アラミレ合宿in原村

アラミレ合宿in原村

一昨日まで、アラミレの合宿で原村に行ってきました。

あいにく3日とも雨で、あんまり写真が撮れませんでしたが、緑に囲まれた美しい教会で、3日間練習に明け暮れました。


祭壇の奥がガラス張りで、向こうには森が広がっているという素晴らしいデザイン。十字架はなんとガラスの奥、森の中に立っています。(この構図だと見えないけど)

到着当日は13-18時、2日目3日目は8:30-18時で練習というやる気に満ち溢れた日程でした。

8:30からって合宿でもなかなかないですよね笑

これはまさしくアラミレのモチベーションの表れです(*」゚∀゚)

三日間でなんとか全ての楽曲をリハーサルし、最終日には通し練習をしました。

今回も、物凄く面白いプログラムです。

ミサcomme femmeはただ美しいだけではない極めて個性的なミサです。

ウソだろ、ウソって言ってくれ…

って言いたくなるような瞬間が沢山あります。

このミサと定旋律を同じくする二つのモテット、ジョスカンのスタバトとイザークのAngeli, archangeliも非常に大作です。

そしてグレゴリオ聖歌も非常に独特です。聖母の七つの御悲しみの祝日のために、15世紀に新作されたと考えられるグレゴリオ聖歌で、ジョスカンのスタバトと同じ写本の末尾に掲載されていたものを使いました。

写本のURLはコチラ→http://depot.lias.be/delivery/DeliveryManagerServlet?dps_pid=IE7896230

↑♡大変美しい写本なので見てね♡↑

このグレゴリオ聖歌、新作だけあって普通の伝統的グレゴリオ聖歌とはひと味もふた味も違います。

趣が全然違います。

違いを楽しみたい方は是非Ensemble Salicusの公演にもいらしてください。

きっとわかります。

アラミレの公演は9/24です。私もチケット持ってますので、ご入用の方はお声掛けください。

――・――・――・――・――

Salicus Kammerchor

――・――・――・――・――

公演情報更新しました!

次回公演は10月18日、Ensemble Salicusのデビューコンサートです!

http://www.salicuskammerchor.com/concert

――・――・――・――・――

DVD発売中!

第2回定期演奏会のDVDをウェブ販売しております!

http://www.salicuskammerchor.com/goods

――・――・――・――・――

メルマガ会員募集中!

サリクス通信に古楽演奏家 花井哲郎とヴォイスパフォーマー 徳久ウィリアムが登場!

http://www.salicuskammerchor.com/mail-magazine-1

――・――・――・――・――

櫻井元希へのお仕事のご依頼、チケットのお求め等は以下のフォームよりお気軽にお問い合わせください。

アラミレ | Agnus問題

アラミレ | Agnus問題

今日はアラミレのリハでした。

イザークのミサcomme femmeをやっているのですが、アニュスにちょっとした問題が起こりました。

このミサが収録されている写本で、主なものとしては3つあります。

そのうち今回アラミレではバチカンのカペラシスティーナにある写本を使っているのですが、その写本と、他の2つの写本、バルセロナの図書館にある写本、ペトルッチ(1506年の出版譜)との間に大きな差があるのです。

まずアニュスのテキストは3つの部分に分かれていて、Agnus dei qui tollis peccata mundiという上の句は3つとも共通、下の句が第1・第2アニュスではmiserere nobis、第3アニュスではdona nobis pacemとなっています。

それがペトルッチでは

第1アニュスーー4声

第2アニュスーー3声

第3アニュスーー5声

という構成になっています。真ん中の部分で声部を減らして、最後は声部数を増やすというのはよくあるやり方でしっくりきます。

それに対し、アラミレで使っている写本、カペラシスティーナでは、

第1アニュスーー4声(ペトルッチにはない)

第2アニュスーー4声(ペトルッチの第1アニュス)

第3アニュスーー3声(ペトルッチの第2アニュス)

となっています。

ずっと4声できていて、ミサの最後で3声になってそれで終わりなんてことあるでしょうか?!

ちなみにバルセロナの方は、第1第2はペトルッチと共通で、第3は欠如しています。

ものの本によると、カペラシスティーナの方を、信用ならんと切り捨て、カペラシスティーナの第1アニュスは別人による作ではないかと結論づけています。

3声でミサを終えるというのもあまりに斬新すぎるので、今回アラミレではペトルッチの構成を採用しました。

そう!勘の良い方はお気づきでしょう!ペトルッチ↓ってパートブックなので、演奏するにはクワイヤブックにしなければならないのです!

 

それも参照できる画像は相当粗く、拡大してクワイヤブックにできるほどのクウォリティではありません。

どうしよう、と考えた挙句、全部手書きすることにしました。

いえーい初めてのクワイヤブック全手書き!

とはいえ一番面倒なのは五線です。当時はラストラールという5つの股に分かれたペンがあったので簡単に書けましたが、今はそういうものが手に入らないので、一本ずつ書かなくてはなりません。

これは相当面倒です。

そこで、適当な写本を見繕って、空の五線のあるページを探しました。

それがこれ↓


微妙な歪み具合とか最高ですよね。

これにまず音符を書き入れていくのですが、5声なので、左ページにはソプラノとテノール2声、右ページにはアルトとバスを入れなければなりません。

そして、明らかに1ページには収まらないので、どこの瞬間にページをめくるかということも考えなければなりません。(パート譜とちがってクワイヤブックでは全員同時にページをめくるので、そこが一致していないといけないのです)

まずペトルッチの各パートが全長何センチなのかを計りました。

それぞれを大体半分に割ってこの辺かなってところでめくりをいれることにして、1パートにかけられる段数を計算します。

その段数で、何センチのソプラノを収めるためには音符1つがこのくらいで、、、非常に綿密な計画のもと音符を書き始めます。


音符だけ書き入れた状態がこちら。メモによるとバスは50センチ、アルトは75センチだったようですね。


ソプラノは4段、テノール1は2段、テノール2は3段という塩梅になりました。

これに今度はイニシャルを入れていきます↓

こう見えてAgnusの”A”です。

別の写本をお手本に書きました。

こちらはBass、ソプラノ以外はイニシャルの部分にパート名が入ります。

そして最後に歌詞を書き入れて。

完成!

どうです?結構上手でしょう?(自画自賛)

今日始めてこの楽譜で音出ししましたが、間違いが山ほどありました(爆)


Vocal Ensemble Alamire 第10回演奏会

日時:2017年9月24日(日)開場16:00/ 開演16:30

会場:大森福興教会

 

入場料:2,500円 (当日はプラス500円になります) 全席自由

曲目:
グレゴリオ聖歌
聖母の七つの御悲しみの祝日ミサ固有唱
Gregorian chant
Proprium missae in Festo Septem Dolorum Beatae Mariae Virginis
ハインリヒ・イザーク
ミサ《うちひしがれた女のように》/「天使、大天使」
Heinrich Isaac (ca. 1450/55-1517)
Missa Comme femme desconfortee / “Angeli, archangeli”
ジョスカン・デ・プレ
「スターバト・マーテル (悲しみの聖母)」
Josquin des Prez (1450/55?-1521)
“Stabat mater”

詳細はコチラ→http://www.geocities.jp/alamirejp/concert.html

 

――・――・――・――・――

Salicus Kammerchor

――・――・――・――・――

公演情報更新しました!

次回公演は10月18日、Ensemble Salicusのデビューコンサートです!

http://www.salicuskammerchor.com/concert

――・――・――・――・――

DVD発売中!

第2回定期演奏会のDVDをウェブ販売しております!

http://www.salicuskammerchor.com/goods

――・――・――・――・――

メルマガ会員募集中!

サリクス通信に古楽演奏家 花井哲郎とヴォイスパフォーマー 徳久ウィリアムが登場!

http://www.salicuskammerchor.com/mail-magazine-1

――・――・――・――・――

櫻井元希へのお仕事のご依頼、チケットのお求め等は以下のフォームよりお気軽にお問い合わせください。

カペラ由比ガ浜公演終演

昨日、ヴォーカル・アンサンブル カペラ結成20周年記念演奏会1、由比ガ浜公演が終演いたしました。

ご来場くださいました皆様、誠にありがとうございました。


ゲネプロの模様。白熱し過ぎて1時間押しました。


美しい由比ガ浜教会。


今回の演奏会場ではカペラの最新CDを先行販売しております。


昨日いただきました。

私にとってのカペラデビューCDです!

買ってね!

ジョスカンの世俗歌曲によるミサ2曲が収録されてます。

私もまだ聴いてません。楽しみです!


そして20周年記念グッズも作りました。


Tシャツ2600円です。この写真は昨日の打ち上げ(?)です。


こちらは写本マグカップ。オケゲムのミサ・カプトの写本なので、マグカプトらしいです笑

それぞれ明後日のカテドラル公演でも販売しますので、ぜひお手に取ってご覧ください!

――・――・――・――・――

Salicus Kammerchor

――・――・――・――・――

公演情報更新しました!

次回公演は10月18日、Ensemble Salicusのデビューコンサートです!

http://www.salicuskammerchor.com/concert

――・――・――・――・――

DVD発売中!

第2回定期演奏会のDVDをウェブ販売しております!

http://www.salicuskammerchor.com/goods

――・――・――・――・――

メルマガ会員募集中!

サリクス通信に古楽演奏家 花井哲郎とヴォイスパフォーマー 徳久ウィリアムが登場!

http://www.salicuskammerchor.com/mail-magazine-1

――・――・――・――・――

櫻井元希へのお仕事のご依頼、チケットのお求め等は以下のフォームよりお気軽にお問い合わせください。

ヴォクスマーナ | カペラ | 計道会

ヴォクスマーナ | カペラ | 計道会

今日は朝ヴォクスマーナでテノール、昼カペラでバス、夜計歌会×FF古楽道場でヴァガンス(という謎のパート)を歌った日でした。

計歌会×道場は長いので計道会と呼ぶことにしました(私の中で)。ヤクザみたいですね笑


朝はヴォクスマーナ

ヴォクスマーナは先週ついに近藤譲さんの曲が届き、本プロの曲が出揃いました。

近藤譲さんの曲はほんと、THE Jo Kondoという感じで、最大のデュナーミクがmpです。

以前歌った「薔薇の下のモテット」の要素はありながら、今回演奏する嗟嘆(といき)の方がよりシンプルでわかりやすい構造をしています。

現代音楽の演奏会ですが、耳が痛い系とか、気持ち悪くなっちゃう系の曲は今回ありません。

どの曲も何かしら琴線に触れるところが見つけられると思います。

何より現在ご存命の作曲家の作品を、ご本人のトーク付きで聴くことのできる機会というのはほんとに凄いです。

普段古楽をやってる人間からするとほんとありえないくらいすんごいです。

想像して見てください。

バッハのトーク付き演奏会。(!)

凄さ伝わりましたでしょうか笑

演奏会は7/20です。


昼はカペラ

カペラが今回メインプログラムとして取り上げるジョスカンの聖母ミサは、今カペラが出しているCDの中で最新のものに含まれています。(私が録音に参加したCDはこの次に発売予定です)

カペラはこの曲を結成当初にも取り上げていて、私が参加してからも、キリエとグロリアは確か何かの機会で歌いました。

そしてアラミレでも演奏したので、なんというか、花井先生は勿論のこと私も、メンバーも体の中に染み付いた自家薬籠中の曲です。

他にもモテットをいくつかやりますが、やっぱりミサになるとこう、みんな体にフィットしてるというか、うん、他の曲はこのフィットさせるという時間が必要なのですが、このミサの場合はそれが必要ないという感じです。

また今回は若手とベテランが半々くらいで混合していて、4声の曲も11人で歌ったりしてます。響はゴージャスで新鮮なものになろうかと思います。


夜は計道会

今日は自主練で、SanctusとAgnusをやりました。Missa Virgo prudentissimaですが、なんとこのミサのSanctusは見開き9枚もあります。

Sanctusって普通、テキストが少ないのでGloriaやCredoに比べると曲も短くなる傾向にあるんですね。

この曲の場合Gloriaは9枚Credoはなんと13枚!!

これと比べてもSanctusはGloriaと同じ枚数ですから、かなり大規模だと言えると思います。

6声で、とっても豪華な写本なので、紙を贅沢に使っているため枚数も増えるのですが、それにしてもこのSanctusは極めて壮大です。Benedictusの後に繰り返すOsannaも、Sanctusの後に歌った同じものを繰り返す場合が多いのですが、この曲は新しいOsannaを歌います。そしてこの最後のOsannaに2枚費やしています。

それに対してAgnusは、なんと2枚、、。それも本来Agnusは第1.第2がmiserere nobis、第3がdondnobis pacemと、3曲必要なのですが、このミサのAgnusは1曲しかありません。

これはどうしたことでしょう、、。力尽きたんでしょうか、、。それとも伝承の過程で失われてしまったのでしょうか。

しかも、このミサはグレゴリオ聖歌の定旋律に基づいて作曲されているのですが、Agnusの最後、定旋律は途中で終わってしまっているんです。

これは、、続きがあったに違いない、、。

実はアラミレでやっている同じくイザークのMissa comme femme deconforteeもAgnus問題があるのですが、これはまた別の人機会に、、、。

計道会の本番は11/23です。その時にはきっとこの謎も解決していることでしょう。

――・――・――・――・――

Salicus Kammerchor

――・――・――・――・――

公演情報更新しました!

次回公演は10月18日、Ensemble Salicusのデビューコンサートです!

http://www.salicuskammerchor.com/concert

――・――・――・――・――

DVD発売中!

第2回定期演奏会のDVDをウェブ販売しております!

http://www.salicuskammerchor.com/goods

――・――・――・――・――

メルマガ会員募集中!

新企画始まります!

サリクス通信に古楽演奏家 花井哲郎とヴォイスパフォーマー 徳久ウィリアムが登場!

http://www.salicuskammerchor.com/mail-magazine-1

――・――・――・――・――

櫻井元希へのお仕事のご依頼、チケットのお求め等は以下のフォームよりお気軽にお問い合わせください。

Pulchra ut luna electa ut sol

今日は午後カペラ、夜計歌会×道場でした。

カペラは今日も新曲がありました。ジョスカンのVirgo prudentissimaです。

そう。このブログを見てくださっている方にはお馴染みですね。ですか?ですよね!

今このブログを「Virgo prudentissima」で検索すると6件ヒットしました。今年1月からですから、月に1回は書いてることになりますね。

イザークとモンテヴェルディ

メモリアルイヤー | イザーク&モンテヴェルディ

イザーク | 鼻血

モンテヴェルディ→ジョスカン→イザーク

コンテンポラリー→ルネサンス 再び

ジョスカンとイザーク

そして改めてこのブログ読み返してみて、キモイですね!ひきました笑

マニアック過ぎ。誰が読むんだ笑

もっと美味そうなランチプレートとか載せてアクセス数を稼ぐんだオレ!


とりあえず写真フォルダにあった一番美味そうなものの写真↑(広島ラーメン)


さて、本題はここからです。

Virgo prudentissimaはカペラでイザークのモテット、ジョスカンのモテットを演奏します。

そして計歌会×道場ではこのグレゴリオ聖歌を定旋律としたMissa “Virgo prudentissima”を演奏します。

つまり都合3曲同じ定旋律をもとにした作品を同時進行でリハーサルしている訳ですが、こと3曲には定旋律以外に共通した特徴があります。

タイトルのPulchra ut luna electa ut sol(月のように美しく、太陽のように選ばれた)は、Virgo prudentissimaの最後のテキストなのですが、この最後の部分に用いられたモチーフが共通しているのです。

コンテンポラリー→ルネサンス 再び

でも書きましたが、この最後のテキスト「ut sol」はソルミゼーションでいうところの「ド ソ」に対応します。

そこでこのドソがまるで階名唱をしているかのようにしつこく繰り返されるというのが共通するモチーフなのです。

イザークのモテットの場合


ドソド!ドソド!ドソド!ドソド!

これは非常ーにしつこいですね。しかもこれは半拍遅れの同度カノンで2パートによって繰り返されます。

そしてイザークのミサの中のサンクトゥスの場合(曲の最後で定旋律がelecta ut solを歌う部分)。


先程よりは多少控えめですね。1段目と3段目にこのモチーフが見られます。この場合はミサのテキストで歌われますので、階名唱にはなりません。そういった意味でも暗喩的な感じですね。

というかこっちの方が気になりますよね!↓


花井先生曰く「マントヒヒ」だそうです笑

そしてジョスカンのモテットの場合


こちら印刷譜ですね。同じようにut sol ut solでドッソードッソー…テオイちょっと待て!

お分かりでしょうか。確かに同じ5度跳躍なのですが、これ、ちっともドソじゃない!

左側をご覧下さい。調号がついています。フラットがひとつ。ヘクサコルドではこのフラットのついた音をファと読むため、この5度跳躍はドソではなくレラなのです!

レラーレラーと歌いながら歌詞はドソードソー…これは…気持ちが悪い!

さすがジョスカン。やることが違う。捻りが効いてる。ユーモアセンスが半端ない。

皆様ぜひ今度のカペラの演奏会、そして計歌会×道場の演奏会では、この5度跳躍にも注目してみてください!


詳細はコチラ→http://www.cappellajp.com/

計歌会×道場は11/23です。

――・――・――・――・――

Salicus Kammerchor

――・――・――・――・――

公演情報更新しました!

次回公演は10月18日、Ensemble Salicusのデビューコンサートです!

http://www.salicuskammerchor.com/concert

――・――・――・――・――

DVD発売中!

第2回定期演奏会のDVDをウェブ販売しております!

http://www.salicuskammerchor.com/goods

――・――・――・――・――

メルマガ会員募集中!

新企画始まります!

サリクス通信に古楽演奏家 花井哲郎とヴォイスパフォーマー 徳久ウィリアムが登場!

http://www.salicuskammerchor.com/mail-magazine-1

――・――・――・――・――

櫻井元希へのお仕事のご依頼、チケットのお求め等は以下のフォームよりお気軽にお問い合わせください。