年の瀬

年の瀬

忘年会シーズンですねー。

私は昨日(ノヴァヴーチェ)今日(アラミレ)明日(フォンスフローリス)と忘年会です。

皆様今年も一年ありがとうございました。

という前に!コントラポントの演奏会があります!

まだ今年を終わらせるのは早いですよ。これを聴かずに年が越せるか?!越せますね。普通に笑

クリスマスにクリスマスソングなんて、ベタすぎるやろ、とか思ってましたが、ここのところは、季節に即した音楽を聴いて季節を感じるのもええやん、と思うようになりました。

クリスマスソングって、季節ものの音楽の中で、もっとも広大なレパートリーですよね。

クリスマスの新定番(全然新ではないけれど)として、シャルパンティエの真夜中のミサ、いかがでしょうか。

第九やメサイヤよりは季節感じやすいと思います。

今回の公演では真夜中のミサだけでなく、シャルパンティエの書いた様々なクリスマスの音楽を演奏いたします。

こだわりのプログラムについて、指揮の花井哲郎のプログラムノートが期間限定で公開されております。

https://fonsfloris.blogspot.jp/2016/12/2.html

これを読めばあなたもきっとコンサートに来たくなる!


古楽アンサンブル コントラポント第22回定期公演

「華麗なるシャルパンティエの音楽2」

2016年12月23日(金祝)午後2時開演(1時30分開場)

上野学園石橋メモリアルホール

問い合わせ、チケット申し込み:フォンス・フローリス

contact@fonsfloris.com

http://www.fonsfloris.com/c/schedule.html

フランス・バロックを代表する宗教音楽作曲家シャルパン ティエによる、クリスマスのための楽しい作品を集めた演 奏会です!

フランスのクリスマス・キャロルである「ノエル」の旋律 をふんだんに織り込んだ「真夜中のミサ」は、聖夜の神秘 と喜びに満ちあふれた名曲中の名曲です。

そこに登場するノエルの器楽編曲とその原曲のフランス語 のノエル、降誕祭直前の夕べの祈りのための「待降節のア ンティフォナ」、そして華やかな聖母の歌「マニフィカト 」と、洗練されたフランスのクリスマス音楽をたっぷり堪 能できるプログラムをどうぞお楽しみください!

演奏曲

マルカントワーヌ・シャルパンティエ

待降節のアンティフォナより

器楽のためのノエル

マニフィカト

主の御降誕の歌より「夜」

真夜中のミサ

Marc-Antoine Charpentier (1643-1704)

Salut de la veille des O H.36-41

Noël sur les instrments H.534

Magnificat H.78

“Nuit” – In Nativitatem Domini Canticum H.416

Messe de Minuit H.9

演奏

古楽アンサンブル コントラポント

ソプラノ dessus 花井尚美 染谷熱子 鏑木綾

アルト hautes-contres 上杉清仁 小沼俊太郎

テノール tailles 福島康晴 村上惇

バス basses 春日保人 櫻井元希

ヴァイオリン・ヴィオラ violons 小野萬里 丹沢広樹 丸山韶 大西律子 上田美佐子

バス・ド・ヴィオロン basse de violon 西澤央子

リコーダー flûtes á bec 太田光子 辺保陽一

ファゴット basson 鈴木禎

テオルボ theorbe 金子浩

オルガン orgue 上尾直毅

指揮 direction 花井哲郎

チケット

全指定席 一般4,500円 ペア8,400円 学生: 2,500円*

*学生券は、学生証を提示のうえお求め下さい

――・――・――・――・――

演奏動画公開中!

Heinrich Schütz “Musikalische Exequien” op. 7 III. Canticum Simeonis / Salicus Kammerchor

Ensemble Salicus : Gregorian chant from “Proprium in ascensione Domini” / “Ordinarium missae I”

――・――・――・――・――

主宰団体Salicus Kammerchorホームページはコチラ

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櫻井元希へのお仕事のご依頼、チケットのお求め等は以下のフォームよりお気軽にお問い合わせください。

羽生善治 | 決断力

羽生善治 | 決断力

【大局観】に引き続いて、羽生善治の【決断力】を読みました。

【大局観】同様、羽生さんに言われちゃったらたまらん!という言葉のオンパレードでした。

特に「はじめに」の、米長邦雄との名人戦初挑戦のくだりには全身総毛立ちました。羽生さんも好きなんですけど、米長邦雄永世棋聖も好きなんですよねー。穏やかで柔和で人当たりがいいんですけどユーモアがあって、生き方も将棋もファンです。

最近とあるテレビ番組で人気の加藤一二三、通称ひふみんとの漫才のような動画があります。羽生さんも出てきますが、もうこの動画最高です。爆笑です。

こんな笑える将棋解説他にない!

以下の動画も凄い。米長さん最後の対局ひふみんとだったんですね。しかも解説が羽生さん。凄いなあ。

https://www.youtube.com/watch?v=KXnmieIJodc


さて、印象に残った羽生さんのお言葉を紹介いたします。

「これでいけるだろう」と判断する基準が、私の場合、甘いらしい。

羽生さんは常人には思いもつかないような妙手で大逆転することが多いですが、そのことについての言葉です。

他の人だったら怖くて指せないような手を、ある意味楽観的に指しているんですね。まさに決断力。柔軟性というか。新しいことに対する開かれた価値観というか。

勝負どころではごちゃごちゃ考えるな。単純に、簡単に考えろ!

semre semplice

かくありたいものです。

プロの棋士でも、十手先の局面を想定することはできない。

これは結構驚きました。一つの局面で千手とか二千手とか読むプロ棋士が、十手先も当てられない。これは他の棋士たちと話した中で出た結論なのだそうです。

長い時間考えた手がうまくいくケースは非常に少ない。

他の箇所でも書かれていましたが、直感の7割は正しいのだそうです。もちろんその直感も経験と研究に裏打ちされた大局観によるものなのですが。

ハッキリいって、大山先生は盤面を見ていない。読んでいないのだ。

これほんと凄いです。びっくりです。大山康晴というのは、通算勝数、棋戦優勝歴代第1位という大名人なのですが、その人が、盤面も見ず、手を読まずに指していると言うのはどういうことなのでしょう。常人には理解できませんが、対戦相手をじっと睨みつけ、手が勝手に動いたとこらがいつも良い手、だったそうです。

「そんな馬鹿な」と思われることから創造は生まれる。

普通だったら真っ先に捨てるような選択肢にこそ、新しい手の可能性がある。あり得なさそうなことでも一旦考えて、とりあえずやってみる。他人からの評価を気にして当たり前のことしか出来なくなるというのは、私たちのような職業の者にとっては恐ろしいことです。

ばらばらの知識のピースを連結するのが知恵の働きである。

一見バラバラのように思えることでも、思わぬところで結びついたりするものです。私のやってる一見節操のなさそうな活動も、意外とつながってるんですよ笑

相手は敵であると同時に作品の共同制作者であり、自分の個性を引き出してくれる人ともいえる。

これ、まさにアンサンブルですよね。将棋は勝負の世界ですが、羽生さんは勝ち負けだけでなく、美しい将棋を指そうという気持ちが凄く強いように思います。その意味で相手はその美しい棋譜を共に作り上げる仲間、ということなのだそうです。

一気に深い集中力には到達できない。海には水圧がある。

中国武術では「懸かるを待つ」と言うそうです。状態には自分から入っていくのではなく、その状態が勝手に自分に降りてくるのをただ待つ、という考え方です。

玲瓏

羽生さんが対局前に思い浮かべる言葉なのだそうです。透き通っていて全てが見渡せる状態。しかし羽生さんといえども、対局前は玲瓏でも、一手指した瞬間にどっかいってしまうそうです。その気持ち、よくわかります笑

これは対局を始める前のルーティーンみたいのものだと思いますが、これを知って、バッハが作曲を始める前にかならず”J. J.” (Jesu Juva「イエスよ、助けたまえ」の意)と自筆総譜に書き記したことを連想しました。

一年なり二年なり、ずっと毎日将棋のことだけを考えていると、だんだん頭がおかしくなってくるのがわかる。入り口は見えているけれど、一応、入らないでおこうと思っている。

羽生さん、僕ぁそこに入りましたよ…。

終盤で有効な手は、やわらかい手だ。

もう本当に、音楽のことを言われているようで…。

一局終わると体重が二、三キロ減ってしまう。

ね?だから僕やせてるんです!笑


他にもたくさんあるので、後はコメントを付けずに引用だけさせていただこうと思います。

意表をつかれることに驚いてはいけない。そんなことは日常茶飯事であって、予想どおりに進むことなど皆無といっていい。

 

私は、人間には二通りあると思っている。不利な状況を喜べる人間と、喜べない人間だ。

 

見た目にはかなり危険でも、読み切っていれば怖くはない。

 

年配の棋士は技術だけでなくハートが強い。ハートで指しているようなところがある。

 

全体を判断する目とは、大局観である。一つの場面で、今はどういう状況で、これから先どうしたらいいのか、そういう状況判断ができる力だ。本質を見抜く力といってもいい。

 

その思考の基盤になるのが、勘、つまり直感力だ。直感力の元になるのは感性である。

 

将棋の指し手の可能性は―中略―十の三十乗ぐらいあり、地球上の空気に含まれる分子の数より多いという。

 

もし、私が将棋の神様と対局したら、香落ちでは木っ端みじんにやられてしまう。角落ちでやっと勝たせてもらえるだろう。

 

環境が整っていないことは、逆説的にいえば、非常にいい環境だといえる。

 

決断を下さないほうが減点がないから決断を下せる人が生まれてこなくなるのではないか。

 

リスクを避けていては、その対戦に勝ったとしてもいい将棋を残すことはできない。

 

深い集中を得られるかどうかは、私の場合は、将棋を指していて、面白いと感じられるかどうかによる。

 

実は、将棋では、勝ったケースのほとんどは相手のミスによる勝ちである。

 

私は、将棋を指す楽しみの一つは、自分自身の存在を確認できることだと思っている。

 

遊びたいから遊ぶ。何も悪いことではない。


羽生善治 | 決断力

目次

はじめに

第1章 勝機は誰にでもある

第2章 直感の七割は正しい

第3章 勝負に生かす集中力

第4章 「選ぶ」情報、「捨てる」情報

第5章 才能とは、継続できる情熱である

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演奏動画公開中!

Heinrich Schütz “Musikalische Exequien” op. 7 III. Canticum Simeonis / Salicus Kammerchor

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コントラポント | シャルパンティエ公演 リハーサル開始

コントラポント | シャルパンティエ公演 リハーサル開始

今日から12/23のシャルパンティエ公演のリハーサルが始まりました。

いきなり12-17時の5時間!笑

疲れました、、。でも時間が過ぎるのがあっという間!シャルパンティエマジックですね。

今回のコントラポントでは、村上惇さんと福島康晴さんと、初めてご一緒させていただきます。

村上さんは古楽科の大先輩で、カンタータクラブでも一緒に演奏させていただいていました。卒業後は、まさにフレンチバロックの本場に留学されて、昨年でしたっけ?満を持して帰国されて、活躍されています。

今日のリハーサル中も、微妙な発音の仕方について、「そっちではどうやってる?」と花井先生に質問されたりしていて、大変頼もしい存在です。

福島さんはイタリアバロックのイメージが強いです。合唱団エクス・ノーヴォを主宰されています。

アンサンブルでご一緒させていただくのは、私は初めてなのですが、チャーミングなキャラクターに魅了されました!笑

謙虚で、音楽に対して真摯な方なのだなぁという印象を受けました。

その他のメンバーは、コントラポントではお馴染みの、安定のメンバーです。このメンバーで、どんなシャルパンティエになるか、とても楽しみです。

器楽の方には、先日Salicus Kammerchorとジョイントコンサートを行ったLa Musica Collanaの主宰、丸山韶も参加しております。

いつにも増してアツい演奏になることと思います。

今回会場は石橋メモリアルホールですが、指定席となっております。

いい席から無くなっていきますので、どうぞお早めにチケットをお求めください。

私も何枚かいい席のチケットを預かっておりますので、私にご連絡下さっても大丈夫です。


【古楽アンサンブル コントラポント】

第22回定期公演「華麗なるシャルパンティエの音楽2」

2016年12月23日(金・祝)午後2時開演 上野学園石橋メモリアルホール

http://www.fonsfloris.com/c/schedule.html
フランス・バロックを代表する宗教音楽作曲家シャルパン ティエによる、クリスマスのための楽しい作品を集めた演 奏会です!

フランスのクリスマス・キャロルである「ノエル」の旋律 をふんだんに織り込んだ「真夜中のミサ」は、聖夜の神秘 と喜びに満ちあふれた名曲中の名曲です。

そこに登場するノエルの器楽編曲とその原曲のフランス語 のノエル、降誕祭直前の夕べの祈りのための「待降節のア ンティフォナ」、そして華やかな聖母の歌「マニフィカト 」と、洗練されたフランスのクリスマス音楽をたっぷり堪 能できるプログラムをどうぞお楽しみください!
演奏曲

マルカントワーヌ・シャルパンティエ

待降節のアンティフォナより

器楽のためのノエル

マニフィカト

主の御降誕の歌より「夜」

真夜中のミサ

Marc-Antoine Charpentier (1643-1704)

Salut de la veille des O H.36-41

Noël sur les instrments H.534

Magnificat H.78

“Nuit” – In Nativitatem Domini Canticum H.416

Messe de Minuit H.9
演奏

古楽アンサンブル コントラポント

ソプラノ dessus 花井尚美 染谷熱子 鏑木綾

アルト hautes-contres 上杉清仁 小沼俊太郎

テノール tailles 福島康晴 村上惇

バス basses 春日保人 櫻井元希

ヴァイオリン・ヴィオラ violons 小野萬里 丹沢広樹 丸山韶 大西律子 上田美佐子

バス・ド・ヴィオロン basse de violon 西澤央子

リコーダー flûtes á bec 太田光子 辺保陽一

ファゴット basson 鈴木禎

テオルボ theorbe 金子浩

オルガン orgue 上尾直毅

指揮 direction 花井哲郎
チケット

全指定席 一般4,500円 ペア8,400円 学生: 2,500円*

*学生券は、学生証を提示のうえお求め下さい

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Heinrich Schütz “Musikalische Exequien” op. 7 III. Canticum Simeonis / Salicus Kammerchor

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年末年始の演奏会!

年末年始の演奏会!

年末年始は演奏会がめじろ押しです。

特に年始は8-15日の1週間に本番が3団体、5回あります。

ジャンルは違いますが、全て声楽アンサンブルの本番です。

私のやっているジャンルのほとんどが聴けると思いますので、是非お誘い合わせの上ご来場くださいませ。


その1

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【古楽アンサンブル コントラポント】

第22回定期公演「華麗なるシャルパンティエの音楽2」 

2016年12月23日(金・祝)午後2時開演 上野学園石橋メモリアルホール

http://www.fonsfloris.com/c/schedule.html

コントラポントのど真ん中!シャルパンティエです!

シャルパンティエと言えばコントラポント、コントラポントと言えばシャルパンティエ。

花井印のシャルパンティエをお聴き逃しなく!

曲目は、メサイアや第九に変わる年末ソングとして密かに売出し中の「真夜中のミサ」です。

これを聴かなきゃ年を越せない!(っていう曲になればいいな)


その2

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【ヴォーカル・アンサンブル カペラ】

ニュー・イヤー・コンサート イザーク没後500年記念

8日(日)午後4時開演 カトリック由比ガ浜教会

9日(月・祝)午後4時開演 日本聖公会聖パウロ教会

12日(木)午後7時開演 淀橋教会小原記念聖堂

(12日には櫻井は出演いたしません)

http://www.cappellajp.com/topics/index.html

毎年恒例のカペラのニューイヤーコンサートです。

来年はイザークの没後500年ですので、その開幕となる演奏会です。

もうすっごいおもしろいです!笑っちゃうくらい。

以下の記事にも書いているのでぜひ読んでくださいね!

イザークイヤー開幕に向けて

イザークとジョスカン


その3

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【ヴォクスマーナ】

第36回定期演奏会(創団20周年シリーズVol.2 伊左治直アンコールピース1ダース記念全曲演奏会)

2017年1月12日(木)19:00開演

豊洲文化センターホール

http://vox-humana.wixsite.com/vox-humana/concerts

ヴォクスマーナは毎回定期公演でアンコールとして伊左治直さんのアンコールピースを委嘱初演しています。

アンコールを委嘱初演って面白いですよね。そこんとこについては以下の記事もご覧になってください。

アンコールピース、初演

創団20年を迎えた今年度、それがついに1ダースに達しました。

それを記念して、今まで演奏したアンコールを一挙に演奏する演奏会を催すこととなりました。

アンコールだけで構成された演奏会です。キレてるでしょ?笑


その4

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【男声アンサンブル八咫烏】

2nd concert!

《東京公演》

2017年1月14日(土) 18:45開場 19:15開演

台東区生涯学習センター ミレニアムホール

《千葉公演》

2017年1月15日(日) 18:30開場 19:00開演

千葉市生涯学習センター ホール

https://www.facebook.com/yatagarasu8v/videos/1818498701697541/

八咫烏は昨年2月末に1stコンサートを行って、今回の2ndコンサートは約1年ぶりのコンサートとなります。

前回も既に八咫烏らしさは全開だったと思いますが、もうそれとは比べものにならないくらいサウンドが向上しています。

トミーの地道な努力が実を結びつつあります。

このコンサートについても記事を書いていますので是非ご覧ください。

八咫烏2ndコンサート!

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演奏動画公開中!

Heinrich Schütz “Musikalische Exequien” op. 7 III. Canticum Simeonis / Salicus Kammerchor

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羽生善治 | 大局観

羽生善治 | 大局観

気まぐれ書評です。

私は幼稚園の頃に、サッカーより先に将棋を覚え、小学校の一時期は毎週将棋教室に通っていました。

羽生さんは小学2年生から始めたそうなので、羽生さんより早いゾ!

その頃までは将棋がとても好きだったのですが、いつからか興味が薄れて多分中学生の頃から今までほとんど将棋から離れていました。

なぜそうなったかは覚えてないのですが。

それがなぜか最近将棋にまたハマりだして、YouTubeで羽生善治チャンネルをお気に入り登録して廃人のように見ふけったり、スマホのアプリでコンピュータ相手にもう多分200局以上は打ってます。

あぁ、それにしても人間と将棋が指したい。

そういう流れで羽生善治の「大局観」という新書を読みました。


大局観とは、争点の箇所だけでなく盤面全体を見渡し、文字通り大局にたって判断するということなのですが、これを私は剣道の「遠山の目付け」同様、音楽に応用しています。

羽生さんは大局観を、「読み」と並ぶ能力として、対局において重視しているそうです。

読む力、つまりこう指したら相手がこう指して、そう来たらこうやって、という様々なパターンについて先を読むという力は若い人の方が上回っているそうです。

しかし年齢を重ね、経験を積んでいくと、大局観が培われ、若い棋士とも同等に渡り合える。だから羽生さんは、今の自分でも20代の時の自分に負けない、と思えるのだそうです。

将棋の対局をしている間、棋士は黙って盤面に向き合い、黙って一手一手を指します。

その姿をいつも、何考えてんだろーなーとか思ってたので、饒舌に語る羽生さんの著書はすごく新鮮でした。

そして、どんな当たり前の事でも、羽生善治が言うと全然違って聞こえる、というか説得力エグいです。

リスクを取らないことが最大のリスクだと私は思っている。なぜなら、今日勝つ確率が最も高い戦法は、三年もたてば完全に時代遅れになっているからだ。

とか、

棋譜検索で得た情報は過去から現在までのものを表示しているだけで、それがどんなに膨大な量であっても、未来については何も書かれていない。

とか、

400局負けたということは、私には少なくとも400以上の改善点があることになる

とか、

得ることよりも捨てることの方が何倍も難しい

とか、

なかでも注意すべきなのは、複数の選択肢をシミュレーションして、どちらもうまくいきそうにない場合だ。こんな時には、最後に思いついた別の選択肢が、やけにうまくいきそうに見えることがある。

とか、

将棋に限らず日々の生活のなかでも、一つの選択肢によって極端にプラスになるわけでもないし、取り返しのつかないマイナスになるわけでもない。

とか、

確率で大部分について解る。しかし、すべてではない。

とか、

最近の将棋の傾向(昔から将棋をやっている人にとっては、筋悪とか、美しくない、と感じる)を

私は、「モダンアートのようだ」と表現している。

とか、

私はこれまで、何と闘うという目標を立ててやってきていない。

信じていただけないと思うが、常に無計画、他力志向である。

などなど。

どんなに天才に見える人であっても、結局は一手一手、凡人同様に全力を傾け、何度となく負け、地道に、改善点に一つ一つ取り組んでいるんだと、思いました。


目次

第一章 大局観

1 検証と反省

2 感情のコントロールはどこまで必要か

3 リスクを取らないことは最大のリスクである。

4 ミスについて

5 挑戦する勇気

第二章 練習と集中力

1 集中力とは何か

2 逆境を楽しむこと

3 毎日の練習がもたらす効果

4 教えることについて

5 繰り返しの大切さ

第三章 負けること

1 負け方について

2 記憶とは何か

3 検索について

4 知識とは

5 直感について

6 確率について

7 今にわかる

第四章 運・不運の捉え方

1 運について

2 ゲンを担ぐか

3 スターの資質

4 所有について

第五章 理論・セオリー・感情

1 勝利の前進

2 将棋とチェスの比較

3 コンピュータと将棋

4 逆転について

5 ブラック・スワン

6 格言から学ぶこと

7 世代について

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