カペラ | クワイヤブック作成

今日は3月11日でしたね。

テレビやSNSで盛んに話題になっていたので、あの時のこと、あの後のこと、色々思い出しました。
午後ヴォクスマーナ、夜ノヴァヴォーチェのオケ合わせでした。
メンデルスゾーン版マタイ、5弦ベースが4本!いやータマゲタ…
で、午前中空いていたので、カペラのボッティチェリ展での公演に使用するクワイヤブックを作成しました。
公演詳細はコチラ
クワイヤブック作成の大変さはこちらに詳細に愚痴をこぼしておりますので(笑)よかったらご覧下さい。
今日は思い立って、作業工程を写真撮ってみました。
{EFC83053-A74B-4798-BA3C-012B077F8A6E}

まずは最初の状態、パートブックの状態ですね。

この場合、横がA4の長辺となっています。
これをA4縦に収まるように、そしてクワイヤブックの基本的な配置、
左上にソプラノ(スペリウス)
左下にテノール
右上にアルトゥス
右下にバッスス
となるように切り貼りしていきます。
{3B87B703-7CC1-4B71-84BA-1DEEF7BD9953}

パートブック自体が、省スペースで書かれているため、下の段の音符の棒と、上の段の歌詞が被りそうになっています。

それを避けながら切ると、真っ直ぐには切れず、こんなにギザギザになります。
{21EF4B57-C71F-435E-8BBB-2C1C79D858FF}

これをA4たてに置くとこんな感じ。右端のはみ出た部分を切って、

{6869F70F-91D1-4D1C-A0B1-0CDE3BBFDE08}
2段目に持ってきます。
{2484D96D-E827-4B38-B7C1-CFED9F0BC55B}
それを繰り返すとこんな感じ。
当然1段目から切り出して2段目に持ってきた楽譜にはクレフがついていませんから、もともとの2段目からクレフだけ切って貼り付けます。
しかしもともとの楽譜より幅を狭くする作業をしているため、必然的に段の数が増え、クレフの数も当初より多く必要となります。
そのため、あらかじめ元のパートブックをコピーしておいて、クレフだけそこから取り出してきます。
{80AFDEC5-10CA-4CDD-B3A6-7112969F9B45}

切り取って、、

{55AB0422-EBF0-4CAB-93C1-443DFF528F4A}

はっつけます。

そして、2つ前の写真ですが、お気づきでしょうか?
なんということでしょう!
バスが一段はみ出てしまいました!
そんな時は?
そう!ワープ!!!!
{32D894BE-2F17-45A1-8FBC-8B6396A74211}

左下のテノールの下に隙間があるので、そこに右下のバスがワープします!!

これはオリジナルのクワイヤブックにもよく出てくる方法なので、なんの問題もありません。
そしてワープする時はワープ記号を書きます。
{28E68E65-8936-4BBD-AE10-DAAF07D473F0}

ここから、、

{8717EA52-9AAB-46DC-9752-127324F1A588}

ここにワープ!!!という意味の記号です。

そして、忘れてはいけないクストスちゃん!
{E8C5D6A2-9772-45A7-85D4-A0AC9B744B74}

クストスとは、この写真の真ん中の段の最後についている、クィリスマそっくりの記号です。(クィリスマってなんやねん!という方は、古楽院の講座を受講しましょう笑)

この記号は、段が変わって次の音がなんの音かを示すとっても便利な記号です。
私はモダン譜にもしょっちゅう書き込みます笑
{896F9325-C6C4-4BCE-9B20-E7EC58171FB5}

この作業を全部の段に施して、、

{0564E63D-F68D-46EA-960B-A486A64D21D5}

これで完成です!

今回は4声で、ページ数も2枚で済みましたので、1時間半ほどで完成しました(*゚▽゚*)
これを拡大コピーして、厚紙に貼り付けて製本すれば、いつもカペラで使っているクワイヤブックの出来上がりです!
さあ!これを見れば誰でもパートブックからクワイヤブックが作れますね!
└┌(。°з ┐ )┘三└( ┌ ε°。)┐┘
――・――・――・――・――
主宰団体Saclicus Kammerchorのホームページはコチラ
目標まであと36名様!締切は3月末日まで!
――・――・――・――・――
櫻井元希へのお仕事のご依頼は以下のメールアドレスまで。
g.sakurai.office@gmail.com
発声・歌唱指導、合唱指導等承っています。
詳細はコチラをごらんください。

コンテンポラリーバロックルネサンスメディーヴァル

{C13AC2EB-3430-4C57-A1A5-4336361318EE}

今日は午前中ヴォクスマーナ(邦人新作)、午後プティヴィオロン(フレンチバロック)、夜ネウポリの会(ルネサンスポリフォニーとグレゴリオ聖歌)でした。

昨日からカペラの練習も始まっておりますので、チャンポンリハーサルも甚だしくなっております。
それぞれの面白さ、味わい、そしてそれぞれの難しさを感じながらのリハーサルとなっております。
ヴォクスマーナとネウポリの会については以前のブログで書きましたので、今日はそれ以外のことを。
ーー・ーー・ーー
プティヴィオロンについて
{A21955B6-E60F-4B32-B225-E4F4370BD681}
{60BF9B36-57BF-4B8F-AAB0-14383FDDE800}

↑出演者変更のためチラシが変更になっております。

今朝がた面白動画が公開されましたね。
メンバーを知っている人が見たらとても笑えます。
今回プティヴィオロンでは作曲当時のオリジナルスコアを使用するのですが、クレフに苦労しております(汗)
けだし古楽を志すというのはクレ読み地獄を覚悟するということでもありますが、、
あ、クレフというのは音部記号のことです。ト音記号とか、ヘ音記号とかいうアレです。
モダン譜では大体この2つのクレフが、同じところに書いてあるのですが、そうなったのはごく最近のことで、そうなる以前には、ハ音記号を含めたこの3つのクレフが、いろんな線に置かれていました。
なんでそんなことをするかと言うと、加線を避けるためです。五線の上下に沢山音符がはみ出ていたら、その分上下にスペースを取りますし、第一加線だらけの楽譜って見づらいですよね。
{ECDC88E1-FA34-4860-A559-C796FDDC4FFE}

これパッと見何の音がわかります?僕はわかりません(笑)

カペラをやらせていただくようになって4年くらい(?)経つので、もうさすがに慣れたかと思っていましたが、実はバロックの音楽をオリジナルスコアで演奏する機会というのが今までそれほどなかったということに気づきました。
つまり今までいろんなクレフで歌っていたけど、調号1つ以下の譜面しか見ていなかったということです。
そして更に、今まで私はバスだったので、バロックの場合は普通の低音部譜表を見てれば済んだのですが、今回私が歌うのはバスタイユ、バリトン記号とテノール記号なんですね。
今回使う楽譜、こちらはドラランドのConfiteborです。わかりやすいように、cの音を赤線で示してみました。
{69958ABF-B791-4506-9A96-8D19CEFB5D64}

こちらはデュモンのBenedic anima mea Dominoです。

{C6E50D43-1B62-4209-B67C-20439993164E}
ドラランドで私が歌うバスタイユのクレフはバリトン記号です。これは、ヘ音記号が、第3線に置かれた記号です。つまり普通の低音部譜表の三度下にヘ音記号が書いてあります。
デュモンではバスタイユはテノール記号で記譜されています。これはハ音記号が上から2番目の線に書いてあります。
特に厄介なのはバリトン記号で、普段見慣れたヘ音記号が使われていることによって、脳内スイッチがしょっちゅう普通の低音部譜表に切り替わってしまいます。
私はこのリハーサル中最低10回は三度間違えて歌うでしょう!
今日も早速派手に一回間違えました!
長くなっちゃったので、カペラについてはまた次の機会に、、
――・――・――・――・――
主宰団体Saclicus Kammerchorのホームページはコチラ
目標まであと38名様!締切は3月末日まで!
――・――・――・――・――
櫻井元希へのお仕事のご依頼は以下のメールアドレスまで。
g.sakurai.office@gmail.com
発声・歌唱指導、合唱指導等承っています。
詳細はコチラをごらんください。

年始のごあいさつ

皆様旧年中は大変お世話になりました。
この場を借りて深く御礼申し上げます。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

昨年再開したこのブログでしたが、なかなかまめに更新できなくて・・・。
と思いましたが、振り返ってみると結構書いているものですね(笑)。

年末にサリクスの方のブログを始めてからはすっかりそっちにかかりっきりで、なかなかこちらの更新もできなくなってしまいました。

サリクスカンマーコア公式ブログはコチラ!
特集記事も第8回まできました。

今年は両方まめに更新していければいいなあと思っておりますので、よろしければお付き合いください。

お知らせ!
サリクスのブログ「第4回 グレゴリオ聖歌からポリフォニーへ」でも紹介しました、ヴォーカル・アンサンブル カペラの演奏会が今週末の連休にあります。

久々のミサ形式の演奏会です。
ビクトリアのミサに、聖母ミサの固有唱を交えながら典礼形式で演奏いたします。
モテットも数曲演奏しますので、かなりおなか一杯になれるプログラムだと思いますので、ぜひいらしてください。
由比ヶ浜公演は、観光、鎌倉散策を兼ねて素敵な休日を過ごせると思います。
目黒公演は、アンセルモ教会の素晴らしい音響を体験する貴重な機会になると思います。
どちらの公演も、私から関係者割引にてお安くお求めいただくことができます。

公演詳細

2016年

1月10日(日)午後4時 カトリック由比ガ浜教会(地図)※鎌倉駅から徒歩10分

1月11日(月・祝)午後4時 聖アンセルモ・カトリック目黒教会(地図)

グレゴリオ聖歌 Gregorian chant
聖母のミサ固有唱 Proprium missae de Beata Virgine Maria

トマス・ルイス・デ・ビクトリア Tomás Luis de Victoria (1548-1611)
ミサ《わたしは美しいものを見た》 Missa Vidi speciosam

「わたしは美しいものを見た」 “Vidi speciosam”

「わたしは黒い、しかし美しい」 “Nigra sum sed formosa”

ほか

ルネサンス音楽最後を飾るスペインの巨匠ビクトリアには 、聖母のための美しい作品がいくつもあります。

6声のモテット「わたしは美しいものを見た」 “Vidi speciosam” の歌詞は旧約聖書中の雅歌から取られています。

「わたしは鳩のように美しいものが水の流れの上を昇って いくのを見た。彼女を囲っているのは薔薇の花、そして谷 の百合」と、まさに聖母マリアをイメージさせる言葉で、 聖母の祝日に歌われます。

ビクトリアはこの自作の作品を元に、やはり6声の実に美 しいミサ曲を作曲しました。

これらの作品を、グレゴリオ聖歌を交えた聖母のミサとい う典礼の形式で演奏します。通常歌手8名のヴォーカル・ アンサンブル カペラは今回6声部の作品のため12名に拡大します。

後期ルネサンスの充実した壮麗な響きをお楽しみください 。 (音楽監督 花井哲郎)

superius 花井尚美 安邨尚美 鏑木綾 田村幸代

contratenor 青木洋也 望月裕央

tenor 及川豊 根岸一郎 富本泰成 渡辺研一郎

bassus 櫻井元希 花井哲郎 Maestro di Cappella=音楽監督

チケット料金: [全自由席]

※会員優先席あり※学生券は、学生証を提示のうえお求めください

由比ガ浜 前売:一般4,000円 ペア6,800円 当日:一般4,500円 学生:2,500円

目黒   前売:一般4,500円 ペア7,800円 当日:一般5,000円 学生:2,500円

前売券取扱:

東京文化会館チケットサービス 03-5685-0650

(セブン-イレブン引取可 *10月26日販売開始)

東京古典楽器センター 03-3952-5515

サンパウロ(「四谷」駅前) 03-3357-8642)

島森書店 0467-22-0266(由比ガ浜公演のみ)

主催: フォンス・フローリス

助成:文化芸術振興費補助金(トップレベルの舞台芸術創造事業)

後援:ベルギー王国大使館

――・――・――・――・――

櫻井元希へのお仕事のご依頼は以下のメールアドレスまで。

g.sakurai.office@gmail.com

発声・歌唱指導、合唱指導等承っています。

詳しくはコチラからご確認ください。

――・――・――・――・――

主宰団体Salicus Kammerchorのホームページ

http://salicuskammerchor.wix.com/main

秋は好きだけど苦手

わたくし秋生まれで、秋凄く好きなんです。

果物も好きだし、さんまも好きだし。

でも何年か前から11月頃体調が悪くなることが続きまして、秋は苦手な季節になってしまいました。

秋は演奏会シーズンの始まりでもありますね。
忙しくしていると苦手な秋も過ぎ去るのが早いように思います。

―-・――・――・――・――
今週末は日曜日にバッハの演奏会があります。
バッハカンタータアンサンブルは、合唱もオーケストラもアマチュアで、バッハのカンタータ全曲演奏を進めている団体で、もうすでに120曲近く演奏しています。
骨太な団体です。

詳しくはコチラ

―-・――・――・――・――
翌週11/3の文化の日は、オケゲムのレクイエムを歌います。

古楽道場は、声楽家、器楽演奏家などが、花井哲郎氏のもとに集まって、グレゴリオ聖歌やルネサンスポリフォニーを勉強している集まりで、僕は学部の1年からいるので、今年で7年目になります。
私、かぶちゃん、とみー、けんぼーなんかは、この集まりからカペラの演奏会に出るようになりました。
またコントラポント合唱隊も、この中から多数選ばれています。

今年はオケゲムに挑戦中なのですが、これがまた難しい!
どのくらい難しいかといえば、大抵の現代曲より難しいです。

何が難しいか。

まずはこのメンスーラ地獄をご覧いただこう・・・。

{7C048A00-E9FF-4884-8BED-6A8489BE75C4:01}

お分かりいただけただろうか。

いやーわかんないですよね。普通。

あ、凄くわかりやすくいうと、あのトミーが、あのトミーが笑っちゃって歌えなくなるくらい、2時間のリハ後には真っ白な灰になるくらい難しいです。

このセミミニマにしかみえない音符がミニマのコロルだと初見で判別つく人がいるだろうか・・・。
いや、未だかつていただろうか・・・。

まさに地獄。

この練習番号2番からのコントラはほんとに超絶かっこいいのでこれだけでも聴く価値ありです。

この度はまた、オケゲムの前に、グレゴリオ聖歌でもレクイエムを歌います。一通り最初から最後まで全部歌います。

つまり、まさかのレクイエム二回し!さぞかし安らかに眠っていただけることでしょう!

―ー・――・――・――・――

来週日曜日はシグナスで大分に行きます。
先日広島で録音したデビューCDをひっさげての公演です。
CDは10/31に納品予定ですので、是非買ってください!
他では聞けないサウンドになってると思います。

イベント目白押し

演奏会シーズンが始まりましたねーー恐怖!

今週末は二つの本番があります。

10/9金曜日はヴォーカルアンサンブルカペラの定期公演です。

カペラは現在1月(成人の日)7月(海の日)10月(中旬)と3回定期公演を行っていますが、10月公演はジョスカンのモテット連続演奏をしており、今回はその2回目です。

カペラはジョスカンを中心レパートリーとし、すでにミサ曲は全曲演奏、全曲録音を終了しています。これ結構すごいことだと思うんですけどあんまり話題になってませんね(笑)。

録音は終わったもののリリースがまだだからですかね。はやくでないかなーー次のCDから僕も歌っています。

ミサを終えたカペラは次はモテットだということで始めたのが、ジョスカンのモテット連続演奏会です。
この演奏企画では、モテットだけでなく、世俗曲、シャンソンも演奏します。
どの曲もジョスカンの天才っぷりをこれでもかと見せつけるような逸品ばかりです。
ほんと、ジョスカンって天才ですよ。ほんと。素晴らしすぎ、感動的に天才。

--・--・--・--・--・--

さて、カペラの定期公演の翌日、10月10日は、アガリアム合唱団主催のワークショップ&ライブに、講師として参加致します。

アガリアム合唱団とは、シンガーソングライターのアガサさんと、ヴォイスパフォーマーの徳久ウィリアムさんの作った合唱団で、世にも珍しい特殊発声を使った合唱をやっている団体です。

ウィリアムさんは僕の発声の師匠でもあるのですが、実は出会いは10年前に遡ります。
僕の伯母さんは実は音楽家で、そもそもは作曲家なのですが、現在は白拍子や声明や竜笛を活動の中心にしています。
櫻井真樹子ホームページ

その伯母が、私が広島大学に入学した時に、入学祝いに連れて行ってくれたのが、なんと、第1回東京デスメタルフェスティバル(笑)、そのイベントを伯母に紹介したのがウィリアムさんで、そこでウィリアムさんとは初めて会いました。

その時は自分が東京で音楽やることすら考えていなかったので、まさかウィリアムさんに発声を習うことになろうとは夢にも思いませんでした。

そんな縁でこの度、西洋のクラシックの合唱とはなんぞや、というワークショップの講師のお話をいただきまして、演奏もやってほしいということでしたので、その部分は、5月に立ち上げた合唱団「サリクスカンマーコア」で参加することとなりました。

前半は合唱の歴史ということで、時系列にそって、解説を交えながら演奏します。
後半はワークショップで、合唱の導入として、フォーブルドンやカノンを実践します。

こちらの企画は定員がありますので、興味のある方はお早めにご連絡ください。

――・――・――・――・――・――・――

ところでこのアガリアム合唱団主催のワークショップ、11月の講師は伯母の櫻井真樹子です。
11/14(土)

『平安の歌謡入門 ~声明、白拍子』ライブ&ワークショップ

特別講師・出演:櫻井真樹子

イベントページ

そしてその伯母が作曲家として参加するイベントがコチラ

おや、もう一人櫻井という人がいますね。そう、うちの親父です。
ほんと、変な家族ですよね。
ただ手前味噌ですが、これは面白いですよ。
ほんとに素晴らしい楽器になりました。
この動画の灰野敬二さんの演奏は本当に素晴らしい!感動的!トリハダたちます!
ポリゴノーラの動画(演奏:灰野敬二)

このイベントはシンポジウムですので、非常に複雑なこの音階の理論を、がっちり説明してくれることでしょう。
音楽史が別の次元に進むかもしれない。

そんな予感をさせてくれる音階、楽器です。