Salicus Kammerchor第7回定期演奏会|終演

Salicus Kammerchor第7回定期演奏会|終演

一昨日になりますが、Salicus Kammerchor第7回定期演奏会が終演いたしました。

お越しくださいました皆様、誠にありがとうございました。

昨日は17時まで寝ていて流石に夜寝れませんでした。笑

今回の公演では定期では初めて世俗曲を1曲取り入れ、また後半は器楽を入れるということを試みましたが、どちらも功を奏したように思います。


世俗曲を歌ったのは拓さんと研一郎でしたが、1回目のリハで拓さんに「Ogheモード」でお願いしますとリクエストしました。

Ogheというのはサルデーニャのテノーレスという男声合唱でのリードパートのパート名で、「コエダイr合唱団」では拓さんはいつもこのパートを歌っています。

リハの回数を重ねる度にOghe度が増していって、本番はもうOgheよりOgheでした。

研一郎もそれに追随するように凄い歌になっていきました。


また今回ヴァイオリンを弾いてくれた丸山韶は古楽科の同期でまあよく一緒にやってるんですが、これがまたよく歌う、よく喋るヴァイオリンなんですね。ほんとに四六時中歌い、何事か喋ってる。

こんなヴァイオリニストは世界広しと言えど彼以外に他にいないのですが、だからこそ誰も評価できないのでしょうか。たまに彼がオケでヴィオラを弾いているのを見たりしますが、意味が分かりません。

まあオケとしてはダメなのかもしれない。彼のヴァイオリンは他の誰とも違うから。次元が。

なのですが、私がカンタータクラブで指揮をしていた時にずっとヴァイオリンを弾いていたのが彼だったので、私にとってのヴァイオリンのスタンダードが彼になってしまったんですね。

それは本当に良くない。笑

今回歌のメンバーにとっては凄くいい刺激になったと思います。

実は今回の我々の目標は「無茶苦茶歌いまくる」だったのですが、過去の私たちよりはそれに近づけたのではないかと思います。

本当にインド古典声楽を習い始めてからというもの、「歌」に対するハードルが爆上がりしてしまいまして、それはそれでリハーサルがいつもより辛口になったりして、その上「古楽の終焉」(オススメ!)という本のおかげ(?)で口が悪くなってまして笑、メンバーには申し訳ないところもありました。

しかし、今回のコンサートを通じてSalicus Kammerchorが次のレベルに踏み込んだのは間違いないと思います。

特に前半プログラムのグレゴリオ聖歌とポリフォニーは手応えがありました。いやこんなふうに演奏できる団体は他にありませんよマジで。みんなほんとに凄い。

今回諸々の事情が許さずライブ配信はできませんでしが、後日録画配信をすることにしました。

6月4日プレミア公開、アーカイブは2週間です。

遠方の方も、そうでない方も、ぜひご利用ください。

https://ja.twitcasting.tv/salicus_kc/shopcart/158332


そしてこのライブ配信の当日ですが、昼間に公演があります。

叔母の新作能「菖蒲冠」に出演します。

https://www.mari-pla.me/makiko-ayamekohuhuri

この日は昼は「菖蒲冠」、夜はSalicus Kammerchorのライブ配信でお楽しみください。

この公演に関して叔母と動画を撮りました。

ちょっと長いですが、この公演の面白さがわかりやすく語られていると思いますので、ぜひご覧ください。


更に、まだオープンになってませんが、6月21日には徳久ウィリアムさんとトム・ウェイツを歌うライブをやることになりました。

私はトム・ウェイツのsmall changeのアルバムから数曲と、シューマンの歌曲をトム・ウェイツの声で歌います。徳久さんはトム・ウェイツの声を使ったオリジナルソングを歌われる予定です。

こういう感じです。

そして7月3日はコエダイr合唱団の演奏会。

今回はまた凄い盛りだくさんのプログラムになりそう。こちらはメンバー絶賛募集中です。お気軽に見学にいらしてください。

https://note.com/voiz/n/n714b1710c95b?fbclid=IwAR19-tbKamNmuWdXZwZlH7AiKZWvlI2dV8T7A_BijjkRKzkdznsRhTOvD5k

7月にはカペラの演奏会もあって、8月頭はエマルシオンと、カンタータクラブ創立50周年演奏会があったりとなかなかの集中ぶりですが、それぞれ魅力的な演奏会ですので、ぜひチェックしてください。

光岡英稔 韓氏意拳講座|11回目:BUGAKU講座|15-17回目

今月はたくさん講座に参加できました。

それだけに身体も頭もパンパンになりました。

整理して、自主練の指針を立てていきたいと思います。


【これまでの講座レポート】
BUGAKU講座|1回目 https://wp.me/p7Ktcz-cpK
BUGAKU講座|2回目 https://wp.me/p7Ktcz-dGh
BUGAKU講座|3回目 https://is.gd/Gm9C17
韓氏意拳講座|1回目 https://is.gd/D3RjiJ
BUGAKU講座|4回目 https://is.gd/37Oxg1
BUGAKU講座|5回目 https://ux.nu/AmsQM
韓氏意拳講座|2回目https://is.gd/G7l53a
BUGAKU講座|7回目 https://is.gd/xiBfFB
韓氏意拳講座|3回目 https://is.gd/rDRgMX
韓氏意拳講座|4回目 https://is.gd/8BX3eO
BUGAKU講座|8回目 https://is.gd/tbIYiI
韓氏意拳講座|5回目 https://is.gd/YmZ2Yc
BUGAKU講座|9回目https://is.gd/BnOQit
韓氏意拳講座|6回目https://is.gd/dlMQTX
BUGAKU講座|10回目https://is.gd/RczZH5
韓氏意拳講座|7回目https://is.gd/a1Yor1
韓氏意拳講座|8回目https://is.gd/ayTQMA
BUGAKU講座|11回目https://is.gd/ayTQMA
韓氏意拳講座|9回目https://is.gd/NCZKxY
BUGAKU講座|12回目https://is.gd/zHtNYL
韓氏意拳講座|10回目:BUGAKU講座|13.14回目https://is.gd/YXuCSM


剣術

今回の剣術は流派による構え方の違い、身体観の違いというところを正座で、木刀を持った状態での観法で比べていきました。

なにか持った状態での観法というの自体初めてで、それだけで既にめちゃくちゃ面白かったのですが、構え方の違いで観え方が全然変わってくるのがかなりわかりやすく、身体にとって自然な構えとはなにかということの気づきが大きかったです。

このあと更に立った状態で構えて観法もやりましたが、膝が爆発するかと思いました笑

足にキテるのはうまく観れてる証拠とのことで少し安心しましたが、まだまだ足腰を鍛錬せねばならんです。

木刀と手を対応させながら観ていくと「揃う」という状態になり「定位」するのですが、それをどこか一箇所ずらすことで「不定位」を作って動くということもやりました。

動きが出てくると更に「観る」難易度が上がって、私の場合足首から下がいい加減になってるのがよーくわかりました。

ほんともう毎日稽古してるんですけどねえ。

毎朝稽古する習慣をつけてもう2年半くらい経ってますが、自分でもこんなに続くと思ってませんでした。

しかしやらないとほんとに気持ち悪いんですよね。そうなったらこっちのもんという感じですが、ただのルーティンとか、健康法に陥らないようにずっと注意しながらやってます。

毎日少しずつでも自分の身体が練れていくように。

あとこれだけやっててもほんとに講座に出るたびにマジで自分何もできねえということを思い知らされます。

今年歳男で36歳になりますが、この歳になってこれだけ伸び代を感じることができるのはなかなか他ではないんですよね。


東南アジア武術

シラットは前回から引き続き礼法を丁寧にやっていって、その精度を上げていきました。

更に様々な言語で数字を口に出すということで、シラットの身体観との相性をみていくということをやっていきました。

前回は音楽との相性、今回は数字を発声するということで、これはまさに私が武学を通じて学ぼうとしていることに直結すはず!

「音楽・声と身体」というテーマを探求する上できっと大きなヒントになっているはずなのですが、今のところまだ具体的にはひらめいてません。

は!時系列がおかしくなってしまって申し訳ないですが、剣術のところでは、中世、古代の日本語との相性をみたのでした。

これです。これを紹介いただいてからこのチャンネルの動画見まくってるのですが、解説動画の内容が頭良すぎて吐きそうになります。

しかも解説動画がデフォルトで1.5倍速とかになっててさらに情報量がえげつないので、0.75倍速にして見てます笑

現代日本語と現代日本人の身体観、古代日本語と古代日本人の身体観に親和性があるということで、やはり現代日本語を喋ってる限りは現代日本人の身体観から逃れられないのかな、などと思いました。

やはりこれも、音楽や言語、発音、発声との結びつきということで、非常に古楽的アプローチに直結しますし、他国の民族音楽を演奏する時(すなわち西洋クラシックを演奏するときも含む)、避けては通れないテーマなのだと思います。

現代日本人の身体性と他国の伝統音楽とでは親和性がまるでないので、上手くいかんのです。

だからそこにアプローチしていかなきゃあかん。

と、いうことと、もう一つ直接的に興味が湧いたのは、10世紀頃の、例えばザンクトガレン式ネウマが書かれたスイスにおいて、ラテン語ってどう発音していたのか、ということ。

これまでも無視していたわけではないのですが(いやほぼ無視していたと言って過言ではないのですが)、我々がグレゴリオ聖歌を歌うときって、演奏会の中で歌うので、ほぼグレゴリオ聖歌だけの演奏会というのはなくて、何かしらポリフォニーを歌う。でそのポリフォニーがフランスやフランドルのものであれば、それにあわせてグレゴリオ聖歌も15世紀フランス風の発音で歌う、ということにしていました。

それはそれでそこそこ理にかなっているとも言えるのですが、実際ネウマが書かれたのは10世紀なので、インチキといえばインチキです。10世紀スイスで書かれたネウマを見ながら、15世紀フランス風の発音で歌うということなので。

そしてそういうことをやっていると、実はネウマとの齟齬というのも出てきていて、二重母音やtのリクエッシェンスなんかは目を瞑ってなかったことにしているのです(!)

しかし実際10世紀頃のラテン語の発音ってどのくらいわかってるんでしょうか。14−16世紀あたりの発音についてはみんな持ってるあの本を見ればだいたいのことはわかるけれど、10世紀の歌われたラテン語の発音について、何かご存じの方がいらっしゃれば教えて下さい。


韓氏意拳

この日の韓氏意拳も、韓氏意拳というよりはシュワイジャオの稽古を行いました。

なぜかというと、韓氏意拳の創始者たちが幼い頃シュワイジャオに親しみ、身体観の下地としていた(という言い方でいいのかわかりませんが)からです。

バッハを歌うためにポリフォニーを、ポリフォニーを歌うためにグレゴリオ聖歌を歌うようなものですね。

大棒子という太めの棒を使った練習をするのですが、これうちにはまだないのです。

木刀で代用しているのですが、やはり太さと重さがほしい。

ホームセンターで買ってこよう。

駒井先生が作り方紹介されてますね。

このような道具です。

この日最も衝撃的だったのは、光岡先生の膝裏です。

左右を振り向きながらビシッと足を回転させるという動きがあるのですが、その時

「後ろ足って膝伸びてますか?」

と私質問しまして、ほなちょっとここ触ってみいということで、先生の膝裏を触らせてもらったんですね。

そしたらもうあたくしの手がシュパーンって弾かれるわけです。危うく突き指をするとこでした。

全身凶器ってこういう事を言うんですねえ。しみじみ。

まさか膝裏までこんな殺傷力あるとは。。。

で、光岡先生はこの動きで相手のタックルを切るというデモンストレーションも見せてもらったのですがこれがまた、見たことない動きでした。想定外の動き。そんなんあり・・・?って感じ。

なんでMMAの人はやらないのかしら。

競技と武術は違いますけど、これを朝倉海が知ってしまったらどうなるんだろうなあとか妄想はします。


ハワイアン八卦掌

この日はハワイアン八卦掌の成り立ちから。

クリス・リー・マツオ師範がいかにして今の体系を作り上げたのかというところを教わりました。

忍術、柔術、光岡道場、龍形八卦掌、蛇形八卦掌、チベット密教や道教に至るまで、様々な要素が取り入れられているそうです。

基本的にこういった流派は「混ぜるな危険」なのだそうですが、複数の体系を比べることによってそれぞれのアイデンティティが純化されて抽出されるという、まさにBUGAKUの理念そのもののようでした。

広大時代お世話になった古東哲明先生は比較哲学が専門で、同じようなことをされていて、光岡先生やハワイアン八卦掌は比較武学と言えるのではないかと思います。

で、私がやりたいことは比較音楽なんです。いろんな音楽の流派にはそれぞれアイデンティティがあって、基本的に混ぜるな危険だと思います。混ぜて上手くいった例は殆ど見たことない。

The HUとか結構好きですけど、もの凄く良いかと言われると・・・。

いや、好きなんですけどね、結構、こういうのも。

こういうのとか。最高ですけど笑。

けどほんとのほんとに音楽の真を喰ってるかというと違うと思う。(あくまで私は)

エンターテイメントとして面白いというところと、音楽の真を喰うというのは違うと思ってまして、私がやりたいのは後者なんですよね。

すぐ音楽の喩えになっちゃってすみません。音楽家なもんで笑

それでこの日はその中から、ハワイアン八卦掌にも影響を与えたと考えられる旧光岡道場でやっていた関節技を教わりました。

光岡先生の講座では、基礎の基礎をとにかく煮詰めて煮詰めてココ!っていう基礎を教わるのですが、それはおそらく他の武術の心得がある人であっても決して持っていない基礎なんですよね。

なので他の武術の心得がある人の持っている基礎についてはあまり重視されないのですが、私の場合そこすらもないので、より一層できないんだろうなあと思います。

普通の関節技の基礎のある人だったらもっとすんなり入ってくるところが、私の場合はまずはそこを知るところから入らなきゃいけない。

もどかしい。

しかしこれも伸び代ですね。

(本田圭佑の伸び代の動画探したけど見つからなかった)

というわけで今回もたくさんのことを学び、またもっともっと学びたいという思いを強めました。

八卦掌の3つの中心性、自己中心性、他者中心性、自他中心性。

これはアンサンブルやるときには欠かせない考え方だと思いますが、3つ目についてまだ理解が深まってないので、また学び、実践し、活かしていこうと思います。


Salicus Kammerchor第7回定期演奏会

出演メンバーのプロフィールを公開しました。

今回も凄いメンバーです。演奏会前に是非チェックを!

https://www.salicuskammerchor.com/blank

5月20日(金)19時開演
日本福音ルーテル東京教会
https://tiget.net/events/160766

5月22日(日)14時開演
台東区生涯学習センター ミレニアムホール
https://tiget.net/events/160767


サリクスのリハはまだですが、8月のエマルシオンのリハは早くも始まっております。

この音の形は当然こうなるよねっていう音が、実際当然のようにそういう形になる、そういうメンバーと歌うのはほんと楽!

6人中5人サリクスだからそりゃそうなのかもしれないけど、それを考えるとまっつんがマジで凄い。

https://twitter.com/emulsionvocal/status/1497562144048828421

先日思い立って多重録音をしました。

ロシア正教の歌で、一番下は吸いのなんちゃってオクタヴィストです。

面白いのでぜひ見てみてください。

レクチャーコンサート「ザムエル・シャイトー『カンツィオネス・サクレ 』と『コンチェルトゥス・サクリ』

レクチャーコンサート「ザムエル・シャイトー『カンツィオネス・サクレ 』と『コンチェルトゥス・サクリ』

先月収録いたしました、Salicus Kammerchorによるシャイトの演奏がアップされました。

詳細は立教大学のHPからご覧ください。

http://rikkyo-kiriken.com/events/index.php?QBlog-20220310-1

米沢先生、大角先生による貴重なレクチャー動画もあります。

本来はこれらのレクチャーとともに一般公開で演奏する予定でしたが、それぞれ別の動画として公開されることとなりました。

演奏はやはり会場でお聴きいただきたかったという思いが強いですが、今回の録音録画も、いつもお願いしている新村氏による素晴らしいものです。


プログラム

①伝ガルス・ドレスラー《わが慰めと助けはただ神のみ》によるインタヴォリールング
オルガン独奏・編曲:米沢陽子

②伝ガルス・ドレスラー(1533-1580)
《わが慰めと助けはただ神のみ》

ザムエル・シャイト(1587-1654)

③『カンツィオネス・サクレ』より
 《心よりあなたを愛します、おお、主よ》SSWV28
 《たとい私の心がくずおれても》SSWV29

『コンチェルトゥス・サクリ』より
④シンフォニア SSWV423 (70のシンフォニアより)
⑤マグニフィカト第8旋法 SSWV81

⑥シンフォニア SSWV428 (70のシンフォニアより)
⑦《今日、五旬節の日が満ちた》SSWV75
《聖霊は彼らを全世界へと送り出した》SSWV76

①は米沢さんによるオルガン独奏、②は4声の合唱、③は8声の合唱、④と⑥は器楽によるシンフォニア(④は弦楽器、⑥は管楽器)、⑤と⑦は8声の声楽と8声の器楽による作品です。

非常に編成が多彩なプログラムである上、最大編成の作品は二重合唱が器楽により更に倍の声部になった16声の作品で、当時としても、現代でも(!)非常に豪華な編成です。

なかなかここまでの編成の作品を、それもツィンクやサクバットは国内に奏者が少なく、これほどの腕前の奏者を揃えて演奏することは容易ではありません。

普通経費がかさみすぎて無理です。

今回全ては立教大学と米沢先生のお力によって実現しました。心より御礼申し上げます。

メンバー
S: 鏑木綾 中須美喜
A: 金成佳枝 富本泰成
T: 渡辺研一郎 金沢青児
B: 鳳城昊 小藤洋平

Vn1: 遠藤結子 Vn2: 大光嘉理人 Va: 佐々木梨花 Vne: 角谷朋紀
Zink: 上野訓子 Sackbut A: 宮下宣子 Sackbut T: 南紘平 Sackbut B: 石原左近
Org: 新妻由加

指揮:櫻井元希


今回のメインとなるのは『カンツィオネス・サクレ』と『コンチェルトゥス・サクリ』の2つの曲集から取られた作品となります。

カンツィオネス・サクレの方は、7月に収録したレクチャーコンサートで沢山演奏いたしました。その時の録画は今月末までご覧いただけます。

http://rikkyo-kiriken.com/events/index.php?QBlog-20210802-1

ポリフォニックな部分とホモフォニックな部分がバランス良く展開され、非常に緻密な二重合唱の作品です。

それに対してコンチェルトゥス・サクリの方は、ソロや重唱とtuttiの交代によって展開する作品で、同じ二重合唱でありながら、声楽の扱い方は対照的です。こちらの方は緻密というよりはダイナミックです。

初期バロックでは、バロック的な要素(言葉を軸に和声的に展開される)とルネサンス的な要素(旋律を軸に対位法的に展開される)が混在していたり、書き分けられたりしているのですが、ざっくりいうとカンツィオネス・サクレの方はルネサンス的要素が強く、コンチェルトゥス・サクリの方はバロック的な要素が強いと言えます。

バロック的とは言っても、今回の2曲はラテン語による作品なので、ドイツ語の作品ほどは語感が強調されません。つまり「喋る」よりも「唱える」要素が強いと言えます。

この辺のバランスが非常に繊細で、表出的になりすぎてもおかしいし、旋律優位にしすぎてもおかしい。ちょうど絶妙なバランスが取れた時に初めて、この音楽が言わんとしていることが立ち現れます。

私たちSalicus Kammerchorのバックグラウンド的には言葉からのアプローチで育ったところがあり、サリクスが出来てからは、グレゴリオ聖歌の歌いまわしからヒントを得た旋律をいかに歌うかということに注力し、そこにアイデンティティを見出してきました。

これが、どっちかならともかく、どっちもというのがむっずいわけですね。いや常にそうなんですけど、大体これはこっち寄り、これはあっち寄りというのがあって、絶妙に両方の要素が必要、というのはそう多くはないのではないかと思います。

どの曲も日本でも世界でもそうそう演奏される曲ではないです。もう一生聴かない曲もきっとあるでしょう。ぜひ多くの方に聴いていただきたいです。


実は今回お願いした金管楽器の方は、秋のカンタータでもご一緒いたします。

そのためにツィンク1本、サクバット3本を使用するカンタータばかりを集めました。

今から楽しみです。

Salicus Kammerchor演奏会
J. S. バッハの教会カンタータvol.2

【日時・会場】
2022年11月25日(金)
日本福音ルーテル東京教会

2022年11月29日(火)
豊洲文化センター ホール

【曲目】
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ
Johan Sebastian Bach

モテット
“Ich lasse dich nicht, du segnest mich denn” BWV Anh. 159

​カンタータ
“Christ lag in Todesbanden” BWV 4
“Gottlob! Nun geht das Jahr zu Ende” BWV 28
“Sehet, welch eine Liebe” BWV 64
“Christum wir sollen loben schon” BWV 121


その前に、5月には第7回定期演奏会があります。

シャイトの同時代人、シュッツと、彼に多大なる影響を与えたモンテヴェルディの作品を演奏します。

同時代で、しかも同じ地域で活躍したシャイト、シュッツ、それからシャインもですが、驚くほどこの3人の作風は個性が際立ってます。

個人的にはこの3人はイザーク(職人的で変人)、ジョスカン(ただの天才)、ラリュー(信じられないくらい流麗)の関係に似てるなあと思ってます。

前半プログラムではパレストリーナやチプリアーノ・デ・ローレ、コンペール、ジョスカンなんかもやりますので、ぜひお越しください。

Salicus Kammerchor第7回定期演奏会
ハインリヒ・シュッツの音楽vol.2
二人の天才
​〜モンテヴェルディ→シュッツ〜

【日時・会場】

5月20日(金)19時開演
日本福音ルーテル東京教会
チケット予約:https://tiget.net/events/160766

5月22日(日)14時開演
台東区生涯学習センター ミレニアムホール
チケット予約:https://tiget.net/events/160767

光岡英稔 韓氏意拳講座|10回目:BUGAKU講座|13.14回目

光岡英稔 韓氏意拳講座|10回目:BUGAKU講座|13.14回目

先月は全然参加できなかったのですが、今月は2日で3コマ受講してきました。

土日の方にこのところ全然出来ずにいまして、連続受講もものすごく久しぶりだったもので、内容の多彩さに目が回っておりました。

今月の東京での講座は、
水)GPC空手
木)GPC剣術
金)GPCシラット GPC韓氏意拳
土)韓氏意拳(2コマ)
日)BUGAKU(3コマ)
月)GPC八卦掌
(GPCはグループプライベートクラスの略)

となっておりまして、まず光岡先生が鉄人過ぎるのは言うまでもなく、某I毛さんとかS水さんとかは全部参加したのかしらとか、受講する方のタフさもエグいです。

私なんか2日、3コマで全身疲労で翌日起きるのも億劫でした。。。


【これまでの講座レポート】
BUGAKU講座|1回目 https://wp.me/p7Ktcz-cpK
BUGAKU講座|2回目 https://wp.me/p7Ktcz-dGh
BUGAKU講座|3回目 https://is.gd/Gm9C17
韓氏意拳講座|1回目 https://is.gd/D3RjiJ
BUGAKU講座|4回目 https://is.gd/37Oxg1
BUGAKU講座|5回目 https://ux.nu/AmsQM
韓氏意拳講座|2回目https://is.gd/G7l53a
BUGAKU講座|7回目 https://is.gd/xiBfFB
韓氏意拳講座|3回目 https://is.gd/rDRgMX
韓氏意拳講座|4回目 https://is.gd/8BX3eO
BUGAKU講座|8回目 https://is.gd/tbIYiI
韓氏意拳講座|5回目 https://is.gd/YmZ2Yc
BUGAKU講座|9回目https://is.gd/BnOQit
韓氏意拳講座|6回目https://is.gd/dlMQTX
BUGAKU講座|10回目https://is.gd/RczZH5
韓氏意拳講座|7回目https://is.gd/a1Yor1
韓氏意拳講座|8回目https://is.gd/ayTQMA
BUGAKU講座|11回目https://is.gd/ayTQMA
韓氏意拳講座|9回目https://is.gd/NCZKxY
BUGAKU講座|12回目https://is.gd/zHtNYL


剣術

木曜は剣術のクラスでした。このクラスに参加するのは初めてで、一応私元剣道部ということもあって楽しみにしていました。

講座はまず「線」のことから。マスキングテープで直線を途切れ途切れに作ると、目に見える線と線の間に、目に見えない線が現れる。目に見える実線を設けることによって、目に見えない線の世界へ導入するという内容でした。

私、後から考えると非常にアホな質問をしました。

「ああ、正中線とかって言うときはその目に見えない線のことを言ってるんですね?」

そりゃそうだ笑

正中線が実際に書かれてたら相当面白い笑。

そんなやつおらへんやろ、ちっちきちー。

ただ、この見の目(顔についてる目)から観の目(心の目のようなもの)へという流れ、私にとっては新鮮でした。

というのも観の目の稽古として観法をやるとき、見の目は大体閉じてるんですよね。見の目と観の目を混同しないようにということだと思うのですが。

なので、見の目でこう実線を見ていって、実線と実線との間にある「空間の線」を「みる」というのが、自分としては見の目で見ているつもりが、いつの間にか観の目で観ている。

これがなんだか面白くて不思議でした。あれ?今目で見てるよね?あ、でもここに実際に線はないから目では見えないのか。そうかそうか。などという自問自答をしておりました。

それで試し稽古で見の目で見ている時と観の目で観ている時の違いというのを経験していきます。

実際に試してみると火を見るより明らかなのですが、自分の身体で経験したことのない人にとってはただのオカルトです。これはBUGAKUの全ての講座に共通することですが。

だからいつも、こうして言葉にすることに虚しさを感じながら書いているのですが、講座に参加された方が読んでくださっていたり、極稀に私きっかけで武術に興味を持ってくださる方もいるので、無駄ではないかなあと思い、続けております。

しかし本当に自分の身体で体験しないとわからないので、是非みなさんに体験していただきたいです。ここで学べることは少なくとも都市部で文化的な生活をしている方全てに有益な内容です。特にここ最近よりその価値は高まっていると思います。

いやー例えるなら、宮本武蔵が毎月東京で講座をやってると思ってみてください。みんな血眼で馳せ参じますよね。あと多分宮本武蔵よりはるかに教えるの上手いです笑

講座の内容に戻りますと、線の応用として「卍」を壁にテープで書いて、それを見る(と同時に多分「観る」)ことによる身体観の違いもみていきました。

これも不思議だったのですが、今この卍を確かに目で見てる、が線と線によってできた空間を観の目でも観ている、だから身体観が変わる。ということなのか、どうかちょっと自信ないです笑。質問しとけばよかった。。

そして剣術の型を教わって、それをまた卍を見ながら行う、ということもやりました。

型のことで新たに発見だったのは、型をちゃんとやろうとすると、「え、無理じゃない?変じゃない?こんなきついの?」ってことがあるのですが、それを疑問に思って、今の自分が普通だと思うやり方に変えてしまうと、型が意味を為さなくなる。

型はその型ができる身体を導くものでもあるということで、これは声を出すときも、ついつい私たちは、楽にできる方法を探そうとしてしまうのですが、今の自分の身体で無理なくできることをやってるだけではなーんも変わらんのですよね。え、これ無理じゃない?きつくない?あかんくない?っていう所を通らないといつまでもできるようにならない。(ただその結果ほんまにあかんこともあるのでその見極めが重要)

最近mahoneさんのところでガナリを教わってるんですが、これはもうこれまでの自分の身体が、あかん、そっちいったらあかん、そっから崖や!って悲鳴を上げるその道を全速力でダッシュするみたいな練習方法で、今まで本当にいろんな声を出しまくってきたんですが、まだここにこんな道があったのかと愕然としたんですよね。

ちょっと脱線しましたが、身体の持つ可能性、ポテンシャルを自分の意識、無意識がいかに閉ざしてしまっているかということなんだと思います。


シラット

2日目の午後はインドネシアの武術、シラットのクラスでした。

講座はまず観法から。

毎朝の稽古の中で私も色々なやり方で観法をやっているのですが、光岡先生の導観法はいつも本当に芸術そのものでありまして、魔法のように身体が変化していきます。

また、こういう観方もあるのかと、いつもその観方のバリエーションにも驚きます。今回はシラットの講座ということで、その身体観へと導くような観法でした。

例えば、右手の甲から背中を回って左足の甲を観るというときには、身体の中に竜巻が起こったかのように、ダイナミックに回転が起こりまして(実際の動きではなく)、ぶっとびました。

うん。トべるんですよねえ。観法って。クスリに溺れるより、酒に溺れるより、観法した方がいいよ。お金かからないし。

ねえ?怪しいでしょう?怪しいんですよ我々の生きている世界は。

世界は人知が及ばないほど複雑怪奇で、生きることはそれを受け入れることから始まるのじゃ。

はい。

観法に続いて、シラットの礼式と型を教わりました。

一通り教わった後、おもむろに先生がガムランの音源を流し始めたのですが、うんうん雰囲気出るよねとか思ってたら突然モーツァルトに変わったんですね。

なんか操作ミスかなとか思ったのですが、えらいもんでモーツァルトが流れている間みんな型の動きがピタッと止まって動けない笑

私はこのとき型を初めて教わったので、思い出しつつやってるとそうなのかと思いきや、みんなそうなんですよね。スルスルと流れるように型をやっていた人がモーツァルトによってピタッと動きを止められる。

文化と身体観と武術、これらは分かちがたく結びついているんですね。だからこそ混ぜるな危険。

しかしやってるのが日本人である私たちだからということなのか、能の囃子だと意外としっくりきちゃってる。

これは西洋音楽を日本人である私たちがやるときにも言えることなのではないかと思います。西洋音楽をやるのだから、西洋の身体観でそれをやるのは一つの方法だしとてもオーセンティックだと思うけど、やってるのは私たち日本人なのだから、どうやったってそのバックグラウンドが投影されてしまう。それを否定しないやり方で私は西洋音楽と向き合いたいと思ってます。


韓氏意拳

この日の夜のコマは韓氏意拳でした。韓氏意拳自体かなり武術界ではユニーク?な方な武術だと思いますが、その中でも光岡教室の内容は尖ってます。

今回は最初に観法、そして三元分立のお話、そしてシュワイジャオの型、でした。

(韓氏意拳やってねえ・・・)

そう。站樁も形体訓練もやらなかったんですが、私が参加した韓氏意拳講座で最後に站樁をやったのは多分2年前くらい・・・?

調べてみたら2020年の10月が最後でした笑

今回特に私にとって衝撃的だったのは、三元分立について。

気と、感覚と、動きとがそれぞれ別々にあって、混同しないように、くらいの理解だったのですが、その奥にとんでもない世界が広がっていました。

「外」としての行動・行為、「内の外」としての感覚、「内の内」としての気の世界がそれぞれ分かれてあるというのが三元分立で、更にこの「外」「内の外」「内の内」の真逆に「内」「外の内」「外の外」があって全体では6つの世界があると。

これを詳説するのはちょっとはばかられますし、容易にはわからないことなので省きますが、テンセグリティの梶川泰司さんと光岡先生が、一見真逆のことをしているように見えながら、なぜ響き合っているのかということがバチイっと理解できました。

まさに真逆だからこそ交わっている。

「内の内」を極める光岡英稔と「外の外」を極める梶川泰司。

声や音楽の世界で、前者の立場を担いたいなと思いました。後者はきっと岩崎ひろきさんが担うのだと思います。


お知らせ

Salicus Kammerchor第7回定期演奏会
ハインリヒ・シュッツの音楽vol.2
二人の天才
​〜モンテヴェルディ→シュッツ〜

【日時・会場】

5月20日(金)19時開演
日本福音ルーテル東京教会
チケット予約:https://tiget.net/events/160766

5月22日(日)14時開演
台東区生涯学習センター ミレニアムホール
チケット予約:https://tiget.net/events/160767

Rofu GBB2021 eliminationの感想文

Rofu GBB2021 eliminationの感想文

もうブログ書きたいネタが溜まりに溜まっているのですが、なかなか書く時間がなくて悶々とした日々を過ごしております。

溜まりに溜まったネタの中から、一番最初に書きたいのはrofuについて。

Swissbeatboxから動画が上がってから毎日数(億)回ずつ見てます。

動画そのものも観るし、リアクション動画もロシア語とかポルトガル語とかマレー語?とか全く意味は分からんけどrofuの動画を観て笑ってる人の顔を見るのが私の日課となりました(変態)。

いっそリアクション動画撮ろうかとも思ったのですが、めんどくさいのでやめました。。

ということで感想文を書いていこうと思います。ただの感想文です。ただし本職音楽家の。


Grand Beatbox Battle

あの、私ビートボックスにハマってから1年半とかのにわかなので、描写に不正確なことが沢山あるかと思いますがご容赦ください。何を隠そうrofuからビートボックスにハマったのです。

GBBというのはSwissbeatboxが主催するビートボックスの世界大会で、バトルという名称がついているのは、MCバトルってラップのバトルあるじゃないですか、ビートボックスはヒップホップ文化から生まれたものなのでこのバトルという形式があるのです。

予選(elimination)を突破した個人(solo部門、soloループ部門)、タッグ(タッグ部門、タッグループ部門)、クルー(クルー部門)がトーナメント形式で戦っていくというのが基本のかたちです。

GBBは2020年はコロナの影響で延期となり、つまりGBB2021は私がビートボックスにハマってから最初のGBBだったわけです。


Tag team elimination

rofuの出場するタッグ部門にもそれはそれは世界の激ヤバビートボクサーが出ています。rofuと比較するうえで最も特徴的なのはRogue Waveだと思います。

このタッグ凄くて、今回のsolo部門の1位と2位の二人が組んだタッグなんです。

彼らの予選動画はこちら

そしてsolo部門決勝はこちら

まあ世界1位と2位のタッグですから、もうそりゃすさまじいということはわかっていただけると思うんですが、以上を踏まえてrofuのeliminationをご覧ください。


Rofu GBB2021 Tag team elimination

スタイルの違いを感じていただけたのではないかと思います。

それで彼らは予選を3位で突破するわけですが、なぜ、なみいる強豪を抑えて彼らが予選を抜けられたのでしょうか。

ビートボックスのテクニックやスキルというと、どれだけ速く、ひとつひとつの音をクリアに出せるか、またほかの人ができないような特殊な音を出せるか、ということに目がいきがちですが、rofuはそういったものには当てはまらないと思います。そもそもfugaは(自分でも言ってますが)ほとんどビートボックスやってないし。

ただこの動画に映るオーディエンスを見ればわかりますが、観客を魅了するということにかけて、rofuの右に出るものはいなかったと思います。そしてそれこそがビートボックスのテクニックでありスキルだと私は思います。

オーディエンスをエンターテインするということに全振りしたタッグがrofuなのです。

そしてそのために極めて緻密なストーリーをこの4分間に描いています。

Gene Shinozakiが、歌を歌える他のタッグに対して、「でも君らは漫才できるじゃない」と言ったように、彼らのビートボックスにはボケとツッコミがあります。

漫才のツッコミの代わりに、ビートがあるという感じです。

緩急と緊張と緩和、これも非常に的確に計算されています。

そして言葉が通じなくてもわかるように考え抜かれています。


ネタ考察

イントロ

冒頭「we are rofu from Japan」と小声で繰り返すfugaのなんかのスイッチを押すと声でかくなる。ここにすでに緩急があり、めちゃくちゃわかりやすく、そしてボー(インワードリップベース)がここではツッコミの役割を果たしています。

このボー、ボーの前についてるなんだろうフィルイン的なやつ良いですよね。ただの「ボー」じゃなくて「ビユンボー」みたいな。

そして細かいですが、fugaの「we are rofu from Japan make some noise」の最後の伸ばしのところで「ミレドー」みたいに音程下がっていってるの面白いですよね。


ライオンキング

そしてこれ

元ネタを出すまでもなくみんな知ってるアレ、です。

このみんな知ってるアレ、の絶妙なチョイスも非常に巧みです。

もうすでにクラウドブチ湧き。

これブレスのときに何だろうドラッグって言っていいのか、音としてはハイハットの一種ですかね。この音でタイミングを取ってるんですけど、これにはタイミングを取るという役割だけじゃなくて、ブレスの後に絶妙な無音を生じさせて、その無音からのギャップでクラウドを湧かすというこれももう完璧な流れなんですよね。

でこれ2フレーズやることでこのブレスノイズの効果が倍増してる。「スッ」てブレスの音が聞こえた時点で聞き手は「く、来る!」ってなっちゃってやっぱりそれが期待通りに来ると。「く、来る!」からの「来たーーーー!」ですね。

もう鷲掴みですわ。あとfugaの絶妙に上手すぎない歌です。これは本当に重要。多分fugaさん普通に歌ったらもっと上手いと思うのですが、観客が求めているのが「上手い」ではないことを百も承知の上で、丁度いい、下手すぎず、上手すぎず、絶妙に笑えるクオリティにしている。これ以上下手でも笑えないし、これ以上上手くても笑えない。もうここしかない、という絶妙なライン。

フリップ(ひっくり返る)するところも全部計算してんじゃないかしら。完璧すぎる。


We will rock you

からの「シッ!」また緩急の緩を作ります。

ここからイントロ、キック2発にスネアというだけでrofuファンとしてはもうアレが来る!ってなっちゃうんですけど、そうでなければまだ何かわからないかも?

から小ボケの上着脱ぎ。

リアクション動画を山のように観ましたが、ここで笑う人が結構多いみたいです。

我々からしたらいつものタンクトップになっただけなんですけどね。

からのマイクチェック経てのクイーン。

これもオリジナルを貼るまでもないですね。

ここまでの「緩」がこのネタの中で一番長い「緩」かと思います。一回湧いたクラウドをクールダウンさせ、ちょっと長いなと思わせるくらいの長さで期待感を煽ります。

今気づきましたが、hiroはだんだんKスネアの音量上げてってますね。Kスネアの後のハイハットも途中からうっすら入れてってだんだん大きくしてからの2拍空振って歌に入ると。

いや構成完璧かよ。fugaの方に注目していると気づきにくいんですけどhiroの演出が凄腕すぎますね。

決してめちゃくちゃ難しい事しているわけではないんですけど音の選択から強弱からもう超繊細に作り込まれています。

で歌に入ってからのhiroのキックの音これなんていう名前何でしょう。スネアもPスネアにして、ビートは同じなんだけど音の種類を変えて更に緩急を出してます。

それでここでもまたfugaの「ちょうどいい」歌なのですが、特筆すべきはサビ前のall over the place、ここオリジナル通りに歌えば絶対ひっくり返るとこではないのですが、わざわざ上にフェイクを入れてわざとひっくり返ってますよね。これは明らかに故意。

からのサビ大合唱。

最強のドロップはクラウドの大合唱であるということを証明していますね。

それでこのサビのrock youのところで多分このネタで初めてfugaがビートボックスします。

おそらくハイハットだけなのですが、それだけでもビートがやたら分厚くなった気がします。なぜでしょう。

これタッグチームの部門なのに、ここまでビートをやっていたのはhiro一人なのです。だからなぜかhiroが二人分のビートやってるように感じてしまって、ただそこにハイハットが加わっただけで、あれ、クルーかな?ってくらい分厚く感じるんですよね。これもここまでfugaのビートボックスを温存するという、構成の為せる技。

それで個人的に好きなのは、ここでfugaがヘドバンして、帽子が脱げそうになって、脱いで投げるってとこです。良くないっすかこれ笑

もうrofu好きすぎてそんなところに萌え始めているのですよ。きもいですね。

からの裏声ゆっくりサビでまた溜めて溜めての帰るふりボケ。

うーん緩急♡

でこの最後の「Rock you」の前に、ライオンキングのネタのときと同じようなブレスノイズを入れてるんですね。しかし今度は間を殺したかわいい「Rock you」が来ると。これも聞き手に無意識レベルでの裏切りを感じさせます。


ふぃーふぉーふぃーふぉー

そして次のふぃーふぉーふぃーふぉーがこのネタのサビともいえる部分。

イントロが入るやいなや戻ってきて「no, no, no」とセルフでツッコミます。

それでこのネタは、アジア大会でも披露したrofuのキラーチューンで、もうこれ一本でアジアチャンプ、世界3位になったというと過言かもしれないけど、それくらいの代表作なのです。

本当によく出来たネタで、ちょっとこの感じは他のタッグでは出ないグルーブなんですよね。

rofuの二人の非常に繊細な音の組み合わせの妙、このタッグの魅力はここにあるんだぞってところをアピールできます。

fugaがまともにビートボックスをやり続けるのはここからの1分です。4分のネタのうち1分しかビートボックスやってないんですよね。だからこそ重みと厚みと化学反応が際立つ。

でこれも多分ですが、後半のドロップは今回初披露だと思います。

とっておきを出してきたなと言う感じです。しかもその間に水飲み休憩を挟むという小ボケまで入れて。小ボケ中のhiroのビートも完璧な長さと音質とビートの選択。

ここで某メイコゥさんが「がんばれー」っていってfugaが「あ、無理無理」って言ってるんですけど、世界大会の舞台でオーディエンスと普通に日本語で会話するってすごないですか。


Mask off

そしてここから流れでMask offにスイッチします。

私普段ヒップホップはあまり聞かない(ドラッグの種類とか知らんし隠語とかもっと知らんし)んですけど、最近はこうした超丁寧な日本語字幕をつけてくださる方がいらっしゃるのですね。グッと来ました。

ブログを書こうと思って初めて元ネタを検索しました。

ゴリゴリのヒップホップですね。彼らの音楽的バックグラウンドを感じさせる選曲です。

原曲ヒップホップなのに、一切ラップはしないし(片方がラップをやって片方がビートをやるというのはタッグの常套手段)、そもそもこの旋律原曲は笛なんですね。

それをベースとストリングスでやるってのも一捻り加わってるし、そこのfugaの代名詞でもあるパフパフを挟むというのも憎い。やはりこれが入ってないとちょっと物足りなく感じるし、かといって普通にやられてもはいはいいつものね、と思うだけので、入れ方がこれまた絶妙。

あとこのhiroのベースって私これまでアウトワードだとばかり思っていたのですが、今回の動画でインワードだと知り驚愕しました。インワードリップベースってこんなに息持つの?そしてこんな細かく音程動かせるの?まあ彼らはすでに人間ではないので人間の私には想像もできないことができるんですよね。知ってる。

いや、アウトワードだと多分息の音が入っちゃってノイジーになるんですよね。インワードだからこそのこのマットな質感かあ、と思いました。

このネタ自体は緩急でいうとどちらかというと緩だと思うのですが、やはり聞き手としてはここから最後の「急」が来ると期待するんですよね。あと20秒くらいあるし。

これを裏切るのは本当に勇気がいると思う。

来たのは最強のドロップではなくて渾身のボケ「タイム!タイム・・タ・タイ・・・」

これ制限時間を知らせる司会のスコットジャクソンの物真似なんですが、これもアジア大会でもやっていたはずです。

初めて見た時、おーーこれやったかあ、でこの後どうすんだ?って思いました。

やられましたね。まさかライオンキングリターンズ。

それも2つ目のフレーズだけ。天丼です。これが天丼です。もう隙がなさすぎる。

そして最後のボー、あれはどうなってんでしょうか。わからん。ライオンキングの時のボーと一緒?っていうかあれボー?両方インワードだったらブレスがうますぎるし片方アウトワードだったら質感が似すぎてるし。


まとめ

ということでこのネタをボケとツッコミにわけてまとめてみたいと思います。

ボケ1 we are rofu from Japan

ツッコミ1 「ライオンキング」

ボケ2 上着脱ぐ

ツッコミ2 「We will rock you」

ボケ3 帰ろうとする

ツッコミ3 「ふぃーふぉーふぃーふぉー」(の中に小ボケ「水飲んで、あ、無理無理」→ツッコミドロップ)
→ツッコミ3 続き「Musk off」

ボケ4 タイム!

ツッコミ4 「ライオンキング」

見事だ。4分の間に4回のボケと4曲のツッコミビートボックスを配置し、中に小ボケを散りばめ最後天丼で締める。

しかも面白いだけでなく中にきっちりビートボックスのテクニカル、また音楽的な要素を入れてくる。

ここまで複雑でかつ一貫性のあるストーリーを準備してきたタッグが他にあっただろうか。なんて洗練されたネタなんだと感じました。

計算しつくされたおふざけ。ボケに対するツッコミをビートボックスに置き換えるという革命。これは新しいビートボックスのスタイルにとどまらない、新しいお笑いのスタイルなのだ。

そしてこれが評価されて世界3位として認められるビートボックスのコミュニティって素敵よね。

ビートボックスにとって一番大事なことは何か。クラウドをぶち上げるためには何が必要なのか。彼らはそれを問いかけた気がします。

今後その問いに、ビートボックスコミュニティがどう応えていくか。楽しみです。


さて本業の方では、先日Salicus Kammerchorのシャイトのレクチャーコンサート動画の収録が終わりました。

感染拡大でライブを一般公開できなくなってしまったことが本当に残念ですが、動画で3月上旬に公開予定ですのでどうぞお楽しみに。

素晴らしい器楽のみなさまとご一緒できて非常に贅沢な時間でした。

米沢さんと立教大学の皆様、誠にありがとうございました。

5月の定期演奏会のチケットも発売中です。

今回はモンテヴェルディとシュッツをメインで取り上げ、いつもの通低と歌に加え、ヴァイオリン2本も入った編成でお送りします。

先日楽譜を印刷したのですが、通常の約2倍の紙の量でした。。というのも今回声部が多い曲が多くて、1ページに1段なことが多いのです。時間はそれほどでもないはずです。。きっと。

それだけに華やかな曲が多いので、皆様ぜひともご来場くださいませ。

詳細↓
https://www.salicuskammerchor.com/concert