溶けた建築

溶けた建築

4泊5日のサマーアカデミーが終了しました。

テノールデビュー戦の自分としては、テノールは1日にして成らず、というのを実感しました。

そしてテノールの人にはというのはこういう思いをして生きているのだなということが身に沁みました。


「音楽は溶けた建築だ」と言われることがあります。

今回のアカデミーではそのことを強く実感しました。

溶けた建築、というと、建築のように音楽を作ってしまいそうですが、多分ここで言わんとしてるのは、溶けた建築なんてものはない、溶けた建築は建築ではない、ということなんだと思います。

溶けなきゃ音楽じゃない、音楽は建築のように見えてしまったら音楽じゃない、そういうことなんだと思います。

楽譜は設計図かもしれないけど、音楽はその設計図通り作ったところで音楽にはならない。

音楽は楽譜には書けない。

今回再三言われたことです。わけってるつもりでも全然わかってない。

そうなっていなければ意味がない。

そしてそのことに関しては絶対に妥協しない。出来てなければ100回でも200回でもやる。

絶対にそのままにしない。そういう姿勢を見せつけられた5日間でした。

いつもそうなんですけど、道夫先生と時間を過ごすと、如何に自分が普段の生活の中で妥協しまくってるかということを思い知らされます。

妥協しないって本当に難しい。

僕たちは

時間に追われ過ぎてる。

三日目の個人レッスンで先生が「遺言」として仰られたことなのですが、

僕たちは時間とお金に追われ過ぎてる、忙しすぎる、だから音楽にそれが出ちゃう。でもそうじゃない世界もある、あぁ、こういう世界もあったんだよなぁ、そういうことを思い出させてあげるのが僕たちの仕事なんじゃないだろうか。

正確ではないですが、このようなことを仰られました。

音楽家はこの社会の只中にいてはならない、ということなんだと思います。

心を亡くしてはならない。

いつも、生に対して目を開いていなければならない。


終演後にお話を伺うことができたのですが、とても印象的な言葉を頂きました。

「君は、抱え込みすぎている」

ちょっと生き方を考え直さなければならないのかもしれません。

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下田へ

下田へ

アラミレ合宿を昨日終え、一路下田へ。

台風はもう過ぎ去ったようですね。一時の予報では今日伊豆半島直撃な感じだったので、よかったです。

しかし昨日は16時に原村を出発(メンバーのK林さんの車で送っていただきました)し、見事に渋滞にハマり、やっと東京に入った頃に土砂降りの大雨。

なかなかのドライブでした(笑)

家に着いたのは結局22:30頃、6時間半かかりました( ̄◇ ̄;)

そして今日は6:00起きで下田へ。

立川でオルガンカーに同乗させていただきます。
下田は「小林道夫サマーアカデミー in 下田 2016」に参加します。

カンタータクラブOB会主催のイベントです。

小林道夫先生のもと、今年はヘンデルのメサイアをリハーサル、最終日には特別演奏会を行います。

特別演奏会のチケットはなんと2000円。激安です。

皆様観光がてらいかがでしょうか?

イベント詳細はこちら↓

https://www.facebook.com/events/613270538829491/?ti=ia

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8月

8月

今日は8月9日でしたね。

毎年この時期になると、色んな所でいろんな情報に出会って、まあわりとげんなりするんですが、これも必要なことだなと思いながら、無意識にその情報を吸収しています。

今年出会った記事で一番ズシンと来たのが以下の記事

http://nezu621.blog7.fc2.com/blog-entry-1970.html?sp

ちょっと吐きそうになりました。

昨年はこんなこと書いてましたね。

夏の広島とバッハ

おお!URLコピペしたら埋め込まれた!こういう仕様なのね!


8月といえば、なぜか毎年あちこちに行く用事があるのですが、今年も例に漏れずあちこち行きます。

今日も超暑かったですが、東京が一番暑い時期に東京にいない、というのがなかなかありがたいです(笑)

今年は長野(原村)、静岡(下田)、長野(軽井沢)に行きます。

昨年まではそれに日光のカンタータクラブ合宿があったのですが、今年はそれがないのがちょっと寂しいです。

予定が空いていたら、観光がてら(カンタータではあまり観光できなかったので)聴きに行こうかなと思っていましたが、それも叶いませんでした。

原村はアラミレの合宿、下田はカンタータクラブOB会主催の「小林道夫サマーアカデミー」、軽井沢は「軽井沢国際合唱フェスティバル」です。

サマーアカデミーではメサイアのソロを歌います。これがテノールとしてのソロ・デビューです。

軽井沢は、シグナスとして招待されています。

どちらもとても楽しみな本番です。


そうそう、今日は八咫烏の練習でした。

来年1月のコンサートの選曲のために、初見で音出ししてみたのですが、皆様初見能力えぐい。

あらためてポテンシャルの高さを感じました。

コンサートは1月14・15日の予定です。どうぞお楽しみに!

あ、その前に9月9日がありましたね。初の八重桜との共演も楽しみです。

16人で16声の曲を歌います(笑)

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そしてそろそろ時効かなあと思うので、この動画をあげてみます。

公式アカウントからやると怒られそうなので、私の個人の方にあげます(笑)

暑気払いにどうぞ!

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ヴォクスマーナ第34回定期演奏会


プティヴィオロンのリハーサルは来週からですが、それより後にあるヴォクスマーナの定期演奏会のリハーサルは既に始まっております。

ヴォクスマーナは12人12声の、現代音楽専門の声楽アンサンブルです。
今回も新曲が2曲、再演が2曲です。
私は初演時にも歌わせていただいた近藤譲さんの作品と、木下正道さん、渡辺俊哉さんの新曲に参加させていただいております。
近藤譲さんの薔薇の下のモテットは、「底の底」という、蒲原有明のテキストによる9分ほどの曲で、2011年にヴォクスマーナの委嘱で作曲されました。私がヴォクスマーナで歌わせていただいた曲の中でも5本の指に入るくらい大好きな曲です。
すっごい難しいですが、すっごいいい曲です。
久しぶりに楽譜を開いてみると、当時の書き込みが沢山あるのですが、大半は何のことだかわかりません(笑)
書き込みの仕方がこの数年で相当変わったようです。
――・――・――
木下正道さんの作品は、20分以上もある大作で、12人の歌い手を独特の配分でグループ分けしています。
テキストはフランス語で、非常に複雑なリズムの中に言葉を捌いていくのがとても難しいです。
特にこの部分
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八分音符5個を3等分、すなわち5拍3連です。つまり八分音符を3等分したものの5つ分が1つの音符の音価ということになります。別の言い方をすると、1つの音符が八分音符の5/3分の長さということです。
既に普通の人には何が何だかですよね。図にすると以下のようになります。

そしてその1つ1つの音符に、”peut – être”、”le”、”déplacement”という語が当てられています。
なんていうファジーな歌詞割りなのでしょう!1つ目には3音節、2つ目には1音節、3つ目には4音節が与えられているのです。これでは1つ目と3つ目の音符の中で、、どのタイミングで2音節目と3音節目を発音したらいいのかわかりません!
まぁ3音節は3等分、4音節は4等分にしようか、ということになりました。
正確に計算すると、1音目は八分音符5/3の長さを更に3分割するので、1つ目のpeutの長さは八分音符5/9ということになります。
また3音目は4音節なので、なんと5/12!

だれができんねん!しかも全員で合わさなあかんねん!
この言葉をこのリズムで発音するのは10人ですので、この10人がこの5/9を頭の中で計測せねばなりません。
オー!マイ!ガー!
まぁ音楽ですので、そんなカチカチに考えなくてもいいのですが、書いてあることを正確に再現しようとするとこういうことになります。

――・――・――

もう1つの作品、渡辺俊哉さんの作品は、大変繊細で、非常に精緻なテクニックが求められる作品です。
音楽が精妙過ぎて、譜面をめくる音がうるさく思えるほど、ピンとした空気が張り詰めます。
この作品もまた、非常に集中力を要する作品です。
この作品には、カンタータクラブの後輩の日野さんも参加します。
去年のヴォクスマーナ定期で受付をしてくれて、打ち上げに来てくれた時に誘ったのですが、参加が実現して嬉しいです。――・――・――

ヴォクスマーナに参加し始めたころは、楽譜を見るたびに、
「こんなもんできるかーーーーい!!!!」
と思っていましたが、最近は、
「ああ、なんか、いけそうやな」
くらいになりました。
もちろんまだまだ全然完璧には歌えませんし、アンサンブルと表現についても死ぬほど難しいことに変わりはないのですが、心もちとして、「なんか、できるで」くらいに思えることで、よりポジティヴに落ち着いて譜読みできている気がします。

日々成長!

――・――・――・――・――
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g.sakurai.office@gmail.com
発声・歌唱指導、合唱指導等承っています。
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まんじりともせず

先週の、バッハカンタータクラブ定期演奏会からの翌日のらうらうらの演奏会、お越しくださいました皆様、ありがとうございました!

なんとか乗り切ることが出来ました。
さて、燃え尽きている暇もなく、次の公演のリハーサルが続いています。
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こちらは芸大学部時代の同期、トミーの主宰する男声アンサンブル八咫烏!
凄いメンバーに囲まれて、いつも爆笑しながら練習しています。
かなりクウォリティ高まってます!
こちらから演奏聴けます。
今回の演奏会はデビューコンサートなのですが、なんと既にチケットが完売しております。
お買い上げ下さった皆様、誠にありがとうございます。
私この演奏会で、バリトン、テノール、アルト、ボイパ、カルグラを歌います。やべーまじやべー。
ちなみにカルグラはコチラ
この中でも最も大変なのは実はボイパです。
今回なんと3人でバスドラ、スネア、ハイハットを分担して演奏するのですが、私はスネアの担当になりました。
一曲ほぼまるまるずっと1拍おきにスネアの音をやっていると、もう唇がヘロヘロになります。
苦悶の表情でやり遂げていると思いますので、こちらもお楽しみ頂ければと思います(゜▽゜)
ーー・ーー・ーー
次にやって来るのはこちらの演奏会
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花井先生のドストライク!シャルパンティエです!
満を持して、コントラポントのシャルパンティエシリーズが始まりました!
花井先生のシャルパンティエ、マジで凄いですよ。
しかも今回はルーテル市ヶ谷の大オルガンで通奏低音を演奏します。
こちらはまだチケットございます。私に言っていただければ関係者価格にて購入可能です。
詳細はコチラからどうぞ。
ーー・ーー・ーー
また、昨日は、リハーサルの合間を縫って、カンタータクラブの飲み会でした。
今回定期演奏会が平日夜でしたので、打ち上げでゆっくりできなかったために、改めて企画してくれたのでした。総務さんありがとう!
インド料理最高に美味しかったし、最高に楽しかった!
ありがとう!
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