イザークとモンテヴェルディ

イザークとモンテヴェルディ

今日は3月のカペラのリハと、夜は道場+計歌会のレッスンでした。


カペラは3月にコントラポントの公演に友情出演(?)する予定で、モンテヴェルディのミサIn illo temporeを演奏します。

このミサは有名なヴェスプロと同じ楽譜集に含まれ、新技法のヴェスプロに対して、旧技法のミサとして対置された作品です。

曲は先日までリハーサルしていたイザークのミサに匹敵、あるいはそれを超えるほどゼクエンツが多いです。

祭りです。もう、ゼクエンツの。

イザークから100年後の作曲家だけあって、そのゼクエンツにひと工夫もふた工夫もあって、時代の流れを感じます。

しかも6声なのでより技法としては複雑です。

いやーそれにしてもゼクエンツだらけ。そして回数が多い!

ゼクエンツって構造的にいくらでも繰り返せるんですが、大体3-4回もやればいい方で、5回あると多いなぁって思うし、バッハなんかは2回とかでやめちゃったりして、潔いなぁなんて思ったり。

で、モンテヴェルディはコレです↓


赤で括弧したところがゼクエンツの部分です。練習番号20番のところから、それぞれ4回、3回、6回、4回、とここだけで4種類のゼクエンツが現れます。

まああああシツコイ!こんなにシツコイ人いるかしら!っていうくらいシツコイです。

このシツコさによって、expecto「待ち望む」を表現てるんですね。待ち焦がれてる感が物凄いです。

今までイザークを練習していたので、技法の新しさが目立ちます。

特にモンテヴェルディは和声的にビックリするくらいモダンで、ドミソで終止したあとにミソ♯シで始まったりします。ウォーマジか!なにこの斬新さ!ってなります。一瞬なんの和音が鳴ったのかわからないくらい斬新です。

「最近の若いものの考えることときたら、、」

などと当時の先輩音楽家は思ったでしょうか笑

モンテヴェルディ生誕450年記念演奏会1〜ルネサンス対位法の集大成のミサ曲と初期イタリア・バロックの器楽作品が大聖堂に織りなす幽玄なる音世界!
2017年3月17日(金) 午後7時15分 東京カテドラル関口教会聖マリア大聖堂

クラウディオ・モンテヴェルディ Claudio Monteverdi (1567-1643)
ミサ《イン・イロ・テンポレ》 Missa In illo tempore
ジョヴァンニ・ガブリエリ、ダリオ・カステッロ、ジョヴァンニ・ピッキらの器楽作品
Giovanni Gabrielli (1554/1557?-1612?, Dario Castello (d.1630?), Giovanni Picchi (1571/2-1643), Instrumental works

古楽アンサンブル コントラポント 器楽アンサンブル
ヴァイオリン violone:丹沢広樹 コルネット cornetto:上野訓子
ドゥルチアン dulciana:鈴木禎 リュート liuto:金子浩 オルガン organo:花井哲郎


夜は古楽道場と計歌会合同のレッスンでした。

この2つの団体は昨年まではそれぞれ別の勉強会として、ジョスカンとマショーをやってきました。

今年は合同でイザークの6声のミサを演奏します。

Missa “Virgo prudentissima”

このミサも凄いです。面白い!

メンスーラが複雑で変化に富んでいて、特に私の歌っているVagansというパートはスレスレのところを綱渡りするようなスリリングさで、時々限界を迎えて派手に他のパートと半音でぶつかったりして超楽しいです。

結構な時間「レファファ♯ラ」っていう現代の音楽用語で言うドゥアモルみたいな和音が鳴るんです。

それはそれは緊張感高いです。

こちらは1年間かけてじっくり学び、11月に本番が予定されています。


(写真)私の歌うパートVagansというパート名が書かれています↑

――・――・――・――・――

演奏動画公開中!

Heinrich Schütz “Musikalische Exequien” op. 7 III. Canticum Simeonis / Salicus Kammerchor

Ensemble Salicus : Gregorian chant from “Proprium in ascensione Domini” / “Ordinarium missae I”

――・――・――・――・――

主宰団体Salicus Kammerchorホームページはコチラ

――・――・――・――・――

櫻井元希へのお仕事のご依頼、チケットのお求め等は以下のフォームよりお気軽にお問い合わせください。

キリキリマイ

キリキリマイ

助成金の締切が迫り、キリキリマイしています櫻井です。

今日は午前中ヴォクスマーナのリハーサル、昼櫻田亮先生のレッスン、夜古楽道場の自主練、という盛り沢山な一日でした。(助成金の申請は明日の午前中にやります。ギリギリ、、)


ヴォクスマーナは今

【故 入野義朗 生誕95年記念コンサート 12音技法のマイルストーン】

のためのリハーサルを行なっています。




ヴォクスマーナが演奏するのは

混声合唱とピアノのための「凍る庭」(1961)

の一曲のみですが、例によって微に入り細に入り、丹念にリハーサルを重ねています。

ピアノは作曲家の篠田昌伸さんです。

この共演もとても楽しみです!

ーーーーーーーー

演奏会詳細はこちら↓

http://vox-humana.wixsite.com/vox-humana/concerts


午後は櫻田先生のレッスン。テノールに声種変更を考え始めた時から先生のレッスンを受け始めたのですが、もうなにしろちびっちゃうくらい先生の声が素晴らしいものですから、しかもレッスンの中でもすごい歌ってくださるので、ほんとそれだけでも受ける価値あります。もちろんそれだけじゃないんですが!

ジラーレのコツがもうちょっとで掴めそう!


夜は古楽道場、これは花井哲郎先生のもとに音大生や音楽家が集まってグレゴリオ聖歌やフランドルポリフォニーを学ぶ会で、自主練の時は私が指導を行なっています。

私が花井先生の元で学ぶきっかけになったのがこの古楽道場で、今カペラやコントラポント(やサリクスやらなんやかんや)などで大活躍の、鏑木綾、田村幸代、富本泰成、渡辺研一郎、佐藤拓、西久保孝弘などなども所属していました。

古楽歌手製造工場と言っても良いかもしません笑

古楽のやりたい歌手(もちろん歌手じゃなくても可)は、この門を叩くのが近道かもしれませんよ。

最近この会ではグレゴリオ聖歌をあまりやっていなかったのですが、来年イザークイヤーということで、典礼形式でイザークのミサをやろうということで、今日はグレゴリオ聖歌の基本を学びました。

2時間みっちりネウマと睨めっこです笑

これを知らないと見えない世界があるのですよ!皆さん!笑

ほんと、人生変わりますよ!(アヤシイセミナーではありません、壺とか数珠とか売りません)

インド音楽では、どの楽器の奏者も、まずは歌を習い、その歌を再現するように楽器を演奏するそうですが、その考え方は西洋の音楽も取り入れた方がいいと思います。

みんな口では歌うように、とか、言葉をしゃべるように、とか言うんですけどね、、。

グレゴリオ聖歌勉強したら一発ですよ。マジで。

というわけでもう家に着きそうなので、助成金モードに戻ります。

間に合うか、、、!

――・――・――・――・――

最新動画公開中!

Heinrich Schütz “Musikalische Exequien” op. 7 III. Canticum Simeonis / Salicus Kammerchor

Ensemble Salicus : Gregorian chant from “Proprium in ascensione Domini” / “Ordinarium missae I”

――・――・――・――・――

Salicus Kammerchorホームページはコチラ

――・――・――・――・――

櫻井元希へのお仕事のご依頼、チケットのお求め等は以下のフォームよりお気軽にお問い合わせください。

草の根運動

{CC34B7D3-0D2B-47CA-9CF3-5D6E64872A7F:01}

今日はコントラポントのリハーサルの後、FF古楽道場ジョスカン組のレッスンでした。

FF古楽道場とは、音大生(等)が花井先生の元に集まって古楽(グレゴリオ聖歌やルネサンスポリフォニー)を勉強する集まりで、私が学部1年生の時に始まりました。
なのでもう7年経ちますでしょうか。私はここで初めて花井先生に出会って、ナンジャコリャ!アハ体験!エウレカ!したのでした。
この集まりからは、今コントラポントやカペラで歌っている、鏑木綾、田村幸代、渡辺研一郎、佐藤拓、西久保孝弘等が巣立って(?)行きました。
今年から2クラスに、ジョスカンを勉強する組と、マショーを勉強する組とにわかれました。
私はマショー組で勉強させていただきながら、ジョスカンの新人サポート等お世話をやらせていただいています。
グレゴリオ聖歌やルネサンスポリフォニーの歌い方は、音大生にこそ学んで欲しいと思っているので、この集まりはかけがえのない機会になっていると思います。
本当にここでしか学ぶことのできないことがあります。
もっとこういうことが学べる機会があればいいなと思って、ワークショップを企画したりしているのですが、ほんとは音大生にこそ学んでほしい。
そういう思いがあって、今年度でカンタータクラブを卒業するということもあり、カンタータクラブ内で勉強会を立ち上げました。
11月から始めて、月2回程度、ネウマとルネサンスポリフォニーを学ぶ会、通称ネウポリの会です。
こちらは今年度限り、あと3月の2回を残すのみですが、このネウポリの会から、継続して学びたいという数人が、古楽道場の門を叩いてくれました。嬉しいな。
こうして少しずつ、音楽を生業とする者の中に、グレゴリオ聖歌、ルネサンスポリフォニーの歌い方が広まっていって、いずれそれがスタンダードに、当たり前になっていけばいいなぁと思います。
私は何しろ古ネウマと出会って、「これが歌というものか!」と思いました。
古ネウマには歌の全てがある、と思いました。
ほんとに多くの人に学んで欲しいなぁと思います。
これを見ている音大生、興味があったら是非私までご連絡下さい。
見学だけでも歓迎です!
――・――・――・――・――
櫻井元希へのお仕事のご依頼は以下のメールアドレスまで。
g.sakurai.office@gmail.com
発声・歌唱指導、合唱指導等承っています。
詳細はコチラをごらんください。
――・――・――・――・――
主宰団体Saclicus Kammerchorのホームページはコチラ

フレンチバロックとフランドルポリフォニー

今日はフレンチバロックをレパートリーとする合唱団フォンス・フローリスと、フランドルポリフォニーをレパートリーとするアンサンブル・アラミレの練習でした。

合唱団フォンスフローリス
アンサンブル・アラミレ

両方とも指導は花井哲郎先生。思えば先生との出会いは学部1年の頃、つまり7年前です。
ハルモニア・アンサンブルの勉強会で花井先生をお呼びしたのが出会いでした。ああ懐かしい。

フォンスフローリスは今年は8月21日に演奏会を行います。リュリのテデウムと、シャルパンティエのミサを演奏します。

シャルパンティエといえば、3月2日にもコントラポントの演奏会で演奏いたします。

もーシャルパンティエ超楽しい!
79の和音多用しすぎ笑!

絶対楽しい演奏会になります。超おすすめです!

フレンチバロックといえば3月15日にも、グランモテを演奏します。
プティ・ヴィオロンという若手演奏家たちによる激熱プログラムです!

なんと花井先生が合唱で参加されます笑笑笑
忘年会で冗談で話をしていたら本当になってしまいました笑!

花井先生が誰かの指揮で歌うのを見たことがないし、先生自身も学生時代ぶりとおっしゃっていますので、かなりレアですよ!

――・――・――・――・――

アンサンブルアラミレは、私がアンサンブルリーダーをさせていただいている団体で、このたび2月11日のフォンスフローリス古楽院の発表会で歌わせていただきます。
こんな曲を歌います。

image

演奏には全く関係ありませんが、この飾り文字のKは私が書きました!!

演奏には全く関係ありませんが、テンションが上がります!
だから間接的に演奏には関係あります!笑

このアダムレナーの聖母ミサはことごとくこの飾り文字が欠けてるので、全部書いてやろうと意気込んでおります。

発表会では作者不詳のイントロイトゥスとレナーのキリエのみですが、9月の定期演奏会では全曲演奏しますので、こちらもお楽しみに!

――・――・――・――・――

櫻井元希へのお仕事のご依頼は以下のメールアドレスまで。

g.sakurai.office@gmail.com

発声・歌唱指導、合唱指導等承っています。
詳しくはコチラをご参照ください。

――・――・――・――・――
主宰団体Saclicus Kammerchorのホームページはコチラ

サポート会員募集中!