暑かったり寒かったり相変わらずわけわからん天気ですね。
私は今日まで何らかの形で花井先生と6日連続会っていてなんだかこそばゆいです笑
1日はcoclicoという茨城の花井先生指導のアンサンブルのリハーサルで水戸まで行ってきました。
この日は午後まで新宿で小林道夫先生のアカデミーでスタッフをしていたので結構な大移動でした。
コクリコは発表会2月10日の方でラ・リューのモテットを歌います。
2日は午前中アカデミー2日目のスタッフをしたあと古楽院でした。私は今年ルネサンス音楽入門の講座を担当しています。この講座は発表会2月11日の方でモテットを歌います。
3日はバッハカンタータアンサンブルのリハーサルで本八幡へ。船堀に引っ越したので本八幡まで各停でも10分で着きます笑。近い!バッハは今5月12日の演奏会(花井先生指揮)に向けてリハーサルをしています。秋にはまた私が指揮させてもらえることになりましたのでこれもまた楽しみです。
4日は計量記譜講座と計道会のレッスン。計量記譜講座は来期は火曜の午前になります。なかなか一般の方には難しい時間帯ですが、計量記譜の読み方をじっくり腰を落として学べる機会ですのでおすすめです。
計道会というのは、計歌会とFF古楽道場の合同チームで、3月10日に発表会をします。フルートやチェンバロ等の実力者が、なんと歌います!なかなか聴くことのできないその歌声!
https://www.facebook.com/events/332045097415502/
そして5日と6日はカペラのリハーサル、今回は夏山美加恵さんと初めてご一緒します。昨日二人で祐天寺のキーマカレーをいただきましたが、広島の話、オランダの話、発声と音楽の話と沢山お話させていただけて嬉しかったです。
ということで1-6日まで2月に入ってから6日連続花井先生と一緒でした笑
さて、直近のフォンス・フローリス発表会についてです。
今回多くのグループが、昨年没後500年のメモリアルイヤーであった、ピエール・ド・ラリューを演奏します。
ラリューイヤーの締めくくりですね。ほんとに面白かった。
ということでツイッターで下記のようなアンケートをやってみたのですが、今の所圧倒的に3番目の選択肢を選ばれた方が多いです笑
何言ってんのかわかんない方はコチラをクリーック!
さて発表会についてですが、昨年までは古楽院もアンサンブルグループも1日で全部やっていました。演奏時間がマタイ超えの様相を呈してきましたため今年は2日にわけての発表会となります。
1日目はアンサンブルグループの発表会。
東京、大阪、長野、名古屋、茨城から花井先生指導のグループが集まりまるで古楽甲子園!
2020年は古楽オリンピック(謎)の年ですが、今年は古楽甲子園もあるんですねええ(しみじみ)
総勢80人くらいになるそうです。
第1部は4グループで手分けしてミサを全部。第2部はモテットのアラカルトです。
私は第2部に出場、アラミレでオケゲムを歌い、コクリコにも代打で出場させていただきます。
コクリコは(白)ラリューのモテットを歌います。
2日目は古楽院の発表会。こちらはなんと4部構成!
第1部はモテットアラカルト、第2部は晩課、第3部はミサ(前半)、そして最後にヴォーカル・アンサンブル カペラによる特別演奏としてミサの後半です。
私は第1部のルネサンス音楽入門の講座の皆さんと(黒)ラリューのモテットを歌い、最後のヴォーカル・アンサンブル カペラのセクションでは(白)ラリューのミサ「アヴェ・マリア」の後半と、(黒)ラリューのSalve Regina Iを演奏します。
この黒サルヴェが本当にすごい曲で、ほんと黒中の黒、真っ黒ラリューです。
これなんですけど、これつまり4声の曲なんですが、4声全てのパートがこの同じ楽譜を見ながら歌います。ようは4声のカノンです。
Discantusが最初にaの音で歌い始めたら4拍あとにAltusがdの音で歌い始めます、Tenorは16拍あとにDiscantusのオクターブ下のA音から、Bassusは20拍あとにAltusのオクターブ下のDから歌いなさいということなんですね。
それだけなら意外と大丈夫そうな気がしてくるんですが、実は話はそう単純ではありません。この時代の音楽では時々、書いてある音をそのまま歌うのではなく、前後関係や同時になっている音との関係を聞きながら適宜#や♭をつけて歌う「ムジカ・フィクタ」というものがあるのですが、これが4声全てに起こるわけですね。だから同じ楽譜を見ているんですが、このフィクタがそれぞれのパートによって異なるためもう脳味噌沸騰膨張爆発です。で間違えないように書き込んでいくわけですが、みんなクワイヤブックで同じ楽譜を見ながら歌っているので、その書き込みが誰に対する書き込みなのか瞬時に判断できなくてクラーッシュ!ってことがもうしょっちゅう起こるんです。
これを本当に書き込み無しでその場の判断だけで歌っていたと思われる当時の人々はほんとに凄い。
というのもこの曲を歌っていたと思われる人々というのは大半が作曲家兼歌手なんですよね。その中には昨年Ensemble Salicusで演奏したアレクサンダー・アグリコラなんかもいるわけですが、もう、「当然こうよね」みたいな感じで瞬時に判断していたんでしょうね。
こういうへんてこな曲もこうした作曲家同士の交流の中で面白がりながら作曲されていったのだろうと思うのですが、もう知的レベルの差がすさまじい。想像もできないレベルです。
というわけでラリュー盛りだくさんな2日間ですが、ラリュー以外の曲も演奏されます。グレゴリオ聖歌、オルガヌム、オケゲム、クレメンス・ノン・パパなど多種多様な音楽が演奏されますので、ぜひこの2日間は秋葉原で古楽漬けになってください。
そして来年は一緒に歌いましょう!
2月10日16:30開演「アンサンブルの部」
第1 部 聖アントニウスのミサMissa de Sancto Anthonio
グレゴリオ聖歌:聖アントニウスのミサ固有唱
Gregorian chant, Proprium missae de Sancto Anthonio
ピエール・ド・ラ・リュー 聖アントニウスのミサ
Pierre de la Rue (ca. 1460-1518), Missa de Sancto Anthonio
ソシイ・デ・ムジカ Socii de musica
1. 入祭唱「義人の口は」Introitus: Os justi
2. キリエ Kyrie ピエール・ド・ラ・リュー 聖アントニウスのミサより
3. グロリア Gloria ピエール・ド・ラ・リュー 聖アントニウスのミサより
4. 集梼 Collecta
5. 使徒書朗読 Epistola
アンサンブル・アウィーナ ensemble Awinan
6. 昇階唱「主よ、あなたはこの人に」 Graduale: Domine praevenisti
7. アレルヤ唱「義人はなつめやしのよう」 Alleluia: Justus ut palma
8. 福音書朗読 Evangelium
9. クレド Credo ピエール・ド・ラ・リュー 聖アントニウスのミサより
カント・キアラ Canto chiara
10. 序唱 Praefatio
11.サンクトゥス Sanctus ピエール・ド・ラ・リュー 聖アントニウスのミサより
スコラ・ポリフォニカ 名古屋 Schola Polyphonica Nagoya
12. 主の祈り Pater noster
13. アニュス・デイ Agnus Dei ピエール・ド・ラ・リュー 聖アントニウスのミサより
14. 拝領唱「忠実なしもべ」Communio: Fidelis servus
15. 拝領後の祈り Postcommunio
ソシイ・デ・ムジカ アウィーナ カント・キアラ スコラ・ポリフォニカ 名古屋(合同)
16. 閉祭唱 Ite missa
17. ラ・リュー「めでたし 天の元后」Pierre de la Rue, “Ave regina caelorum”
第2 部 モテットの諸相
1. 中世女声アンサンブル ド・リーフデ De liefde
ヒルデガルト・フォン・ビンゲン
「めでたし気高く栄光ある」「めでたしマリア」
ペロティヌス(「モンペリエ写本」より)
オルガヌム:アレルヤモテトゥス:人は話す/パリでは/新鮮なイチゴ!
2. ヴォーカル・アンサンブル アラミレ vocal ensemble Alamire
ジャン・ド・オケゲム「けがれなき神の御母」
3. ヴォーカル・アンサンブル・コクリコ
ピエール・ド・ラ・リュー「思いいたせ、イスラエルよ」
4. スコラ・ポリフォニカ 名古屋 Schola Polyphonica Nagoya
ピエール・ド・ラ・リュー「アブサロム、わたしの息子」
5. 東京古楽倶楽部
クレメンス・ノン・パパ
「わたしはシャロンのばら、野のゆり」
フランシスコ・ゲレーロ
「あなたの後をついて行かせてください」
「恋人よ、立って出ておいで」
2月11日13:30開演「古楽院の部」
第1部
1. 中世の音楽 アルス・アンティクァの音楽を歌う
モンペリエ写本より 「ああマリア、ダビデの血筋のおとめ/ああマリア、海の星/まことに」(3 声ダブルモテット)
ラス・ウエルガス写本より 「マリア、おとめの中のおとめ」(2 声プローザ)
フィレンツェ写本より 「清けき星」(3 声コンドゥクトゥス)
2. ルネサンス音楽入門
ピエール・ド・ラ・リュー 「アブサロム、わたしの息子よ」
第2 部 聖母お告げの祝日の晩課 Vesprae in Annuntiatione Beatae Mariae Virginis
グレゴリオ聖歌演奏法
ルネサンス音楽1
1. 「神よ、わたしを助けに」”Deus in adjutorium”
2. アンティフォナ「天使ガブリエルが遣わされた」/詩編110 編「主は言われた」
Antiphona: Missus est Gabriel Angelus/Psalmus 109: Dixit Dominus
3 アンティフォナ「めでたし マリア」/詩編113 編「主の僕らよ、賛美せよ」
Antiphona: Ave Maria/Psalmus 112: Laudate pueri
4. アンティフォナ「恐れることはない、マリア」/詩編122 編「わたしは喜んだ」
Antiphona: Ne timeas, Maria/Psalmus 121: Laetatus sum
5. アンティフォナ「主は彼にダビデの王座を」/詩編127 編「主が家を建てるのでなければ」
Antiphona: Dabit ei Dominus sedem David/Psalmus 126: Nisi Dominus
6. アンティフォナ「見よ、主のはしため」/詩編147 編「エルサレムよ、主をほめたたえよ」
Antiphona: Ecce ancilla Domini/Psalmus 147: Lauda Jerusalem
7. 小課 Capitulum
8. 賛歌「めでたし 海の星」よりHymnus: Ave maris stella
9 マニフィカトのアンティフォナ「天使ガブリエルは」/マニフィカト
Ad magnificat antiphona: Gabriel Angelus/Magnificat
ピエール・ド・ラ・リュー 第7 旋法のマニフィカト
Pierre de la Rue, Magnificat septimi toni
10. 祈祷、終了唱 Oratio/Benedicamus
11. 「サルヴェ・レジーナ(めでたし 元后)」”Salve Regina”
第3 部 聖母お告げの祝日のミサ
グレゴリオ聖歌入門
ルネサンス音楽2
Missa de Annuntiatione Beatae Mariae Virginis
グレゴリオ聖歌 聖母のお告げの祝日ミサ固有唱
Gregorian chant, Proprium missae de Annuntiatione
ピエール・ド・ラ・リュー ミサ《アヴェ・マリア》
Pierre de la Rue, Missa Ave Maria
1. 入祭唱「あなたの御顔を」Introitus: Vultum tuum
2. キリエ ~ピエール・ド・ラ・リュー ミサ《アヴェ・マリア》よりKyrie
3. グロリア ~ピエール・ド・ラ・リュー ミサ《アヴェ・マリア》よりGloria
4. 昇階唱「恵みが注がれ」Graduale: Diffusa est gratia
5. アレルヤ唱「めでたし、マリア」Alleluia: Ave Maria
**ヴォーカル・アンサンブル カペラによる特別演奏**
(「聖母のお告げの祝日ミサ」の続き)
6. 奉納唱「めでたし、マリア」Offertorium: Ave Maria
7. 叙唱 Praefatio
8. サンクトゥス ~ピエール・ド・ラ・リュー ミサ《アヴェ・マリア》よりSanctus
9. 主の祈り Pater noster
10. アニュス・デイ ~ピエール・ド・ラ・リュー ミサ《アヴェ・マリア》よりAgnus dei
11. 拝領唱「見よ、おとめが身ごもって」Communio: Ecce virgo consipiet
12. 拝領後の祈り Postcommunio
13. 閉祭唱 Ite missa
14. ピエール・ド・ラ・リュー「サルヴェ・レジーナ(めでたし 元后)」1 番 “Salve Regina” I
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Salicus Kammerchor
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公演情報
次回は第5回定期演奏会
J. S. バッハのモテット全曲演奏会です!
http://www.salicuskammerchor.com/concert
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CD・DVD発売中!
Ensemble SalicusのレクチャーコンサートライブCD
昨年10月に開催されたLa Musica CollanaとのジョイントコンサートのライブCD
第2回定期演奏会のライブDVD
をウェブ販売しております!
http://www.salicuskammerchor.com/goods
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サリクス通信
サリクスの最新情報や、ここでしか読めない特集記事を配信しています。
http://www.salicuskammerchor.com/mail-magazine-1
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