ダヴィデの声明・如来のイムヌス|終演

先週土曜日、叔母との企画が終演しました。

統計開始から最速だった東京の桜の開花宣言の日に雪が降るというわけのわからぬ天候の中、ご来場くださいました皆様、誠にありがとうございました。

いろいろな事情を鑑みたうえで、この企画は私たち叔母甥にしかできない企画だったのではないかと思います。

グレゴリオ聖歌風に新作とか、声明風に新作とか、まともな神経ではできないです。そんなことができるのは、アホかイカれてるかどっちかで、私も叔母も後者です。

今回プログラムには歌詞しか載せなかったし、MCも最小限だったので、少し制作の過程をここに記しておこうと思います。


前半は詩編23をいろいろな言語で、いろいろなスタイルで。

同じテキストで違う作曲家やスタイルでというのはサリクスでもおなじみですが、それのひどいやつと思っていただければいいかなと思います。

1.”Dominus regit me” グレゴリオ聖歌(ラテン語)
2.モロッコ系の朗唱(ヘブライ語)
3.「主は私の羊飼い」グレゴリオ聖歌風に新作(日本語)
4.声明風に新作(中国語)
5.「主はわれらの牧者」高田三郎(日本語)
6.声明風に新作(中古日本語)

1と3と5が私が担当した部分で、1は普通にグレゴリオ聖歌。受難節第1主日の聖体拝領唱です。

3は昨年出版された聖書協会共同訳聖書の詩編23編のテキストをそのまま使って、日本語でグレゴリオ聖歌風に作曲したらどうなるかというのをやってみました。

旋律定型を織り交ぜつつ、日本語の抑揚や内容の象徴なんかも考えながら作りました。しかも10世紀頃に書かれた古ネウマも用いながら作ったので、特殊ネウマのコブシみたいのものも結構沢山用いました。意外とそのあたり日本語との相性よかったんじゃないかなと思っています。

5は現行カトリックでも用いられている高田三郎の典礼聖歌からとりました。

2.4.6が叔母の担当した演目で、2はユダヤ教の実際の典礼で使われているような話だったので(曖昧でごめんなさい)、前半プログラムのうち新作は3.4.6の3曲で、半分新作だったということになります。


後半は如来唄と中唄の流れにそって、それをいろんなふうに歌うということをやりました。

1.「如来妙」 声明(漢文)
2.「色」 グレゴリオ聖歌風に新作(ラテン語)
3.「講式 」声明(中古日本語)+ドローン(ラテン語)
4.「身」 グレゴリオ聖歌風に新作(ラテン語)+声明風ドローン(漢文)
5.「世」 声明(漢文)
6.「間無当等」(中唄)声明(漢文)+グレゴリオ聖歌風に新作(ラテン語)+詩編唱(ラテン語)

1は普通に声明、2は経典をラテン語訳してそれにグレゴリオ聖歌風に作曲しました。

この作業がなかなか大変で、固有名詞をどうするかとか、仏教的な言い回しをラテン語に直すのにキリスト教の考え方に置き換えてみたりとか、なかなかの超意訳をしております。笑

例えば
哀愍覆護我 令法種増長 此世及後生 願我常摂受
という文言は日本語だと、

なにとぞ、哀愍のお心を垂れたもうて、私をお譲りくださって、仏法の(優れた美徳を発育させる)種子を増長させ、現世と未来世とにかけて、願わくばみ仏が常に(私の願いを)救いとって(摂受)くださいますように。
となります。

これを
主よ、私を哀れんでください。
日毎私の心を励まし、
いつも私に耳を傾け、お救いください、
主なる神よ、とこしえに。

と書き換え、ラテン語にしました。

Miserere mei, Domine,
adjuva me cotidie,
inclina aurem tuam ad me, et salvum me,
Deus meus, in aeternum.

言い回しをキリスト教風にね。しましたね。

3は声明にラテン語のシラブルでドローンをつけました。ドローンとは言いつつも割と頻繁に音を変えていましたので、どちらかというと長音価の定旋律に声明が乗ってるという感じに聞こえたかもしれません。

4はグレゴリオ聖歌も声明も両方新作で、まず私が2でやったのと同じようにテキストを作って、ドローンがつけやすいようにDをfinalisとする旋法でグレゴリオ聖歌風に新作し、その音源を送って、それに合わせて声明風ドローンをつけてもらうという方法をとりました。

しかし出来上がったのはドローンとは言えないくらい普通に声明みたいで(少なくとも私にはそう聞こえました)、グレゴリオ聖歌と声明の対等関係のポリフォニーのような感じになりました。

5はまた普通に声明で、6は声明+グレゴリオ聖歌風新作+詩編唱ということで、如来をマリアにみたて、聖母の晩課で唱えらえれる詩編を用い、グレゴリオ聖歌風新作と交互に歌うAntiphona風にしました。

もとの声明が、音を長く伸ばす部分と、動きのある部分が交互に現れるような構成をしていたので、声明が長く伸ばしているところに動きのあるAntiphonaを、声明に動きのある部分には同じ音で唱える詩編をあてるという方法をとりました。

詩編唱は旋法によってそれぞれ定型を持っているのですが、その時の声明の動きとマッチする旋法を選びました。

その結果音域の高い旋法と低い旋法がたまたま交互に現れるようなことになり、声明の上で唱えたり、下で唱えたりと、声部交差が頻繁に起こって、そういった意味でも変化に富んだものになったのではないかと思います。

同じシラブルを何度も何度も、ずーーっと引き延ばして歌う声明に対して、次から次へとテキストを畳みかけるような詩編唱が対比され、トランス×トランスのような状態になったのではないかと思います。


今回の企画、破戒的な企画だったとは思います。

しかし鳴り響く音を聴くと、それほど不快ではなく、むしろ意外と心地よい感じになったのではないかと思います。

しかしその内容はそれぞれの業界から袋叩きにあうようなヒリヒリとした部分をはらんでいて、しかしそれでいて、もっとずっとずっと深いところでは響きあう、通底するものがあるよって、そういう3層構造になったのではないかと思っています。

二つの宗教のモノフォニーが歌いかわし、交わることで、祈るということについて、思いを馳せる機会になったのであればうれしく思います。


聴きに来てくれた家族、スタッフ、そしてコエダイ関係のみなさんと。
左4人はカルグラしてるので不思議な表情と口の形になっております。

そしてこの4人、実に15年ぶりの集結でした。

15年前、私が18歳のとき、叔母が広島大学入学のお祝いに東京に呼んでくれて、この4人でTOKYO DEATH FEST2005という日本初のブルータルデスメタルのフェストに行きました。

この時が徳久さんと私の初対面。ライブ後渋谷の中華屋で中華食べながら親父と徳久さんが話していて、徳久さんの発言をきっかけにできたのが、ポリゴノーラです。

ポリゴノーラについてはこちら↓
https://www.oto-circle.jp/music

というわけで、もう私が徳久さんと出会ってから15年も経つんですね。恐ろしい。

実は昨日も徳久さん出演のライブを見に行ったのですが、もうこの記事的には長すぎるので次の記事に譲ることにします。

徳久さんとのワークショップは来週末です。

声に興味のある人全員にイチオシのワークショップですので、ぜひお申し込みください。

詳細コチラ↓
https://note.com/voiz/n/nb8d37d4d8fba


昨年7月から活動開始したアマチュア合唱団、Chor EleusisのFacebookページとTwitterアカウントを作りました。

皆様フォロー、いいね!シェア、リツイートじゃんじゃんお願いします!!

2019年まとめ

大晦日ですね。
今年もお世話になりました。

今年もいろいろあったと思いますが、今のところ何も思い出せないので、軽く振り返ってから年を越したいと思います。

今年の手帳を見ながら振り返るのが一番いいと思うのですが、自宅に置いたまま帰省してしまったので、ブログ記事を見返していこうと思います。
今年どれだけまめに記事を更新したかも振り返れますね。


1月

お正月

引っ越しました

1月は2本の記事を書いたみたいです。

一つは実家で馬に乗った記事で、もう一つは引っ越しの記事でした。

そう引っ越したんですよね江戸川区に。

これなかなか大きい出来事で、自宅で音出しできるようになってレッスンもできるようになって、働き方が相当変わりました。

家で練習できるって本当に素晴らしい。

反面カラオケに全然いかなくなっちゃって、それまでは練習はカラオケでやってたので、ついでにB’z歌ったりノイズの練習したりということがあったんですが、それが全然なくなっちゃったんですよね。

っていう話を徳久さんにしたら、マイクとアンプ買ったら?と言われました。

確かに家でマイク使って練習できればノイズも上達しそう。

たださすがに苦情来ないか心配なんですよねえ。

あと江戸川区は冬暖かく夏涼しいです。

もちろん蕨に比べたらということですが。これも大きかったですね。

ほんと。全然違います。

ただ風が強いですね。あと台風の時は恐ろしかったです。荒川が。

なにしろ「ここにいてはダメ」らしいので。

一応鉄筋の4階なので孤立することはあっても流されることはないかなと思ってるんですけどね。


2月

東京藝術大学バッハカンタータクラブ2019年定期演奏会

フォンス・フローリス発表会終演

ラ・リューイヤーの締めくくり

2月は3本記事を書いたみたいですね。振り返ってみてみると一つ一つの記事が長すぎですね。

2・3記事に分けてほうがいいですよね。ほんとまめに書ければこういうことにはならないのですが、書くことがたまっちゃうんですよねえ。

今年はラリューとオケゲムを沢山演奏しましたね。

ラリューは二重人格みたいで、白ラリュー黒ラリューとか言って分類しておりましたが、オケゲムは一貫して頭良すぎて変態みたいな感じですよね。

今計道会でやってるミサプロラツィオーヌム1曲とっても、人類史上最高の頭脳の持ち主と断言したくなるような代物です。


3月

インプットな週末|BUGAKU→暗闇のボイトレ

コエダイr合唱団の日

計道会発表会2019終演

新しいアンサンブル|emulsion & Ensemble XENOS

3月は4本。結構書きましたね。週に1つかけたらたいしたもんだ。えらいぞ。

BUGAKUは今年の私の演奏や指導の一つの柱になっているような気がします。

身体と気ということをいつもテーマにしながらやってます。

土日に講座があるのでなかなか参加することができませんが、もう少しで何か掴めそうという感じがあるので、続けていきたいと思います。

暗闇のボイトレもかなり驚くべき変化がありましたね。これはほんと体験してみないとわからない感覚だと思います。

コエダイr合唱団は今年沢山かかわることができました。

何回かライブにも出ましたし、練習会にも何回か参加できました。

来年は9月にサルデーニャに行く予定になってますので楽しみです。

そう。そして今年は新しいアンサンブルがいくつか結成されたのも大きかったです。

emulsionの演奏会は来年2月6日の「二郎」の日。楽しみです。


4月

Chor Eleusis 合唱団エレウシス

リフレクソロジーと中国武術

Salicus Kammerchor第5回定期演奏会|リハ開始

Salicus Kammerchorワークショップ第7回|終了

Salicus Kammerchor第5回定期演奏会|リハ3回目

4月は5本書いてますね。今気づきましたけど、1月から1つずつ増えてますね(笑)この調子だと12月には13本の記事を書かなければならないことに(笑)

そう。今年は新しいアンサンブルが2つできた上に自分で合唱団を作ったんですよね。そら忙しいはずやわ。

二つ目は山崎絢子さんのところに施術を受けに行った時に感じたことを書き連ねたもので、なんか思考の垂れ流しみたいになってますけど、最終的に拓さんってすげえなってことに落ち着いてるみたいです(笑)

あとはサリクス関連の記事ですね。

あ、そうそう親不知抜いたんですよねええ。ほんと大変でした。

もう膿んじゃって膿んじゃってもうしょっぱい膿がどろどろ出てきて膿で飯食えるんじゃねえかって感じでした。

大変だったなあ。


5月

平成→令和

デスヴォイスとはなんぞや

Salicus Kammerchor第5回定期演奏会|終演

沢山お知らせ

5月は4本でしたね。がんばってるぞ。

そう。令和になりましたね。だからどうということはありません。

二つ目の記事はデスヴォイスの講座に行ってきた記事ですが、実はこの年末にも行ってきました。

内容は結構前回と違ってましたが、相変わらずわかってることは少ないよねっていうことでした。

圧倒的なわからなさは声の最大の魅力でもありますよね。

グレゴリオ聖歌からバッハを専門にしていてノイズボイスとテノーレスをやってる声楽家兼指揮者って多分世界に私だけだと思うので、その強みを生かしていけるよう精進したいと思います。

5月はサリクスのモテット全曲演奏会がありました。

ほんとに集大成という感じで、大変でしたが、シンガーはもっと大変だったと思います。皆に感謝。


6月

Salicus Kammerchorクラウドファンディング大成功!涙

シグナスとクセノス

6月は2本。少ないぞ。

いや、このペースで振り返ってたら年を越してしまうと思っていたのでまあいいか。

クラウドファンディングほんとにこの結果には驚きました。

目標の2倍以上なので。

6月末から7月頭にかけてはたまたまヴォーカルグループの演奏会が続きました。

カラーは全然違うグループですが、両方大森で。

今年も本当に大森福興教会にはお世話になりました。


7月

The Cygnus Vocal Octet 2nd CD 発売記念ミニコンサート in 東京|終演

Ensemble XENOS|”Vanitas”

Ensemble XENOS “Vanitas”|終演

合唱団フォンス・フローリス第12回コンセール・スピリチュエル|終演

7月は4本。結構書きましたね。

シグナスは私がアルトを継続的に歌っている唯一のグループなんですよね。

この記事には結構面白い写真が載ってるので見てみてください(笑)

クセノスは運営が結構大変でしたね。

それぞれ忙しいし、美千子さんはフランス在住なのでなかなか。

それでもお客さんの反応がとてもよかったので、やってよかったなと思いました。

次回公演はいつ頃になるか・・・。でも近々やりたいですね。

これ最後の記事はフォンスがタイトルになってますが、ほかにコエダイ、エレウシス、クラウドファンディング報告会、定期会員募集といろいろ書いてるんですよね。

タイトル決めっていつも難しくて、今後の課題です。


8月

Chor Eleusis 合唱団エレウシス|始動

夏のおわり2019|前編

8月も2本ですね。いやー今年の8月はいつにも増して忙しかったですね。

一つはエレウシスの記事。エレウシスの名前の由来なんかも書いてますのでよろしければぜひ。

二つ目は典型的に書くことがたまっちゃってタイトルつけれなくなったやつですね。

ともかく原村の写真が美しいので見てほしいです。

後編があるんですかね。全然記憶ないんですけど(笑)


9月

夏のおわり2019|後編

ヴォーカル・アンサンブル アラミレ 第12回演奏会|終演

ありましたね後編。9月も2本か。今年の後半はほんとに忙しかったな。来年はもっと書けるような生活を送るぞ。

後編はサリクスの録音についてですね。

この時はまだこの後の編集作業がどんだけ大変かということを知らずに、達成感に酔いしれておりました(笑)

録音終わった後の動画ほんといい。これは10年後とかに見返してムネアツなやつですね。

あとは8月末に受けたフースラーのレッスンはかなり大きかったです。

科学的な実際と実践的なわかりやすさと効果という意味でとても考えさせられました。

なんかずるい気もしますが、実践的にはわかりやすい方がいい場合の方が多いですよね。

アラミレは今年はオケゲムやったのですが、ほんとよくやりましたよね。振り返って思いますがオケゲム滅茶苦茶難しかったです。超ド級の難易度だったと思います。(それでもプロラツィオーヌムには及ばないですが)

来年はオブレヒトです。オケゲムに比べればはるかにわかりやすい。

伸び伸び歌えるようにできればいいなと思います。


10月

サリクスCD編集

なんと10月は1本か。うーむ。でもほんと編集大変だったんですよね。まったくブログ書く余裕がなかった。

まさかこんなに大変だとは思いませんでした。

というかもうほんと信じられないくらい何から何まで自分たちでやってますので。

実は編集が終わった後もいろいろ大変だったんですよね。

ブックレットとか、バーコードとか、ジャケットとか、キャップとか、ディストリビューターとか(現在も進行中)

という中で演奏活動や指導の方もやってるので、10月の自分をほめてあげようと思います。よくやったね。えらいえらい。


11月

価値観の刷新

11月も1本ですねーー。

12月の3つの演奏会とワークショップ、1月と2月の演奏会についての記事です。

結構いろいろやってますよね。

特に今年はトルブールという新しいグループに参加できたのが大きかったように思います。

団体を続けていくこともものすごく難しくて価値のあることですが、新しい団体を作ったり、新しく団体に参加することもとても楽しいです。

今までの自分とは違う自分を見れる感じですね。


12月

トルブール イギリスのキャロル|終演

Salicus Kammerchor第8回ワークショップ|終了

Tenores di Tokyoライブ|終了

カペラ 新潟りゅーとぴあ公演|終演

光岡英稔|韓氏意拳講座

12月は急に5本!この記事も入れると6本ですね!すごい!急にどうした!?

なんでしょう書くことも多かったということもあるでしょうが、やっぱり編集が終わって少し余裕が出たんでしょうね。

ほとんど公演、イベントの終了報告ですね。

この中で特筆すべきはやはりカペラの新潟公演でしょうか。

花井先生インフルエンザで私がスペリウス、コントラ、テノール、バスを歌いながらリードするという信じられないような出来事でした。

演奏時間が短かったのが幸いでしたが、これがミサ1曲とかだったら泣いてました。

光岡先生の講座も、BUGAKUの方になかなか行けないので、韓氏意拳の方に行ってみました。来年も続けたいです。

あとまだ書けてませんが、サリクスのCDが完成しました。

バンザーイ!

クラウドファンディングの支援者の皆様にはお送りすることができたので、年明けから一般販売に移ります。

売れるといいなあ。何しろうちに今800枚くらいあるので(笑)

今年は36本記事を書いたようです。月3本ペースならまあまあかなあと思いますが、来年はもっと書きたいですね。


2020年

来年は近いところでいうとまずカペラがあります。

バードですね。イングリッシュラテンが超斬新です。私にとって。

フレンチとはもう全然違う感じになってますのでお楽しみに。使徒書もやります。

エマルシオンのワークショップももうすぐです。ただいま絶賛準備中。

ミニコンサートもあるのでぜひお出でください。

choruscompany.com/seminar/191115emulsion/


2月はエマルシオンのコンサートがあります。

これはもう絶対面白いです。

チケットこちら→ux.nu/s8IAV

あと古楽院発表会も11日にあります。

2月29日には立教大学でシャイトのレクチャーコンサートにSalicus Kammerchorが出演します。

https://www.rikkyo.ac.jp/events/2020/02/mknpps00000126gm.html


3月は14日に【ダヴィデの声明×如来のイムヌス】と題した叔母桜井真樹子との二人コンサートがあります。これもえげつないコンサートになる予定です。

そして16日にはサリクスのオーディション。

初の試みです。沢山の方にお申込みいただきたいです。

https://www.salicuskammerchor.com/audition

とりあえず近いところで紹介はこのくらいにさせていただこうかと思います。

皆様来年もどうぞよろしくお願いいたします。

櫻井元希へのお仕事・レッスンのご依頼ご相談、チケットのお求め等は以下のフォームよりお気軽にお問い合わせください。

夏のおわり2019|後編

J. S. バッハのモテット全曲録音

8月18−20日はサリクスの録音セッションでした。

指揮での録音は実は初めてで、一日10時間くらい指揮を振るというのも初めての経験でした。

初日のしょっぱなが”Jesu, meine Freude”で(乗り番的に仕方なかったのです)、疲れ果てました。

しかし初日が一番大変で、二日目三日目は不思議とそれほど疲れませんでした。

このメンバーでやってきてよかったなと思うのは、録音というシビアで緊張感の連続で一日中本番をやってるような厳しい環境の中で、雰囲気をピリつかせるような人が一人もいないということです。

全員でポジティヴな空気を作ろうというのが暗黙の了解で、結局終始笑いの絶えないレコーディングとなりました。

こういう雰囲気で録音ができるってなかなか凄いことだと思います。

そしてその雰囲気はサウンドに現れていると思うので、皆様どうぞお楽しみに。

編集はまだこれからです。

そして3日間録音頑張ったらズボンが破けました(関係ない)

3日間同じズボンだったわけではありません。トゥバ式の五体投地を中須とやってたら破けました。

ところで最終日のお昼にムンタージという武蔵野市民文化会館の近くのインド料理屋さんでビリヤニを食べました。

めちゃ美味しかったです。

サリクスカンマーコアあらためビリヤニカンマーコアを作ろうかというくらいです。

いや、前からビリヤニは好物で、一回イチからビリヤニ太郎さんのレシピで作ったこともあるのですが、ムンタージのビリヤニめっちゃおいしかった。http://fugutunatennis.blogspot.com/2016/02/blog-post_28.html

老後はビリヤニ作りを極めたいです。

以下の動画、SNSで上がっておりますが、録音の雰囲気が伝わればと思います。

すごい、楽しかった。

この動画、みんな踊ってるようですが、実際録音のときも踊ってました。

本番もそうやって歌えばいいのに、と思いました。


小林道夫アカデミーin下田2019

8月22−25日はカンタータクラブOB会の恒例行事、下田でのアカデミーでした。

年に一回喝を入れてもらいに参加してる感じですが、ここ最近は分奏をやってまして、僭越ながらわたくし合唱分奏をやらせていただいています。

今回、前日に先生がなさったようにコラールを振ろうとしたのですが、ぜんっぜんできなくてびっくりしました笑

50年早いと言われましたが、50年後の私にもできるかどうか。

あれです。真似事にすらならないって感じ。

それくらい凄いです。

先生がカンタータを振られる機会は限られていますので、皆さんもぜひチャンスを見つけてご覧になってください。

カンタータクラブは来年創部50周年を迎えます。

OB会では記念演奏会を企画していますので、どうぞお楽しみに。

OB会のフェイスブックページやツイッター、フォローしてくださいね。
https://www.facebook.com/kantatenclub.ob/
https://twitter.com/kantatenclub_ob

今回先生が言われていた言葉で特に心に残っているのは、

「聞こえてくるように」

という言葉です。

音楽は人間ひとりの力でどうにかできるようなチンケなものではない。

我々土塊はただそれを受け取っているに過ぎない。

そう言われているのだろうなと思います。

音楽をどうにかしようとするのではなく、あなたの中に聞こえている音楽に忠実でありなさい。

と。

まあ私の解釈ですけどね。

今回先輩方とのお話の中で、道夫先生の教え子には道夫先生の劣化コピーみたいな人がいない。それぞれ個性的だ。ということがありました。

一様の解釈を産まないことも、先生の深さなのかなと思いました。


合唱団エレウシス

7月31日に活動を開始したエレウシスですが、お盆のお休みを除いて毎週水曜練習しています。

あまりにも進度が遅いのですが、最初なのでまずはどういうことをやりたいか、方向性をわかってもらうため基礎からみっちりやっています。

発声→グレゴリオ聖歌→ルネサンス・ポリフォニー→J. S. バッハ

という流れはサリクスと同様ですが、より基礎の基礎から、じっくり取り組んでいます。

初回から”Jesu, meine Freude”の最初のコラールをやっていますが、前回5回目にして、ようやく12小節(繰り返し記号の前まで)、歌詞付きで歌いました。

道のりは果てしないですが、地道にやっていきたいです。


フースラーメソード

私がメインで習ってるのボイトレはSLS系の先生なのですが、最近フースラーがツイッター界隈で熱くて、特に5月にワークショップに伺ったいわおさんが、「最強のボイトレメソッドというのはだてじゃないかも」的なことをつぶやいていたのをみて、俄然どういうものか知りなくなってました。

いわおさんのワークショップについてはこちら→https://is.gd/Z5eogH

それで、フースラーメソードといえば武田梵声さんなのですが、なかなかそこに足を踏み入れる勇気はなく笑、徳久さんの紹介で、関西を拠点に活動されている有田亜希子さんにレッスンをお願いしました。

有田さんのホームページはこちら→http://namo-voice.blogspot.com/

徳久さん経由でご連絡し、私失礼ながら初対面だと思いこんでいたのですが、なんとJCAユースクワイヤの第1回に参加されていたそうで、8年ほど前に一度お会いしていたということが判明。

ほんと世間は狭いですよねーー。

それでもうものすごくわかりやすく(武田梵声式)フースラーメソードのエッセンスを教えて頂きました。

早速私の実践や、ボイトレや、合唱団の練習にも取り入れていますので詳しくはそちらに譲りますが、私の印象としては、「わかりやすくて、即効性があって、ずるい」でした笑

確かに知識として他のメソッドと共有している部分はかなり多いですが、そこから効果の高いものを抽出して、練習しやすい形でまとめたという点で、たしかに素晴らしいメソッドだと思いました。

これからも有田さんが関東にいらっしゃる際にはレッスンを受けていこうと思っています。

ますます進化していきますのでご期待ください。

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Salicus Kammerchor

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演奏会情報

次回演奏会は

12月19日のEnsemble Salicus第2回演奏会です!

https://www.salicuskammerchor.com/concert

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CD・DVD発売中!

第3回定期演奏会のライブDVD

をウェブ販売開始しました!

http://www.salicuskammerchor.com/goods

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サリクス通信

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Chor Eleusis 合唱団エレウシス|始動

昨日、合唱団エレウシスの初回練習でした。

申し込んでくれた方ほとんどと、見学にも数名みえてくださいました。ご参加くださいました皆様ありがとうございました。

初回ということでオリエンテーション的なことが多かったですが、来週からはガンガン歌っていきたいと思います。

とにかく毎週練習できる団体って実は私の身の回りにはそんなに多くないので、今回こういう団体を立ち上げることができて本当に嬉しいです。

練習大好きなんですよねー笑
毎日でもやりたい。

昨日の初回練習では、団の方向性を示すために、4つのブロックに分けて説明&練習しました。

  1. 発声
  2. グレゴリオ聖歌(古ネウマ)
  3. ポリフォニー
  4. J. S. バッハ

2~4はサリクスでやってることそのままなのですが、これらを支えるテクニックとしての発声については、実はプロの声楽家にはあまり深入りできないという部分があります。

そこ変えな根本なにも変わらんやろって言われればそれまでで、サリクスでももちろん人間関係を破砕しない程度には突っ込んでますが、なかなか現状徹底はできてません。

毎週練習できるアマチュアだからこそ、こういった本当に基礎的なところからじっくりと積み上げていけるのではないかと思っておりますので、本当にこれから楽しみです。


練習後決起集会兼ねた懇親会を行いました。17人中13人参加の素晴らしい出席率!

演奏団体って練習の次に飲み会が大事ですよね〜

13人だったので最後の晩餐だね、最初だけどね、などと言っておりました。

そこで「合唱団エレウシス」という名前の由来を聞かれたのですが、私うっかり練習中に言いそびれていました。

というか説明するとほんとに長くなっちゃって、今更ながらややこしい名前にしちゃったの若干後悔してるんですが笑、先程団員の皆さんには長文メールで説明しました。

せっかくなのでこちらにも貼っておきたいと思います。

長いので興味ある方だけどうぞ笑


エレウシスはギリシャの都市の名前です。

そこで紀元前15世紀ごろから行われていたとされる宗教的儀式がありまして「エレウシスの秘儀」とか「エレウシスの密儀」などと文献には残っているのですが、何しろ秘儀なので詳しいことはよくわかっていません。

暗闇をさまよい、あらゆる恐怖を感じたのち突然光に満たされ清らかな土地を発見するとかなんかそんな感じなのですが、この儀式についての、古東哲明という人の解釈が非常に面白いです。

この儀式については、一応擬死体験を経て死後の世界を知り、死に対する恐怖を拭うというような側面も見えなくはないのですが、それだけのものではないと古東氏は言います。

プラトンもこの秘儀で奥義を授かったらしいのです。一般に彼の哲学って、地上の空しさを説いて、永遠の彼岸を願うようなどうしようもない二世界論として描かれるんですが、どうもこの秘儀の中身を通しながら彼の哲学を見てみると、そうとも言えないようです。

しかし考えてもみられたい。地上世界のくだらなさを説明するために、あんなに膨大で情熱的な思想を語ることができるだろうか。ー中略ー肉体が墓場だというなら、とっとと死ねばよいからだ。だがそんなことを、プラトンは毛頭考えなかった。ー中略ーそれは、必要なまでの地上王国へのこだわり以外のなにものでもない。

《現代思想としてのギリシャ哲学》古東哲明

エレウシスの秘儀によって擬死体験をした者たちは、実際そこで死ぬことなく、また生の世界へ帰ってくる。つまりそこで行われていて、プラトンが語ろうとしていたのは、こちら側(此岸)からあちら側(彼岸)を夢見ることではなく、あちら側(死)からこちら側(生)を見つめなおすという営みだったということです。


齋藤史が、

“死の側より照明(て)らせばことにかがやきてひたくれなゐの生ならずやも”

と歌ったそのままのことを実体験させるところに、エレウシスの秘儀の目的はあるのです。

死病の床で明石海人が

薔薇が咲き 日が差し それが見えてゐる こんなことさへ ただごとなのか

と歌ったこの世この生のどうしようもない輝きのことを言っているのです。

プラトンの

〈死の道〉が同時に〈愛の道〉にほかならぬからである

という言葉も、以上のことからふまえて捉えると、なんの皮肉もケレン味もない簡素な実体験として腑に落ちるところがあると思います。

で、これってそのまま私芸術のことを言ってると感じるんですね。

生きてるうちは生きてることを忘れてる。生きながらにして生きてることを思い出させてくれるのが芸術なのだと私は思っているのですが、つまりこれはエレウシスの秘儀と同じことですよね。

というわけで、そういう演奏を目指す団体ということで、合唱団エレウシスと名付けたというわけでした。

長文読了ありがとうございました笑


団員は引き続き募集しております。

現在、
S 5名
A 4名
T 3名
B 5名

ですが、目標は各パート10人の合計40名!

40人いればマタイができる・・・。

マタイ、歌いたいでしょう?(何年先になるかわかりませんが)

練習時間ですが、やはりお仕事されている方が18:30に瑞江に来るのは厳しいということで、15分繰り下げて、18:45-21:15とすることにしました。

見学だけでも、お気軽にどうぞ!

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Salicus Kammerchor

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演奏会情報

次回演奏会は

12月19日のEnsemble Salicus第2回演奏会です!

https://www.salicuskammerchor.com/concert

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CD・DVD発売中!

第3回定期演奏会のライブDVD

をウェブ販売開始しました!

http://www.salicuskammerchor.com/goods

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サリクス通信

サリクスの最新情報や、ここでしか読めない特集記事を配信しています。

http://www.salicuskammerchor.com/mail-magazine-1

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合唱団フォンス・フローリス第12回コンセール・スピリチュエル|終演

合唱団フォンス・フローリス第12回コンセール・スピリチュエル|終演

一昨日、合唱団フォンス・フローリスの公演が終演いたしました。

ご来場くださいました皆様誠にありがとうございました。

私が学部1年生の頃にエキストラで乗せていただいてからもう10年経つんですねえ。

ほんとに年々良くなってきていて、毎年「ここ10年で最高と言われた昨年を上回る出来」を更新してる感じです。

メンバーも少しずつ変わっていくし、これを継続していくのは言うほど簡単ではないです。

皆さんの努力の賜物です。素晴らしい。

ほんと、もう来年辺り私とか西久保さんとかエキストラに入らなくても大丈夫なんじゃないかな。

それくらい今回良かったと思います。

基本的にエキストラは入らないに越したことはないと思うし、エキストラを入れるのは指導者の負けくらいに内心思っているので、ほんとに嬉しいことです。(僕たちの仕事は減りますが笑)

そして共演したコントラポントの皆様も素晴らしく、定期公演の復活を心待ちにしております。

せっかく素晴らしいメンバーが集っているので、定期的に演奏する機会を設けて、より成熟したアンサンブルになったらいいなあと思っております。


倍音唱法&倍音合唱!を聴く・知る・やってみる!体験会

そして昨日はコエダイr.合唱団の倍音体験イベントでした。

受講生の皆さんと団員とが混ざって、ホーメイやテノーレスを体験するというものだったのですが、柳嶋さんが参加されてたり、ノイズボイスカラオケのかれんさんが来てたりして、個人的になかなかアツかったです。

喉詰めもカルグラももっとうまくなりたいです。

ところで私たちがずっと喉詰め発声と言ってきたのは学術的には「喉絞発声」というそうで、今までの私の理解がぶっ飛びました。

しかもですよ、この喉歌に使われているとされている喉絞発声は仮声帯が声帯と同じ周期で振動していると言うじゃあありませんか。

完全に今までの私の理解が覆されました。

仮声帯が声帯と同じ周期で振動する、だと?!?!?!

ちょっと何言ってるかわからない。©富澤

ホーメイの時に仮声帯は接近しているけど振動している感覚は全く無いので、ひょっとして私がホーメイだと思ってやってたのはホーメイではないのかもしれない。

そのくらいのことですが、しかし音を聞いて、仮声帯が振動しているとはどうしても思えないんですよね。

いつも紹介しているこちらの動画、冒頭がホーメイですが、これ仮声帯振動してるって言われても私ちょっと信じられないです。うーむ。

とりあえず国会図書館に行けば論文が読めるらしいので行ってきます。


合唱団エレウシス|始動

さて、先月末から本番が続いておりましたが、ようやく一段落しました。

今月末からエレウシスが始まりますので、その準備を着々と進めてまいりたいと思います。

まだまだ団員引き続き募集しておりますので、よろしければ見学だけでもどうぞ。

【練習予定】18:30-21:00
7/31(水)東部フレンドホール 集会室第1
8/7(水)東部フレンドホール 集会室第2
8/14(水)※お休み
8/21(水)東部フレンドホール 集会室第2
8/28(水)アカデミー音羽 多目的ホール
9/4(水)東部フレンドホール 集会室第1
9/11(水)東部フレンドホール 集会室第1
9/18(水)東部フレンドホール 集会室第1
9/25(水)東部フレンドホール 集会室第1
東部フレンドホール
アカデミー音羽

クラウドファンディングで261万円集めた事例【表現者・トレーナーのためのビジネス事例研究会】

それから来週末には徳久さんの講座で、サリクスの運営についてお話します。
借金20万円からスタートして、ようやく軌道に乗ってきた感のあるサリクスですが、演奏面だけでなく、運営面でとても苦労しました。
その分野の勉強も沢山して、沢山工夫を凝らして運営してきました。

団体運営に興味のある方はぜひお越しください。
かなり面白いと思います。

https://www.facebook.com/events/304455123778542/

Salicus Kammerchor2019−20年シーズンサポート会員募集開始!

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サリクスの運営でかなり鍵を握っているのが、毎年9月末を締め切りにしているサポート会員の募集です。

サリクスの活動は、このサポート会員制度によって成り立っています。
まさにサリクスの命運を分ける季節!毎年ハラハラです。

早めにお申し込みいただけるととっても私の心の健康にとってもいいので、ぜひよろしくお願いいたします。

来年からサリクスは4年計画で定期公演でシュッツに取り組みます。
そして2022年はシュッツ没後350周年ということで、盛り上げていきたいと思っております。

これまでがJ. S. バッハで、これからシュッツなので、集客面でかなり心配しております。やっぱりバッハ強いですからね〜。

シュッツもバッハに勝るとも劣らない魅力を持った作曲家であるということをお伝えできるような演奏をしていけたらと思っておりますので応援どうぞよろしくお願いいたします。

詳細はこちら→https://www.salicuskammerchor.com/support

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Salicus Kammerchor

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演奏会情報

次回演奏会は

12月19日のEnsemble Salicus第2回演奏会です!

https://www.salicuskammerchor.com/concert

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CD・DVD発売中!

第3回定期演奏会のライブDVD

をウェブ販売開始しました!

http://www.salicuskammerchor.com/goods

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サリクス通信

サリクスの最新情報や、ここでしか読めない特集記事を配信しています。

http://www.salicuskammerchor.com/mail-magazine-1

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