皆様いかがお過ごしでしょうか。
頑なに外出を控えている皆様。命がけで満員電車に乗り、家族のために働いている皆様。仕事がなくなって家で仕事ができないかともがく音楽家の皆様。お疲れ様です。
多くのフリーの音楽家は、この状況がもう2・3か月続けば生活は立ち行かなくなるでしょう。
理想を言えば、政府が全国民の生活を保障したうえで戒厳令を出すというのがいいのでしょうが、日本ではそこまでの人権の制約が難しいのでしょうか。
そもそも今の政府に何かを期待するということ自体が得策とは言えないと思いますので、この先が見えない状況で、自分が何をすべきか、何ができるのか、試行錯誤の日々でございます。
まず一番心配なのは、サリクスのメンバーをはじめとする仲間の音楽家の生活です。
こんな時のためのキャンセル料金の規定があるような契約をして、仕事をしている音楽家は極めて限られていると思います。多くは口約束で、日程と報酬と仕事内容を決めているだけです(それされもあいまいな、特に報酬が提示されない状態で日程だけおさえられる仕事もあるということはひとまず置いておいて)。
このような全く予想できなかった状況下で、仕事が全滅したとしても、キャンセル料を音楽家の方から請求するのは相当難しいです。
ありがたいことに先方から、こちらを心配してくださってキャンセル料を提示してくださる団体もございます。ただこちらから請求するのはかなり難しいと思います。そんな約束はしていないからです。
ですからこういうことも想定したうえで契約を結ぶ必要があると思うので、今後はそうしていけばいいと思うのですが、当座どうやりすごすか。
3・4月の演奏会が全滅して収入がゼロという仲間も珍しくありません。私は演奏以外にも、グループ指導や個人レッスンもやっていますので、ゼロにはなっていませんが収入はかなり減っています。
融資を申し込みに行った仲間もいます。
オンライン合唱の取り組み
話題のZoomですが、私も取り入れようと思います。
個人レッスンは試してみて、できることはかなりあるなと感じました。
問題は合唱団やアンサンブルです。
村山さんのフェイスブック投稿、柳嶋さんの実験他、様々な方が情報を共有してくださって、とても参考になりました。この場を借りてお礼申し上げます。
ラグがあるので一緒に声を出すということができません。その中でも、できることを探しながら当座つなぎの練習をすることはできるかもしれませんが、合唱としての練習とは言い難いものになると思います。
エレウシスでも今週の練習時間にテストとしてやってみます。
それからエレウシスではサークルスクエアというクラウドサービスを使っていて、その中のブログ機能を利用して、この機会に団体としてのコンセプトの共有、自主練のメニューをアップしていっています。
これはイチかバチかで、こういう傾向の人はこういう練習をということを書いていますが、自分でそれが判断できないと悪化する可能性すらあります。
Zoomでの練習も歌い手側をミュートしなければならないようなので、フィードバックができません。自分の声を自分で聞きながら修正していく習慣をつけるという意味ではいいのかもしれませんが。
もう一つの取り組みとして、私が多重録音した音源もアップしています。 本来であれば、まだ曲の譜読みの段階で、読譜力の向上も兼ねて練習を進めていたのですが、背に腹は代えられず。
そんな中土曜日に、月一のマドリガーレを歌う集まりが開催されて、ドクターが参加されていました。
徹底した感染対策が施されていましたが、ドクターが参加されるとは正直思っておらず、意外でした。
曰く「この状況下でいかに文化的な生活が送れるか実験したい」ということでした。
かなり心強かったです。
状況は厳しいけれど、それでも文化的な生活を諦めないでいてくれる人がいる。
死んだも同然の気と心で、それでも体だけ生きているということは、生きていると言えるでしょうか。
気と心を生かすことが体を生かす。そしてその逆はあり得ない。
心気体とはそういうことなのだと思います。
生きていれば、生きてさえいれば、そう思うからこそ、気と心を生かさなければなりません。
そして私たちにはそれができます。
フェイスガードを使った合唱練習
そうそう。マドリガーレの会(schola IDEという名前になりました)で話題になったのですが、ドクター中松の作ったマスク、合唱練習にいいのではないかということ。
http://drnakamats.shop-pro.jp/?pid=148719805
あといきなりステーキのマスクもいいのではという話になりました。
https://item.rakuten.co.jp/ikinaristeak/13/
と思って調べてみたらいろいろありますね。
https://is.gd/NQoTk7
喋ったり歌ったりする時に発生する飛沫の飛散を防止するのに良いという話でした。
これを装着して人と人との間隔を開ければかなりリスクを軽減できるのではないでしょうか。
オンラインレッスン開始に伴う料金改定について
うちは対面のレッスンもまだやっています。
心配な方にはオンラインレッスンをおすすめします。
オンラインはコマを短く設定して、30分4000円(初回3000円)としました。
もともとも対面レッスンがギリギリの価格設定をしているため、どうしてもそれより安くということが難しく、整合性がとれなくなってしまいました。
そこで大変心苦しいですが、対面のレッスン料を改定して、以下とさせていただきます。
【対面指導】初回1時間:5,000円
2回目以降1時間:8,000円
2時間:13,000円
【オンラインレッスン】
初回30分:3,000円
2回目以降30分:4,000円
1時間:7,000円
※学生料金は各1,000円引き
現在ご予約いただいているレッスンについては旧料金で、本日4月6日以降予約分を新料金とさせていただきます。
ご理解いただければ幸いです。
詳しい料金設定はこちら→https://genkisakurai.com/work-price/
演奏会も合唱練習も中止になって、歌から離れてしまっている方、声を出す機会を作りましょう。
声を出すことを通じて、身体と心と気を観ましょう。
声を出すことで体と心と気を養いましょう。
声の養生功だと思って。
コミュニケーションをとることを、文化的な生活を送ることを、学び続けることを、どうか諦めないでください。
Salicus Kammerchorについて
サリクスは5月2日に第9回ワークショップ、5月16・22日に第6回定期演奏会を予定しています。
まずワークショップについてですが、今の所以下の対策を実施しての開催を目指しています。
情勢は刻一刻と変化しております。こちらは現段階の方針です。これからの情勢の変化によっては中止の可能性もございますのでご了承ください。
1. 感染症対策を徹底
手洗い、手指の消毒、うがい、マスク着用、30分ごとの換気、受講者どうしの空間的距離を1メートル以上とる、といったことを徹底します。
2. 受講者定員の見直し
会場内で受講者どうしが一定の空間的距離をとることができるように、受講者定員を当初予定していた20名から、12名に減らします。
3. 時間の短縮
感染のリスクを減らすため、当初の6時間から4時間に短縮します。
4. 資料と解説動画の事前配布
受講時間を短縮するために、予め資料を配布し動画で解説できることについては動画でお送りします。
5. 受講料の振り込みについて
直前まで状況が読めないため、今回に限って受講料の当日支払いもお受けすることとします。
6. キャンセルポリシーについて
今回状況を鑑みて、通常のキャンセルポリシーは適用しないものとします。
直前のキャンセルであっても、キャンセル料はいただきません。
現在9名様にお申し込みいただいております。受講定員まで残り3名様です。
皆様のお申込みを心よりお持ち申し上げております。
そして第6回定期演奏会についてですが、少なくと通常通りの開催は厳しいと考えています。
定期会員の方限定の演奏会にし、お越しになれない会員の方には動画を配信、あるいは録画をお送りし、その他のお客様には録画を販売、という方法もあるかと思います。
まず練習が開催できるかどうかもわからないので、はっきりしたことが何も申し上げられなくて心苦しいですが、なんとかして、どんな形であれ開催することを目指して足掻いています。
今しばらくお待ちいただければと思います。
あのときはドクター中松のフェイスガード使って練習したよねあははって、いつか笑える日が来るさと、でもあれのおかげで設備が整ったり、知識が深まったり、技術が革新したり、活動の幅が広がったよね、って言える日が来るように。
今、やれることを全部やる。