胸熱のグレゴリオ聖歌

胸熱のグレゴリオ聖歌

今日はアラミレのリハーサルでした。

今度のコンサートでは聖母の七つ御悲しみの祝日のミサ固有唱を歌うのですが、今回歌うのはLiber Usualisなどに載っているものではなく、1496-1534年に成立したとされる写本に載っているものです。花井先生が見つけてくださいました。

この写本以外にこのグレゴリオ聖歌が載っているのを見つけられていないのですが、ほんとに変わったグレゴリオ聖歌です。

上の写真がそれなのですが、うっつくしいですよねえ。カラーで。

この写本、前半はポリフォニーがずーっと掲載されていて、最後にちょろっと、この祝日の聖務日課とミサ固有唱のグレゴリオ聖歌が載ってるんです。

以下はこの写本の冒頭、ラリューの同祝日のためのミサです。KyrieのKをかたどった絵が物凄いですね(下のはTenorのT)。

この写本、さらに同じ祝日のためのミサ曲が1曲(作者不詳)、Matheus Pipelareという人のモテットが1曲、そしてジョスカンのStabat Materが収められ、その後にグレゴリオ聖歌が掲載されています。

どうやらこの祝日に特化した写本のようです。

(上の赤字の署名はPipe (La) (Re)となってますね)

ジョスカンのスタバトは2月の古楽院発表会で演奏しましたが今度の演奏会でも演奏します。

この曲の定旋律は今度の演奏会のメインプログラムであるイザークのミサの定旋律と同一です(同写本より↓)。

話をグレゴリオ聖歌に戻しましょう。

この聖歌、テキストも旋律も普通とは違うのですが、それだけでなくかなりトリッキーです。

グレゴリオ聖歌っぽくないと言えると思います。

まず音域が異常です。入祭唱は低いラの音から始まるのですがこれが全体の最低音です。それが最後の拝領唱では1オクターブと7度上の高いソまで到達します。

これはヤヴァイです。もちろん前後のミサ通常文との関係でピッチはいろいろなのですが、それにしても記譜上これだけ音域が広いのはすんごい。

音域の変化はテキストに依拠しているようで、入祭唱、昇階唱、アレルヤ、奉献唱、まではこの祝日のテーマ、聖母の悲しみを表現して比較的沈んだ音域で歌われるのですが、最後の拝領唱に至って、テキストがキリストの復活に触れるところでこの異常な高音域が用いられるのです。

全体の旋律もキャッチーでありながら、意外性に富みまくっていてエキサイティングです。歌ってて途中で、この曲何旋法だっけ!?ってこんがらがります笑。そのくらい変化が激しいです。

文章で表現するのはほんとに難しくてもどかしいですが、もう、聴きに来て!としか言えないです笑

ほんとに面白いです。ワクワクとニヤニヤが止まりません!

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ジョスカンとイザーク

今日はカペラのリハでした。


今日初めて音を出した曲があったのですがこれがなかなか面白かったです。

Ave virgo sanctissimaという短めのモテットなのですが、楽譜はペラっと1枚。

1パートしか書かれていません。そう、カノンです。

それも同度の、5声のカノンです。同度なので男声5人、1人1パートで演奏することになりました。(落ちたら2度と復帰できなそう…)

ほとんど2ブレビスおきにドミソのカデンツがくる単純な曲なのですが、やはり5声ということで所々にほころびが…笑

それが面白いし味わいあるなあという感じです。

ジョスカンの作品ということになっていますが信ぴょう性は微妙みたいです。

この頃の作品にはそういうことが結構あって、今度発売になるカペラの新CD(やっと私の参加したCDが発売になります)の曲も最近真偽が問題になっているそうです。

まぁ誰の作品であってもそのことでその作品自体の価値が減じられる訳ではないのでよいのです。

受け取る側の印象が変わるだけですからね。

むしろ有名な作曲家の名前がつくことで、その作品を演奏する機会が与えられるということもあるので、偽作というのもあながち悪くありません。


今回演奏するもう一つのモテットはイザークのVirgi prudentissimaです。

これは6声なのですが、先日カペラで演奏したモンテヴェルディのミサのように、6声がずっと同時に声を出すわけではなく、デュエットになったり4声になったり、非常に変化に富んでいます。後半部分で、定旋律以外のパートが全員休符となり、定旋律が突如として裸になる箇所などはトリハダものです。

今回定旋律は1人で演奏する(予定な)ので、なおさら緊張感があります。

そして今日歌っていてふと思ったのは、「この曲、生まれる前から知ってた…」ということ。

前世で歌ったんですかねえ。スピリチュアルですねえ。輪廻転生とか全く信じてないですけど。不思議な体験でした。


そしてこの演奏会のメインプログラムはジョスカンの聖母ミサです。

いつもカペラは4声を8人で歌っているのですが、今回11人いるので、4声のときは3声が3人ずつになります。

未だかつて無い組み合わせになっているのでそれも聴き所だと思います。新しい響き☆彡.。

楽しみです。


オマケ↓(目にペットボトルが突き刺さったかぶちゃん)

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コンテンポラリー→ルネサンス 再び

今日から7/20のヴォクスマーナ第38回定期演奏会のためのリハが始まりました。

カペラの本番が7/16.18ですので、リハがかぶるかぶる。

なんだかカペラとヴォクスマーナは同じような時期に演奏会をやることが多く、この時代を股に掛けたリハの連続はもはや風物詩と化しております。(私の中で)


ヴォクスマーナのリハは午前中の事が多く、今日からはなんと3日連続9-12時です。

いつも眠くて憂鬱だったんですが、最近起きる時間を固定して、眠かったら昼寝する、という健康法?をやっていて朝は何も無い日もいつも7時に起きているので、今日は午前のリハでも平気でした。

効果でた!

しかし久々の満員電車でお煎餅になりました。上野で日比谷線に乗り換えたのですが、みっちみちで乗り込めず、3本やり過ごしました。

何でですかね。先頭に並んでても乗れないなんて。

お勤めの皆様、ご苦労さまですm(_ _)m



ヴォクスマーナは今回も新作と再演2作品ずつです。

新作のうち一つは近藤譲さんの作品。まだ譜面が頂けていないのですが、超楽しみです。

私がこれまでヴォクスマーナで歌わせていただいた近藤作品は、「薔薇の下のモテット」1曲ですが、この作品はヴォクスマーナで私が演奏した作品のなかで個人的ベスト3に入る作品です。(1位はクセナキスの「夜」だよ♡)

今度はどんな作品か、楽しみだあ。

そしてもう一つの新曲は大胡恵さんの作品で、まず楽譜がB4で、送って貰えなくて手渡しで受け取りました笑

何しろ今日初めて音を出したので、まだなんとも言えませんが、大変シンプルな曲で、耳に心地よい曲でした。

あとの2作品は再演で、昨年も丁度同じ時期に演奏させていただいた、山根明季子さんの「水玉コレクション No.15」と、横島浩さんの「泣いてみたくなった」です。

どちらも初演の時私は乗っていなかったので、私にとっては初演です!笑

両曲とも大変難しい。山根さんの作品は横に見ていくとその音程関係は大変複雑なのですが、縦に同時に鳴っていると音としては綺麗な三和音が鳴っているということが多いので、しくじれないシビアな作品です。

横島さんの作品は動きがついていたり、音程のグリッサンドと母音の変化が組み合わされてこれまた大変複雑で頭こんがらがります。

どれも面白い作品です。

公演詳細はこちらからどうぞ→http://vox-humana.wixsite.com/vox-humana/concerts


午後はカペラのリハーサルでした。こちらの本番は7/16.18の2公演です。


(写真を撮るタイミングが悪いですね笑。スミマセン)

今回演奏するジョスカンの聖母ミサは、カペラの最初の演奏会で演奏したそうです。20年の節目に再演するということでそういった意味でも記念の演奏会になります。

最近イザークばかり歌っていたので、ジョスカンを久しぶりに歌うと、彼の天才っぷりに痺れます。

これはまさにジョスカンにしか書きえない音楽だと、そう思います。

ルネサンス音楽は地味だと思われがちですが、決してそんなことはありません。燃え立つ生命の息吹、メラメラメラ!ぶほーぶほー!です。

心臓鷲掴みにされて引っこ抜かれた上に握りつぶされるような、そういう激しい感動があります。

地味に思えるところもあるかもしれませんが、それは地味なんじゃなくて滋味があると思ってください。

「地味だなあ」を「滋味だなあ」に転換!

ほんとに、味わい深いです。

そしてこの演奏会ではイザークもやります。

モテット”Virgo prudentissima”、これも大変偉大な作品です。Gigantischです。

白亜の大伽藍ガランガラン!です。

そして最後の最後にイザークキタ━(゚∀゚)━!なフレーズがありました。

このモテットの最後の歌詞は、electa es ut solなのですが、この最後のut solは、ソルミゼーションで「ド」と「ソ」なんですね。

それを利用して、というかそれにかけて、というか、イザークはこんな旋律をつけちゃいました笑


ドソド!ドソド!ドソド!ドソド!

しかもこれバス2声で一拍遅れのカノンです笑

もう最高ですよね。その上練習番号27番からテノール(定旋律)とソプラノ2番は最後の音に入って、以降ロングトーンです。

最高。まさにイザーク。これぞイザーク。超面白い。

演奏会詳細はこちらです→http://cappellajp.com/concert/index.html

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モンテヴェルディ→ジョスカン→イザーク

今日は午前中櫻田先生のレッスンで、ヴェスプロの一部をみていただきました。

レッスンでは、共演させていただいている曲をレッスンに持っていったのですが、そのこと自体が物凄く不思議な感じでした。

改めてこのプロジェクトに乗っけていただいていることの凄さを感じました。


午後はカペラのリハーサル。毎年恒例、海の日のコンサートに向けてのリハが今日からスタートしました。

非常に久しぶりのジョスカンのミサです。

こう、イザークばっかりやってて、久々にジョスカンをやると、ジョスカンっていいなって思いますね。

まさに天才の所業!って感じです。

アラミレで数年前に演奏した曲なので、馴染みもありますし、大変楽しみました笑

カペラの最新CDにも収録されていますので、こちらで予習されてからコンサートにいらっしゃるのもいいかもしれません。

http://www.cappellajp.com/album/

この時の録音からテキストが相当変わってるそうです。違いを楽しむのも面白いかもしれません。

この演奏会ではイザークのモテットも演奏します。

“Virgo prudentissima”

そう、今FF古楽道場と計歌会で練習している、Missa “Virgo prudentissima”に用いられているグレゴリオ聖歌のモテットです。

6声の作品ですが、冒頭非常に長大な2声のソプラノのデュエットが印象的な作品です。

しかもこの長大なデュエットのあとにtuttiになるかと思いきや、さらに男声のデュエットが続きます。

今日リハーサルしたのはその前半部分だけでしたが、すでに十二分に壮大でした。

Gigantisch!!!って感じです。

イザークイヤーの一環としても、ジョスカンの傑作聖母ミサを楽しむ機会としても、また最新CD発売記念としても必聴の演奏会です。


夜は計歌会道場の練習、今日はそのMissa “Virgo prudentissima”のサンクトゥスを練習しました。

こちらも声部は6声でこれまた大変壮大です。特にOsannaは傑作で、オクターブ跳躍を繰り返すバスの上で他声部がそれはそれは執拗に上行音型を繰り返し掛け合います。

バスの跳躍音型はリガトゥーラ(連結音符)で書かれ、見た目的にもかなり面白いことになっています↓笑


こういう顔文字ありますね。

若干これ↓に近いような気も…


左右が反対だった…

こちらのコンサートは11月23日です。

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メンデルスゾーン→モンテヴェルディ→イザーク

昨日のメンデルスゾーンからうってかわって、今日は午後にコントラポントでモンテヴェルディ、夜はアラミレでイザークを歌いました。


コントラポントのヴェスプロはもうほんとに櫻田先生が神がかりすぎてヤバイです。

櫻田先生の乗るヴェスプロにはいくら払ってでも聴きに行くべきだと思いました。もうほんと凄い。凄まじい。

このプロジェクトにのせていただいて光栄ですが、少しでも近づけるように精進いたす所存です。

演奏会詳細はこちらから↓

http://www.fonsfloris.com/c/

凄いページができました!見応えあります!↑



夜のアラミレは、イザークのミサとモテットを歌いましたが、このミサのクレドはなかなかへんてこです。

しかしいい曲です。イザークブシ炸裂です。

ほんと面白いよイザーク。

ちなみに今日7-11時まで歌詞付け、フィクタ等作業してましたが、消しゴムがけで中指がつりました笑

こちらの演奏会は9月24日です。

ミサに加え、イザークの6声の壮大なモテット”Angeli, archangeli”、ジョスカンの珠玉のモテット、”Stabat mater”も歌います。

詳細はこちら↓

http://www.geocities.jp/alamirejp/concert.html

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