光岡英稔 BUGAKU講座に参加してきました(4回目)

昨日は光岡先生の講座に参加してきました。
これまでBUGAKUの講座3回、韓氏意拳の講座に1回参加してきましたが、徐々に理解が深まってきている感じがあります。

それぞれつながっていて、しかし微妙に切り口が違って、受講生の様子を見ながら進めてくださいます。

武術の講座ですが、殴り合ったりするわけではないので、音楽家の皆様にもぜひ受講してほしいです。気づきを共有したい。

ここで学んだ身体観を自分の音楽活動に活かし、また指導に活かすというテーマは私一人で抱えるには大きすぎる。

以下にこれまで私が参加してきた講座のレポートがありますので、興味のある方はぜひ行ってみてください。

それか一緒に参加しましょう。

BUGAKU1回目 https://wp.me/p7Ktcz-cpK
BUGAKU2回目 https://wp.me/p7Ktcz-dGh
BUGAKU3回目 https://00m.in/meqhZ
韓氏意拳講座 https://00m.in/anmad


異なる3つの身体観

今回学んだのは前回の韓氏意拳の講座で学んだ自然体とは何かということに地続きになっていると思われる、3つの身体観についてでした。

1.物理的身体

2.感覚的身体

3.気の身体

下にいくにしたがって意識が対象化しにくくなります。

物理的身体は意識が対象化しやすいということで、意識体ということもできます。

感覚的身体は、実体はないけれど、感覚経験として存在するということは理解しやすい。

そして気の身体というのが、理解しにくいけれど、感覚的身体と物理的身体を生む、感覚以前の身体です。

よく私の発声指導で、「状態が行為を生み、行為が現象を生む」という言い方をしていますが、「気の身体が、感覚的身体を生み、感覚的身体が物理的身体を生む」という言い方もできるかもしれません。

でもどうだろう、感覚的身体が物理的身体を生むというのは違うかも。気の身体が感覚的身体も物理的身体も生んでるような気がする。

で、気の身体というものをどうやって体認するのかというところなんですが、物理的にも感覚的にも同じ状態にしたつもりで、効果の違いを見るというのがとても分かりやすいです。

たとえば左手の甲を前、右手の掌を前にした状態で立って、前から(外力によって)押してもらいます。

この状態は不定位と呼ばれる状態で、外力に対して崩れやすい状態です。

しかし、シラットというの東南アジアの武術の型をひとつ通すと、この不定位の状態が定位します。

また一回普通に立って、今度は方を通さずにさっきと同じ手の形を作ると、またもと通り不定位になります。

本人としては、まったく同じ形(物理的身体)で、感覚的にも同じような感じがしているけれども、違う身体であるということがわかります。

そういうわけで、物理的にも感覚的にも同じであるはずなのに効き目が違う、という不思議な体験をすることで、物理的にも感覚的にも説明のできない身体というものがあるということが確認できるのです。


左右観

左右にはそれぞれ傾向があり、傾向は「気」と言ってもいい。

右=縦気

垂直、沈み、重み、閉じ、まとまり

左=横気

水平、浮き、軽さ、開き、広がり

トラック競技が左回りということともかかわりがあるそうです。左の方に広がっていきやすい傾向があるので。

脱獄犯なんかもほぼ間違いなく左に逃げていくそうです。

そして左の方が動くのに適しているのだそうです。

このことからもヴァイオリン属の構え方が理にかなっているということがわかります。

右手は縦気、沈みこむ傾向があるので弓を扱い、左手は細かい動きに適しているので、弦を押さえるのに適しているということです。


塵浄水の礼

今回初めて、相撲の礼法である塵浄水の礼をやりました。

「型、式、礼法」はいずれも、ある「手順、方向、数、形」を通ることで、その流派、体系に必要な身体観を導き出すものなのだそうです。

だから、その目的は様々。シラットの型の目的は左右の定位不定位を入れ替えるということでしたが、塵浄水の礼の目的は「肚ができること」と「腰が入ること」なのだそうです。

正座した状態で、左肩を右に、右膝を左に押されると、定位しているので動かないように耐えられます。
反対に右肩を左に、左膝を右に押されると、半分以下の力でステーンと転びます。

ところが塵浄水の礼を通った後に同じことをやると、どちらも耐えられます。

シラットは定位不定位を転換するのですが、塵浄水の礼は両方定位するんですね。これはひっじょーに面白かった。

そしてさらに、塵浄水の礼をあえて左右逆に間違えてやると、右も左も不定位になるんです。

これはひっじょーに興味深い、何も起こらなくなるんじゃなくて、両方不定位になっちゃう。

つまり両方定位するための礼法が、両方不定位にする礼法に変わってしまうんですね。

わたくし試しに一回手をたたくところを2回たたいてみました。

そうすると、両方不定位になるのですが、面白いことに、右肩左膝を押されたときに、何もしないときは左膝からスーンって崩れていたのが、左膝は動かないのに、右肩の方がぐらぐらになっちゃったんですね。

武術が型や礼を重視するのはこういう意味があったんですね。

強くなるための型なのに、手順や回数をちょっとでも間違えると、意味ないどころか、逆効果になってしまうんです。


動法と観法

これは講習会後の食事の際にお話しさせていただいたことなのですが、私こういう質問をしました。

「観法ができれば動法は必要ないのでしょうか?」

型とか式とかというのは動法といって、動きを用いて勁道を通す方法、それに対して観法は、動きによらず、自分の身体、気の偏りを「観る」ことによって勁道を通します。

つまり観法によって勁道を通すことができてしまえば、動法によって勁道を通す必要はないのではないかと思ったのです。

光岡先生の答えは、場合による、人に教えるときは観法だけで教えるのは難しい、また、動法の動きそのものが、実践における技術と直結しているので、必要ないとは言えない、ということでした。

確かに観法を人に教えるというのは凄く難しいというか、無理な気がします。動法によって勁道が通ったという体認を経ないと、観法で勁道を通すというのは意味不明だと思います。

それに加えて先生がおっしゃった、動法の動きそのものが技術に直結しているというのがとても印象的でした。

ボイトレでいうと、音階を使った発声練習は動法と言えると思うんです。音型という「型」を使うことで、その型を通る前の状態と違う状態を作り出すという意味でこの二つは共通します。

今まで西洋式、東洋式というように分けていたボイトレの考え方ですが(詳しくはコチラ)、実は両方東洋式の内に入れられるかもしれません。

つまり、動法ボイトレと観法ボイトレ。

音型という一種の「型」を使って勁道を通すのが動法ボイトレで、型を離れて身体を観ることで勁道を通すのが観法ボイトレというわけです。

そしてこの音型は、勁道を通す役目を果たしながら、実際の音楽の中でも現れるので、つまり実践でそのまま使えるわけです。

この点でも動法に対する光岡先生の考え方と一致します。

というわけで今まで私のボイトレは西洋式、東洋式と2つの異なった系統としてアプローチしてきましたが、一つの地続きのものとして捉えることができるなあと思いました。

更にBUGAKUの指導法もかなりそのままボイトレに応用できるのではないかと思います。

BUGAKUではまず①左右表裏というものがあり、自然な状態で人間がどのようなときに定位し、どのようなときに不定位になるかということを教えます。そして②それは「型、式、礼法」という動法を通すことによって変化するということを教え、それから③動法を通すことなしに、「観法」によってもそれが可能であるというところにいきます。

これはそのまま
①現在の発声状態の把握
②動法(音型練習)によってそれを変化させる
③動法によらず、観法によってそれを行う
と置き換えることができそうです。

メタ発声という言い方で観法的ボイトレを捉えていたので、どちらかというと音型練習の前に観法をやっていましたが、むしろ逆のほうが効果があるのではないかということに気づいたエウレカ体験。

早速実践していきたいと思います。


さて、明日はフォンス・フローリス古楽院の発表会です。

中世からルネサンスまでの様々な声楽作品が山のように演奏されますので、よろしければ足をお運びください。

発表会なので入場無料です。

https://www.facebook.com/events/623498888408625/

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光岡英稔|韓氏意拳講座

12月6日光岡先生の韓氏意拳講座に行ってきました。

BUGAKUの方の講座にこれまで3回ほど参加させていただき、その後も日程をフォローしていたのですが、土日でなかなか参加できず、今回の意拳の講座は金曜ということで空いていたので参加してきました。

以下講座のメモです。私の解釈、記憶違いなどあると思います。文責は私にあります。

自然体とは

この日メインで学んだのは、自然体とはどういう状態のことをいうのかということでした。

三つの自然体

①構造的自然体
②感覚的自然体
③感覚以前の自然体


①構造的自然体

これはいわゆる物理的な意味での自然ということで、意識下に置きやすく、論理だてしやすく、数量で測れ、認識を共有しやすく概念化しやすい。

試し稽古で、手を横に広げてみるということをやってみました。ただただ横に広げるだけなのですが、ずっとやってると手がだるくなってきます。

「もしこれが自然体なのだとしたら苦痛は生じないはずでは」

そしてこの構造が強いかどうか上から力を加えることで確かめます。

その形をキープしているだけで限界なので、この構造が強いわけがありません。

すぐへにゃってします。

そこで今度は光岡先生が形を直してくださるのですが、そうするとその前よりもその形をキープできます。

肘の角度、手首の角度、指の伸び具合。

それで、それがなぜかということなのですが、「中立点」というのがキーワードになるようです。

中立点とは、その腕の形における肘の可動域の中間ということのようです。


②感覚的自然体

「感覚」は自然なのか?

感覚があること自体は自然。

「不自然」を感じるという感覚もある。

「不自然」な感じはどういうときに生まれるのか。

・慣れていないことをしたとき。
・痛み、苦しみがあるとき。
・力みがあるとき。
・余計なことを考えちゃうとき。

例えば痛みや苦しみが「不自然」だとするなら、出産は不自然なのか。

力みはなぜ生まれるのか。

「怖れ」が力みを生む。

「怖れ」は「未知」から生まれる

しかし未知だらけであった子どものころ、私たちは今より怖れていたか。

未知に対して、怖れる気持ちと、わくわく楽しみに思う気持ち、この差はどこから生まれるのか。

既知が増えると怖れが増える。


③感覚以前の自然体

站椿八式のうち最初の三つをやりました。

挙式 抱式 捧式

手を挙げて(挙式)、おろして引き寄せて左足を少し開いて(抱式)、また少しおろして掌を上に向けて少し挙げる(捧式)。

とまあこれだけのことなのですが、これを一つ5分かけてやるんだそうです。

これまで駒井先生の本見ながらやってましたが、一つ30秒もやってなかったな。5分って結構ですよ。

インド古典声楽の練習法で、ロングトーンを正座で合掌で(ここは観法を同時にやるようアレンジしました)1時間ってやつをやった時よりもきついかもしれない。

手を挙げるだけで5分。

果てしない。

インド古典声楽の場合、息をするより自然に声が出るまでやるっていうある意味目標みたいなものがあるから出来る感じがするんですけど、んー手を挙げるというのはつまりその、難しい・・(思考停止)。

それで站椿の動きをしている間中自然体であり続けるということは、構造的にはそれぞれの瞬間に中立点を通り続けるということです。

これは一つの真実。

しかしDeeper truth、より深くそれを見ていくと、つまり瞬間瞬間中立点を通るということを常に意識しながらは戦えない(ということだと解釈しています)

別の方法で、構造的自然体を結果として得ることのできる方法、それが感覚以前の自然体ということなのだと思います。

このあたりが以前BUGAKUで教わったこととつながってきます。

その時のレポートはこちらにまとめています↓
1回目
2回目
3回目

つまり「精」とか「気」とか「神」の世界。

この3つの中でも「気」は「精」と「神」の両方の側面を持った中立的なものなのだそうです。

それで左右観から気の身体観を知るということをやりました。

左は横気(水平観)軽さ、開き、広がり、浮き

右は縦気(垂直観)重み、閉じ、まとまり、沈み

という特徴があるそうです。

これも試し稽古によって実感を伴って学べるので説得力があります。

左右観について、BUGAKUでは定位、不定位を学んで、楽器を演奏するときの構えについて考えるところがありました。

つまり、ヴァイオリンも、チェロも、フルートも、右掌が前、左掌が後ろになる不定位の状態なんです。(そのあたりのことは3回目のレポートに書いてます)

それで、そのことと今回の縦気横気を重ね合わせるとさらに合点がいく。

ヴァイオリンって右手に弓を持って、右手を沈ませるようにして弾きますよね。反対に左手は楽器を持ち上げるようにする。

また縦型の木管楽器が右手が下であるということも関係があるようです(韓氏意拳東京講座の世話役の方がオーボエ経験者で、そのようなことを仰っていました)

そして基本的にクラシックの楽器の場合、左利きの人も右利きの人も同じように楽器を構えます。

左右観には利き手の左右は関係ないので、左右観と楽器の構えの関係について説得力があるように感じます。

さらには指揮についても、基本的に左利きの人でも右手メインで振ります。

縦気の右手で振るというのは合点がいきます。

さて歌の場合は・・・・・・・・。

見た目に現れないからわかりづらいですよねえ。

ただきっとうまく歌に取り入れる方法があると思うので、試し稽古を続けたいと思います。

さて、今回の講座はここまでで時間切れでした。(後半は私の妄想ですが)

引き続き時間を作って講座を受けていきたいと思います。

いずれがちっと歌と結びつく日を信じて。


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トルブール イギリスのキャロル|終演

昨日、トルブールの公演が終演いたしました。

お越しくださいました皆様、誠にありがとうございました。

今回このユニットには初参加だったのですが、リハーサルから暖かい雰囲気で迎え入れてくださり、のびのびと歌うことができました。

ワンピースを着て歌うというのも初めてでしたし、

おててつないで踊りながら歌うというのも初めてだったと思います。

そして今回のハイライトがこちら

タンバリンデビューしました。

前日に、器楽曲でなんらかの打楽器をやるということが決まり、当日立岩さんが用意してくださったのがこちらのタンバリン。

サステインの効いたほんとにすんばらしい音で、なんと立岩さんもまだ本番では使ってないというレアな楽器。

上の写真はゲネプロ後にコソ練している様子を立岩さんに激写されたものです。

素晴らしい瞬間に素晴らしいアングルで撮っていただきました(笑)

一夜明けまして、今日は光岡秀稔先生の韓氏意拳の講座に行ってきます。

武学の講座に前回参加したのが3月(その時の記事はコチラ)で、それから毎月チェックはしているのですが、ついに12月まで参加できる日が無く・・・。

今回は武学ではなく、韓氏意拳の講座です。楽しみだあ。

またレポート書きたいと思います。

そして明後日はサリクスのワークショップ。今からでも参加可能ですので、気負わずにお申込みしてください!

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リフレクソロジーと中国武術

リフレクソロジー雑司が谷十音(とーん)に行ってきました。

フットリフレクソロジストの山崎絢子さんは、声楽家からオーケストラの事務局に勤められた後、南アフリカのドーガンインターナショナルの認定を受けたという異色のリフレクソロジスト。

南アフリカでは世界で唯一、リフレクソロジストが国家資格なんですって。

リフレクソロジーってそもそもreflex=「反射」を使った施術なんだそうで、足裏と身体のあちこちが繋がってるという東洋医学的なものなんですって。

なんかカタカナだから西洋的なもんだろうとか思ってた無知なわたし笑

ドーガンさんってデンマーク人で、南アフリカに結婚して移り住んで、そこでリフレクソロジーの学校を作って、リフレクソロジーを国家資格にまでしてしまった方なんだそうです。

すんごい骨のある方ですよね。

絢子さんの施術は、足のマッサージと聞いて真っ先に思い浮かべる芸人さんの悶え苦しむリアクション芸みたいのじゃなくて、ほとんど痛みを感じないソフトで丁寧なもので、だからどうしても時間がかかってしまうんだそうです。

1時間半も人の足揉み続けるってなかなかすごい仕事ですよね。だって足だけですよ。膝から下だけ。足ってそんな揉むとこあったっけ?って思いますが、意外と1時間半あっという間でした。

私の足って踝から先と踝から上で別人のようなんですって。

踝から先は好奇心旺盛で柔らかく吸収する感じで、踝から上は警戒心が強いんですって。

面白いですねー。

確かに好奇心は旺盛でいろんなことやってみたいタイプではあるんですけど、多分それは絢子さんもそうで、なんと今週末から始まるフォンスフローリス古楽院のルネサンス音楽入門の講座に申し込まれてるんですよね。

それもやっぱり本業の方に何かヒントがあるかもと思ってのことだそうです。

私もそういうスタンスで光岡先生の武学講習会に出てるので。

それで最近中国武術やってるんですよーって話になって、やっぱり東洋医学と中国武術はなんかほぼ重なってると思うんですけど、お互いの話がクロスオーバーして面白かったです。

「心包っていうのがありまして、それってそういう臓器があるんじゃないんですけど」「経絡ってありまして、これも解剖して取り出せるようなものではないんですけど」

ええ、ええ、よくわかります。そういうもんですよね。

それでも西洋医学との歩み寄りで、筋膜の構造から経絡を説明しようとする動きがあるんですって。

それってまさに来週末武学で行われる、光岡先生の左右表裏をシナジェティクス的に捉える的なことに直結してそう。

あとここ数年母が漢方にハマってて、そういう話も結構聞いてたからわかるってこともありました。

なんかやっぱり、身体って頭みたいな格下が理解できるような代物じゃないんですよね。

もう、一言、「神秘」。わかろうとするのもおこがましい笑

それでもみんな科学が大好きで、科学的っていう魔法の言葉に騙されまくってますよね。僕もそうですけど。科学大好き。

でも科学じゃわからんことがあるってちゃんと知ってないと、科学万能って思うことは、むしろ科学を裏切る非科学的立場になってしまうわけで。


reflex=「反射」ってことで、最近地下鉄ユーザーになって、新宿三丁目の乗り換えで交差する人の波の中で思ったのは、僕たち気づかないうちに、他人のちょっとしたイライラや、焦りや怒りみたいなものを、受け取ってしまってますね。

反射って文字通り跳ね返るってことでなくて、大脳を介さずに伝わるって方の意味で。

気づかずに伝えてしまってるし、受け取ってる。

今日アスリートに必要なのはアッパーでもダウナーでもなくニュートラルを作ることだって話もあったんですけど、そういう他人からほんと洪水のように流れてくる感情を伴った立体的な情報を浴びながら、それでもニュートラルでいれるっていうのは、都会で生きていく上で欠くことのできないスキルですよね。

かといって、それを拒絶するのではなくて、受け入れながら、それでも自分でいる、大丈夫やでって、自分にも他人にもそういうなんかもうそれは「気」ですけどそれをこうふーっと出していられる人になりたいなあと思うわけです。

それってまさに拓さんなんですよね。佐藤拓。あの人いるとほんともうなんとも言えない安心するんですよね。あ、今日大丈夫やわって思えるんです。

これ、もうアンサンブル能力と言って過言でないと思うのです。

一緒に歌ってて、安心する人、なんか不安になる人、なんか緊張する人、なんかいやーな感じになる人、いろいろいると思うんですよ。

そういうところも含めてアンサンブルしてるんですよね。

何があっても大丈夫さって、自分も、仲間も思えるような、最強のアンサンブルアビリティを持った最強のアンサンブルシンガーになりたいなと、思います。


絢子さん、実は最近サリクスの本番当日のスタッフをお願いしていまして、今度の第5回定期演奏会でもお世話になります。

一緒にスタッフをやっている妻曰く、絢子さんに任せとけばだいじ!完璧!だそうです。

5/8と13の演奏会では絢子さんに会いに、あ、ついでに私たちの演奏も聴いて行ってください笑

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Salicus Kammerchor

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公演情報

次回は第5回定期演奏会

J. S. バッハのモテット全曲演奏会です!

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クラウドファンディングやってます!

J. S. バッハのモテット全曲演奏会に向けて皆様よりご支援を募ることとなりました。応援どうぞよろしくお願いいたします!

https://camp-fire.jp/projects/view/106446

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CD・DVD発売中!

Ensemble SalicusのレクチャーコンサートライブCD

昨年10月に開催されたLa Musica CollanaとのジョイントコンサートのライブCD

第2回定期演奏会のライブDVD

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サリクス通信

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合唱団作ります!

Chor Eleusis

合唱団エレウシス

【団員募集!】

この度新しく合唱団を立ち上げることになりました。

バッハやヘンデルなど、主にバロック期の作品をレパートリーとする合唱団です。

ゆくゆくはメサイアやミサ曲ロ短調など大曲にも挑戦できるような合唱団を目指します。

2019年6月活動開始を目標に各パート団員を募集中です!

練習日時:毎週水曜日18:30-21:00

練習会場:江戸川区の公共施設

指導:櫻井元希

初回練習曲:

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ「イエス、我が喜び」 BWV 227

Johann Sebastian Bach “Jesu, meine Freude” BWV 227

団費:

4,000円/月(学生:3,000円、夫婦割:お二人で7,000円)

お申込み:

以下のフォームから、①お名前 ②パート ③電話番号 ④メールアドレス ⑤ご住所

をご記入の上お申し込みください。

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インプットな週末|BUGAKU→暗闇のボイトレ

インプットな週末|BUGAKU→暗闇のボイトレ

光岡英稔|BUGAKU講習会

今週末もなかなか濃い2日間でした。

土曜日、光岡英稔先生のBUGAKU講座に参加してきました。

1.2月は予定が合わず参加できなかったので、昨年12月以来3回目の参加でした。

武術の講座なのですが、ほんと変わってると思うのは、ほとんど動かないんですよね。特に今回は半分くらいは座ってたんじゃないでしょうか。

正座でおそらく1時間近く観法をやっていたような。とはいえ観法やってると時間の感覚がなくなるので、手がかりになるのは足のしびれ具合くらい笑

さらにあぐらで、しゃがんだ状態で、立ち上がった状態で1時間くらいやっりましたかね、、。

動きらしい動きがあったのは、シラットの型をやった時くらいで、ものの5分程度だったかと。

普通だったら「何が武術や金返せ」なのかもしれません笑

ところがこれで武術の講座が成り立ってしまう、成り立つどころかものすごく示唆に満ちていて発見に溢れているのが光岡英稔の光岡英稔たる所以。

今回私3回目の参加にして、成長を感じることができました。

今まではほんと「はっはっはっ!わからん!」

だったのですが、今回初めて「あ、それ、わかる」ってことがありました。

それは「亅観(かぎみ)」と先生の名付けられた観法の1つで、左右表裏と前後表裏の表から表、裏から裏へとL字のような感じで観る(「揃え観」、表から裏、裏から表を観るのは「まだら観」)というものだったのですが、確かに、表から表は観やすい。観やすいどころか自然とそっちに目がいくという感じで、実感としてそれがわかって感激しました。

わかっちゃったのが可笑しくって、爆笑してました一人で。


左右表裏や観法などについては以前のブログをご覧ください↓

その1https://wp.me/p7Ktcz-cpK

その2https://wp.me/p7Ktcz-dGh


今回理解が進んだのは、まず「気と血」について。

気は見えない、けどある。気は流れない。「気の流れ」という表現は一つの方便であり、正確ではない。気は偏ってある。その偏り方によって血(感覚世界)が変化する。

気は見えないけれど、見える血に影響を与える。しかし気が見えないがために、なぜ血(現象、効果)に変化が起きたのかにわかには理解できない。

気は見えないし、触れることもできないし、感じることもできないけれど、観法によってその偏り方を変えることができる。

気の偏り方が変わることによって、血が変わる。

ちょっと私勘違いしてたのは、観法って気を観ることではない。観法で観るのはあくまで「からだ」であるということのようです。だって気は見えないから。

っていうのも私の勘違いかもしれないので鵜呑みにしないでくださいね笑。これあくまで私の気づき、学びのメモですからね。本当に自分で理解したい人は光岡先生のとこ行ってくださいね。他人のブログなんか信用しちゃだめですよ笑


次に印象深かったのは、型について。

型って「観法」に対して「動法」といって、これも気の偏り方を変えて、血を変える効果があります。

で、この型を繰り返していると、型を通らなくても気の偏り方を変えることができる、というようなことのようなのですが、ただ型を反復してるだけで強くなるかと言うとそうでもない。

型の反復では浅瀬を泳ぐのは上手になるけど、深く潜れるようにはならない。という感じなんだそうです。


もう一つ「定位」と「不定位」について結構重要な学びがあったはずなのですが、、、、忘れました笑

定位ってのは例えば左右表裏と前後表裏が揃った状態で、これは安定して構造がしっかりする。不定位はその逆で安定しないのだけど、後退するときには不定位のほうが力を発揮する。

それでこれは前から関連があるんじゃないかと自分で思っているんですが、例えば横笛、フルートとか篠笛とか龍笛とかバーンスリーとか、これみんな右側に、右手が外側になるように構えるじゃないですか。これって右手のひらが前、左は手の甲が前になってて、これって不定位なんですね。

またヴァイオリンなどの弦楽器も左手の甲が前向いてて、右手のひらが前を向いている(下向いているのでわかりにくいですが)。

つまり楽器を弾くのって不定位の方がどうも都合がいいようだ。ってことなんです。

後退する時に不定位が力を発揮するといいましたが、後退って他の動物からするとかなり異常なことで、人間ほど上手に後退できる動物って他にいないんですって。確かに後ろ向きで疾走する馬、とか見たことないですよね。あるいは後ろ向きで飛ぶカラスとか。

そこで、楽器を弾く時に不定位がいいという話に戻るんですが、音楽もある意味動物が生き伸びるという文脈からはかなりかけ離れた異常な行為だと思うんですよね。

だから不定位の方が都合がいいのではないか。ということです。

そこでちょっと疑問に思ったのは、チェロとヴィオラ・ダ・ガンバの弓の持ち方、あるいはコントラバスの2種類の弓の持ち方です。

チェロの場合、手の甲が前に来るように弓を持ちますが、ガンバは逆です。手が下に来ている状態での表裏の関係については講座でやってないので、ちょっと自信ありませんが、多分甲が前なので定位だと思われます。対してガンバは不定位ということになるでしょう。

この二つの楽器のキャラクターの違いって、こういうところから来てるのかなあとぼんやり考えています。(コントラバスについては両方の持ち方があります)

両方弾く某S根さんとかにお話うかがってみたいなあ。


あ、そうそうそれから今回、光岡先生が出版された本の即売会とサイン会もございまして、わたくしもサインをいただいてしまいました。ありがたや~。


徳久ウィリアム|暗闇のボイトレ

日曜日はアラミレのリハーサルの後、蕨(!)のタタミスタジオに伺って、徳久さんの暗闇のボイトレに参加してきました。

完全な暗闇を体験できるスタジオ、タタミスタジオについては以前から「蕨といえばタタミ」的な感じで徳久さんから伺っていたのですが、蕨に住んでいた期間にはついに足を踏み入れることがありませんでした。

それが船堀に引っ越してきた途端に蕨のスタジオにお邪魔する機会が訪れるというのは、なんとも不思議な縁です。

暗闇って言っても多分今みなさんが想像されたような空間ではないと思います。ほんとのほんとに暗闇。真っ暗闇。エアコンも切ってエアコンが動作してる時についてるちっちゃい光すら消します。

真っ暗になってすぐに感じたのは足裏の感覚の変化です。

というか足裏の感覚しかない。って感じになります。入ってくる情報がそこだけ。もちろん聴覚の情報もあるんですが、そこはあまり変化しなかったように思います。触覚の方が大きな変化がありました。そしてそれは「今も」続いています。

今回私がお題として取り上げたのは、「普通の発声練習」と「インヘイル(吸い)のノイズヴォイス」です。それぞれに課題があるということと、常々私声の幅ってことに興味があって、色んな種類の声を即座に引き出しからパッと出して使えるようになりたいんですね。で、この二つの声の出し方は真反対の特徴を持ってるので、この二つが自在に扱えるようになればかなりそれに近づけるのではないかと思ったのです。

でまずビフォーですが、前のリハーサルの疲れもあって、普通の発声についてもめっちゃフリップするしそれをごまかすために仮声帯寄ってくしって感じでもう全然ダメ笑。ノイズの方も日常的に練習しているわけではないので、自分が思ったような声は全然出ない。またカットアップ的に音を出したいのですが、全然そうならない。その前にまず声帯にダメージがきすぎて、そのあと普通の声がでない。声帯が合わない。という状態でした。

アフターはどうなったかっていうともう音源あげちゃいます。恥を忍んで。

他の受講生の方の声も入っちゃっててごめんなさい。二つの声を交互に出しています。

これほんと自分でも驚くくらい破綻なく出来てる。あの、音程とか適当、とかそういうのはもちろんあるんですが、声のクオリティ的に眼目があるということでご容赦下さい笑。

まさかここまでできるとは思いませんでした。

インヘイルのノイズなんかやったら普通の声が出にくくなるのは当たり前だという先入観がありましたが、むしろ普通の声も最初より全然いい。滑らか。

いやなんかもう不思議としか言いようがないんですがもうアレ、神秘、人体の神秘。

ただまあ暗闇になった時に何が変わったかということはメモしておこうと思います。


①身体のポジションが変わった
暗闇になった時、見えないということによる影響が大きいと思っていたのですが、私の場合はむしろ逆で、見られていないということによる影響のほうがずっと大きかったです。なんというか自分の性分として、頑張ってる風に見せたくないというか、何気なくさり気なくやることを是としているようなところがあるということに気づきました。その無意識の自意識が、発声に適した身体の状態に入るの自然な働きを邪魔していたと思います。

②顔の表情が変わった
これも①と同じですが、無意識で状況に応じて顔を作ってました。それが暗闇で関係なくなってしまうと、本当に必要な筋肉しか動かさなくてよくなる。無駄がなくなった感じがしました。

③自宅で声出してるみたい
ふっと体感が降りてきたのは、自宅で声出してる状態です。なんか匂いとか空気感まで再現されて、ほんとに家で何気なく声出してる気分になりました。で、そういうときって身体が少し揺れてる。それも右側に。そういう気付きがありました。

④肌の感覚の違い
諸々終わって、明かりを徐々につけていった時に感じたことです。先程足裏の感覚が鋭くなると言いましたが、これってむしろ足裏以外の肌の感覚がなくなってるってことだったようです。明かりがついてまわりが見えるようになると、光を肌が感じている。また視線を肌が感じている。ヒリっとした感じ。この感覚の違いは結構大きい。
心理的なものも大きいとは思いますが、肌も光や視線を感じてる。それがパフォーマンスに影響を与えてる。


暗闇の時に感じた自分の身体の透明感、心の滑らかさ、またやってることに対する手応えのなさ、これを日常に持ち帰るのが今後の課題になると思います。

いずれにせよ、暗闇恐るべし。こんな体験は他ではできない。

薄明かりが付いてから動画を撮ってもらいました。
恥ずかしいのでここでは静止画をアップします。

こういう人生を刷新するような、それまでの自分には戻れなくなるような、世界や自分自身の見え方が変わるような、そういうチャンスって、多分探せばまだまだあるんだろうと思います。

臆せずチャレンジしていきたいです。

あ、ちなみに今回出したノイズヴォイスですが、私のレッスンでは今の所まだ取り入れてません。

興味のある方は専門家をご紹介いたします笑

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