ブルガリアン・ヴォイス Angelite来日公演

ブルガリアン・ヴォイス Angelite来日公演

行ってきました。

極寒の中三鷹から歩いて武蔵野市民文化会館まで。

死ぬかと思った。

でも行った甲斐がありました。

5000円は安い。激安。平日で、結構行きにくい1200人の大ホールが満席なのも頷けます。

もちろん武蔵野市民文化財団の類稀なプロモーションの賜物でもあるのですけれど。

それにしても最高。もう腰抜ける。

ブルガリアンヴォイスってワールドミュージックブームの火付け役的なところがあって、目新しいものというよりは、ワールドミュージックの古典(謎)という風情がありますが、生で聴くのは今回が初めてだったので、感動もひとしおでごさいました。

こういった海外のヴォーカルアンサンブルを聴いていつも思うのは、決して声が大きくないということ。

というかどちらかというと結構小さい。1200人のホールということもあるけど。スヴァンホルムを文化会館の大ホールで聴いた時も、アマルコルドのクリニックの時も、軽井沢でLatvian Voicesを聴いた時も思いました。

しかもブルガリアンヴォイスってイメージとして地声的発声でビーーって感じで歌うから声量もあると思うじゃないですか。

全然そんなことなくて、音量それほど出さずに物凄く緻密で繊細なコントロールであの音色と、精度の高いアンサンブルを作り出してるんだなと感じました。

確かにあれだけ複雑な曲なので、相当コントロールしないと崩壊しますよね。

特にアカペラのアンサンブルにおいては、大きい声出さなきゃいけないっていう強迫観念みたいなものを捨て去ることの大事さを改めて実感しました。

普通にいいバランスのハードミクスドって感じで、TA強いけどちゃんとミクスドで、高い音低い音でバランスとりながらTA抜いていってました。

ブルガリンヴォイスってワールドミュージックというより、アカペラヴォーカルアンサンブルですね。レパートリーが限定されていて、それにあった発声で歌っているというだけで。

そういう意味では私たちがやっていることとなんら変わりないなと思いました。


あとすんごいなと思ったのは、指揮者含め全員暗譜なんですよね。

ワールドミュージックというカテゴリの都合上仕方ないような気もするのですが、ブルガリンヴォイスの曲ってほんと複雑怪奇なんですよ。変拍子当たり前だし曲中の変化にも富んでるし。

それを2時間くらいのプログラム全部暗譜て凄すぎない?年がら年中世界中で同じレパートリー歌ってるからこそできるんじゃないかなあ。

早くそういう身分になりたい、、。

八咫烏やカペラや、サリクスもそうですけど、いつも思うのは、「毎日練習してえ、、(涎)」です。

毎日練習できる身分になれれば(つまり毎日メンバーを拘束して採算が取れるようになれば)毎日練習して、どんどん上手くなって、という好循環が生まれてくるんですけど、そうなるまでが大変なんですよね。


そうそう、それで帰り道にネパール料理屋さんに行ったんですけどこれが目玉飛び出るほど美味かったです笑

このブログでご飯屋さんのこと話題に出すことそうそうないんですけど、わざわざ言いたくなるくらい美味かったです。

武蔵野市民文化会館から徒歩5分くらいのところです。

皆さまも武蔵野にお越しの際はぜひ。

ネパールセットというのが美味いです。

ご飯と豆スープとカレーとほうれん草の炒め物と漬物がワンプレートになっていて、混ぜながら食べるんですって。

あーーーうまかったあ。

生姜とニンニクが容赦なく入っていて、体があったまりました(*´-`)

こういう時写真撮っておけばよかったなと思うんですけど、目の前に食い物があったら食っちゃいますよね。皿が空になってから写真のこと思い出しますよね。


コンサートにはさっちょや拓さんやセルパンの橋本さんがいらっしゃったりして、二階席にはトミー夫妻もいたそうです。

いやーいい夜だった。

僕らも負けないようにがんばります。

八咫烏の演奏会もあと1ヶ月くらいですからね。

あれくらい精度の高いアンサンブルがお聴かせできるといいな。

チラシカッコいいでしょ?

なんでカッコいいかというと、後ろ姿だからなんですって!笑笑

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Salicus Kammerchor

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公演情報

次回定期公演は2018年5月の第4回定期演奏会です!

http://www.salicuskammerchor.com/concert

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CD・DVD発売中!

昨年10月に開催されたLa Musica CollanaとのジョイントコンサートのライブCD

第2回定期演奏会のライブDVD

をウェブ販売しております!

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メルマガ企画第3弾進行中!

サリクス通信に声明パフォーマー 桜井真樹子、合唱指揮者 柳嶋耕太が登場!

http://www.salicuskammerchor.com/mail-magazine-1

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櫻井元希へのお仕事のご依頼、チケットのお求め等は以下のフォームよりお気軽にお問い合わせください。

料金表改定

料金表改定

このホームページに掲載しております、お仕事の料金表を改定させていただきました。

Work & Price

主な変更としては、レッスンや指導の1時間の単価を1000円だけ上げさせていただいたというところです。

理由は2つあります。

一つはわたしを取り巻く環境の変化です。あまり多くは語れませんが、これまでの料金設定ではやっていけなくなったという世知辛い理由です。

もう一つは、今までの料金設定は約1年半前に決めたもので、その頃に比べて私のレッスンの内容が変わってきているということです。

この1年半の勉強と技術の鍛錬によって、当時と比べてレッスンで教えることの出来ることが増えています。レッスン自体の価値も上がっていますので、その分を上乗せさせていただいたというイメージです。

逆に値段がいつまでもこのままだと、この1年半私のレッスンの価値がまるで上がっていないということにもなりかねないと思いますので、ご理解頂けるとうれしいです。


歌唱指導ということで言えば、教え子の一人がカンタータクラブのソリストオーディションに合格したりと、目に見える成果が上がってきていて大変嬉しいです。

また昨年11月には初めてオケも合唱もアマチュアという団体でバッハのカンタータとマニフィカトを演奏しまして、合唱やオケの指導という意味でも大きく成長できたと思っています。

主宰しているSalicus Kammerchorも今年4年目を迎えます。この3年地道にやってきたことが実を結び始めています。目指すところをメンバーと共有できて、今までにない演奏団体になってきていると思います。

それからEnsemble Salicusや八咫烏、シグナスやカペラでやらせていただいている、少人数でのアンサンブルということでも様々なテクニックを身につけながら成長できていると思います。それで実は私、Ensemble Salicusと八咫烏ではテノール、シグナスではアルト、カペラではバスを歌っています。このこともアンサンブルを学ぶ上で結構大きくて、私の特徴の一つになっているなあと思います。けっこう大変なんですよ笑、こうした少人数アンサンブルの中で色んな音域を歌っていくということは。

それでそのことを可能にしているのはやっぱり発声のテクニックで、そこには櫻田亮先生や、徳久ウィリアムさんや、トミーに紹介してもらって最近通っている小久保先生に教わったことがフルに生きています。

特にSLS(Speech Level Singing)というマイケル・ジャクソンも習ってたというメソッドを中心とした指導を小久保先生から受けることで、今まで疑問に思っていたこと、あるいは無意識にやっていたことがクリアーに分析できるようになったことは大きいと思っています。

SLS自体は主にポップスのジャンルから生まれた発声メソッドですが、それを取り入れながら櫻田先生のレッスンを受けることで、クラシック音楽にその考え方を活かしていくということができてきているように思います。

そしてそれらを可能にする土台、身体と心の扱い方を教えてくれたのは徳久ウィリアムさんです。徳久さんのメソッドは歌に限らず、生きていく上で切り離すことの出来ない自分の身体という大いなる未知に対して、どう対峙して、つきあっていくかということを教えてくれます。

これらはこの数年、「歌」という意味で影響を受けたことで、もちろんそれ以前に数多くの先生に様々なことを教わりました。

こうして蓄積された技術や知識を、自分のレッスンの中で還元していくというのは本当に喜ばしいことです。

自分の中に今まで沢山の先生から教わったことが積み重なっていて、それを自分が伝える側にまわるというのは、以前書いた「知のバトン」まさにそのことですが、とてもやりがいのあることです。

今年はこうした教える方の活動にもより力を入れていこうと思っていますので、ぜひお気軽にお問い合わせくださいね!

ラ・リュー|カリグラフィーコレクション

ラ・リュー|カリグラフィーコレクション

ピエール・ド・ラ・リュー没後500年メモリアルイヤー

今年2017年はハインリヒ・イザークの没後500年でしたが、来年2018年はピエール・ド・ラリューの没後500年です。

アラミレもカペラもメモリアルイヤーに向けてラ・リューの作品のリハーサルに入っています。

直近の演奏会は1月7・8・9日のカペラのニューイヤーコンサートです。


イニシャルのカリグラフィー

それで、音楽には直接関係ないんですが、今回使う写本、Jena12写本のイニシャルに用いられているカリグラフィーがあまりに美しいので、今回はそれを紹介したいと思います。

クワイヤブックでは左上にスペリウス(ソプラノ)、右上にコントラテノール(アルト)、左下にテノール、右下にバスが書かれますが、それぞれのパートの最初のところには、頭文字が飾り文字で書かれることがあります。

これはアラミレで演奏するミサ ロム・アルメですが、最初のページにはこんなに豪華に飾り文字が書かれるんです。

でも多くの場合、ページをめくるごとにイニシャルがだんだん適当になっていったり、単にResiduum(続き)と書かれたり、途中で書くの諦めちゃって(笑)空白だったりということがあるんです。

ところがカペラで演奏するミサ アヴェ・マリアの収められたJena12写本では徹底的に、そしてかなり工夫の凝らされたイニシャルが全てのページに書かれてるんです。なんと該当パートがお休みのページでさえも!(5線は空なのにテノールのTだけがしっかりと書かれています笑)

孤高の存在感を放ってますね。ジワります。

ちなみに冒頭ページは、きっとあまりに美しかったためか、破り取られてしまっていて、右ページしか残っていません。

カラフルですよねえ。この左ページがどうなっていたのかは妄想することしか出来ません。


スペリウスのカリグラフィー

4声にそれぞれイニシャルがついているのですが、実際に歌詞の最初の文字が書かれるのはスペリウス(ソプラノ)のパートだけで、他のパートはパート名が書かれます。

以下がこのミサのスペリウスパートのイニシャルです。

素晴らしいですよね。本当に。その上個性的。特にEt in terraのEのキリトリ線みたいな破線とか、SanctusのSのトサカみたいなのとか、他では見たことないです。曲線を、これだけ密な間隔で、くっついたり離れたりせずに書くのは至難の技なんです。線もなめらかですしね。

あとSanctusのSにもありますが、Qui tollisのQの内側にある5本の線もなにげに凄いです。彫刻刀で削ったみたいですよね。


バスのカリグラフィー

以上がスペリウスで、そのセクションのテキストの頭文字が書かれていますが、他のパートは各パートのパート名が書かれます。

すなわち、スペリウスはいろんな文字が書けますが、他のパートは、バスならBの文字ばっかり山のように書かなければならないということです。

さあご覧ください、Bばっかり10パターンも!

一つとして同じものがない!スバラシイ。。。先程の削りカス調のは6番と9番に見られますね。みなさまどれがお好みですか?

僕は4番です。7とか10もいいですよねえええ。えへへえへへ。

僕の密かな夢は、老後、リアル羊皮紙を使って最初から最後まで自分の手でクワイヤブックを作ることです。

その時のためにお気に入りのカリグラフィーのお手本をコレクションしておくのです。げへげへ。


ヴォクスマーナのCD

さて、趣味の話はこれくらいにして。

今日は八咫烏のリハだったのですが、そこでM井さんからヴォクスマーナのCDを受け取ることが出来ました。

以下の2点なのですが、アマゾンでも買えるようです。

近藤譲:合唱作品集

故入野義朗生誕95年記念コンサート 12音技法のマイルストーン

二つ目のCDは去年行われた演奏会からライブCDです。

自分が参加した録音が発売されると嬉しいですねえ。

今年は私が参加したものとしては初めてのカペラのCDも出ましたからねえ。嬉しいですねえ。

ジョスカン・デ・プレ:ミサ曲全集 第6集 「歌謡ミサ」

あ、そうそうサリクスのライブCDも発売してますのでこちらもお願いしますね!

こちらは売れると直接的にサリクスの収入になるのでジカに嬉しいです(切実)。

Salicus Kammerchor×La Musica Collana ジョイントコンサート​ ライブCD

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Salicus Kammerchor

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八咫烏リハ | Ensemble Salicus本番もうすぐ!

八咫烏リハ | Ensemble Salicus本番もうすぐ!

今日は八咫烏のリハでした。

今八咫烏は来年2月の演奏会に向けてリハをやっているのですが、今日はプーランクのアッシジの聖フランチェスコの4つの祈りを初めて音出ししたのと、エストニアしばりのステージの曲を初見大会しました。

トミーの地道にで粘り強いリハーサルの積み重ねの成果で、何気なくパッと音を出してもそれなりに合う!という結構凄いレベルにきつつあります。

プーランクの方は事前に楽譜が配られていたのでそれなりに合うのはさもありなん。

しかし私が八咫烏のレベルアップを感じたのはエストニアステージの初見大会でした。

もともと八咫烏のメンバーは初見が超強くてマジで唖然とするレベルなんですが、今日の初見大会は、ただ譜面通りの音を出すというところにとどまらず、ちゃんと純正調で、ちゃんとブレンドする声で出来てたように思います。

それでもまだ世界トップレベルには程遠いですが、、。

しかし確実にレベルアップしてるなと感じられました。

そこで、恥ずかしながらこの初見大会の録音をここにアップしちゃいます笑

重ねて言い訳しておきますが、これは初合わせではなく完全初見です。今日楽譜が配られて、予見時間5秒くらいで音を出しました。

曲は1986年生まれ、すなわち私と同級生のエストニアの作曲家、Pärt UusbergのMis on inimene?です。

言葉も適当だし音もあやふやなところ沢山ありますが、僕は録音聴いて結構びっくりしました。

特に、最後トミーが「もっと柔らかく歌えたりする?」って言ったあとの音色とか。

なんか、見えてきた気がする。

ついでにこっちも載せちゃう。

こちらは初合わせのプーランクです。


そして、Ensemble Salicusの本番が間近に迫って参りまして、リハーサル、レクチャーの準備が佳境に入っております。

今回のメンバーは八咫烏のメンバーが4人も被ってて、プラス研一郎の(私の中で)最強の布陣です。

リハの動画をちょっとだけ公開しています。

皆様にぜひ聴いていただきたい!

ユニゾンの魅力に痺れてもらいたい!

かなり挑戦的なプログラムですが、みなさまにグレゴリオ聖歌の魅力をできるだけ難しくなくお伝えできるよう頑張ってますのでどうぞよろしくお願いいたします!

チケットお申込みはこちらから→https://tiget.net/events/13176


Ensemble Salicusレクチャー・コンサート

グレゴリオ聖歌とフランドル・ポリフォニー

〜単旋律聖歌の魅力とそれに育まれた多声音楽〜

 

日時:2017年10月18日(水)19:00開演

会場:豊洲シビックセンターホール
このコンサートに向けて、Salicus Kammerchorのホームページ上で様々な情報を公開しております!
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まずはEnsemble Salicusの紹介ページ

http://www.salicuskammerchor.com/ensemble-salicus

Ensemble Salicusとメンバーのプロフィールが掲載されています。
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そして公演に向けてブログ記事も更新しています!
●第37回 特殊ネウマについて

https://goo.gl/9vwChN

私たちがこだわる特殊ネウマについて、できるだけ正確かつわかりやすく記事にしました!
ーーーー
●第38回 Ensemble Salicusデビューコンサートの概要〜ミサ式次第に沿って

https://goo.gl/4tLzE3

プログラム構成についてです。ミサの流れに沿ってどのように作品を配置したのかということ、また各曲についての簡単な解説を載せています!
ーーーー
●Ensemble Salicusメンバーの声

https://goo.gl/MgJN1b

メンバーそれぞれが、今回の演奏会にかける意気込みを語っています!
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またこの演奏会では、昨年10月に行われましたLa Musica CollanaとのジョイントコンサートのライブCDを先行販売いたします。
演奏会特別価格でお得になっておりますので、どうぞお手にとってみてください!
ジョイントコンサートについては↓

http://www.salicuskammerchor.com/archive
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Ensemble Salicus演奏会詳細はこちら↓

http://www.salicuskammerchor.com/concert

 

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Salicus Kammerchor

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次回公演は10月18日、Ensemble Salicusのデビューコンサートです!

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DVD発売中!

第2回定期演奏会のDVDをウェブ販売しております!

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サリクス通信に古楽演奏家 花井哲郎とヴォイスパフォーマー 徳久ウィリアムが登場!

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amarcord クリニック in Tokyo | 八咫烏特別賛助

amarcord クリニック in Tokyo | 八咫烏特別賛助

昨日、

軽井沢国際合唱フェスティバル 2017 サテライト講習会
amarcord クリニック in Tokyo
〜ドイツロマン派音楽の実践〜 特別賛助:男声アンサンブル八咫烏

に参加してきました。

ドイツの5人組男声アンサンブルamarcordの中心レパートリーである、ドイツロマン派のアカペラ作品を題材に1時間ほどのレッスンでしたが、私たちにとってとても収穫の多いレッスンでした。

私たち八咫烏(というかトミー)のやっていることは間違っていない。この方向でいける、ということを確信させてくれるようなレッスンだったと個人的には思いました。


こういう経験は私過去に2回ありました。

1つは広島大学に入った時、古東哲明先生の哲学の授業、初回の冒頭で先生はこう言いました。

「皆さんご存知のように、私たちが生きている意味は、ネー」

ああ、やっぱりそうだったんだ。僕は間違ってなかったんだ。そう思いました。

もう一つはカンタータクラブで演奏委員長1年目の時、小林道夫先生が練習を見に来てくださった時。

下谷教会から上野の駅に向かう道すがら、

「いいリハーサルをしているね、信じて、続けなさい」

どれだけ自分に確信があっても、これでいいんだって思っていても、他人から「それでいいんだよ」と言われることで救われます。

というかそもそも自分にそんな承認欲求があったんだということにそこで初めて気づきました。

誰にも認めてもらえなくても自分の信じたことをやる、というのが基本のスタンスなので。

誰にも認めてもらえなくてもいいけど、誰かに認めてもらいたいんですよね。


今回八咫烏はスケジュールの都合で4人での参加になりました。

事前に2回練習をして、さかんに「普通に喋るくらいのエネルギーで、軽く、自然に」ということをやりました。

そしてレッスンの最初の通しでも、ほんと、びっくりするくらい小さな声で歌いました。

それほど大きな会場ではありませんでしたが、それでも、ほんとにこれ聞こえてる?っていうような音量です。

しかし彼らからは「出だしはもっとソフトに、軽く、小さくしたほうがいい」

とか、全然そんな強くしていた自覚はなかったのに

「クライマックスのところで強くしていたのは良かったね」

などでした。

マジでビビるくらい蚊の鳴くような声で歌い始めていたのに、更にですか!

彼らの「軽く」のレベル、我々とぜんぜん違う!

結構ショックでした。でも彼らが実際に歌っている声もすんごく軽くて小さいので、やっぱりこれでいいのだと納得しました。

フォルテの箇所も、amarcordは実際に5人全員がフォルテで歌うことは基本的にはなくて、内声の3人はバランスをとってリアルなフォルテでは歌っていない、5人のブレンドした音がフォルテで聞こえればいいのだ。

ピアノも同様で、一人ひとりがピアノであるということよりも、5人の音が一つになった時に、それでもピアノに聞こえる音量、バランスで歌うことが重要だということでした。

わかっているつもりでも、声楽科で培ってきた強固な先入観がまだとけていないんだと思いました。ホールで聞こえるピアノってこのくらいっていう自分の線引があって、でもそれはソロで歌うときの線引なのであって、アンサンブルで歌う時はそれを変えなければならないのだと思います。

1人で歌うピアノと5人で歌うピアノは違う。単純に5分の1ではないにしても。

もちろん彼らのレッスンは音楽的なことがメインで他にも沢山有意義なアドヴァイスをいただきましたが、八咫烏のコンセプトに関わる部分で、それを肯定し、更にドラスティックにおしすすめていくことに励ましをいただいたようで、とても嬉しかったです。


私たちのレッスンを1時間ほどやったあと、公募の受講生たちによる混声と男声のレッスンがありました。

そこでも印象的だったのは、声を軽くしていくということで、

「軽いテノールを支えるためにはバスは声を重くしてはいけない、チェストヴォイスではなくヘッドボイスを使おう」

ということで、これも八咫烏がやろうとしていることの1つです。

やはり声楽科で学んでいると、アルトやバスは声を重く、暗くしていく傾向にあるので、ソプラノやテノールの声と分離してしまうんです。特に音域の近いアルトとテノールの分離はよく問題になって、内声のブレンドが合唱の鍵をにぎるとよく言われます。

私は2年前までバリトンだったのでよくわかるのですが、誰かがそう言ったわけじゃないのに、そういう重くて暗い声が求められている気がして、そういう声を目指さなければいけない気がして、自分の首を絞めてきました

それで、自分の声は「軽い」と思い込んでいたのですが、テノールに転向して初めて、「自分声おも!」ということに気づきました。それだけ先入観が強かったということだと思います。

それから声を明るく、軽くしていく方向で努力してきましたが、彼らの求めている「軽さ」のレベルに驚愕しました。

バスやバリトンでさえ今の私の声よりはるかに軽く、明るい。

というか、暗さ、重さの要素を全く感じない

フワーーーって高級羽毛掛け布団か!!ってくらい軽いです。

それでも、毎日、10年練習すれば絶対に出来るようになると言っていただけたので、これを励みに精進したいと思います。

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