、粗はありますが(僕も一カ所派手に間違えてます)カペラを一度も聴いたことのない方に、カペラの雰囲気を感じていただくには十分な動画になっていると思います。

ちなみにこれを撮影、編集してくれたのは、友人の新村氏が代表を務める、LEIBNIZ RECORDです。

今、世界には、ルネサンス音楽を演奏するにあたって大きく二つの潮流が存在するように思います。
ひとつは、「楽譜通りに演奏すれば、それだけで素晴らしい音楽になる」という立場、
もう一つは、「楽譜通りに演奏したって、それじゃあなんにもならない」という立場。

バロックの世界では、前者の立場は40年以上前に第一線から姿を消したように思います。
前者の立場とは、楽譜にフォルテもピアノも書いてないんだから、フォルテでもピアノでも演奏しないし、クレッシェンドもディミヌエンドも書いてないんだから、しない。という立場です。

バロック音楽ではそうですが、ルネサンス音楽ではどうでしょうか?

僕の認識する限り、前者の考え方が支配的だと思います。
多く合唱団がルネサンス音楽を演奏するのは、「基本だから」「粗が目立つから合唱団の基礎力を育成、披露するのに都合がいいから」だと思います。
だからコンクールの課題曲にもなるし、演奏会でも(大抵最初の方に)ちょろっと演奏します。

もとは音程を追求するグループであったイギリスのグループの影響が未だに大きく、音程とタイミング、つまり縦と横を揃えただけの演奏をよく聴きます。

グレゴリオ聖歌についても同じことが言えると思います。

誰でも、クラシック音楽をやっている人ならば、西洋音楽の基礎がグレゴリオ聖歌であることは知っていますが、なぜかそれを学ぼうとはしません。
まあこれに関してはグレゴリオ聖歌を教えられる人が少ないということに最も大きな原因があると思いますが。

そんな人にとって、カペラの活動が、何かきっかけになればいいなと思います。

「命の息吹としての歌=音楽」のようなものが感じられなければ、それは、もう音楽じゃないよ。
友人の合唱仲間が「音楽を聴いて感動したことが無い」と言っていたけれど、とても寂しいことだと思います。だけど僕自身もそうです。音楽を聴いて感動するようなことは、まあ滅多にないです。何年に1回とかいう頻度だと思います。

本当に音楽だけ見つめて、音楽の傍にいようと努力し続けている音楽家は少ないと思います。

「取り繕うような練習は、かえって遠回りだよ」
小林先生の言葉ですが、その通りだと思います。
本質を本質として捉え、枝葉を枝葉として扱うということ。
初心忘るべからずといいますが、音楽家にとっての初心とは、グレゴリオ聖歌に代表される、単旋律歌の精神だと思います。


主宰団体Saclicus Kammerchorのホームページはコチラ

演奏動画はコチラ

特典充実!

2016-17年シーズンサポート会員募集中!

――・――・――・――・――

櫻井元希へのお仕事のご依頼は以下のフォームよりお問い合わせください。

発声・歌唱指導、合唱指導等承っています。

詳細はコチラをごらんください。