メモリアルイヤー | イザーク&モンテヴェルディ

メモリアルイヤー | イザーク&モンテヴェルディ

今日はカペラで3月のモンテヴェルディ公演と、2/27のイザークの振替公演のリハでした。

「2人の共通点は?」

「せーの!」

「ゼクエンツ!!!」

はい。そうですね。2人とも大変なゼクエンツフェチです。

特に今回演奏する2曲のミサではその傾向が強いです。

イザークのミサ「カン・ジェ・オ・クール」モンテヴェルディ「イン・イッロ・テンポレ」

ゼクエンツの展覧会のような曲です。

しかしまぁほんとに2曲とも強烈に個性的です。


イザークはいつものメンバー8人と司祭役の渡辺研一郎の9人で演奏します。

以下のメンバーです。(今日は根岸さんはお休みでした)


いつも自分で写真を撮っているので自分が被写体になることがほぼないのですが、今日はかぶちゃんに撮ってもらいました。上手いなあさすが。

モンテヴェルディは6声なので、これに以下の3人が加わります。


(トミーの顔がいつにも増してデカく見えますが、遠近法です。念のため)

ただでさえ華やかなモンテヴェルディの音楽ですが、12人編成で更にきらびやかなサウンドとなっております。

アンセルモ、カテドラルと、どちらも非常ーーーーに素晴らしい音響の教会で演奏します。

今からとても楽しみです。



夜は古楽道場×計歌会で別のイザークのミサをリハーサルしました。

Missa”Virgo prudentissima ”

こちらは6声のミサです。今年はほんとにイザークいっぱい演奏します。カペラ2/27、サリクス4/22・27、アラミレ9/24、道場×計歌会11/23、それから古楽院でもイザークを取り上げます。

今までの人生の中でこんなにイザークばっかり演奏する年はなかったし、これからも多分こんな年はもう来ないでしょう。

何しろ没後500年ですから。

盛り上げていきますよー!これを機会にイザークの知名度をガッと上げていきましょう!

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Salicus Kammerchor第3回定期演奏会

『J. S. バッハのモテット全曲演奏シリーズvol. 3 〜詩編モテットと葬送モテット〜』

チケット発売中!

http://www.salicuskammerchor.com/concert

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Salicus Kammerchor主催第3回ワークショップ

参加者募集中!

http://www.salicuskammerchor.com/workshop

ご好評いただいておりますサリクスのワークショップです。毎回早い段階で応募上限に達しております。

お申込みはどうぞお早めにお願いいたします。

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櫻井元希へのお仕事のご依頼、チケットのお求め等は以下のフォームよりお気軽にお問い合わせください。

コントラポント | シャルパンティエ公演 リハーサル開始

コントラポント | シャルパンティエ公演 リハーサル開始

今日から12/23のシャルパンティエ公演のリハーサルが始まりました。

いきなり12-17時の5時間!笑

疲れました、、。でも時間が過ぎるのがあっという間!シャルパンティエマジックですね。

今回のコントラポントでは、村上惇さんと福島康晴さんと、初めてご一緒させていただきます。

村上さんは古楽科の大先輩で、カンタータクラブでも一緒に演奏させていただいていました。卒業後は、まさにフレンチバロックの本場に留学されて、昨年でしたっけ?満を持して帰国されて、活躍されています。

今日のリハーサル中も、微妙な発音の仕方について、「そっちではどうやってる?」と花井先生に質問されたりしていて、大変頼もしい存在です。

福島さんはイタリアバロックのイメージが強いです。合唱団エクス・ノーヴォを主宰されています。

アンサンブルでご一緒させていただくのは、私は初めてなのですが、チャーミングなキャラクターに魅了されました!笑

謙虚で、音楽に対して真摯な方なのだなぁという印象を受けました。

その他のメンバーは、コントラポントではお馴染みの、安定のメンバーです。このメンバーで、どんなシャルパンティエになるか、とても楽しみです。

器楽の方には、先日Salicus Kammerchorとジョイントコンサートを行ったLa Musica Collanaの主宰、丸山韶も参加しております。

いつにも増してアツい演奏になることと思います。

今回会場は石橋メモリアルホールですが、指定席となっております。

いい席から無くなっていきますので、どうぞお早めにチケットをお求めください。

私も何枚かいい席のチケットを預かっておりますので、私にご連絡下さっても大丈夫です。


【古楽アンサンブル コントラポント】

第22回定期公演「華麗なるシャルパンティエの音楽2」

2016年12月23日(金・祝)午後2時開演 上野学園石橋メモリアルホール

http://www.fonsfloris.com/c/schedule.html
フランス・バロックを代表する宗教音楽作曲家シャルパン ティエによる、クリスマスのための楽しい作品を集めた演 奏会です!

フランスのクリスマス・キャロルである「ノエル」の旋律 をふんだんに織り込んだ「真夜中のミサ」は、聖夜の神秘 と喜びに満ちあふれた名曲中の名曲です。

そこに登場するノエルの器楽編曲とその原曲のフランス語 のノエル、降誕祭直前の夕べの祈りのための「待降節のア ンティフォナ」、そして華やかな聖母の歌「マニフィカト 」と、洗練されたフランスのクリスマス音楽をたっぷり堪 能できるプログラムをどうぞお楽しみください!
演奏曲

マルカントワーヌ・シャルパンティエ

待降節のアンティフォナより

器楽のためのノエル

マニフィカト

主の御降誕の歌より「夜」

真夜中のミサ

Marc-Antoine Charpentier (1643-1704)

Salut de la veille des O H.36-41

Noël sur les instrments H.534

Magnificat H.78

“Nuit” – In Nativitatem Domini Canticum H.416

Messe de Minuit H.9
演奏

古楽アンサンブル コントラポント

ソプラノ dessus 花井尚美 染谷熱子 鏑木綾

アルト hautes-contres 上杉清仁 小沼俊太郎

テノール tailles 福島康晴 村上惇

バス basses 春日保人 櫻井元希

ヴァイオリン・ヴィオラ violons 小野萬里 丹沢広樹 丸山韶 大西律子 上田美佐子

バス・ド・ヴィオロン basse de violon 西澤央子

リコーダー flûtes á bec 太田光子 辺保陽一

ファゴット basson 鈴木禎

テオルボ theorbe 金子浩

オルガン orgue 上尾直毅

指揮 direction 花井哲郎
チケット

全指定席 一般4,500円 ペア8,400円 学生: 2,500円*

*学生券は、学生証を提示のうえお求め下さい

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演奏動画公開中!

Heinrich Schütz “Musikalische Exequien” op. 7 III. Canticum Simeonis / Salicus Kammerchor

Ensemble Salicus : Gregorian chant from “Proprium in ascensione Domini” / “Ordinarium missae I”

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主宰団体Salicus Kammerchorホームページはコチラ

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イザークイヤー開幕に向けて

カペラのリハーサルが始まりました。

来年はイザークの没後500年のメモリアルイヤーで、世界各地でイザークフェスティバルが行われません。

行われるのは僕の心の中でだけです。

イザーク、好きなんですよねー。なぜか肌に合うんですよねー。

1月のカペラで演奏するミサは、イザークイヤーの開幕に相応しい素晴らしく奇想天外摩訶不思議出前迅速落書無用な曲です。

カペラは大体、初回のリハーサルで楽譜が配られて、初見大会が行われるのですが、これがあっし好きでがしてね。知らない音楽が楽譜からふわーっと溢れ出して、楽譜の謎を一つ一つ解きながら音にしていく、というのがえも言われぬ快感でありんす。

イザークって、職人気質で、言われた通りにちゃんと書いて、律儀できっちりしたイメージがありますが、意外とお茶目なところとか、いたずらっぽいところ、シュールなジワジワ系の味わいとかあったりします。

ミファーミファーミファミファーミファミファミファーみたいな、おいおいマジかよなんてシツコイんだ!とか

ゼクエンツといって同じ音形で順次上がっていったりするセクションをやたら長く続けたりして、あーっ恥ずかしい!とてつもなく恥ずかしい!恥ずかしいけどそれが気持ちいい!

という変態的な感覚をくすぐられる部分があったりします。

今回のミサはそんなイザークの面白さがここぞ、というところに現れていて、秀逸です。


例えば見た目で面白さが伝わるのは、


名付けて「ジッパーの音形」です。

img_4837

このように音符をくっつけて書くことを「リガトゥーラ」といいますが、リガトゥーラの元となったのは、グレゴリオ聖歌のネウマなんですね。

もしこれの元になったネウマを名前で呼ぶなら、「ポレクトゥスフレクススレスピヌスフレクススレスピヌスフレクススレスピヌス」ということになるのでしょう。最っ高に面白いですよね!

(この面白さがわかりたい方は、是非フォンスフローリス古楽院のグレゴリオ聖歌入門を受講下さい。詳細はコチラ

続きまして、


二度上がって四度下がる、を4回繰り返した末にオクターブ跳躍してロンガで順次進行!おもろい。


溢れ出す「谷」感。


あとこのミサにはカノンが沢山あります。カノンというのは現代ではカエルの歌みたいな、追いかけっこのことを言いますが、もともとは、演奏に際しての但し書き、あるいはモットーのようなものでした。

img_4833

例えばこれは”fuga in diapente pausando unum tempus”「五度下で、1テンプス(1ブレヴィス)休んでフーガ(追いかけること)せよ」


これは”fuga in diatesseront pausando unum tempus”「四度下で、1テンプス(1ブレヴィス分)休んでフーガ(追いかけること)せよ」


そしてこれは、”Qui me barritonare cupit in decimis intonabit”「10度の音程でバリトナーレすること」とでも訳すんでしょうか。ソプラノの10度下で、ずーっと平行でバスが歌います。これ、このミサのいっとう最後の部分、第2アーニュスです。これでこのミサおしまいです。

最早パンクですね、反骨精神すら感じます。

4度、5度のカノンはよく見ますが、10度で平行せよ、というのは初めて見ました。

オモロイやないか。イザークさん。

このミサの他に、イザークの代表作、コラーリス・コンスタンティヌスより固有唱を歌い、そこにない固有唱(GradualeとOffertorium)をグレゴリオ聖歌で歌います。そして最後に、モテットを1曲歌う予定です。

いやー楽しみですねーイザークイヤー!


演奏会詳細はコチラ

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演奏動画公開中!

Heinrich Schütz “Musikalische Exequien” op. 7 III. Canticum Simeonis / Salicus Kammerchor

Ensemble Salicus : Gregorian chant from “Proprium in ascensione Domini” / “Ordinarium missae I”

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主宰団体Salicus Kammerchorホームページはコチラ

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