サレガマパダミサIII終演

先日、カニササレアヤコさんとの企画の第3弾が終演いたしました。

ご来場いただきました皆様、誠にありがとうございました。

タンプーラと笙とグレゴリオ聖歌を歌うという企画ですが、前回からインド音楽のアーラープもやっています。

こちらのプロデュースはバーンスリー奏者の寺原太郎さんにお願いしております。

普通グレゴリオ聖歌というものはアカペラで歌われますが、タンプーラと一緒にやろうと思うと、キーを固定するということになります。

つまり、レ旋法はレで終わり、ミ旋法はミで終わりまして、これを終わる音ということでfinalisといいますが、このfinalisの高さを固定するということです。

今回の場合は笙と私の歌のキーに合わせて、タンプーラをa’=430HzのDでチューニングしていました。

このfinalisを固定するというやり方は、旋法それぞれの違いがわかりやすいということがありまして、ワークショップやなんかでもそのようにしています。

これはまたインド音楽のやりかたでもありまして、歌だったら歌い手のキーというのが決まっていて、そのキーでタンプーラをチューニングし、そのキーをサレガマパダニサの「サ」の音として様々なラーガを歌うんですね。

西洋でも基準ピッチという概念が生まれるまでは大概似たような有り様だったと考えられます。それぞれやりやすい高さで歌やあええ。複数人で歌うならだいたいみんなが歌いやすい高さでやりましょうということですね。

サレガマの話が少し出たので、演奏会タイトルについてですが、お察しの通りサレガマパダニサの最後のところをミサにもじっております。なのでこの企画ではミサ以外はやりません。

このタイトルはカニさんと最初に打ち合わせした帰り道にLINEでカニさんから候補が山程送られてきまして、いやさすがというか、この人天才やなと思いました。他の候補もめっちゃ面白かった。

少し脱線しましたが、つまりミサの中で、同じキーで様々な旋法を歌いますので、その度にムードとモードを切り替える必要があるわけです。

記譜通り、レ旋法はDをfinalisに、ミ旋法はEをfinalisにということであれば、音階が固定されていますので、同じ音階の中で軸足をずらしていく感じになるのですが、finalisの音高を固定すると、finalisの周りに広がる音世界がガラッと変わりますので、聞いてる方としてはわかりやすいのですが、演奏する方としては世界の切り替えが必要になってくるんですね。

そういうわけで前回からアーラープをやっているというわけです。

アーラープというのはインド音楽の最初の部分で、タブラ等打楽器が入っていない、周期的なリズムの存在しない部分のことです。

https://youtu.be/g2OsGaSyYOM?si=2UaQnnptNIsYjOax

こちらでは30分くらいやっていますが、パカワージの出番は最後10分くらいでなんか可哀想な気もしますが、そんなもんらしいです。

それでこのアーラープというのが、そのラーガを立ち上げる呪文的な意味合いもあって、そんなわけで、今回の場合旋法が切り替わるタイミングで、次の旋法へスムーズに転換していくようなアーラープを考えていただきました。

本来その他のセクション同様アーラープも完全に即興なのですが、私はまだそこまでインド音楽に習熟しておりませんので、太郎さんによりfixされたものを歌わせていただきました。

そして旋法が切り替わるところすべてというわけではなく、その一部でアーラープを、他の部分では笙の即興をいれてもらって、流れがあって且つ旋法の切り替えをスムーズにということを試みています。


グレゴリオ聖歌の部分では、笙は交互唱したり、ハルモニウム(歌の伴奏によく用いられるインドの楽器)のように歌と同じ旋律を演奏したり、シュルティボックス(タンプーラの代わりに用いられることのあるインドの楽器)のようにドローンをやったり、あるいは笙のように(!)和音を演奏したりというさまざまなやり方で演奏してもらいました。

私の方は普通に、超普通にグレゴリオ聖歌を歌っております。

そしてもう一つのやり方として、雅楽の伝統曲である「調子」を普通に吹いてもらって、本当に単純にそれにグレゴリオ聖歌を重ねるというやり方もやっています。

↑こちらがそのパターンです。

なんの違和感もないんですよね。まるで古い友人に久々に会ったかのような馴染みっぷり。

これお互いにただそれぞれの伝統曲を演奏してるだけなんですけどね。

「音取」といったほうが聞き馴染みがあるような気がしますが、「調子」は音取の規模が大きい版?あるいは調子の一部が音取になった?ようです。(詳しくなくてすみません今度聞いときます)

アーラープと役割がよく似てるというかもうほとんど同じというか、そしてもはや私はグレゴリオ聖歌はアーラープにラテン語がついたものくらいに感がてますから、このマリアージュも納得の出来栄えという感じがします。

あと、今回初の試みとしては、Sanctusを笙のソロで、4度並行のオルガヌム風に演奏してもらいました。

そうそう、笙って竹製の人力オルガンですから、教会音楽に合うのは当然ですよね。

オルガヌムとオルガンは語源が多分同じですからまあなんちゅうか、はい、全部つながってるよねええという話です。


そして普通に私が歌っているグレゴリオ聖歌は、世界で私しかやってないやり方で歌っています。

単にインド音楽の楽器を使って、インド音楽と交互にグレゴリオ聖歌を歌っているというよりも、もっとダイレクトに、インド音楽からグレゴリオ聖歌の歌唱法のインスピレーションを得ています。

グレゴリオ聖歌の歌いまわしを記載した「古ネウマ」というものがあるのですが、その中にある「装飾ネウマ」これは何らかの装飾的な歌い方をしていたらしいということはわかっているのですが、具体的にどういう装飾だったのかはっきりとはわかっていません。

最初はこの「装飾ネウマ」のヒントを得ようとしてインド音楽を学び始めまして、私がやっている装飾ネウマの歌い方は、例えばクィリスマやオリスクスはムルキーに、サリクスはミーンド、ストローファはアンドーランにといった具合にインド音楽にヒントを得た歌い方になっております。

きっとこうだったに違いないと思ってやっておりますが、誰も「そうではなかった」とは言えない。これが古楽のロマンですよねえ。

それでインド音楽を学んで、その凄まじい旋律に対する解像度を持ってグレゴリオ聖歌に取り組んでみると、装飾ネウマではないところ(単純ネウマや複合ネウマといいます)も、それまでとは全然違って観えてくるんですね。

ここはこういうミーンドなんじゃないか、ここは全部流れないネウマで書いてあるけどこっちよりこっちは流れるんじゃないか、速いとか遅いとか書いてあるけどそれってこのくらいの速さ、遅さなんじゃないか、とかですね。旋律が即興されたその瞬間に持っていたであろう有機性みたいなものが観えてくる気がしてですね、そういった意味で私のグレゴリオ聖歌の歌い方は、もはや装飾にとどまらず、全体的にインド音楽に激烈に影響を受けています。

そんな風にグレゴリオ聖歌を歌っている人は世界に私だけで、他にいたら紹介してほしいです。いるならそういう人と一緒に演奏したい。

はい。このような営みをですね、「失伝した西洋の歌の再創造」という言い方でやっておるわけですが、これをゆくゆくはその後の西洋の歌、ルネサンスポリフォニーやバロック音楽でも活かしていきたいのです。

それでその第一歩として6月のサリクスの公演はグレゴリオ聖歌だけの演奏会をやります。

毎日こんなことばっかりやってる私でも難しいこのグレゴリオ聖歌の歌唱法、大勢でやるとどうなっちゃうのか?!というのがこの演奏会の聴きどころです。

詳細はこちら→https://www.salicuskammerchor.com/concert


はい。と、いうような記事を演奏会前に出せばよかったなあとも思うのですが、後の祭り。全く思いつきませんでした。

ということで、演奏会には来れなかったけど、興味を持ってくださったそこのあなた!

ご安心ください。前回と前前回の演奏会音源を販売しております。動画もついてます。

https://genkisakurai.base.shop/categories/6544442

今回のも販売する予定ではありますが、編集いつできるかわからないので、ぜひこちら↑ご利用いただければと思います。

寺原さんも今回客席にお越しくださいまして、大変ありがたい感想をいただきました。

(ここからはじまるツリーがほんとありがたーいのでぜひリンクから飛んでいただいて、いいね!&リツイしてね)

また、ピアニストの榎本さんもお越しくださいまして、凄い長文の記事を書いてくださいました。

誠にありがとうございます。

https://www.virtuoso3104.com/post/srgmpdms3


以下お知らせでございます。

今週末から古楽院の2025年度講座が始まります。

ルネサンス音楽基礎ということで名前を変えまして、私がルネサンスポリフォニーをやるときに教えている基礎を全部まるっとパッケージでお伝えします。できるかどうかはさておき全部お伝えはします。

こういう講座はここだけです。

詳細↓


J. S. バッハの教会カンタータ全集vol1リリース!

サリクスのJ. S. バッハの教会カンタータ全集vol.1、お待たせしておりましたがついに販売開始となりました。

クラウドファンディングでご支援いただいた方にはすでに発送しております(サインが必要な方だけもう少々お待ちください。今都内を駆けずり回って集めているところです)。

クラファン間に合わなかったという方、これはもうマストで買ってください。マジで。これが売れないとマジで悲しい。壮絶な演奏です。↓

https://salicus.thebase.in/items/105521915

2019年にリリースしたモテットのCDとセットだとお安くなります!↓

https://salicus.thebase.in/items/105522627


ヘクサコルドWS第13回受講者募集!

東京のWSもこれで教本一巡します。産業革命以前の西洋音楽の基礎であるヘクサコルドにじっくり取り組みたい方はこちらにどうぞ。

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSesWlDzbuyYFQ44zzTcYQnzdnmDrxID-PFWAcO1-l2P4PwDoQ/viewform


合唱団エレウシス団員募集!

最もプリミティブに、最も地道に実力をつけたい方はこちら。毎週信じられないくらい地道な練習をしています。

見学お申し込み↓

https://docs.google.com/forms/d/1xA76VkG8AOTb9G_SPNFcMKa5WRwoHSsSyXzI5r8wGWw/viewform?edit_requested=true


サリクス研修所第3期研修生募集!

サリクスのメンバーになりたい方はこちらでございます↓

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeRHwet1wNXMfZy9TQDaQ7HWoNQTEaBDhESDPi55aK79Kv9Fg/viewform

2025年|謹賀新年

2025年|謹賀新年

皆様あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いいたします。

年始の演奏はじめは1月5日の蟹笛ライブでした。

蟹笛を人前でちゃんと演奏するのは初めてのことでしたので、この日のお客様は人類史上初めて蟹笛の生演奏を聴いた人となりました。

しかしライブは本当に難しかったです。

環境の変化で蟹笛にどういうことが起こるのか。蟹笛用に小さなドライヤーを買おうと思います。

あとマイキングですね。

音をちゃんと入れようと思うと息がどうしてもあたっちゃうんですよね。

ポップガード持っていけばよかったのかしら。

また機会があれば試してみようかと思います。

ともあれ蟹笛世界初演の機会をくださったジェヴァンニ=オノさんに感謝です。

来年また同じ企画をされるそうで、今度は蟹鍋付きでやろうという話になっているので、実現した際にはまたお知らせいたします。


今年のお正月は母がインフルエンザにかかりまして、うちの実家に帰れなかったので、ずっと妻の実家にお世話になっておりました。

うちの実家で食す予定だった蟹も妻の実家の方に送ってもらって食し、そのうちとりあえず3本だけを先行販売ということでライブに持っていきました。

1本100円で販売したのですが、前作も含め7−8本は売れたと思います。

興味を持っていただけてありがたいです。

そんなわけで毎年上げている私がポニーに乗る動画や薪割りの動画は今年はありません。

うちのポニーはこんなこです。

蟹笛歴2日の演奏です。

そう、蟹笛って去年の元旦に生まれたんですよね。

https://twitter.com/g_sakurai1031/status/1741769978553176329

これがその時の動画で、リツイ元を見ていただいたら分かる通り、蟹笛ってフジツボに影響されてやたんですよね。

いつか共演したいです。あとタカアシガニディジュリドゥの方とも共演したい。

生物楽器演奏会やりたいなあ。あとはキハーダとか、法螺貝とか。

その前にもっといろんな蟹が吹きたいな。

タラバとか、毛蟹とか、花咲蟹とか。

今画像見たらめっちゃトゲトゲしてて痛そう。


今週は10日に光岡先生の講座があります。

こちらは声と身体に関する講座で、私が最近言ってる「身体の古楽」の発想の元となっています。

やればやるほど、昔の音楽は昔の身体でやらないとできないですね。不可能。

現代人の身体のままやったらそれはそれは現代音楽にしかならんです。

ストイックに古楽を突き詰めるとそこに辿り着かざるを得ないと思います。

果てしない話ではありますが。

そうでなくとも、なんとなく現代社会嫌だな、生きづらいな、なんかおかしいんじゃないかな、っていう疑問のある方は是非お越しください。

いろいろ明らかになってスッキリする部分と、絶望が深まる部分と両方あると思います笑。

私のこれまでの人生の中で、自分が肯定されたな、お前間違ってないよって言われたなって思った経験が何回かありまして、1回目は広島大学の1年生の時に受講した哲学の授業で、古東哲明先生が開口一番に言った「皆さんご存知のように、生きている意味なんてネーのですが」という言葉です。

2回目は小林道夫先生に言われた「いいリハーサルをしてるね。信じて、続けなさい」です。

光岡先生は言葉を通してというか、稽古を通して、それを感じています。

「そうなんだよね。そういうことなんだよね」というのと、「ああ、自分の疑問の正体ってこれだったのか」というのが両方あります。毎回の稽古に。

でこういうこと言ってると思想とか哲学とか宗教みたいに思われるんですが、まあもちろんそれもあながち間違ってはないのですが、光岡先生の場合それを抽象度ゼロの現実の経験として提示してくれるというところが他にないところです。

もちろんそれも受け取り方次第ではあるのですが。

武術って生きるか死ぬかで、果てしなくシンプルなので、その現実性の前ではぐうの音も出ないんですよね。

定員まであと5名ほどですのでご予約はお早めに。

光岡英稔BUGAKUスピンオフ- 課外授業

「異なる身体観による言葉、声の変化を体感する会」第8弾

2025年1月10日(金)
時間:12:00-18:30(19時より懇親会)
会場:江戸川区内の施設(お申込み時お知らせいたします)

11:45 受付開始
12:00 講座開始
18:00 講座終了
18:30 質疑応答終了
19:00 懇親会(希望者のみ)

講師:光岡英稔

参加費:25,000円 定員:15名

お申し込み:https://forms.gle/CeCWHL3Bdx3Qfbmr9

お問い合わせ:g.sakurai.office@gmail.com(櫻井)


また今週土曜日は京都のヘクサコルドWSです。

ちなみに今年のヘクサコルドWSびらきは蟹笛ライブと同日午前に開催しました某広域指定合唱団のWSでした。はるこんでマショーをやるそうです。楽しみですね。

京都の講座は今回は第7旋法です。最も複雑な旋法です。

教会旋法の極北って感じ笑

西洋の旋法の音楽ってこういうこと!だ!っていう講座になると思います。(あかん。新幹線とらな。)

お申し込みはこちら↓


そして来週末は合唱団エレウシスの演奏会です。

2回目の演奏会になりますが、今回はドイツ3大Sの作品をメインに、前半はジョスカンのミサからデュエットのBenedictusを取り出して、グレゴリオ聖歌のSanctusとカップリングさせて演奏するというなかなか面白いことをやります。

こちらもぜひお越しください。

2024年

2024年

大晦日です。

今年の12月は2日くらいしかなかったんじゃなかろうかというほど速く過ぎ去りました。

11月末にサリクスのカンタータ公演が終わって、気がついたら年が終わろうとしています。

12月はほんと自分でも驚くほどぼーっとしていました。

サリクスを始めたころは、公演の半年前からプレッシャーで鬱、公演の半年後まで燃え尽きて鬱、ようするに1年中鬱でした。

さすがに今はそういう状態は全然ないのですが、とはいえ今回の公演はごっつい大きい公演だったので。


ヘクサコルドWS

今年はいろいろありましたが、多分一番時間を割いたのはヘクサコルドWSだと思います。

数えたら112コマ、1コマだいたい3時間なので、336時間WSしてことになります。

東京でのWSは50人くらいの受講生の予定を調整して各回8-10回くらい開催しており、京都定期的にひと月に2コマ、加えて名古屋でも名古屋ユース合唱団にお呼ばれし、コエダイでも企画して頂き、コダーイ協会の全国大会に呼んでいただき、また一般の合唱団にお呼ばれしてWSをやらせてもらったりました。

Cantus Animaeという全国大会常連の超有名合唱団の派生団体で、PRO MUSICA VIVAというそうですが、ジョスカンとモンテヴェルディで全国大会金賞だったそうです。ごっつい。

また、今年のヘクサコルドWS納めも、某広域指定合唱団からお呼ばれでした。マショーをやるそうです。

こういう合唱団からのお呼ばれも大変ありがたいです。ヘクサコルドの裾野を広げていく活動として非常に重要かと思います。どしどしご依頼ください。

ヘクサコルドの道は果てしなく険しい道であることは確かですが、楽しいです。充足感があります。サウナ行くよりいいと思います。

にしても年間336時間はがんばった。

がんばったけどすっかり「ヘクサコルドの人」になってしまった。

私の肩書きは「指揮者・歌手・蟹笛奏者」なのですが、ヘクサコルドWSってどれにも関わってはいるけど本業ではないんですよね。

教えるのは本当に向いてないと思う。私。

同じことをやってくれる人が他にいたならば、是非お願いしたい。

しかしいないので、しかたなくヘクサコルドの伝道師のようなことをやっております。

聴く方も演奏する方も、これがないと古楽は始まらないので。

文化の再創造をするのや。


指揮

指揮者としてはSalicus KammerchorとChor Eleusisの活動がメインになっています。

サリクスは5月にシュッツのシリーズの最終回、11月にJ. S. バッハのカンタータシリーズの初回をやりました。

エレウシスの方は1月19日の第2回演奏会に向けて目下追い込みです。

指揮の方も他団体からの依頼大歓迎ですが、あまりそういうことにはなってないです。

というのも実際私がやろうとしてることって、今普通に行われている実践を根本から覆すことなので、ちょっと行ってぱっとリハーサルしてできるようなことではないんです。

なのでお呼ばれがあったとしても、どういう風にやるか凄く難しいと思う。

ちょっと前、ガーディナーがチェコフィルでビブラートを制限しようとして総すかんを食らった話がありましたが、古楽の運動が始まって60年もたつのに、ちょっとビブラート減らそうとしただけでその有様。私がやろうとしていることが普通に受け入れられるようになるのは300年後だろうなと思います。

だから実際今のところは、他団体との関わりは、ワークショップくらいがちょうどいいのだろうなと思います。


歌手としては、8月にサレガマパダミサの第2弾を行いました。番町教会でできてとても楽しかったです。

笙とタンプーラでグレゴリオ聖歌を歌うのは、あまりに馴染んでいて全然尖ってないと言われました。確かにその通り。

次回は4月19日で計画しています。

あとはトムウェイシ。今年は3回やったのかな?トムウェイツの声でシューマンやクラス合唱を歌うユニットなのですが、これもひとつの古楽。

普通に良いです。こちらは次回1月30日です。

詳細:https://reservestock.jp/events/976892

あとはカペラとアラミレと、花井先生の指導するアマチュア団体混合チームで行う演奏会でデュファイのミサを3曲歌いました。いくらメモリアルイヤーだからって、ひと月の間に3曲別々のミサ曲をそれぞれ別のパートで歌うというのは、今後二度とないのではないでしょうか笑

あとあれですね。叔母の公演で地謡をまたやりました。ごっつい嵐の日で野外公演だったので超大変でした。

あと叔母関係ではガザ法要にも初参加しました。あれも凄いイベントだった。

蟹笛

蟹笛奏者としては、ぼちぼちyoutubeに動画を上げてました。

こちらプレイリストです。

なかなか充実してきました。

そして今週末、完全に満を持して、ついに人前でライブで蟹笛を披露することとなりました。

2025/1/5(日)
「どりゃ~!!新春アンダーグラウンド放談」
場所:Oriental Force
料金:1500円+1drink注文
※振る舞い甘酒あり!
開場/開演:18:30/19:00
出演:
妖精マリチェル
櫻井元希(蟹笛)
あたしよしこ&ジェバンニ=オノ
佐伯武昇&eifonen

予約不要だそうです。ふらっとお越しください。


というわけで2024年を振り返ってまいりましたが、最後に皆様にいくつかお願いがございます。

まずSalicus Kammerchorの2025年定期会員募集の締め切りが本日12月31日でございます。

まだ目標を半分すぎたところです。

サリクスの活動の命運がかかった定期会員募集、是非ともよろしくお願いいたします。

https://www.salicuskammerchor.com/support

サリクス研修所の研修生も募集中です。集え!未来のサリクスメン!

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeRHwet1wNXMfZy9TQDaQ7HWoNQTEaBDhESDPi55aK79Kv9Fg/viewform?pli=1

1月10日には光岡先生の講座がございます。わたくしは世話人をしております。「身体の古楽」です。全人類にオススメの講座でございます。

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeLoctyYQPe0PRlE4R-xBndgrALk2eXz4m6p1vMZqgbp5GMzw/viewform

どれもどしどしお申込みいただきたいですが、特に定期会員募集は死活問題でございまして、生活にある程度余裕のある方は是非ともお申込みいただきたくどうぞよろしくお願いいたします。

2024年もお引き立て頂きまして皆様誠にありがとうございました。

2025年もどうぞよろしくお願いいたします。

コエダイr合唱団演奏会

コエダイr合唱団演奏会

2024年も終わろうとしていますね。

9月から投稿が滞っておりました。

というのも9月から10月にかけて、ひと月にデュファイのミサを3曲演奏する(9/23グランデュファイ.10/14アラミレ.10/25カペラ)という多分人生でもう二度とないことがありまして(しかもそれぞれテノール、バス、コントラ(アルト)という別々のパートでした)。

そしてその翌週には叔母の新作能「雪の華」の公演がありまして。

その翌週にはグレゴリオ聖歌の録画と名古屋弾丸ワークショップなどありまして。

その翌週にはオケ合わせに入って、3日連続オケ合わせ、1日あけて2日連続公演、翌日ブルガリアンボイスのワークショップを受けて翌日京都でワークショップというわけのわからんスケジュールで、その後1週間位は呆けておりました。

それぞれを詳細に振り返っておりますと、年が明けてしまいますので、ほんの少しだけ。


グランデュファイ

この催し物は花井哲郎先生が指導する関東関西中部の3つのアマチュア団体が合同でミサ・スラファセパルを演奏するというもので、私は助っ人でテノールを歌いました。

総勢30人くらい?でデュファイを歌うというのも初めての経験でしたし、そもそも本番でテノールミサ(テノールが全ての楽章で定旋律を歌うミサ)のテノールを歌ったのも初めてでした。

長い音価で比較的高い音を歌い続けるので、まあ大変といえば大変なのですが、俯瞰でミサが観れる感じで、役得感もありました。とても面白かったです。

面白いといえばこのときに演奏したグレゴリオ聖歌も面白く、デュファイ作と言われる新作のグレゴリオ聖歌で、なかなかこれも演奏機会の少ないものですので、貴重な経験となりました。


<ヴォーカルアンサンブル アラミレ>第15回演奏会

アラミレも今年はデュファイで、ミサ・アヴェレジーナチェロールムを演奏しました。

これがまたとんでもない難曲で、まあそれはそれは四苦八苦しながら練習して、しかし本当にとんでもない名曲でした。

スラファセよりもこっちが有名になっても全然おかしくないと思います。

モテットの方もごっつい難易度高い曲で、音にするだけでも相当難しいですが、かなりいい演奏ができたのではないかと思います。

アレミレは来年は打って変わってパレストリーナ。

わけあって今デュファイも並行して練習しているのですが、アマゾンとアラスカくらいの体感の違いで、それを楽しみながら練習しています。


ヴォーカル・アンサンブル カペラ
デュファイのミサ《ロム・アルメ》

10月26日に半袖ですね。まだこの頃は夏だった。ほんともう季節が無茶苦茶。

ミサ・ロムアルメのコントラテノール(アルト)のパートを歌いました。

今回驚いたのは、配信の音の良さです笑

めっちゃくちゃ綺麗に入ってる。

カテドラルって残響が多すぎて会場で聴くと、それがいいといえばいいのですが、ディティールを聴き取るのが難しいんです。

もちろん会場でライブでしか体験できないものも大きいので、どちらが良いとは一概には言えませんが、オススメは会場で聴いたあとアーカイブ配信視聴です。

一度お試しください。(できるだけ良い視聴環境で)

それからロムアルメなのでミカエルの祝日のグレゴリオ聖歌を歌ったのですが、使った写本がカンブレー写本、グランデュファイで歌ったデュファイ作のグレゴリオ聖歌が収められている写本でした。

メディチ版のようにずいぶんともとのグレゴリオ聖歌からすると簡潔になっているのですが、そのセンスがメディチ版と違って、めっちゃ面白いです。

一つのグレゴリオ聖歌をいろんなバージョンで歌うのごっつい楽しい。

そういうイベント企画したい。

ちなみにミカエルの祝日のグレゴリオ聖歌は来年のアラミレでも歌うのですが、こちらはメディチ版を用います(パレストリーナなので)。

今練習中なのですがまあほんと面白いです。

詳しく書いていると年が明けるので続きはまた別の機会に。


新作薪能 ハイパー能「雪の華」

ジャニー喜多川をテーマにした新作能でした。屋根はあるけど野外、という環境で、この季節には普通ありえない大雨&風&雷で、凄まじいコンディションでした。

よく薪に火がついたなと思います。

早々に楽譜が飛んで舞台上でパルプになってるし。

私は地謡とグレゴリオ聖歌風の歌、唱歌との二重唱などを歌いました。


Salicus Kammerchor
J. S. バッハの教会カンタータ全曲シリーズvol.1

100年計画の第1回の録音が終了しました。

音源化前提の寒い演奏とは程遠い、かなり録音してることも忘れるような熱演担ったと思います。

打ち上げでコンマスが「世界一美しいコラールだった」と言っていたことが非常に印象的でした。

うちのコンマス厳しいんですよ。同級生でもう10年くらい一緒にカンタータやってるので遠慮がないし。

めったに褒めないというか初めて褒められた気すらするんですが笑、嬉しかったです。

クラウドファンディングもお陰様で目標金額を達成しまして、なんとかやっていけてはいるのですが、それでもお客さんもう少し呼べるようになりたいです。

倍は来てほしい。。

広報頑張ります。

来年は6月に第10回定期演奏会で、グレゴリオ聖歌だけの演奏会を行います。

定期会員の募集を開始しましたので、どうぞよろしくお願いいたします。。

https://www.salicuskammerchor.com/support


コエダイr合唱団演奏会

振り返り終わりましていよいよ本題です。

今月の私の出演する唯一の演奏会です。

ヨーデル、ジョージア、ブルアリア、ホーメイ、オルティンドー、テノーレス、台湾の合唱をやります。

いやあ列挙してみるとなかなかイカツイ。イカツイプログラムです。

これらをただその曲を普通の声で歌うのではなく、それぞれの芸能の価値観に見合った声で歌うというのがコエダイr合唱団の凄いところです。

全部ではありませんが、ホーメイやヨーデルやブルガリアや台湾に関しては、その道の専門家を呼んで定期的に指導を受けています。

テノーレスは実際イタリアのサルデーニャ島まで出向いて直接現地のテノーレスから教わっています。

いやあイカツイ活動してますわ。

演奏会お申し込みはこちら↓
https://www.reservestock.jp/events/948824

さらに、特殊発声は聴くのも楽しいけど出すのはもっと楽しいということで、体験会もあります。↓

https://www.reservestock.jp/events/976243

同じアホなら歌わにゃ損ということで、皆様のご参加お待ちしております。

BUGAKUスピンオフ第7弾

武術家光岡英稔先生による声と身体についての講座第7弾が10月4日に行われます。

世話人として毎回参加させていただいておりますが、毎回凄まじい内容です。

現代人として生きる私たちが例えば1000年前に記譜されたグレゴリオ聖歌を歌うのに、現代人のままの身体ではいられないという課題。

特に古楽というジャンルを扱っている私にとっては差し迫った課題なのですが、このことに対する手がかりを毎回いただいています。

そうでなくても、生きづらい現代社会で声や身体に不調を感じている人はかなり大勢いると思います。

また不調に気づくこともできず手遅れになっている感のある方も多いのではないでしょうか。(しかし生きている限りまだ間に合います)

光岡先生は現代科学や医学では説明のつかない身体の神秘の部分を、全く神秘的ではなく超絶具体的に、私たちの体感(観)覚で自らの身でもって示してくださいます。

頭ではわからずとも、身を持ってわかるのだからもうそうとしか言いようがないというぐうの音も出ない真実性現実性。不思議だけどそれが現実に起こっているのだから仕方がない、というやり方で教えて下さいます。

その稽古法も非常にわかりやすいです。

私は毎日稽古するようになって多分4年か5年経ちますが、4・5年前の私を知る人には、私の身体の変化もまた非常にわかりやすいのではないかと思います。

BUGAKUに参加してしばらく、毎回講座に出るたびにレポートを書いていました。これも合わせてご覧いただくと、参加への参考になるかもしれません。

韓氏意拳の方はこちらにまとまっています。

今回のスピンオフでは光岡武学の基礎、基盤を中心にということなので、いつにも増して初めての方も参加しやすいのではないかと思います。

声を生業とする方はもちろん、そうでない方もぜひ受講をご検討ください。

以下光岡先生からのメッセージです。


この度、10月4日(金)に開催します【BUGAKUスピンオフ-課外授業 〜異なる身体観による発声の変化を体感する会】は、とにかく「光岡武学における身体の作り方、身体観の形成の仕方、感性の養い方の稽古と稽古の組み立て方」を中心に講座を進めて参ります。

身体を作り、練り、形成して行くことで“結果的に”自分から発せられる声や音が、ある身体だと良き変化を齎らしたり、場合によっては目的とする声や音と合わない身体、身体観、集注観になっている時の変え方などにも触れて行きます。

今までの講座の流れも踏まえて “ここが分からないと光岡武学(通称:兵法・武学研究会) は理解できず” と言った内容を中心に稽古を進めて行きます。

逆に“四つの基礎、五つの身体の層位”が分かると光岡武学の最も基盤となる所が分かるので、そこから先の習得、体得が上手く行くようになるような内容を中心に稽古で取り上げて行きます。

光岡武学 四つの基礎
・左右観
・四つの陰陽表裏
・四方のからだ(身体)
・まだら観(み)の基礎

光岡武学 五つの身体の層位

1.思惟的身体
2.物理的身体
3.経験的身体 一 (感覚体)
4.経験的身体 ニ (客体)
5.経験的身体 三 (気之体)

この「四つの基礎」と「五つの身体の層位」の一つ一つが、私たち人間の「どのような声」「どのような音」と繋がり、如何に関係しているのか!?

この度も、このような事を体感覚で知って行ける声楽家、指揮者、音楽家の櫻井元希氏に招かれの声、声楽、音楽の身体観に関わる【武学スピンオフ講座-異なる身体観による発声の変化を体感する会」となります、皆様お楽しみに!!

講師
光岡 英稔


光岡英稔BUGAKUスピンオフ- 課外授業
「異なる身体観による言葉、声の変化を体感する会」第7弾

2024年10月4日(金)
時間:12:00-18:30(19時より懇親会)
会場:江戸川区内の施設(お申込み時お知らせいたします)

講師:光岡英稔
参加費:25,000円
定員:15名

11:45 受付開始
12:00 講座開始
18:00 講座終了
18:30 質疑応答終了
19:00 懇親会(希望者のみ)

お申し込み:https://forms.gle/CeCWHL3Bdx3Qfbmr9
お問い合わせ:g.sakurai.office@gmail.com(櫻井)