自己紹介します

自己紹介します

最近このブログの記事のラインナップを見ても、お前は一体何者だ、結局何がしたいのだと自分でも思いましたので、改めて自己紹介しようと思います。

これが私、櫻井元希です。

この写真いいですよね。昨年のemulsionのコンサートの時に平舘平さんに撮っていただきました。

これだけだとなんだかやばい人だと誤解されそうなので、自意識過剰に自分が写ってる写真を集めてまとめてみました。↓


本業

私の本業は歌手、指揮者です。専門はバロック以前のキリスト教声楽作品です。

その中でも特にフォーカスしているのは、グレゴリオ聖歌、フランドル・ポリフォニー、J. S. バッハです。


歌う方

Ensemble SalicusemulsionEnsemble XENOSThe Cygnus Vocal Octetヴォーカル・アンサンブル カペラ古楽アンサンブル コントラポントなどで歌っています。

大体古楽と呼ばれる1750年以前のクラシック音楽が多いですが、emulsionやThe Cygnus Vocal Octetではもっと新しいものや、バーバーショップなどポップスに近いものなんかも歌っています。

声種はなんなんですかと聞かれることも多いのですが、最近あんまり気にしてません。歌わせてもらえるんであればどこでも歌いますよというスタンスです。

アルトからバスまでならどこでも、という感じですが、シグナスではちょろっとソプラノを歌うことになったこともありました。ホイッスル練習してソプラノも歌えるようになりたいなという希望もあります。

そういうことも滅多に無いのですが、どうしても書類に声種を書かなきゃいけないとかいうときは、間を取ってテノールと書いてます。

最近「声楽家」ではなく「歌手」を名乗っているのは、私の中の声楽家のイメージと、私のやっていることがあまりにも乖離してきたので、「歌手」としています。


指揮の方

指揮は主催しているプロの室内合唱団Salicus Kammerchor、アマチュア合唱団Chor Eleusisと、バッハ・カンタータ・アンサンブルで振っています。

指揮をするようになったのは芸大のバッハ・カンタータ・クラブがきっかけで、モテットやカンタータやミサなんかをやりまして、そこを引退する時に、振るとこなくなっちゃうなあと思って、2015年にSalicus Kammerchorを作りました。

サリクスではまずJ. S. バッハのモテット全曲演奏、全曲録音に取り組み、2019年にモテット全曲録音CDをリリースしました。

現在はJ. S. バッハから時代をさかのぼり、ハインリヒ・シュッツの作品をメインで取り上げるシリーズを進行中です。5月に第7回定期演奏会を行います。

秋にはJ. S. バッハのカンタータを演奏します。直近ではこのシュッツのシリーズとカンタータのシリーズの二本立てとなっております。

Chor Eleusisは2019年に立ち上げたアマチュア合唱団で、サリクス同様グレゴリオ聖歌からJ. S. バッハまでのキリスト教声楽作品をレパートリーとしています。

立ち上げ早々コロナ禍に突入してしまいまして、まだ演奏会が出来ていないのですが、毎週地道に地力向上を目指して練習しています。

バッハ・カンタータ・アンサンブルは師匠花井哲郎がやっている団体で、器楽も合唱もアマチュアでJ. S. バッハのカンタータ全曲演奏を目指している骨の太い団体です。

数年前から花井先生と交互で本番の指揮を振っています。


本業以外(に一見見える方)

ここまでのところはまあ音楽家としてそこそこ普通かなと思う部分なのですが、ここから一見本業とは関係なさそうな活動のお話です。


武術

このブログでもしょっちゅう更新しておりますが、光岡英稔先生のもと武術を稽古しております。

光岡先生は韓氏意拳という中国武術の日本の代表であると同時に、世界の様々な武術を修めて、講座で教えてくださっています。

ほぼ毎回このブログでレポートしているので、詳しくはそちらをご覧いただくとして、なぜ私が武術をやっているのかというところをお話したいと思います。

きっかけは、学部卒業くらいのときに、徳久ウィリアムさんのボイトレを受けに行ったということです。

おそらく7−8年前くらいの話ですが、この時すでに徳久さんは武術からインスピレーションを受けたボイトレをやっていました。

我々が普通にボイトレと言って想像するのは、現状の声を聞いて、それに対してそれをどういう風に変えたいかというところからアプローチするというのが基本かなと思います。

徳久さんのボイトレは、「状態が行為を生む」という発想の元、出ている声をどうこうするのではなく、望んだ声を出すための「状態」の方に着目します、そして声そのものではなく、「状態」にアプローチします。

(あくまで私が徳久さんのボイトレを受けた上での印象なので、気になる方はぜひ徳久さんのボイトレを受けてみてください。)

それでまあ声という現象ばかりを追っていた私にとっては目から鱗でございまして、そのおかげで今の私がいると言っても過言ではありません。

そしてその徳久さんの武術のお師匠が光岡先生ということで、光岡先生の講座に通うようになったというわけです。

ここで学んだことは、歌や指揮のみならず、生きて在るということに関して私の指針となっています。人間とはなにものか、身体とはなにか、自然とはなにか、生きるか死ぬかというあまりに身も蓋もない状況下で生まれた「武術」は、こういった最も根源的な問いに対する示唆をシンプルに、ストレートに与えてくれます。


特殊発声・ノイズボイス

ここでお話するのは、上記の徳久さんにまつわる活動です。

特殊発声というのは、何に対して特殊かというのがめちゃくちゃ曖昧な定義ですが、コエダイr合唱団の活動を想像していただくと大体こういうもんかとわかっていただけるかと思います。

これはイタリアサルデーニャ島のテノーレスという芸能ですが、こんな感じの曲をレパートリーとしています。

他にブルガリアン・ヴォイス、ジョージアの男声合唱、オルティンドー、ホーメイ、ヨーデルなどをやっています。

これをまあなんでやってるかということなのですが、まず第一にこういうのが好きだからです。

特にホーメイやテノーレスは昔から憧れがめちゃくちゃあって、日本でまさかテノーレスを歌える機会があるなんて10年前は想像だにしませんでした。ドリームズ・カム・トゥルーですね。

それでやってみて感じたり、わかってきたのは、こういった特殊と呼ばれる発声方法は、ボイトレ的に普通の声を出すにあたっても良い効果がめっちゃある、ということです。

普通の発想だと、こんな変な声出したら喉を傷めそうとか、声出なくなりそう、とか思いそうですが、真逆です。

ますます健康になりますし、ますます声は出るようになります。

いろんな声出すのが良いことだというのは最近ボイトレ業界でも言われるようになっています。私の経験だけを根拠にしているわけではないです。

ヨーデル、カルグラ、喉詰め、オルティンドー≒ベルティングは私のボイトレのレッスンでは普通にツールとして使います。

そしてノイズボイス。これは徳久さんのオハコです。

今聴いてもエグい。とても、エグい。そして去年の灰野敬二さんとのDUOを聴きに行ったのですが、衝撃的に良かったです。

こういう声(?)を使った企画でノイズボイスカラオケというのに参加しているのですが、ほんとデトックスです。私たちには叫びが足りなかったんだなあと思います。

そしてもちろん喉には良いです。翌日めっちゃ調子いい。出来なかったことが急にできるようになったりします。

呼気にしても吸気にしても、やっぱりノイズボイスが一番気圧がアガります。


ビートボックス

ビートボックスもまず単純に超ハマってます。ただただ好きです。

クラシックの演奏家の中で多分一番ハマってると思います。

ビートボックスについて書いた記事はコチラ

お読みいただければいかに私がビートボックスを愛しているかをわかっていただけると思います。

それでビートボックスの文化って面白くて、オリジナルの技とか自分で作ったらすぐチュートリアル動画出すんですよね。新しいものがすぐオープンソースになる。素敵ですよね。

そういうのを観て私もやってみよーとか思うんですけど、これがね、おっどろくほど何もできない。私かなりいろんな声出してるし、そこそこ発声に関わる筋肉も鍛えてる方だと思うのですが、マジで手も足も出ない。それどころか何を言っているのかさえわからない。

こういうのです。マジで意味がわからん。

ただこういうの観ていくと思うのは、見えるところでも舌の筋肉の盛り上がり方とか異常だというところとか、見えないところではきっと想像もできないことが彼らの体内で起こっているということ。

人間のポテンシャルに関する見方が変わりましたね。

マジで無限大過ぎる。

自分の想像力なんてハナクソみたいなもんですね。

でまあ出来ないなりにビートボックスを練習していくと、まあ出来ないなりに上達はしていって、それに伴って声を支える筋肉もついていってる感じがするんです。

この後紹介する岩崎ひろきさんもビートボックスをボイトレに取り入れているのですが、発声に必要な筋肉を鍛えるのに結構ビートボックスは最適かもしれません。

普通に声を出しているだけでは決してかからない負荷をかけることができる。


将棋

将棋もただただ好きなだけです。趣味です。

けど将棋と音楽の共通点は多いと加藤一二三先生も仰っておりますし、もの凄くコアのコアのところではそのとおりだなと思います。

まっさらではない盤面に二人でせめぎ合いながらいっきょくの世界をアンサンブルして、同じ戦型を何千回指しても全く同じ将棋は一回もない。

特にフランドル・ポリフォニーの世界観に似てると思います。宇宙の真理を探求してる感じですよね。

また、AIについての加藤一二三先生の言葉を引用しましょう。

車は人間が追いつけない速さで走る。しかし、車が登場したからといって陸上競技の百メートル走が廃れることはなかった。百メートル走は、今なお観客を魅了し続けている。

音楽もそうですよね、初音ミクのように正確に歌える人間はいないけど、それはそれ。初音ミクは初音ミクだし、人間は人間。


ボイトレ

私は現在3人のボイストレーナーに習っています。小久保よしあきさん、岩崎ひろきさん、mahoneさんの3人です。

それぞれの先生にそれぞれ違うことを学んでいます。

ポップス系

小久保先生はマイケル・ジャクソンも受けていたメソッドとして有名なSLSバックグラウンドのボイストレーナーで、ポップス系の発声をメインで教えています。

いわゆるミックスボイスというやつを教えてもらっていますが、最近はコーチング的なアプローチが多く、自分が一体どういう声を求めていて、それには何が必要なのかということのディティールを詰めていくのにとても役立っています。

芸大を出てから最初についたボイストレーナーで、私の声を脱芸大化するのにとても力になってくださいました。

一度どっぷりと浸かってしまった価値観の枠の中から出ていくというのはかなり難しいことです。

私もいまだに昔の悪癖に苦しめられることがあります。

なぜひとつの価値観の中から飛び出していくことが私に必要だったのかについては、最後に書こうと思います。


ベルティング

ビートボックスの項にも登場した岩崎ひろきさんには、主にベルティングを教わっています。

ベルティングはゴスペルやなんかでソウルフルに高音を出すために使うテクニックで、結構ミックスとは真逆のテクニックと言えると思います。

岩崎さんにはSalicus Kammerchorのメルマガ、サリクス通信でも記事を書いていただきましたが、舌骨をキーとして全身へと繋がる筋肉の張力に注目したテンセグリティ的な発想によるボイストレーニングをやってらっしゃいます。

クラシックではベルティングは使わないと今は言われておりますが、私はそんなことはないんじゃないかと思っています。

広義でのベルティングは普通に使われていると思いますし、狭義でのベルティングもかつて使われていた可能性は非常に高いと思います。

ミックス的な高音の出し方と、ベルティング的な高音の出し方と、どちらが「自然」かと考えると、ベルティング的な出し方の方がより原始的で、時代が下れば下るほど普通であった可能性が高いと思うんですよね。

あと、使わなかったとしても、当然ボイトレのツールとしてベルティングはめちゃくちゃ有用です。

合唱団の練習でほぼ毎回やってます笑


スクリーム

デスボイスといった方がイメージはしやすいかもしれませんが、より広義にスクリームとしました。

もともとデスメタル、ブラックメタル、グラインドコアあたりをよく聴いていて(といってもCarcassとGorgorothとCephalic Carnageくらいですが)、これも私の人生と分かちがたく好き♡なんですよね。

メタル関連の記事はコチラ

それでずっと自己流でデスボはやってたんですけど、去年からちゃんとレッスン受けるようになりました。

mahoneさんは教えるのも上手いし、物理の理解も桁違いだしその上デタラメにバカテクです。

この動画一発でバカテク具合がわかります。

日本最高難度と言いながら、その難易度をむしろ上げにいってますよね。異常者(褒め言葉)。

スクリームとホイッスルとガナリを習ってて、最近ガナリをメインで教わっているのですが、ガナリというとこういう感じです。

あートム・ウェイツ好き、あーー好き、好き。

一応音程がある歌唱をクリーントーンと呼ぶのなら、その中で一番好きかも、二番目はウラジーミル・オイドゥパーかなあ、次はSentencedのヴィレ・レイヒアラ。

あ、全員仮声帯発声だ。でも音程があるというだけを定義とするならイゴール・コシュケンディとかも入ってくるか。

レッスンを続けて受けていて思うのは、ビートボックスともホーメイともめちゃくちゃつながってくるというところで、それはつまるところ普通のボイトレにも役になっているということです。

また、スクリームのレッスンが一番ギリギリのところを攻めてる感じがします。

これまでの自分の経験から、身体が完全に拒否反応を起こして、「立入禁止」って看板立ててるところをおらーって突っ込んでくんですよね。でそこ行ってみると意外となんともなくて、翌日筋肉痛になっているという、つまり未だ鍛えたことのない筋肉を鍛えることができたということなんですよねえ。

これも、それまでの自分の常識みたいなもんをぶち壊して、その先に可能性が見出だせた例でありまして、得難い経験でございました。


インド音楽

昨年からバーンスリー奏者の寺原太郎さんに個人レッスンしていただいて、インド古典音楽を学んでいます。

これにははっきりした目的がありまして、グレゴリオ聖歌の歌いまわしを探るためです。

グレゴリオ聖歌の歌唱法って、一応10世紀頃に記された古ネウマによって伝えられてはいるのですが、ネウマによる歌唱の伝統が途絶えてしまって、ネウマが意味するところが一部はっきりしないところがあるのです。

特に特殊ネウマと呼ばれる一群のネウマは何らかの特殊な唱法が用いられたということぐらいしかわかってなくて、私たちはその歌い方を想像して再現するしかないんですね。

でなんで古ネウマによる歌唱の伝統が途絶えてしまったのかというと、古ネウマでの記譜の習慣がなくなって、音程と一部古ネウマの名残を残した記譜法に変化してしまったからで、それはやはりポリフォニーの発達も大きく影響していると思います。

西洋音楽は横方向ではなく縦方向に進化した、そう言えると思います。つまり声部が増えていったことで、一つ一つの声部の旋律に対する繊細な感覚は失われていったと。

その点インド音楽は横方向のまま進化したと言えると思います。とにかく一つの旋律に対する感覚というのが、我々からすると異常に繊細で、聞き取ることもできないほんの僅かな変化によってもの凄く多様なラーガの世界を形作っているんです。

だからきっとそこには同じ単旋律の歌であるグレゴリオ聖歌を歌うためのヒントがあると思ったんですね。

まだまだ研究の途上ですが、少なくとも私の中で、グレゴリオ聖歌を歌う時の旋律に対する感度といいますか、繊細さは飛躍的に増しました。

インド音楽の気の遠くなるような世界観についてはこちらの動画をちょっと観ただけでもおわかりいただけるのではないかと思います。


結局何がしたいんだい

というわけで「本業以外(に一見見える方)」という項目がやたら長くなってしまいましたが、私の活動、一見とっちらかってますよね。

しかしまあほとんど本業に直結しているというか、極論言うと人生に無駄はないので、全部つながっているといえばいるのですが、これがほんとに思ったよりつながってるんですね。

というのも私の本業、いわゆる「古楽」の中の特に声楽というジャンルはなかなか曲者でありまして、もちろん録音が残っているわけでもなく、楽器が残っているわけでもないので、実際にどういう声で歌っていたかわからないんです。

インド音楽のところでも書きましたが、グレゴリオ聖歌の場合、古ネウマという歌いまわしを示した記号は残っておりまして、どういう歌いまわしをしていたかは(一部除いて)だいたいわかります。

また歌の教則本のようなものも残っておりまして、例えばヤギが鳴くような声で歌っちゃだめだよーとかこういうときはこういう装飾をつけるんだよーとかそういうことは残っているのですが、やはりテキストで音色を表現するのは難しいということと、書くまでもないことは書かないというところから、実際にどういう音色で歌っていたかわからないんですよね。

ヤギの鳴くような声で歌っちゃだめってそれわざわざ書かなきゃならなきゃいけないようなことかと思うんですけど、そういう声で歌う人がいたからそういうことを書くわけですよね。

そんなわけで、多分今巷でやられてるような、いわゆるオペラ発声のマイナーチェンジでしかない「古楽発声」みたいな声ではなかったと思うんです。

時代を遡れば遡るほど。

また、そもそもわりと新しい作品であっても、今やられてるような発声が本当にふさわしいかどうかというのは甚だ疑問がありまして、特に、わりとみんな「歌詞に即した表現をしましょう」というようなことを言うのですが、その割にみんなずーっとおんなじような音色で歌うんですよね。

「え〜〜〜そんな生々しいエゲツない歌詞歌ってるのにそんなよそよそしい声で歌うの〜〜?」ってよく思うのですよねえ。

音色のバリエーションが極端に少ないというのは、今のクラシックの歌の最も大きな特徴ではないでしょうか。

私は歌を歌う時に、その歌にほんとうにぴったりな声で歌いたいと思うわけです。

気剣体の一致とか剣術では言いますけれど、気声体が一致した歌が歌いたいんです。

特殊発声も、ノイズボイスも、ビートボックスも、ベルティングも、スクリームも、人間の声の可能性のひとつなんです。

これは武術で学んだことですが、「型」というのは身体観の変容を経験することだと。

そして型によって経験した身体観の変容を、型によらずして起こすことが観法だと。

いろんな声を出すということは、型の稽古をしているようなもので、「身体観の変容の経験」を目的としていて、「意」が起きたその瞬間に「意識」のラグを挟まないでその声が「出ている」ということを目指しています。

韓氏意拳では一形一意(意と形の一致)という言葉がありますが、歌の場合「一声一意」です。

そのための型稽古としてのボイストレーニングという感じですね。

特殊発声、ノイズボイス、ビートボックス、スクリームといったあたりは、ただただ好きでやってたらいつの間にかつながってたんですよね、偶然。笑

自分から足を突っ込んでいったのはポップス系の発声、ベルティング、インド音楽あたりです。

これは必要だなと思ったから突撃しました。

武術はこれらで身につけたテクニックをテクニックで終わらせないための土台といいますか、それらと体、心、気を一致させていくために私にとって絶対必要なことです。

あー、将棋だけただの趣味のようですが、うん、いや別にただの趣味でもいいんですけど、ただの趣味と言うには憚られる奥深さ、コアのコアでのつながりを感じます。宇宙とはなんぞや、人間とはなんぞや、ということを追求してますよね。プロ中のプロの将棋の話ですけどね。


いやはや長くなってしましました。

興味ある方はレッスンやってますので私のところに来ていただいてもいいし、私はそれぞれの専門家では全然ないので、それぞれの専門家のところへ行ってください。

武術:光岡英稔先生の講座 BUGAKU 韓氏意拳

特殊発声・ノイズボイス:徳久ウィリアムさんhttps://note.com/voiz

ポップス系発声:小久保よしあき先生http://kokubovoicetraining.com/

ベルティング:岩崎ひろきさんhttp://gospelvoicelab.com/

スクリーム:Mahoneさんhttps://mahone.jp/

インド音楽:寺原太郎さんhttps://srgmtaro.jimdofree.com/class/


所属団体のリンクもここに貼っておきます。

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サリクス第6回千葉公演終演

昨日、Salicus Kammerchor第6回定期演奏会の千葉公演が終演いたしました。

ご来場くださいました皆様、またライブ配信をご覧いただきました皆様、誠にありがとうございました。

昨年からの延期公演ということで、今回ひとまず千葉公演まで乗り切ることができましてほっとしております。

緊急事態宣言で公共施設が20時までで追い出されたり、どのようにしたら演奏可能かホールと掛け合ったり本当にコロナ禍ならではの大変さもありましたが、それよりリハーサルとか本番が激減したことによって、それに耐えうる身体でなくなってるなということを強く感じました。

7時間リハってこんな疲れるんだっけ?

本番前って何してたっけ?

本番ってなんだっけ?

また今回は配信もあったので、無事に終えられるか本当に気を揉みましたが、有能すぎるスタッフのおかげで滞りなく終えることができました。

アーカイブが1週間視聴可能ですので、ぜひご利用ください。

https://twitcasting.tv/salicus_kc/shopcart/51713

金曜は豊洲公演です。

https://www.tiget.net/events/114696

金曜までの目標は、髪を切る、パパドを揚げる。です。

今日は午前中デスボイスのレッスンを受けて、午後はカペラのリハーサルです。

mahoneさんのレッスンはもうほんと激やばです。情報の量と質で、初回レッスン時は気絶しそうでした。

ほんと、私は何度も何度も何度もボイストレーナーに命(歌手生命)を救われています。

ボイトレ仲介業とかできそうなくらい、素晴らしいトレーナーを何人も知っているので、悩んでいる方はご連絡ください。かなりいろんなジャンルに対応できると思います。

カペラは6月に2公演やります。

アンサリでもロムアルメ祭りやりましたが、いいですよねえロムアルメ、好き。今日初回リハです。

こちらはドトール本社のような面構えの千葉市生涯学習センターです。

主張強い・・・

合唱発声の一般的傾向と対策5

合唱発声の一般的傾向と対策5

さて、いよいよ最終回です。

何度でも注意喚起しますが、この記事に書かれていることは鵜呑みにしてはいけません。

合唱をやっているひとで、今回取り上げた傾向のうち、どれかが当てはまるという人はかなりの割合いると思います。私の予想では9割以上はいると思います。

ただどれも全く当てはまらない人もいると思います。そういう方にとってはこの記事は全く無意味とまではいいませんが気に留める必要もないでしょう。

どれかが当てはまる9割の方も、どれが当てはまっているか自分で判断できる方はほとんどいないでしょう。

おそらく正しく判断できる方は1割位だと思います。

残りの9割の方にとってはこの記事は薬にも毒にもなりえます。

街の薬局だと思ってください。

自分で自分の症状から病名を診断して自分で薬を買うかんじです。

その診断があたっている可能性は1割。

なんというギャンブル!

というわけでもう一度言います。

本当に自分の声を良くしようと思ったら、

ボイトレに通ってください。


傾向その5「だんご舌」

だんご舌というのは舌が奥の方で固まってしまうことでした。

これの対策は次の狭母音の対策ともかぶるのですが、前舌母音の練習がおすすめです。

顎を開いて両手で頬をおさえて、いわゆるアッチョンブリケのポーズをとります。ムンクの叫びでもいっか。

その状態で「aaaeeeiii」と発音します。

その際顎が狭くならないように。(狭くならないためにアッチョンブリケします)

顎を開いたままだと、iと発音するためには舌をかなり前上にもってこなければなりません。

この訓練は舌をしっかり前に動かすことができるようになるためのものです。

顎を開いた状態でi母音がしっかり発音できるようになったら、「yayayayaya」と速めにi母音とa母音を交代させていきます。アルペジオで練習するのもよいです。

あとは巻き舌ですね。巻き舌の練習は奥舌をフリーにする助けになると思います。傾向その1の対策ともかぶりますが、その効果も狙いながら合わせて使うといいと思います。


傾向その6「狭母音が苦手」

前述のアッチョンブリケでaaeeiiがそのままここでも使えます。

狭母音はiだけでなくuもありますので、ここではそちらの練習方法を紹介します。

傾向編でも引用した画像をもう一度引用します。

http://www.coelang.tufs.ac.jp/ipa/vowel.phpより引用

奥舌母音はɑからuにかけて奥舌がだんだん上がっていくのですが、よく言われる「日本語のウより深く」という指導言によってむしろa母音よりも舌が下がってしまうことが多いようです。

そうするとこもった感じの似て非なる母音になってしまうので、u母音を発音するときは、努めて舌を持ち上げるようにするといいと思います。

練習方法ですが、これもアッチョンブリケでアーオーウーで練習できます。

あるいは割り箸を奥歯で噛みながら練習する方法もあります。

ここでポイントなのは、まず日本語のアーオーウーで練習するということです。

上の図を見るとuの横にɯという発音記号が見えると思います。これが日本語の「ウ」です。

中黒点をはさんで隣り合っているのは、右が円唇母音で左が非円唇母音という意味で、舌の調音点は一緒です。

つまり、ラテン語等のu母音と、日本語のウ母音は舌の位置一緒で、違いは唇が丸いかどうかの差なのです。

オ母音も同様です。

まず唇や顎の開きを変えることなくアーオーウーと発音することで、舌の動きを確認します。

この練習によって作った日本語のウ母音から、今度は顎の開きと舌の位置を変えないようにして唇を円めます。これでu母音の出来上がりです。

唇を円めたときに、舌の位置が変わってしまわないように注意しましょう。舌の位置が変わったかどうかは音色を聞けば一発でわかります。


傾向その7「特定の子音が発音できない」

語末、音節末のn,mが発音できない

日本語の「ん」に引っ張られて語末のn,mの発音が揺れちゃうという問題でしたが、逆に日本語の発音を利用しながら練習するのがいいかなと思います。

日本語の「ん」が歯茎鼻音nになるのは「せんだい」とか「ほんとう」などのときです。

例えばnunquamのnが言えないというときは、「せんだい」の代わりに「ぬんだいぬんだいぬんだい」と繰り返してみて、その途中の「ぬん」で止める練習をする。

その後「だい」の代わりにquamを付ければぬnquamという発音ができると思います。

細かいこと言うと日本語の「ぬ」はnuと言うよりnɯですから、これを円唇化するとnunquamになります。

他の練習方法としては、「なにぬねの」のときには歯茎鼻音になってますので、「なーなーなー(naanaanaa)」と続けて発音してみて、子音の分量をちょっとずつ増やしていく「naannaannaannnaannnnaa」ことで歯茎鼻音の発音の方法を覚えるというやり方もあるかと思います。

lが鼻音化する

これは開鼻問題が解決すれば大丈夫だと思うので、傾向その4の対策をやってみてください。ボーちゃんのモノマネですね。

舌の先端を歯茎のあたりにつけて、息を舌の左右から流す感じです。

鼻をつまんでlalalalalaって言ってみて、つまんでないときと音が変わらなければオッケーです。

rは巻けるのにtrは巻けない

どちらかというと、巻き舌のできない方が、traだった巻けるという方が普通かなと思うので、これは英語のイメージを払拭できれば大丈夫なのかなと思います。

あとはひょっとするとだんご舌問題も絡んでるかもしれませんね。舌が奥にいこうとして、英語のrみたいになっちゃうと。

なので傾向その5の対策をやってみるといいかもしれません。


ビブラート問題

さて、ビブラート問題です。

これは一般的傾向というわけではありませんが、様々なシチュエーションで悩まされた方が多いのではないかと思いここで取り上げることとしました。

結論から言って、ビブラートがどうやって生まれているか、どうして意図せず声が揺れてしまうのか、よくわかりません。

なのでまだコレっという対策がないのですが、私が最近試みていて、効果がありそうな方法をご紹介したいと思います。

それは、ビブラートを練習するということです。

ビブラートがかかってしまう人って、ビブラートをかけることができないんです。

つまり自分の意思でという意味で。

かけてるのではなく、かかっちゃう。

なので、ビブラートを意図的にかける練習をすることが、ビブラートを意図的に取るということにつながるのではないかと思っています。

それで、ビブラートがかかってしまうタイプの人って、ゆっくりしたビブラートがかかってしまうのではなく、周期の速いビブラート(いわゆるちりめんビブラート)がかかってしまうようです。

なので、それにカウンターをかけるにはゆっくりとしたビブラートをかける練習をすると。

おそらくですが、ゆっくりとした周期のビブラートをかけながら同時にちりめんビブラートをかけることは相当難しいと思います。

ゆっくりビブラートをかけてしまえばちりめんビブラートは取れる。私はそう信じてる。。。

くらいの段階ですまだ。笑

それで、その練習方法ですが、いろいろやってみましたがこちらがやりやすかったかなあと思います。

再生回数えぐいっすね。ビブラートかけたい人いっぱいいるんだな。

でもビブラート取りたいがたどり着かない動画なんじゃないかな。

そしてもう一つ、似てるんですが、これも私が前からよく練習で使わせてもらってるのですが、「ガマック」です。

ガマックというのはインド古典声楽の装飾法?歌い方?の一つで音を滑らかに動かすテクニックです。

3-4年前に寺原太郎さんのワークショップ受けたときに紹介されてて、やべえこれめっちゃ使えると衝撃を受けて以来、めっちゃ使ってます。

私の指導受けた人にはおなじみの単語だと思います。

こんな動画見つけました。

信じられないくらい美しいですよね。素晴らしいデモンストレーション。

そして再生回数もビブラートの動画と同じくらい。ガマックしたい人もこれだけいるんだなあ。

これの練習は、まずは「ドーレードーレー」という感じで2度間を行き来するのですが、その際死ぬほど滑らかに音を移行します。

等速運動のグリッサンドって感じです。音が上下端に到達したらそこでとどまらないですぐ動き出す。

円を描くようにと言われます。

これを3度、4度、5度と広げていって、速度を速くしたり遅くしたりというのが基本の練習です。

これだけでも相当難しいです。まず自分の声がどのぐらいのスピードで動いているのか、それを把握することがまず難しい。

でこの2度のガマックを速くやるのがいわゆるトリルだと私はいつも言っているのですが、その音程幅を小さくしていくとビブラートになると私は考えています。

音程幅の極めて小さいガマックをやっているような感覚でロングトーンを出していれば、ちりめんビブラートはかかりにくいのではないか。

まだいろいろ試しているところですが、効果が出た方もいらっしゃいます。

あとビブラートに関して、いつもツイッターで死ぬほど有益なボイトレ情報を流してくださっている風地さんからの情報ですが、とある研究によると、オペラ歌手のビブラートの成立要件に、フォルマント同調があるのだそうです。

なので、ビブラートがかかっちゃう人は一回フォルマント同調やめてみるというのも一つの手かもしれません。


まとめ

さて、死ぬほど長くなってしまいましたが、6月1ヶ月かけて50人の合唱歌手の方のレッスンをし、103トラックの声を編集しながら気づいたことをまとめてみました。

声の特徴、癖は百人百色、十把一絡げにまとめられるものではないと思っていましたが、日本の合唱というある程度の時間をかけて培われた価値観の中で育った方は、かなり傾向が似通ってくるのだなあという感想を持ちました。

もっといろんな傾向の人がいるかと思ったが、自分が思ってたより遥かに似た傾向の人が多かった。

合唱指導者は、邪魔にならない声を目指すっていうことが第一の目標になっていないか、常に自分を監視していなければならないと思います。

こういう声は出しちゃダメって無意識に刷り込まれることで、声の可能性を狭めてはいないか。

声を大にして言いたいのは、みんな、自分の価値観の外にある声を出そうぜ。

ってことで、多分そうすることでもっと楽になれるし、もっと歌が楽しくなると思います。

声で遊ぶ、自分の身体を面白がる。

変な声出ちゃった、ヤベ、よりも、なんだこの声もっかい出してみよ♡

くらいのスタンスでいる方が楽しいぜえ。

身体に課している制約をはずそうぜ。

こうでなければならない。これはやっちゃいけない。

まずは自分にかけたブレーキを外してから、アクセルを踏むんだぜ。

というところで、「吸気発声」とか「カルグラ」とか「ガマック」とか紹介してみました。

それでは皆様、全5回にわたって長々とお付き合いくださいまして、どうもありがとうございました!!


バーチャルクワイヤの動画アップしております!

参加者のみなさまとEnsemble Salicusの熱い演奏をぜひお聴きください!

――・――・――・――・――

櫻井元希へのお仕事・レッスンのご依頼ご相談、チケットのお求め等は以下のフォームよりお気軽にお問い合わせください。

合唱発声の一般的傾向と対策4

さて、いよいよ対策編です。

最初にも書きましたが、こういうのは自己判断を見誤ると逆効果になることもあります。

今の自分の状態をちゃんと見極めるためにはボイトレに行ってください。

ボイトレの仕事って、今の発声状態を把握して、改善するために必要なのは何かを見極めることだと思いますが、この二つは、自分ではかなり難しいです。

それから一つの発声上の問題を解決するための手段は一つではありません。無数にあります。

なにしろ個体差がありますので、どの手段がより効果が高いかは人によります。そういったところの判断も、ボイストレーナーの引き出しの多さと、どのツールがハマっているかの見極めにかかっていると思います。

この記事には代表的なものを書いていますが、これらが効かないこともあります。

その場合、ボイトレに行ってください。笑

この記事の結論はこれです。

ボイトレに行ってください。


これまでの記事はこちら↓

合唱発声の一般的傾向と対策1

合唱発声の一般的傾向と対策2

合唱発声の一般的傾向と対策3


対策編


傾向その1「高音域プリングチェスト&低音域ライトチェスト」

高い方が重くて、低い方がスカスカ、ということなので、この2つにアプローチする対策が考えられるかと思います。

高音域を軽くするためにはいろいろ方法がありますが、代表的なのは無声破裂子音+u母音の組み合わせでしょうか。「ククク」とか「プププ」とか。

低い方の発声を持ち上げないようにするために、下降型の音階を使った方がいいかと思います。

あとは巻き舌できる方はウの口で巻き舌で練習するのも結構軽くなりますね。他のSOVTE系でもいいと思います。

低音スカスカにアプローチする方法も色々ありますが、有声破裂子音+aとかe母音はよく使います。「バッバッバッ」とか「ゲッゲッゲッ」とか。

こちらは上行音形がいいと思います。


傾向その2「声帯がstiffの状態」

ようは息漏れをどうするかということなのですが、stiffで離れてしまっている声帯をくっつけるためにストレスハミング(ドアがきしむような音色のハミング)とかアニメ声(喉頭を上げた状態)で「ネイネイ」とかはよくやります。

またそれではstiffの根本的解決とは言えないと思うので、おすすめなのはエッジヴォイス、あるいはヴォーカルフライ、あるいはシュナル、あるいはスラックとか言われている呪怨くん?(呪怨見たことない)の声を練習することです。

u母音で音程をどんどん下げていくと地声が出なくなったあたりからブツブツとした感じの音になっていくと思います。それがエッジとかフライとかシュナルとかスラックとか言われる音です。

ほんと名前が多すぎてイライラしますよね笑

エッジってのは声帯の縁で出してるような発声体感から来た名前、フライはなんとポテトフライのフライです。油で揚げてるような音がするという音の印象から来た名前だそうです。以下略


傾向その3「裏声のない男性、地声のない女性」

傾向その1の練習も有用だと思いますが、ここでは別の方法を紹介したいと思います。

「吸気発声」です。

これ具体的にどういう理由で何の役に立つのかよくわかっていないのですが、裏声のない男性が裏声が出たり、地声のない女性が地声が出たり、他にも息漏れが改善したり、声帯の動きがなめらかになったり、ホイッスルに入りやすくなったり、人によって様々な効果が出ています。

傾向その1、その2に対するカウンターとしてもかなり有用だと思います。

最初は「ドソド」みたいな音形で、「呼気ー吸気ー呼気」でu母音で発声し、問題となっている音域で練習します。

それができたら今度は同じ音で「呼気ー吸気ー呼気」で別の母音も練習し、音域を広げていく、というのがいいと思います。

これは曲の練習にも結構使えて、ひとフレーズまるまる吸気発声で歌ってみるというのもおすすめです。

もう一つ。特に地声のない女性におすすめなのは、「カルグラ」です。

これは仮声帯を声帯の1/2の周波数で声帯と同時に鳴らすという中央アジアで盛んな喉歌のテクニックの一つです。

これの最初の方の発声法ですが、上手い人のカルグラってただの低い声にしか聞こえないのが厄介ですよね笑

声帯はメインで聞こえるひくーい音のオクターブ上で鳴っています。

実際の練習法としては、①まず咳払いします。

②咳払いのノイジーな音をキープしたまま音を少し伸ばします。

③音程をつけて、④口をあけます。

これ結果的にカルグラにならなくても、やろうとするだけでも効果があります。

地声のない女声って地声という発声体感がないので、地声のつもりで裏声になっちゃうんですよね。

カルグラにチャレンジする過程で声門を閉鎖したり、声帯を分厚く接触させる感覚が身につくことがあるようです。

男性も、もともと地声体感のある女性も、カルグラやってみるととりあえず皆さん音量が大きくなりますね。

あとはカルグラはSOVTE(Semi-occluded vocal tract exercises)の一種だと考えられていて、声帯の動きを補助するような効果もあります。

更に、クラシックでは基本仮声帯は接近していないほうがいいとされていますが、仮声帯がなんなのかわからないのに仮声帯開いてーと言っても体感的にわからないので、一回逆の状態、仮声帯接触の感覚を知るというのは意義深いです。

接触を知ってこそ開大がわかる。


傾向その4「開鼻」

こいつがなかなか厄介で、長年の課題となる方が多いです。

わりとクレヨンしんちゃんのボーちゃんのモノマネをすると良くなる方が多いような気がします。

彼いつも鼻を垂らしてるんですが、ようは鼻詰まり声なんですよね。

モノマネすることで閉鼻の感覚が身につきます。

SLSではgの子音で対応することが多いようです。ngにならないように「ガッガッガッ」とかですね。

個人的にはgよりもpとかbのほうが効果があるような気がしています。

あるいは先程の仮声帯の例でもありましたが、逆に開鼻の状態を知るということで、そうじゃない方を知るという手もあります。

こちらは瀬川瑛子さんのモノマネをおすすめしています。

実は瀬川瑛子さんってそんなに開鼻でもないのですが、モノマネで強調すると開鼻の練習になるんですね。なのでおもいっきり強調しましょう笑

あるいはえなりかずきさんとか、さだまさしさんとか、モノマネすると開鼻が強調される方他にもいらっしゃいますね。

開鼻と閉鼻の状態がわかったら、鼻をつまみながら、開鼻と閉鼻の切り替えを練習するといいと思います。

母音はなんでもいいですが、「あーーーー」とか言いながら「開鼻ー閉鼻ー開鼻ー閉鼻」って感じで繰り返します。

できるようになったら開鼻から閉鼻に行く途中でとめて、「ちょっと開鼻」っていう状態も練習するといいと思います。


今回はこのくらいにしておこうと思います。

傾向その5「だんご舌」
傾向その6「狭母音が苦手」
傾向その7「特定の子音が発音できない」
ビブラート問題

の対策編です。

合唱発声の一般的傾向と対策1

タリスの企画、まだAチームBチームそれぞれの編集作業中ですが、出先では編集できないので、今仕事の行きかえりの電車でブログを書いています。

さて、この企画はEnsemble Salicusの4人で録音した40声のモテットに、アマチュアの方も歌を重ねていただいて一つの作品を作り上げるというものでしたが、特典して、希望者には30分オンラインレッスンをつけていました。

そこで50名の方がレッスンを受講してくださって、なんとなく合唱をやっているかたの発声の傾向がみえてきたので、ここにまとめておきたいと思います。

あと編集してる時も一人一人の声を最低一人につき30分は聞き続けているので、そこで分かったこともたくさんあります。

Ensemble Salicusと合わせて103トラックの記念写真↓

もちろん発声の傾向は百人百色なので、こういう一般化って結構危険です。

これらを自分だとは思わないでください。

そういう人が多いように櫻井といういち声楽家が感じた、というだけです。

何の意味もありません。マジで流し読みで十分です。


傾向その1「高音域プリングチェスト&低音域ライトチェスト」

これはつまり高音は叫んじゃうし低音はスカスカってことです。

女性も男性もこの傾向は一緒でした。

女性がこの傾向になる理由は私の中ではクリアーで、それはクラシックの合唱で使われる音域だと思っています。


女性の低音はなぜスカスカになりやすいのか

声明でも、インド古典声楽でも、イランの音楽でも、男性と女性の音域の差は約5度で、男性の最低音はD2、女性はその5度上のA2だと言われています。

それは声帯の長さの平均の男女比とも一致します。

ところがクラシックの場合、女性の音域って男性のオクターブ上なんです。

アルトはバスのだいたいオクターブ上、ソプラノはテノールのだいたいオクターブ上。

だからクラシックに慣れている歌い手の方に、じゃあ僕と同じ音で歌ってくださいというと、女性は何の迷いもなく僕のオクターブ上で歌い始めます。

あ、オクターブじゃなくて同じ音でお願いしますって言うと、「???」という顔をされる方も多いです。

女性にとっては、男性のオクターブ上の音が、「同じ音」という認識があります。

これがクラシック慣れてない方だと、同じ音で、というとほんとに同じ音で歌います。で、なんか低いですねえ?この音ですか?ってなります。

そういう方には、最初から私の方がオクターブ上で歌ったり、私のオクターブ上でお願いしますという必要があります。

育ってきた環境でそのくらい認識が違うんです。

私もクラシック以外の音楽をやっている人のレッスンを最初にしたとき驚きました。

というわけでクラシックの場合は女性は男性のオクターブ上っていうのが当たり前なんですが、これは先ほどの伝統音楽の例から考えても特殊なことで、生理的な自然からもズレがあります。

その結果男性は自分に与えられた音域のほとんどを地声で歌える(むしろ裏声で歌うのは困難)、女性は与えられた音域の多くを裏声でしか歌えないということになってしまった。

これも一般的には、という話ですが、女性の場合「歌の声」というのが「裏声」と結びついている人かなり多いんじゃないかと思います。クラシックの場合。

でこの「裏声」というのは「声帯薄め」ってことでくくってしまっていいのかどうかというのも微妙なところなのですが、少なくとも訓練を受けた声楽家はファルセットレジスタでは歌ってないと思うので、地声裏声をここではモーダルレジスタかファルセットレジスタかということではなく、その音域にしては薄めということで話を進めさせていただきます。

女性は書かれた音域の多くを裏声で歌うことになってしまったので、地声で出る音域も、音色をなるべく変えないように、できるだけ裏声で歌うということになった。

ブリッジは生理的には普通A-Cあたりと言われていますが、そのオクターブ下あたりまで頑張って裏声体感で歌っているのがクラシックでは普通です。

その結果低音域がスカスカになって、地声がないという人も多い。

しゃべり声も常に裏声。結構多いです。

以上が女性の低音域がライトチェストになる経緯として立てた私の仮説です。

クラシックの場合、裏声体感の声帯薄い声をブーストするためにフォルマント同調という技術を使います。

これは共鳴腔を広くとることで第1フォルマントを下げ、基音と一致させることで基音のエネルギーを増大させるテクニックなのですが、これをやると母音が曖昧になる上、混声合唱の場合、男性の音色との乖離が大きくなってしまって全然ブレンドしなくなります。

じゃあ男性もフォルマント同調で歌えばいいかというと、実はそれは物理的に不可能です。フォルマント同調は共鳴腔を広げることで第1フォルマントを下げるのですが、共鳴腔を広げるにも限界があって、男性の音域ではほとんど使えないのです。

なので別の方法で高音域をブーストしなければならないのですが、それがシンガーズフォルマントのブーストで、これは男性も女性も使えます。

シンガーズフォルマントというのは声に含まれる3000ヘルツ帯の倍音のことで、このあたりの倍音を強調すると、人間の耳に聞こえやすくなるといわれています。

そしてこのシンガーズフォルマントは喉頭蓋の狭めで作ることができることがわかっていています。


女性はなぜ高音域を叫んでしまいやすいのか

さて、では女性が高音域プリングチェスト、すなわち叫ぶ感じになってしまうのはなぜでしょう。

ちょっとこれなぜかわからないです。下の方がノーチェスト傾向ならそのまま上がっていって薄いままブリッジを越えられるのではないかと思うのですが、なぜかそうならずに、多くの場合喉頭が上がって仮声帯が接近してきて叫ぶ感じになっちゃう。

音の芯の作り方、エネルギーを無駄にせず倍音をブーストする方法がわからずに、声帯で頑張ろうとしちゃってるのかもしれません。


男性の場合

男性の場合も、女性同様高い方は叫んじゃって低い方はスカスカなことが多いのですが、女性の場合と原因は違います。

基本的に、音域が高くなってくると声帯を薄く引き伸ばしていかなければならないのですが、それが上手くできずに、下の発声のまま上に持ち上げてしまうことが多いです。

その際力みが出てしまって、高いほう叫ぶ感じになってしまいます。

おそらく男性の場合はその力みを引きずって、低い方が出なくなってしまっているのではないかと思います。

低い音域は声帯を引き延ばす筋肉も声帯を縮める筋肉も両方弛緩していかなければならないので、力みが残っていると低い方はうまく鳴らないんです。


まだまだ傾向は山のようにあって、対策までまだ書けていないのですが、あまりにも長くなってしまったので数回に分けようと思います。

ご興味のある方は次の記事をお待ちください。