2025年|謹賀新年

2025年|謹賀新年

皆様あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いいたします。

年始の演奏はじめは1月5日の蟹笛ライブでした。

蟹笛を人前でちゃんと演奏するのは初めてのことでしたので、この日のお客様は人類史上初めて蟹笛の生演奏を聴いた人となりました。

しかしライブは本当に難しかったです。

環境の変化で蟹笛にどういうことが起こるのか。蟹笛用に小さなドライヤーを買おうと思います。

あとマイキングですね。

音をちゃんと入れようと思うと息がどうしてもあたっちゃうんですよね。

ポップガード持っていけばよかったのかしら。

また機会があれば試してみようかと思います。

ともあれ蟹笛世界初演の機会をくださったジェヴァンニ=オノさんに感謝です。

来年また同じ企画をされるそうで、今度は蟹鍋付きでやろうという話になっているので、実現した際にはまたお知らせいたします。


今年のお正月は母がインフルエンザにかかりまして、うちの実家に帰れなかったので、ずっと妻の実家にお世話になっておりました。

うちの実家で食す予定だった蟹も妻の実家の方に送ってもらって食し、そのうちとりあえず3本だけを先行販売ということでライブに持っていきました。

1本100円で販売したのですが、前作も含め7−8本は売れたと思います。

興味を持っていただけてありがたいです。

そんなわけで毎年上げている私がポニーに乗る動画や薪割りの動画は今年はありません。

うちのポニーはこんなこです。

蟹笛歴2日の演奏です。

そう、蟹笛って去年の元旦に生まれたんですよね。

https://twitter.com/g_sakurai1031/status/1741769978553176329

これがその時の動画で、リツイ元を見ていただいたら分かる通り、蟹笛ってフジツボに影響されてやたんですよね。

いつか共演したいです。あとタカアシガニディジュリドゥの方とも共演したい。

生物楽器演奏会やりたいなあ。あとはキハーダとか、法螺貝とか。

その前にもっといろんな蟹が吹きたいな。

タラバとか、毛蟹とか、花咲蟹とか。

今画像見たらめっちゃトゲトゲしてて痛そう。


今週は10日に光岡先生の講座があります。

こちらは声と身体に関する講座で、私が最近言ってる「身体の古楽」の発想の元となっています。

やればやるほど、昔の音楽は昔の身体でやらないとできないですね。不可能。

現代人の身体のままやったらそれはそれは現代音楽にしかならんです。

ストイックに古楽を突き詰めるとそこに辿り着かざるを得ないと思います。

果てしない話ではありますが。

そうでなくとも、なんとなく現代社会嫌だな、生きづらいな、なんかおかしいんじゃないかな、っていう疑問のある方は是非お越しください。

いろいろ明らかになってスッキリする部分と、絶望が深まる部分と両方あると思います笑。

私のこれまでの人生の中で、自分が肯定されたな、お前間違ってないよって言われたなって思った経験が何回かありまして、1回目は広島大学の1年生の時に受講した哲学の授業で、古東哲明先生が開口一番に言った「皆さんご存知のように、生きている意味なんてネーのですが」という言葉です。

2回目は小林道夫先生に言われた「いいリハーサルをしてるね。信じて、続けなさい」です。

光岡先生は言葉を通してというか、稽古を通して、それを感じています。

「そうなんだよね。そういうことなんだよね」というのと、「ああ、自分の疑問の正体ってこれだったのか」というのが両方あります。毎回の稽古に。

でこういうこと言ってると思想とか哲学とか宗教みたいに思われるんですが、まあもちろんそれもあながち間違ってはないのですが、光岡先生の場合それを抽象度ゼロの現実の経験として提示してくれるというところが他にないところです。

もちろんそれも受け取り方次第ではあるのですが。

武術って生きるか死ぬかで、果てしなくシンプルなので、その現実性の前ではぐうの音も出ないんですよね。

定員まであと5名ほどですのでご予約はお早めに。

光岡英稔BUGAKUスピンオフ- 課外授業

「異なる身体観による言葉、声の変化を体感する会」第8弾

2025年1月10日(金)
時間:12:00-18:30(19時より懇親会)
会場:江戸川区内の施設(お申込み時お知らせいたします)

11:45 受付開始
12:00 講座開始
18:00 講座終了
18:30 質疑応答終了
19:00 懇親会(希望者のみ)

講師:光岡英稔

参加費:25,000円 定員:15名

お申し込み:https://forms.gle/CeCWHL3Bdx3Qfbmr9

お問い合わせ:g.sakurai.office@gmail.com(櫻井)


また今週土曜日は京都のヘクサコルドWSです。

ちなみに今年のヘクサコルドWSびらきは蟹笛ライブと同日午前に開催しました某広域指定合唱団のWSでした。はるこんでマショーをやるそうです。楽しみですね。

京都の講座は今回は第7旋法です。最も複雑な旋法です。

教会旋法の極北って感じ笑

西洋の旋法の音楽ってこういうこと!だ!っていう講座になると思います。(あかん。新幹線とらな。)

お申し込みはこちら↓


そして来週末は合唱団エレウシスの演奏会です。

2回目の演奏会になりますが、今回はドイツ3大Sの作品をメインに、前半はジョスカンのミサからデュエットのBenedictusを取り出して、グレゴリオ聖歌のSanctusとカップリングさせて演奏するというなかなか面白いことをやります。

こちらもぜひお越しください。

2023年大晦日

皆様年末いかがお過ごしでしょうか。

今年はヘクサコルド元年ということで教本が予想以上に爆売れしたりワークショップに100人を超える方が参加して頂けたりと、櫻井元希としては非常に充実した1年となりました。

一方私の主宰する団体Salicus Kammerchorといいますと、これがなかなか厳しい状況で、一時コロナの補助金で潤っていたのもつかの間、昨年のカンタータ公演で余剰金を使い果たし、今年は非常にヒヤヒヤする自転車操業でございました。

11月に行ったEnsemble Salicusの演奏会も、演奏はよかったと思うのですが、宣伝が遅れたり、開演時間が微妙だったりということがあったようでなかなか集客が上手くいかず、Ensemble Salicus史上初の赤字となりました。出演者がたったの3人で赤字というのはちょっとどうなってんの?と思われる方もいらっしゃるでしょうがこれはもう仕方がないです。

来年の定期演奏会はシュッツのシリーズの最終回という事で彼の最後の曲集、いわゆる「白鳥の歌」を全曲演奏いたします。

シュッツがその長い長い人生の最後に至った境地に迫りたいと思っています。

また、秋にはJ. S. バッハのカンタータvol.3を計画しております。

まだオープンになっていませんが3月あたりにはビッグなお知らせが控えてございます。

サリクスはほとんどその活動資金を定期会員の年会費によってまかなっておりまして、12月はその募集時期なのですけれど、毎年戦々恐々喧々諤々としながら過ごしております。

毎年目標を100名様と定めさせていただいておりますが、募集最終日の今日現在で62名様と、なかなか苦しんでおります。

皆様に最後のお願いでございます。

経済的バックグラウンドを持たない我々は本当に応援してくださる皆様のおかげで活動を継続できております。

来年再来年とますますSalicus Kammerchorの活動がさかんに行えますよう、どうぞご支援お願いいたします。

https://salicus.thebase.in/items/55552396

会員特典のライブ音源は下記の曲を収録してございます。

1.ジョスカン・デ・プレ「神よ、憐れみたまえ」
2.ハインリヒ・シュッツ「主よ、今下僕を去らせてください」SWV 432-33
3.ハインリヒ・シュッツ「これは確かに真実であり」SWV 277
4.ヨハン・ゼバスティアン・バッハ カンタータ第4番 BWV4 第2曲「キリストは死の縄に括られた」
5.ヨハン・ゼバスティアン・バッハ カンタータ第28番 BWV28 第2曲「わたしの魂よ、主を讃えなさい」
6.ヨハン・ゼバスティアン・バッハ カンタータ第167番 BWV167 第5曲「賛美と称賛と栄光を」

なかなか充実した音源になりました。こちらの音源は非売品でございます。

ぜひ会員になって、こちらの音源もお楽しみいただければと思います。


また、年末年始企画といたしまして、これまだツイキャスで配信してきましたSalicus KammerchorとEnsemble Salicusの演奏動画のアーカイブを公開いたしました。

時間のある時にごらんいただければ幸いでございます。

https://twitcasting.tv/shop.php?search=salicus%20kammerchor

謹賀新年2023

謹賀新年2023

みなさまあけましておめでとうございます。

2023年のお正月、いかがお過ごしでしょうか。

私はというと、サ終(サービス終了)になったソシャゲ(ソーシャルゲーム)を惜しんでサブスク(サブスクリプション)でBGM(バックグラウンドミュージック)を聴きながら泣いています(さめざめと)。


今年の年末年始はとにかく薪をよく割りました。

これほぼすべて私が割りました。

あとすっごい木目がねじれてる木があったので記念撮影しました。

いやあ美しい。自然ってすごい。

あと毎年恒例ですが、ラッキー君に乗って

口琴を聞かせてあげました。

3つ口琴を持って帰って、二人に渡して10分くらい練習しただけですが、結構上手笑

ちなみにネイも持って帰ってましたが、母はお笑いを観ながら2時間くらい格闘してました。ほんとネイって難しい。


年末に話が戻りますが、2022年最後のコンサートは叔母とのコンサートでした。

ご来場くださいました皆様、誠にありがとうございました。

こちら1月末まで限定で動画を販売しております。

詳細はこちらから↓

いつものように決してキャッチーではありませんが、これを聞いておいてよかったなと、30年後くらいに言える演奏だったのではないかと思います。


こちらの公演が終わってからは早くも年末モードに突入し、趣味の多重録音にいそしんだり、

日独お散歩振興会例会に参加したりしておりました。

お散歩はいいですよ。振興しましょう。お散歩。


サリクスの定期会員の締め切りが年末にありまして、今年は89名の方にお申込みいただけました。

誠にありがとうございます。我々の活動は皆様に支えられております。

そして5月の第8回定期演奏会のフライヤーが完成しました!

凄くいいです今回のデザイン!

演奏会詳細はこちら↓
https://www.salicuskammerchor.com/concert


そして先日、年始恒例のカペラの演奏会が終演いたしました。

今回のメンバーはみんなサリクスで(笑)、Ensemble Salicusに花井先生が客演指揮に来ても同じことが起こるなあと不思議な気持ちでした。

いやー今回の課題は「ちょうどええ」でしたね。

これが難しかったなあ。

ゲネプロではやらかしてますが、本番では多分大丈夫だったと思うので、よろしければ配信アーカイブお求めください。20日まで見れるようです。

https://www.woomo.jp/products/detail/1725

それにしても毎回驚いてるんですが、異次元の音響ですよね。カテドラル。


皆様、2023年も何卒よろしくお願いいたします。

Salicus Kammerchor第7回定期演奏会|終演

Salicus Kammerchor第7回定期演奏会|終演

一昨日になりますが、Salicus Kammerchor第7回定期演奏会が終演いたしました。

お越しくださいました皆様、誠にありがとうございました。

昨日は17時まで寝ていて流石に夜寝れませんでした。笑

今回の公演では定期では初めて世俗曲を1曲取り入れ、また後半は器楽を入れるということを試みましたが、どちらも功を奏したように思います。


世俗曲を歌ったのは拓さんと研一郎でしたが、1回目のリハで拓さんに「Ogheモード」でお願いしますとリクエストしました。

Ogheというのはサルデーニャのテノーレスという男声合唱でのリードパートのパート名で、「コエダイr合唱団」では拓さんはいつもこのパートを歌っています。

リハの回数を重ねる度にOghe度が増していって、本番はもうOgheよりOgheでした。

研一郎もそれに追随するように凄い歌になっていきました。


また今回ヴァイオリンを弾いてくれた丸山韶は古楽科の同期でまあよく一緒にやってるんですが、これがまたよく歌う、よく喋るヴァイオリンなんですね。ほんとに四六時中歌い、何事か喋ってる。

こんなヴァイオリニストは世界広しと言えど彼以外に他にいないのですが、だからこそ誰も評価できないのでしょうか。たまに彼がオケでヴィオラを弾いているのを見たりしますが、意味が分かりません。

まあオケとしてはダメなのかもしれない。彼のヴァイオリンは他の誰とも違うから。次元が。

なのですが、私がカンタータクラブで指揮をしていた時にずっとヴァイオリンを弾いていたのが彼だったので、私にとってのヴァイオリンのスタンダードが彼になってしまったんですね。

それは本当に良くない。笑

今回歌のメンバーにとっては凄くいい刺激になったと思います。

実は今回の我々の目標は「無茶苦茶歌いまくる」だったのですが、過去の私たちよりはそれに近づけたのではないかと思います。

本当にインド古典声楽を習い始めてからというもの、「歌」に対するハードルが爆上がりしてしまいまして、それはそれでリハーサルがいつもより辛口になったりして、その上「古楽の終焉」(オススメ!)という本のおかげ(?)で口が悪くなってまして笑、メンバーには申し訳ないところもありました。

しかし、今回のコンサートを通じてSalicus Kammerchorが次のレベルに踏み込んだのは間違いないと思います。

特に前半プログラムのグレゴリオ聖歌とポリフォニーは手応えがありました。いやこんなふうに演奏できる団体は他にありませんよマジで。みんなほんとに凄い。

今回諸々の事情が許さずライブ配信はできませんでしが、後日録画配信をすることにしました。

6月4日プレミア公開、アーカイブは2週間です。

遠方の方も、そうでない方も、ぜひご利用ください。

https://ja.twitcasting.tv/salicus_kc/shopcart/158332


そしてこのライブ配信の当日ですが、昼間に公演があります。

叔母の新作能「菖蒲冠」に出演します。

https://www.mari-pla.me/makiko-ayamekohuhuri

この日は昼は「菖蒲冠」、夜はSalicus Kammerchorのライブ配信でお楽しみください。

この公演に関して叔母と動画を撮りました。

ちょっと長いですが、この公演の面白さがわかりやすく語られていると思いますので、ぜひご覧ください。


更に、まだオープンになってませんが、6月21日には徳久ウィリアムさんとトム・ウェイツを歌うライブをやることになりました。

私はトム・ウェイツのsmall changeのアルバムから数曲と、シューマンの歌曲をトム・ウェイツの声で歌います。徳久さんはトム・ウェイツの声を使ったオリジナルソングを歌われる予定です。

こういう感じです。

そして7月3日はコエダイr合唱団の演奏会。

今回はまた凄い盛りだくさんのプログラムになりそう。こちらはメンバー絶賛募集中です。お気軽に見学にいらしてください。

https://note.com/voiz/n/n714b1710c95b?fbclid=IwAR19-tbKamNmuWdXZwZlH7AiKZWvlI2dV8T7A_BijjkRKzkdznsRhTOvD5k

7月にはカペラの演奏会もあって、8月頭はエマルシオンと、カンタータクラブ創立50周年演奏会があったりとなかなかの集中ぶりですが、それぞれ魅力的な演奏会ですので、ぜひチェックしてください。

Rofu GBB2021 eliminationの感想文

Rofu GBB2021 eliminationの感想文

もうブログ書きたいネタが溜まりに溜まっているのですが、なかなか書く時間がなくて悶々とした日々を過ごしております。

溜まりに溜まったネタの中から、一番最初に書きたいのはrofuについて。

Swissbeatboxから動画が上がってから毎日数(億)回ずつ見てます。

動画そのものも観るし、リアクション動画もロシア語とかポルトガル語とかマレー語?とか全く意味は分からんけどrofuの動画を観て笑ってる人の顔を見るのが私の日課となりました(変態)。

いっそリアクション動画撮ろうかとも思ったのですが、めんどくさいのでやめました。。

ということで感想文を書いていこうと思います。ただの感想文です。ただし本職音楽家の。


Grand Beatbox Battle

あの、私ビートボックスにハマってから1年半とかのにわかなので、描写に不正確なことが沢山あるかと思いますがご容赦ください。何を隠そうrofuからビートボックスにハマったのです。

GBBというのはSwissbeatboxが主催するビートボックスの世界大会で、バトルという名称がついているのは、MCバトルってラップのバトルあるじゃないですか、ビートボックスはヒップホップ文化から生まれたものなのでこのバトルという形式があるのです。

予選(elimination)を突破した個人(solo部門、soloループ部門)、タッグ(タッグ部門、タッグループ部門)、クルー(クルー部門)がトーナメント形式で戦っていくというのが基本のかたちです。

GBBは2020年はコロナの影響で延期となり、つまりGBB2021は私がビートボックスにハマってから最初のGBBだったわけです。


Tag team elimination

rofuの出場するタッグ部門にもそれはそれは世界の激ヤバビートボクサーが出ています。rofuと比較するうえで最も特徴的なのはRogue Waveだと思います。

このタッグ凄くて、今回のsolo部門の1位と2位の二人が組んだタッグなんです。

彼らの予選動画はこちら

https://youtu.be/HefD28aqH84

そしてsolo部門決勝はこちら

まあ世界1位と2位のタッグですから、もうそりゃすさまじいということはわかっていただけると思うんですが、以上を踏まえてrofuのeliminationをご覧ください。


Rofu GBB2021 Tag team elimination

https://youtu.be/uJQ6YNvqmhI

スタイルの違いを感じていただけたのではないかと思います。

それで彼らは予選を3位で突破するわけですが、なぜ、なみいる強豪を抑えて彼らが予選を抜けられたのでしょうか。

ビートボックスのテクニックやスキルというと、どれだけ速く、ひとつひとつの音をクリアに出せるか、またほかの人ができないような特殊な音を出せるか、ということに目がいきがちですが、rofuはそういったものには当てはまらないと思います。そもそもfugaは(自分でも言ってますが)ほとんどビートボックスやってないし。

ただこの動画に映るオーディエンスを見ればわかりますが、観客を魅了するということにかけて、rofuの右に出るものはいなかったと思います。そしてそれこそがビートボックスのテクニックでありスキルだと私は思います。

オーディエンスをエンターテインするということに全振りしたタッグがrofuなのです。

そしてそのために極めて緻密なストーリーをこの4分間に描いています。

Gene Shinozakiが、歌を歌える他のタッグに対して、「でも君らは漫才できるじゃない」と言ったように、彼らのビートボックスにはボケとツッコミがあります。

漫才のツッコミの代わりに、ビートがあるという感じです。

緩急と緊張と緩和、これも非常に的確に計算されています。

そして言葉が通じなくてもわかるように考え抜かれています。


ネタ考察

イントロ

冒頭「we are rofu from Japan」と小声で繰り返すfugaのなんかのスイッチを押すと声でかくなる。ここにすでに緩急があり、めちゃくちゃわかりやすく、そしてボー(インワードリップベース)がここではツッコミの役割を果たしています。

このボー、ボーの前についてるなんだろうフィルイン的なやつ良いですよね。ただの「ボー」じゃなくて「ビユンボー」みたいな。

そして細かいですが、fugaの「we are rofu from Japan make some noise」の最後の伸ばしのところで「ミレドー」みたいに音程下がっていってるの面白いですよね。


ライオンキング

そしてこれ

元ネタを出すまでもなくみんな知ってるアレ、です。

このみんな知ってるアレ、の絶妙なチョイスも非常に巧みです。

もうすでにクラウドブチ湧き。

これブレスのときに何だろうドラッグって言っていいのか、音としてはハイハットの一種ですかね。この音でタイミングを取ってるんですけど、これにはタイミングを取るという役割だけじゃなくて、ブレスの後に絶妙な無音を生じさせて、その無音からのギャップでクラウドを湧かすというこれももう完璧な流れなんですよね。

でこれ2フレーズやることでこのブレスノイズの効果が倍増してる。「スッ」てブレスの音が聞こえた時点で聞き手は「く、来る!」ってなっちゃってやっぱりそれが期待通りに来ると。「く、来る!」からの「来たーーーー!」ですね。

もう鷲掴みですわ。あとfugaの絶妙に上手すぎない歌です。これは本当に重要。多分fugaさん普通に歌ったらもっと上手いと思うのですが、観客が求めているのが「上手い」ではないことを百も承知の上で、丁度いい、下手すぎず、上手すぎず、絶妙に笑えるクオリティにしている。これ以上下手でも笑えないし、これ以上上手くても笑えない。もうここしかない、という絶妙なライン。

フリップ(ひっくり返る)するところも全部計算してんじゃないかしら。完璧すぎる。


We will rock you

からの「シッ!」また緩急の緩を作ります。

ここからイントロ、キック2発にスネアというだけでrofuファンとしてはもうアレが来る!ってなっちゃうんですけど、そうでなければまだ何かわからないかも?

から小ボケの上着脱ぎ。

リアクション動画を山のように観ましたが、ここで笑う人が結構多いみたいです。

我々からしたらいつものタンクトップになっただけなんですけどね。

からのマイクチェック経てのクイーン。

これもオリジナルを貼るまでもないですね。

ここまでの「緩」がこのネタの中で一番長い「緩」かと思います。一回湧いたクラウドをクールダウンさせ、ちょっと長いなと思わせるくらいの長さで期待感を煽ります。

今気づきましたが、hiroはだんだんKスネアの音量上げてってますね。Kスネアの後のハイハットも途中からうっすら入れてってだんだん大きくしてからの2拍空振って歌に入ると。

いや構成完璧かよ。fugaの方に注目していると気づきにくいんですけどhiroの演出が凄腕すぎますね。

決してめちゃくちゃ難しい事しているわけではないんですけど音の選択から強弱からもう超繊細に作り込まれています。

で歌に入ってからのhiroのキックの音これなんていう名前何でしょう。スネアもPスネアにして、ビートは同じなんだけど音の種類を変えて更に緩急を出してます。

それでここでもまたfugaの「ちょうどいい」歌なのですが、特筆すべきはサビ前のall over the place、ここオリジナル通りに歌えば絶対ひっくり返るとこではないのですが、わざわざ上にフェイクを入れてわざとひっくり返ってますよね。これは明らかに故意。

からのサビ大合唱。

最強のドロップはクラウドの大合唱であるということを証明していますね。

それでこのサビのrock youのところで多分このネタで初めてfugaがビートボックスします。

おそらくハイハットだけなのですが、それだけでもビートがやたら分厚くなった気がします。なぜでしょう。

これタッグチームの部門なのに、ここまでビートをやっていたのはhiro一人なのです。だからなぜかhiroが二人分のビートやってるように感じてしまって、ただそこにハイハットが加わっただけで、あれ、クルーかな?ってくらい分厚く感じるんですよね。これもここまでfugaのビートボックスを温存するという、構成の為せる技。

それで個人的に好きなのは、ここでfugaがヘドバンして、帽子が脱げそうになって、脱いで投げるってとこです。良くないっすかこれ笑

もうrofu好きすぎてそんなところに萌え始めているのですよ。きもいですね。

からの裏声ゆっくりサビでまた溜めて溜めての帰るふりボケ。

うーん緩急♡

でこの最後の「Rock you」の前に、ライオンキングのネタのときと同じようなブレスノイズを入れてるんですね。しかし今度は間を殺したかわいい「Rock you」が来ると。これも聞き手に無意識レベルでの裏切りを感じさせます。


ふぃーふぉーふぃーふぉー

そして次のふぃーふぉーふぃーふぉーがこのネタのサビともいえる部分。

イントロが入るやいなや戻ってきて「no, no, no」とセルフでツッコミます。

それでこのネタは、アジア大会でも披露したrofuのキラーチューンで、もうこれ一本でアジアチャンプ、世界3位になったというと過言かもしれないけど、それくらいの代表作なのです。

本当によく出来たネタで、ちょっとこの感じは他のタッグでは出ないグルーブなんですよね。

rofuの二人の非常に繊細な音の組み合わせの妙、このタッグの魅力はここにあるんだぞってところをアピールできます。

fugaがまともにビートボックスをやり続けるのはここからの1分です。4分のネタのうち1分しかビートボックスやってないんですよね。だからこそ重みと厚みと化学反応が際立つ。

でこれも多分ですが、後半のドロップは今回初披露だと思います。

とっておきを出してきたなと言う感じです。しかもその間に水飲み休憩を挟むという小ボケまで入れて。小ボケ中のhiroのビートも完璧な長さと音質とビートの選択。

ここで某メイコゥさんが「がんばれー」っていってfugaが「あ、無理無理」って言ってるんですけど、世界大会の舞台でオーディエンスと普通に日本語で会話するってすごないですか。


Mask off

そしてここから流れでMask offにスイッチします。

私普段ヒップホップはあまり聞かない(ドラッグの種類とか知らんし隠語とかもっと知らんし)んですけど、最近はこうした超丁寧な日本語字幕をつけてくださる方がいらっしゃるのですね。グッと来ました。

ブログを書こうと思って初めて元ネタを検索しました。

ゴリゴリのヒップホップですね。彼らの音楽的バックグラウンドを感じさせる選曲です。

原曲ヒップホップなのに、一切ラップはしないし(片方がラップをやって片方がビートをやるというのはタッグの常套手段)、そもそもこの旋律原曲は笛なんですね。

それをベースとストリングスでやるってのも一捻り加わってるし、そこのfugaの代名詞でもあるパフパフを挟むというのも憎い。やはりこれが入ってないとちょっと物足りなく感じるし、かといって普通にやられてもはいはいいつものね、と思うだけので、入れ方がこれまた絶妙。

あとこのhiroのベースって私これまでアウトワードだとばかり思っていたのですが、今回の動画でインワードだと知り驚愕しました。インワードリップベースってこんなに息持つの?そしてこんな細かく音程動かせるの?まあ彼らはすでに人間ではないので人間の私には想像もできないことができるんですよね。知ってる。

いや、アウトワードだと多分息の音が入っちゃってノイジーになるんですよね。インワードだからこそのこのマットな質感かあ、と思いました。

このネタ自体は緩急でいうとどちらかというと緩だと思うのですが、やはり聞き手としてはここから最後の「急」が来ると期待するんですよね。あと20秒くらいあるし。

これを裏切るのは本当に勇気がいると思う。

来たのは最強のドロップではなくて渾身のボケ「タイム!タイム・・タ・タイ・・・」

これ制限時間を知らせる司会のスコットジャクソンの物真似なんですが、これもアジア大会でもやっていたはずです。

初めて見た時、おーーこれやったかあ、でこの後どうすんだ?って思いました。

やられましたね。まさかライオンキングリターンズ。

それも2つ目のフレーズだけ。天丼です。これが天丼です。もう隙がなさすぎる。

そして最後のボー、あれはどうなってんでしょうか。わからん。ライオンキングの時のボーと一緒?っていうかあれボー?両方インワードだったらブレスがうますぎるし片方アウトワードだったら質感が似すぎてるし。


まとめ

ということでこのネタをボケとツッコミにわけてまとめてみたいと思います。

ボケ1 we are rofu from Japan

ツッコミ1 「ライオンキング」

ボケ2 上着脱ぐ

ツッコミ2 「We will rock you」

ボケ3 帰ろうとする

ツッコミ3 「ふぃーふぉーふぃーふぉー」(の中に小ボケ「水飲んで、あ、無理無理」→ツッコミドロップ)
→ツッコミ3 続き「Musk off」

ボケ4 タイム!

ツッコミ4 「ライオンキング」

見事だ。4分の間に4回のボケと4曲のツッコミビートボックスを配置し、中に小ボケを散りばめ最後天丼で締める。

しかも面白いだけでなく中にきっちりビートボックスのテクニカル、また音楽的な要素を入れてくる。

ここまで複雑でかつ一貫性のあるストーリーを準備してきたタッグが他にあっただろうか。なんて洗練されたネタなんだと感じました。

計算しつくされたおふざけ。ボケに対するツッコミをビートボックスに置き換えるという革命。これは新しいビートボックスのスタイルにとどまらない、新しいお笑いのスタイルなのだ。

そしてこれが評価されて世界3位として認められるビートボックスのコミュニティって素敵よね。

ビートボックスにとって一番大事なことは何か。クラウドをぶち上げるためには何が必要なのか。彼らはそれを問いかけた気がします。

今後その問いに、ビートボックスコミュニティがどう応えていくか。楽しみです。


さて本業の方では、先日Salicus Kammerchorのシャイトのレクチャーコンサート動画の収録が終わりました。

感染拡大でライブを一般公開できなくなってしまったことが本当に残念ですが、動画で3月上旬に公開予定ですのでどうぞお楽しみに。

素晴らしい器楽のみなさまとご一緒できて非常に贅沢な時間でした。

米沢さんと立教大学の皆様、誠にありがとうございました。

5月の定期演奏会のチケットも発売中です。

今回はモンテヴェルディとシュッツをメインで取り上げ、いつもの通低と歌に加え、ヴァイオリン2本も入った編成でお送りします。

先日楽譜を印刷したのですが、通常の約2倍の紙の量でした。。というのも今回声部が多い曲が多くて、1ページに1段なことが多いのです。時間はそれほどでもないはずです。。きっと。

それだけに華やかな曲が多いので、皆様ぜひともご来場くださいませ。

詳細↓
https://www.salicuskammerchor.com/concert