Pulchra ut luna electa ut sol

今日は午後カペラ、夜計歌会×道場でした。

カペラは今日も新曲がありました。ジョスカンのVirgo prudentissimaです。

そう。このブログを見てくださっている方にはお馴染みですね。ですか?ですよね!

今このブログを「Virgo prudentissima」で検索すると6件ヒットしました。今年1月からですから、月に1回は書いてることになりますね。

イザークとモンテヴェルディ

メモリアルイヤー | イザーク&モンテヴェルディ

イザーク | 鼻血

モンテヴェルディ→ジョスカン→イザーク

コンテンポラリー→ルネサンス 再び

ジョスカンとイザーク

そして改めてこのブログ読み返してみて、キモイですね!ひきました笑

マニアック過ぎ。誰が読むんだ笑

もっと美味そうなランチプレートとか載せてアクセス数を稼ぐんだオレ!


とりあえず写真フォルダにあった一番美味そうなものの写真↑(広島ラーメン)


さて、本題はここからです。

Virgo prudentissimaはカペラでイザークのモテット、ジョスカンのモテットを演奏します。

そして計歌会×道場ではこのグレゴリオ聖歌を定旋律としたMissa “Virgo prudentissima”を演奏します。

つまり都合3曲同じ定旋律をもとにした作品を同時進行でリハーサルしている訳ですが、こと3曲には定旋律以外に共通した特徴があります。

タイトルのPulchra ut luna electa ut sol(月のように美しく、太陽のように選ばれた)は、Virgo prudentissimaの最後のテキストなのですが、この最後の部分に用いられたモチーフが共通しているのです。

コンテンポラリー→ルネサンス 再び

でも書きましたが、この最後のテキスト「ut sol」はソルミゼーションでいうところの「ド ソ」に対応します。

そこでこのドソがまるで階名唱をしているかのようにしつこく繰り返されるというのが共通するモチーフなのです。

イザークのモテットの場合


ドソド!ドソド!ドソド!ドソド!

これは非常ーにしつこいですね。しかもこれは半拍遅れの同度カノンで2パートによって繰り返されます。

そしてイザークのミサの中のサンクトゥスの場合(曲の最後で定旋律がelecta ut solを歌う部分)。


先程よりは多少控えめですね。1段目と3段目にこのモチーフが見られます。この場合はミサのテキストで歌われますので、階名唱にはなりません。そういった意味でも暗喩的な感じですね。

というかこっちの方が気になりますよね!↓


花井先生曰く「マントヒヒ」だそうです笑

そしてジョスカンのモテットの場合


こちら印刷譜ですね。同じようにut sol ut solでドッソードッソー…テオイちょっと待て!

お分かりでしょうか。確かに同じ5度跳躍なのですが、これ、ちっともドソじゃない!

左側をご覧下さい。調号がついています。フラットがひとつ。ヘクサコルドではこのフラットのついた音をファと読むため、この5度跳躍はドソではなくレラなのです!

レラーレラーと歌いながら歌詞はドソードソー…これは…気持ちが悪い!

さすがジョスカン。やることが違う。捻りが効いてる。ユーモアセンスが半端ない。

皆様ぜひ今度のカペラの演奏会、そして計歌会×道場の演奏会では、この5度跳躍にも注目してみてください!


詳細はコチラ→http://www.cappellajp.com/

計歌会×道場は11/23です。

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胸熱のグレゴリオ聖歌

胸熱のグレゴリオ聖歌

今日はアラミレのリハーサルでした。

今度のコンサートでは聖母の七つ御悲しみの祝日のミサ固有唱を歌うのですが、今回歌うのはLiber Usualisなどに載っているものではなく、1496-1534年に成立したとされる写本に載っているものです。花井先生が見つけてくださいました。

この写本以外にこのグレゴリオ聖歌が載っているのを見つけられていないのですが、ほんとに変わったグレゴリオ聖歌です。

上の写真がそれなのですが、うっつくしいですよねえ。カラーで。

この写本、前半はポリフォニーがずーっと掲載されていて、最後にちょろっと、この祝日の聖務日課とミサ固有唱のグレゴリオ聖歌が載ってるんです。

以下はこの写本の冒頭、ラリューの同祝日のためのミサです。KyrieのKをかたどった絵が物凄いですね(下のはTenorのT)。

この写本、さらに同じ祝日のためのミサ曲が1曲(作者不詳)、Matheus Pipelareという人のモテットが1曲、そしてジョスカンのStabat Materが収められ、その後にグレゴリオ聖歌が掲載されています。

どうやらこの祝日に特化した写本のようです。

(上の赤字の署名はPipe (La) (Re)となってますね)

ジョスカンのスタバトは2月の古楽院発表会で演奏しましたが今度の演奏会でも演奏します。

この曲の定旋律は今度の演奏会のメインプログラムであるイザークのミサの定旋律と同一です(同写本より↓)。

話をグレゴリオ聖歌に戻しましょう。

この聖歌、テキストも旋律も普通とは違うのですが、それだけでなくかなりトリッキーです。

グレゴリオ聖歌っぽくないと言えると思います。

まず音域が異常です。入祭唱は低いラの音から始まるのですがこれが全体の最低音です。それが最後の拝領唱では1オクターブと7度上の高いソまで到達します。

これはヤヴァイです。もちろん前後のミサ通常文との関係でピッチはいろいろなのですが、それにしても記譜上これだけ音域が広いのはすんごい。

音域の変化はテキストに依拠しているようで、入祭唱、昇階唱、アレルヤ、奉献唱、まではこの祝日のテーマ、聖母の悲しみを表現して比較的沈んだ音域で歌われるのですが、最後の拝領唱に至って、テキストがキリストの復活に触れるところでこの異常な高音域が用いられるのです。

全体の旋律もキャッチーでありながら、意外性に富みまくっていてエキサイティングです。歌ってて途中で、この曲何旋法だっけ!?ってこんがらがります笑。そのくらい変化が激しいです。

文章で表現するのはほんとに難しくてもどかしいですが、もう、聴きに来て!としか言えないです笑

ほんとに面白いです。ワクワクとニヤニヤが止まりません!

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Nova Voce | Mozart!

今日は前回の演奏会後初めてノヴァヴォーチェの練習に伺いました。

ノヴァはここ最近メンデルスゾーンフィーバーで、パウロ、エリア、キリストのオラトリオ三部作に、賛歌、それからメンデルスゾーンが編曲したバッハのマタイ受難曲という超面白い曲もやりました。

しかし次回はなんとモーツァルトのミサ!そしてミヒャエル・ハイドンのレクイエム!

まさかの古典派!笑

意外過ぎましたが、こう見えてモーツァルト好きなので久しぶりに取り組めて嬉しいです。

弟ハイドンの作品はモーツァルトのレクイエムに多大なる影響を与えたとされる作品なのだそうです。

そしてモーツァルトの方は、孤児院ミサなのですが、今調べたらこれモーツァルトが12歳の時の作品なんだそうな…。(引き算あってるよね…)もう、溜息しかでまへんな…。

この曲多分広島でやったっぽいんだけどどの団体でいつやったのか全く覚えてない。誰か覚えてません?

広島にいたころは結構モーツァルトのミサ演奏する機会があったのだけど、ひょっとして東京来てからは初めてじゃないかな。多分。そうするともしかして約10年ぶり?!

なんか、すごいな。なんか、ごめん。モーツァルトさん。うーむ。感慨深い。

本番はまだまだ先ですが、地道に練習を積み上げていきたいです。

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ジョスカンとイザーク

今日はカペラのリハでした。


今日初めて音を出した曲があったのですがこれがなかなか面白かったです。

Ave virgo sanctissimaという短めのモテットなのですが、楽譜はペラっと1枚。

1パートしか書かれていません。そう、カノンです。

それも同度の、5声のカノンです。同度なので男声5人、1人1パートで演奏することになりました。(落ちたら2度と復帰できなそう…)

ほとんど2ブレビスおきにドミソのカデンツがくる単純な曲なのですが、やはり5声ということで所々にほころびが…笑

それが面白いし味わいあるなあという感じです。

ジョスカンの作品ということになっていますが信ぴょう性は微妙みたいです。

この頃の作品にはそういうことが結構あって、今度発売になるカペラの新CD(やっと私の参加したCDが発売になります)の曲も最近真偽が問題になっているそうです。

まぁ誰の作品であってもそのことでその作品自体の価値が減じられる訳ではないのでよいのです。

受け取る側の印象が変わるだけですからね。

むしろ有名な作曲家の名前がつくことで、その作品を演奏する機会が与えられるということもあるので、偽作というのもあながち悪くありません。


今回演奏するもう一つのモテットはイザークのVirgi prudentissimaです。

これは6声なのですが、先日カペラで演奏したモンテヴェルディのミサのように、6声がずっと同時に声を出すわけではなく、デュエットになったり4声になったり、非常に変化に富んでいます。後半部分で、定旋律以外のパートが全員休符となり、定旋律が突如として裸になる箇所などはトリハダものです。

今回定旋律は1人で演奏する(予定な)ので、なおさら緊張感があります。

そして今日歌っていてふと思ったのは、「この曲、生まれる前から知ってた…」ということ。

前世で歌ったんですかねえ。スピリチュアルですねえ。輪廻転生とか全く信じてないですけど。不思議な体験でした。


そしてこの演奏会のメインプログラムはジョスカンの聖母ミサです。

いつもカペラは4声を8人で歌っているのですが、今回11人いるので、4声のときは3声が3人ずつになります。

未だかつて無い組み合わせになっているのでそれも聴き所だと思います。新しい響き☆彡.。

楽しみです。


オマケ↓(目にペットボトルが突き刺さったかぶちゃん)

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ダン・フレイヴィン個展

見てきました。ダン・フレイヴィン展。

いつも衣装や私服でお世話になっているブルードレスの長坂さんがあまりにも熱く語るもんだから、そんなに良いのか?ということで行ってきました。

bluesdress : http://www.bluesdress.com/

表参道ヒルズ目の前のルイヴィトン表参道店。

恐る恐る一階の入口に近づくとダン・フレイヴィン展の看板が、これを指差すが早いか中の店員が2・3人ダダダダーっと動いてこれ以上ないくらいスムーズにエレベーターに乗せられました。

恐ろしい手際。高級ホテルのボウイさんみたいでした。
もう内装から凄いですね。ピカピカで。トイレも凄かったです。壁が寄木細工的なやつで。

展示は7階の真っ白いスペースで、大きな窓からは表参道の景色が一望できます。


壁にはダン・フレイヴィンの作品。写真は撮っていいことになっていたのですが、SNS等には載せちゃダメということで、写真見たい方は僕に直接言ってください。

でもホームページに全部載ってるんですよね。このまんまですよ。壁に、蛍光灯が、並んでます。

http://www.espacelouisvuittontokyo.com/ja/

それだけです。普通の、蛍光灯です。

7つの作品のうち2つは色つきのものでしたが、5つはほんとにただの白い、電器屋さんに売ってるやつそのまんまです。

作品見てる状態、初めはなんだこれ。何を見ればいいの。

まぶしいし、ずっと直視してられないし。

蛍光灯だし。ただの。

まだ外の景色の方がおもろいです。

(作品映ってなければセーフですよね)

うん。非常口のマークの方がまだおもろい。


↑白い壁に緑の輝きが映えている。

なんなら壁見てるのと一緒じゃん。

↑壁を見てます。この両脇に作品が並んでます。イマジン!


ところがですよ。そんなことをやってるうちにいつのまにか深い瞑想の世界に。

しかも普通の瞑想とは違う。思考がフルに巡ってる。のに瞑想状態。

それであーこれって瞑想装置なのかしらとかって思ってたんです。

これっていうのは例えば空を見ながらぼーっとしてるのに似てるんですね。

ということは空見てればいいんじゃねえか?ということにもなりそうですが、まあ芸術の究極の目標は自然の模倣、であればそれはそれで凄いということか。

と思ってたのですが、またしばらくするとそうではないということがわかりました。


「人の意志」これがビシビシ伝わってくる。気圧される。

「私が、作品を、見ている」はずなのに、いつのまにか「作品が、私を、見ている」

普通絵画とか彫刻とかにしても光が作品に当たって、その反射した光が私の目に入るんですよね。

でも蛍光灯はそれ自体が光ってるもんだから、作品そのものが光、なもんだから、もうダイレクトに作品から自分にベクトルが向いている。

ぎょえーーなんだこれ。

作品ひとつ、この蛍光灯、5億とかするらしいですが、確かにその価値はあると思いました。


そしてもう一つ驚いたのはその場にブルードレスのお客さんがいたということ。

ビトンのおねえさんと長坂さんの話(この蛍光灯の前に4時間もいたという、しかも1回ではない)をしていたら、私も長坂さんの話を聞いて来ましたというおにいさんが笑

長坂さんのプレゼン能力エグい。何人のお客さんをこの展覧会に送り込んだのだろう。

ルイ・ヴィトンは美術館を持っていて、そこに所蔵している作品を定期的に表参道店で展示しているそうです。

いいですよ。人少ないし。5人以上はいなかったと思います。

あと無料なんですよ。凄いですよね。5億円をタダで見れる。

ダン・フレイヴィン展は9月までやってるそうです。おすすめです。というかもう、これは、見たほうがいいです。

僕もまた行きます。

 

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